「めぐみん!お前はまたお礼参りをしやがったな!毎度謝りにいく俺の身になりやがれ!」
「それは出来ない相談ですね。紅魔族は売られた喧嘩は買う種族なのです!」
「お前はいちゃもん付けてただけだろうが!!」
「私は背の低い事を馬鹿にされた事に対して怒っただけです!何も悪くないですよ!」
私はめぐみん。紅魔族随一のアークウィザードになる為に爆裂魔法を極める為にそして私の魔法をあのお姉さんに見て貰う為に紅魔の里からこのアクセルの街へとやって来ていた。
「兎に角!しばらくは爆裂散歩は無しだ!!反省してろ!!」
「それだけは、それだけは許して下さい!!紅魔族は1日に一度爆裂魔法を放たなければ死んでしまう種族なのです!」
「そんなデタラメ通用する訳ないだろ!!ダクネスとアクアにも良く言って置くから俺の代わりに連れて行って貰おうとしても無駄だからな!!まぁ、ドレインタッチであらかじめ魔力を吸い取っておくから打とうとしても無駄だけどな」
なんと酷いことを!!カズマはそれが私にとってどれだけ残酷なことなのかわかってません!!
「どうしてですか!私は只、爆裂魔法を極めたいだけなんですよ?どうしてそれを分かってくれないのですか!!」
「それを分かって欲しければ辺り構わず魔法を放つのは辞めろや!!ついでにその直ぐに喧嘩にはしる癖もなんとかしろ!!話はそれからなんだよ!!」
カズマはそう怒鳴り返すと私の頭を掴むとギリギリと握りしめて行く
「い、痛いです!離して下さい!あ、あたまが割れてしまいます!!」
そう言っていると私は自分の魔力が吸われていることに気づいた。
「こ、これはド、ドレインタッチ!?お願いですから今すぐドレインタッチを解除して下さい!や、やめ、ヤメロー!!」
そして魔力を吸い取られた私は力なくその場に座り込む。カズマはそんな私を見下した様子で
「これに懲りたらもう二度周りに迷惑をかけるのは辞めろ!また同じことをしたら、もっと酷いお仕置きをしてやるからな!!」
カズマが怒鳴りながらそう言っていると近くにいたアクアが引き気味でカズマに近づき
「カズマさん。何だか私にはカズマさんが幼気な少女に外道なことをしようとしているようにしか見えないんですけど…」
「カズマ!!そのもっと酷いお仕置きに関し詳しく教えてくれないか!!」
「お前ら…特にダクネスは自重しろや!!アクアも誤解を招く言い方はやめろ!!周りもそんなゴミクズを見るような目でみてるんじゃねぇぇ!!」
カズマは周りの冒険者や職員達のゴミクズを見るような目に耐え切れずに周りにそう怒鳴り返していた。
その後、私は警察へと連れて行かれると冒険者にお礼まわりをしたことに対するお説教をたっぷりと受けた上に今までの爆裂魔法の被害や冒険者ギルドに来ていたクレームに対する説教もたっぷりと受けることとなり警察から解放される頃にはすっかりと夜も更けており私は文句をブツクサと言いながら屋敷へと帰っていた。
「全く…カズマも警察の連中も分かっていません!我が爆裂魔法の素晴らしさも!紅魔族は舐めたられたら終わりなのですよ!!」
『この世界の桐生戦兎は随分と変わり者のようだな』
その声に私が前をみると赤と青の歯車が合体した魔物にも騎士にもみえる謎の人物が其処にたっていた。
「あ、貴方は何者ですか!?わ、私に手を出そうならばアクセル一の鬼畜男が黙ってはいませんし我が爆裂魔法で無に還ることになりますよ!!」
実際のところはカズマに魔力を吸い取らているので爆裂魔法を放つことは出来ない。しかしブラフとしては充分に通用する筈だ、それにこの街に住んでいるならば私の爆裂魔法やカズマの恐ろしさをよく分かっている筈…しかし
『ブラフならばもう少し上手く貼るのだな…貴様が爆裂魔法を放つことが出来ないのは承知している。それにこの世界の佐藤和真など私の敵ではない』
この世界の?一体何を何を言っているのだろう?そしてその人物は私の首を掴んで持ち上げる。
『この世界の貴様には恨みはないが別の世界の貴様には恨みがあるのでな。悪いが我が計画に利用させて貰うぞ!!』
「さっきから貴方が言っているこの世界のカズマだとか別の世界の私とか何を言っているのか分かりませんよ!」
しかしその謎の人物は私の言葉を無視すると空中に手をかざすことで謎のゲートを出現させると私をその中へと放り込んだ
「ウワァァァァ!!」
私は悲鳴をあげながら自分の意識が遠のいて行くのを感じていた
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私が気がつくといつのまにアクセル近くの草原に倒れていた
「ここは確かアクセルの近くの…アレは夢だったのでしょうか?」
でも、夢にしては随分とリアルだったような気が…だが、これ以上考えても仕方ないと思い直すと私はアクセルの街へと戻って行く。
そして私達が住んでいる屋敷に帰ってくると屋敷の扉を開けようとするが扉が開かない、どうやら誰も居ないようだ。
「可笑しいですね、何時もならばアクアかカズマが居るはずなのですが…」
つい最近大金を手に入れたカズマが自分からクエストに出るとは思えない、だとしたら朝からギルドで飲んでいるのだろうと考えた私はギルドへと向かう
「何だか何時ものアクセルと何処か違う気がしますね…この違和感は何でしょうか?」
歩いている間私は街の至る所から違和感を感じていた。それだけではない、街の住人達がやたらと親身に話掛けてくるのだ。
「おっす!めぐみんちゃん。今日は変わった服装をしているね?何時もの服装も良いけどその服装も似合っているよ」
「めぐみんさん。今日の夕方、家に来てくれないかしら?家の前の街灯の調子が悪くて…」
一体何を言っているのだろう?私は何時もの服装をしているだけだしそれに街灯のメンテナンスなんてやったことはない。
その時、私は街から感じていた違和感に漸く気づいた。街の設備が見たことの無い物に変わっているのだ。それだけではない、街中の屋台で売っている物も見たことがない物ばかりだ。私は酷く頭を混乱させながらもギルドに到着するとギルドの扉を開いた
「おはようごさいますめぐみんさん。本日は設備の点検の方を宜しくお願い致しますね」
…ルナさんも訳の分からないことを言っています。私はため息を吐くと
「一体何の話です?そんなものは受けた覚えはありませんよ?」
しかしルナさんは私の言葉にクスリと笑うと
「冗談はやめて下さいよ、昨日頼んだじゃありませんか。今日のめぐみんさんは何か様子が可笑しいですよ?服装も可笑しいですし」
「おい、私の服装に関して文句があるなら聞こうじゃないか!」
「痛い!痛い!痛いです!めぐみんさん、やめて下さい!!」
私がルナさんに掴みかかっていると周りの冒険者や職員達が私を信じられないという表情で見つめていた。
「ちょ、ちょっとめぐみん!ルナさんに何をしてるのよ!!」
私とルナさんの様子を見ていたのかゆんゆんが人混みの中から飛び出してくると私を羽交い締めにしてルナさんから引き離した。
「めぐみん!一体どうしたのよ!!貴女は他の紅魔族と違って可笑しいことをする子じゃないでしょう!?」
「いつから貴女はそんなそんな生意気な口を聞けるようになってのです?私がいなければ誰にも相手にされないぼっちが」
「ぼっ、ぼっち?めぐみんが居なかったら誰にも相手にされないって…そ、そんなこと無いわよ!!貴女は誰なの?私の知ってるめぐみんはそんなこと言わないんだからぁぁぁ!!」
私にぼっちと言われたことが余程ショックなのか大粒の涙を流しながら私に掴みかかってくる
「まさかのガチ泣きですか!?ちょ、ちょっと待って下さい、本気で泣かれると困るのですが!」
ゆんゆんに掴み掛かられた私が混乱していると頭部に強い衝撃を感じ、後ろを振り返るといつの間かやって来ていたカズマ達が其処にいた。どうやら私はカズマに拳骨を受けたようだ。
「オイ!言い過ぎだぞ!!一体どうしたんだよめぐみん!!今日のお前はおかしいそう!!」
カズマが泣いているゆんゆんを慰めながらそう口にする。ゆんゆんが私の言葉で泣くことなんて何時ものことなのに何を言っているのだろう?
「何があったのかは知らないが親友にそんなことを言うのは感心出来ないな。めぐみん、ゆんゆんに謝れ」
「ど、どうしちゃったのよ、めぐみん?なんていうか何時もの優しい貴女じゃない見たいよ?」
「アクア。それは普段の私が優しくないように聞こえますが?」
駄目だ。カズマやゆんゆんだけじゃない。アクアやダクネスの様子まで変だ
「一体どうしたのですか!?ダクネスもゆんゆんも可笑しいですよ?何時ものやり取りでは無いですか!」
本当に今日のカズマ達は可笑しい。なんていうか…私の知っている彼らとは別人みたいだ。
「ゆんゆん。気にすんなよ、きっとめぐみんは調子が悪いだけなんだよ思うよ」
カズマはゆんゆんの肩を叩きながら慰めるようにそう言っているとゆんゆんはハッと何かを思い出した様子で口を開く
「思い出したわ、このめぐみん…頭を打つ前の性格にそっくりなのよ」
「頭を打つ前のめぐみんみたいだと?だということは頭を打つ前はこんな頭のおかしい奴だったってことか?」
「おい、誰が頭のおかしい奴なのか聞こうじゃないか?答えによっては我が爆裂魔法によって吹き飛ぶ事になる」
私が目を紅く輝かしながらそう言っているとカズマが小さな袋らしき物を取り出すとそれを見せてくる。
「めぐみん。こいつに見覚えがないか?」
「何ですかこれは?見覚えがないですね。魔力を感じますがウィズのところで買ったマジックアイテムですか?」
私はカズマからその小さな袋を受け取ると手に取ってそれを眺める。そのアイテムは今までにない不思議な感触をしていた、こんなマジックアイテムは見たことがない。
「この様子…嘘をついている訳じゃなさそうだな」
「じゃあ、このめぐみんは私達が知っているめぐみんとは別人ってことなの?」
カズマとゆんゆんが何を言っているのか分からない。…そう言えば、昨日私を襲って来た謎の男が似たようなことを言っていたような?
そう考えながら私が首を傾げているとカズマが何か信じられないような、そして納得したような表情を浮かべると私に話しかけてくる
「めぐみん。これから言うことはお前にとって信じられない物かもしれないが恐らく事実だ。驚かずに聞いて欲しい」
カズマはそう言った後一息つくと
「恐らく…この世界はお前が知っている世界とは別の世界だ。お前が今持っているのはスクラッシュゼリー、この世界のお前が作ったアイテムだ。そして俺とゆんゆんはお前が作った装備で戦っている、仮面ライダーとしてな」
「それだけじゃないの。この世界のめぐみんはその…魔力を持っていないのよ。昔の事故が原因でね…」
「わ、私が魔力を!?そ、それではこの世界の私とやらは爆裂魔法を使えないのですか?信じられません!!」
ゆんゆんが言っていることが信じられない。私が魔力を使えないなんて…それどころか爆裂魔法も習得していないとは本当に私なのだろうか?
「確かにこの世界のめぐみんは魔力を使えなかったが、それでも自分の信じる物の為に絶対に譲れない物を持っていたぞ」
そう言っているダクネスの表情は尊敬して言っている物だった。…この世界の私は爆裂道を歩んでは居ないがこの私と同じように素晴らしい仲間達に恵まれているようだ。
「くかー」
そんな良い雰囲気の中アクアはよだれをたらしながら居眠りをしていました
「人が真面目な話をしてる時に居眠りなんかしてるんじゃねぇ!!」
「あいた!?」
カズマはツカツカと居眠りしているアクアに近づくとアクアの頭に拳骨を落とした。目が覚めたアクアは涙目で頭を抑えながら
「し、仕方ないじゃない!難し過ぎて話が分からなかったんだから!謝って!私に難しい話をしたことを謝ってよ!!」
「お前は何言ってんだよ!!」
そう言ってアクアに更に拳骨をするカズマ。…アクアはこの世界でも変わらないらしい。その事実にほんの少しだけ安堵したなのは内緒だ。
その後のカズマ達の話によると私が魔力を使えずに爆裂魔法も覚えていなく、天才物理学者で仮面ライダーといった大きな違いもあれば、この街における拠点が違う、背負っている借金の額が少ないといった細かな違いもあるがそれ以外はおおよそ同じらしかった。
「そう言えば、私はまだその仮面ライダーというのを見たことはないのですが仮面ライダーとは一体何なんですか?」
「まだ説明していなかったな。仮面ライダーってのは…」
その時、ギルドにボロボロな装備をした冒険者達が飛び込んで来た。
「た、大変だ!か、怪人が街に現れたんだ!仮面ライダーの助けが必要なんだ!!カズマ、ゆんゆん!お前達の力を貸してくれ!!」
カズマとゆんゆんが冒険者の言葉を聞くと真面目な表情に変わった。ふたりこの表情は元の世界では見たことがない。そしてふたりはお互いに頷き合うとギルドの外へと飛び出して行った。
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