この素晴らしい天才物理学者に祝福を!!   作:血の一族

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この素晴らしい運命の再会に祝福を!!

あの裁判から数日後…俺はアクセルにある図書館にてとあることを調べていた。

 

 

「こんなにも判決理由が曖昧な裁判が沢山あったなんて…流石に不自然だ」

 

 

俺の机の上には沢山の資料が散乱している。その資料の全てがアルターブが関わっている裁判や事件についてのものばかりだ

 

 

「あの野郎…今まで好き勝手にやっていたようだな。読んでいるだけでも気分が悪くなる」

 

 

其処にはアルターブが関わっていたと思われている不正や裁判に関する資料以外にも自分の権力を盾にし自分の好みの女性を懐柔したことや気に喰わない貴族を謂れのない容疑を掛けて処分を下しているという気分が悪くなる事実が記されている

 

 

「流石のアルターブもここまでの権力を持ってはいない筈だ。そうなるとやはり…」

 

 

俺はそう言うと一際分厚さが目立つ本を手にするとその本を開く

 

 

「俺の予想が当たっているならば必ず何処にある筈だ。俺の推理を裏付けてくれる答えが…」

 

 

俺がいる世界は女神や魔王軍に果てまではアンデットのリッチーが存在している世界だ。だと、するならば…

 

 

「あった!やはりこの世界には存在しているのか…真実を捻じ曲げることの出来る存在が…」

 

 

俺は別に悪魔の存在を信じていなかったわけではない。この街に来る前にアーネスとそしてこの街に来た後にホーストという2体の悪魔と戦いそして勝利したのだ、今更悪魔の存在を疑う必要がないのはわかっていた。俺が疑っていたのはそれ程の強い力を持つ存在は本当にいるか、その一点についてだった。

 

 

「古来から歴史の裏で悪魔と呼ばれる存在と契約を交わし権力を手に入れて来た者達が居たのか…本当に今更だがこの世界は何でもアリなんだな」

 

 

その書籍には古来からこの世界に存在しそして欲深い人間を上手く誑し込み契約を迫る悪魔と悪魔と交わす契約について詳しく説明されていた。

 

 

悪魔が交わす契約は公平でありそして絶対である。契約を交わした者は望んだ通りの富や栄光を手にすることが出来るがその対価を契約者は悪魔に支払なければならない。対価は悪魔によっては違う、例えば地獄の公爵にして、通称『見通す悪魔』と呼ばれている『バニル』という悪魔は人間の放つ悪感情を契約の対価としているらしい。

 

そしてそのバニルと同じ地獄の公爵『マクスウェル』…恐らくこいつの存在こそが俺の探していた疑問の答えなのだろう。

その書物には簡単ではあるがマクスウェルについて説明されていた。

マクスウェル…地獄の公爵と呼ばれている最上級の悪魔であり人々からは『真実を捻じ曲げる者』『辻褄合わせのマクスウェル』と古くから恐れている大悪魔と記されていた

 

 

「マクスウェル…アルターブの背後にいるのはコイツなのか?この悪魔の能力ならば俺が感じていた疑問の答えが出るが…それでも疑問はいくつか残るぞ?」

 

 

その書籍にはマクスウェルは最上級の悪魔と記されている。そんな悪魔が何故アルターブ如きに使徒されているんだ?悪いがあんな男に最上級悪魔を使徒出来る器だとは思えない。

そもそも悪魔の契約には対価が必要と記されていた筈…アルターブはその対価をどうやって払っているんだ?最上級の悪魔となればその対価もすざましい筈だ。まさか…アルターブは別の人間に支払せているのか?そんな最悪な想像をした時に背後から俺を呼ぶ声が聞こえ後ろ振り向くと其処にはアクアとカズマそしてセナがいた

 

 

**********************

 

 

その後、俺達はとある事情により町外れにいた。先日降った雪によりこの辺りは雪原となっており、思わず雪合戦かかまくらを作りたくなる…カエルさえいなければ

 

 

 

「こんな寒い時期にカエルが出るなんて…この世界の生き物は逞し過ぎませんか?」

 

 

「何でも先日の裁判の時の戦いの余波で冬眠中だったカエルが目を覚ましてしまい近くの農家に迷惑をかけてしまっているから早く討伐して欲しいんだと」

 

 

俺とカズマがそう他人事のように話していると

 

 

「あの…あの人を放っていて良いのですか?」

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!カエルはもう嫌なの助けてぇぇぇぇ!!」

 

 

セナが指さした先には目から涙をポロポロと流しながら必死な表情でカエルから逃げているアクアがいた。

 

 

「カズマさん!めぐみん!早く仮面ライダーになって私を助けてぇぇぇぇ!」

 

 

「済ませんがライダーシステムは今調整中なんです。けど、直ぐに助けるから安心して下さい!!」

 

 

そう言うと俺はカイゾクハッシャーを構えるとアクアの背後にいるカエルの額を正確に撃ち抜いた。その時に攻撃がアクアの髪にほんの少し掠っていた

 

 

「ちょっと!貴女の攻撃が私のチャームポイントを掠めたんだけど!!もしものことがあったらどうし…ぺぎゅ!」

 

 

アクアは奇声を上げるとそれっきり声を上げることはなかった。

 

何故ならばアクアはまだ生きていたカエルに頭からぱっくりと食べれ今にも飲み込まれそうになっていたからだ。

 

 

「「アクアァァァァァァァァ!!!!」」

 

 

俺とカズマはそう叫ぶと俺達は武器を構えジァイアント・トードに走って行く

 

 

「エッグ…ひっく…」

 

 

アクアはカエルの死体の側でヌメネメ塗れで泣いており人によっては同情を禁じ得ない光景であった

 

 

「えっと…貴女達は何時もこんな感じなのですか?」

 

 

「いえ、何時もはめぐみんのおかげでさほど苦労せずにクエストをこなしてるんですが…」

 

 

カズマは肩を落とした様子でそう言っていると背後からズシンという音が3つ程聞こえ後ろを振り返ると…

 

 

「に、逃げろぉぉぉぉ!!」

 

 

カズマの言葉に俺達はアクセルの入口に向かって走り出す。流石にライダーシステム無しで3匹のジァイアント・トードに立ち向かうのは無理な為なので必死に走る

 

 

「カ、カズマさん!ここは誰かが囮になって皆を逃した方が良いと思うの!」

 

 

「そうか、なら囮は頼んだぜ!」

 

 

「ちょっと!其処はカズマさんが囮になる場面でしょ!!」

 

 

「ふざけんな!俺が喰われたらめぐみんがひとりで喰われた奴の救出をしなきゃいけなくなるんだぞ!!それにお前は既に一度食べられてるんだから二回も三回も対して変わらんだろ!!」

 

 

「もうカエルに食べられるのはいやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「オイ!今はコントしてる場合じゃ…うわぁぁぁぁ!!」

 

 

俺がふたりにそう突っ込んた瞬間ジャイアント・トードの長い舌に囚われ俺はジャイアント・トードに捕食された

 

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!ぬ、ヌメヌメがぁぁぁぁぁぁ!!喰われるぅぅぅぅ!!」

 

 

「め、めぐみんんんんん!!」

 

 

「チャンスよ!カズマさん。今の内にカエルを」

 

 

その言葉を最後までアクアは話すことは出来なかった。何故ならば…

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

アクアもジャイアント・トードの長い舌に囚われ再び捕食されたからだ。そして最後のジャイアント・トードがカズマとセナさんを捕食しようと近づいて行く

 

 

「ち、ちきしょう!こうなったらやるしかねぇ!ジャイアント・トードの奴どうせならめぐみんじゃなくセナさんを捕食してくれよ!そうすればまだ何とかやりようがあったのによ!」

 

 

「カズマさん!?私も食べられるのは嫌なのですか!?」

 

 

セナのツッコミを無視したカズマがショートソードをやけくそ気味に最後のジャイアント・トードに向かって構えていると

 

 

『ルーン・オブ・セイバー!!』

 

 

何処から青い斬撃が飛んでくるとめぐみんを捕食していたジャイアント・トードが真っ二つに切り裂かれた

 

 

「「へっ………??」」

 

 

目の前で起きたことにポカンとするセナとカズマだが攻撃を放った青年は素早く残り2匹のジャイアント・トードに向かって行くとその青年はにしていた武器…ビートクローザーを放り投げ、ジャイアント・トードに打撃攻撃を仕掛ける

 

 

「駄目です!ジャイアント・トードには打撃攻撃は…」

 

 

セナの言葉は途中で止まる。カズマも目の前に突然現れた人物に驚いているのか口をパクパクとさせているだけだ。

 

 

「オラァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

その青年の拳に青い炎が宿るとジャイアント・トードに強烈な打撃が決まる。そしてジャイアント・トードは気持ち悪そうな表情でアクアを吐き出す。其れを見た青年は素早く投げ捨てたビートクローザーを拾うとそれでジャイアント・トードの胴体を切り裂いた後残り一匹のジャイアント・トードの伸ばしてきた舌の下を地を滑るように避けジャイアント・トードと間合いを詰めると

 

 

「パワースラッシュ!!」

 

 

ジャイアント・トードを真横に切り裂いた

 

 

「ふぅ……お前ら大丈夫か?それと…めぐみんって奴はどいつだ?」

 

 

其処に居たのは…かつて旧世界において桐生戦兎と共に戦った…あの人だった

 

 

*********************

 

 

めぐみん達がセナの依頼によりジャイアント・トードの討伐に向かっていた時に私はダストさん達と一時的にパーティーを組んでクエストを受けておりそのクエストが終わったのでアクセルのギルドへと帰って来ると

 

 

「この街の仮面ライダーに会わせてくれって言ってるだけだろ?それの何処が駄目なんだよ?」

 

 

何やら困った表情をしているルナさんの前には変わった服装を来た男の人が何やら話し込んでいるのが見えた

まぁ、カズマさんも初めて会った時にはじゃーじと呼ばれる物を着ていたので青年に対してさほど違和感は感じてはいなかった

 

 

「もしわけありませんがちゃんとした理由を提示しない限り仮面ライダーについての情報は一般冒険者に開示出来なくなっているんです」

 

 

つい先日に起きた異世界を巻き込んだ事件と裁判での戦い以降アクセルを始めとするギルド連合が仮面ライダーに対する情報規制が行われることになり一部の冒険者以外には情報を開示しないこととなったのだ。

そしてその男の人は私達の視線に気づくと人懐っこい笑みを見せながら私達に近づいてくる

 

 

「お前達はこの街の冒険者なんだろ?良かったら仮面ライダーについて教えてくれよ」

 

 

「オイオイ、仮面ライダーはこの街の英雄なんだぜ?何処の馬の骨か分からない奴に教えるわけねぇだろ?」

 

 

「そもそも自分の素性を教えない奴なんか信用できるわけないでしょ?」

 

 

ダストさんとリーンさんの最もな言い分を聞いたその男の人はそりゃそうだと頷くと

 

 

「俺は万丈龍我。一応ソードマスターをやってるが武器を使うよりも拳で戦う方が得意だ。宜しく」

 

 

バンジョウと名乗る男の人はそう言っていた。しかしソードマスターなのに剣で戦うよりも拳で戦うのが得意なんて…何を言っているのだろうかこの人は?

そんな私達の残念な物を見ている目線に気付かずにそのバンジョウと名乗った男の人は

 

 

「話を聞いてるから知ってると思うが、俺がこの街に来たのはこの街にいるという『仮面ライダー』に会いに来たんだ」

 

 

「仮面ライダーに?…よろしければ理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

 

「ドリスの街のギルドで魔王軍幹部ベル…なんとかの討伐と起動なんやらの破壊に貢献したと話を聞いたんだよ」

 

 

…魔王軍幹部ベルディアと起動要塞デストロイヤーの討伐の件は他の街やベルゼルグ王国にまで広がっているのでこの人が知っていたとしても不思議じゃない

 

 

 

「俺は其奴らに絶対に会わなきゃいけねぇ。何故仮面ライダーの力を持っているのかどうしてその名前を名乗っているのが問いただせなきゃいけねぇ…その為にトリスからやって来たんだ」

 

 

「バンジョウって言ったけ?あんた、随分と仮面ライダーって名前にこだわってるようだな?」

 

 

「当たり前だ!仮面ライダーは…あいつとふたりで作り上げて来たものなんだよ!!何処の馬の骨か分からない奴が軽々しく名乗って良いもんじゃねぇ!ましてやあいつらと同じ名前を名乗るなんて…もし、生半可な考えで仮面ライダーを名乗っているなら…俺は其奴らを絶対に許さねぇ」

 

 

バンジョウさんはとても真剣な表情でそう言っていた。まるで仮面ライダーという称号がとても大切な物だと思っているように…

 

 

…待ってバンジョウって確か…めぐみんが前にボソっと言っていた名前?

 

 

「あの…間違っていたら申し訳ないですけど…これに見覚えってありませんか?」

 

 

そう言って私はビートクローザーとドラゴンフルボトルをバンジョウさんに見せる

 

 

「これは俺のフルボトルとビートクローザーじゃねぇか!どうして其れをお前が持ってんだ!答えろよ!!」

 

 

 

驚いたバンジョウさんが詰め寄って来るがダストさんやテイラーさんが咄嗟に間に立つことで私を守ってくれる

 

 

「これを作ったのは私の友達のめぐみんって子なの、それだけじゃないわ。この街にある設備は全部めぐみんが作った物なのよ」

 

 

「こいつをお前の友達が作った?…嘘ついてんじゃねぇぞ!こいつを作れるのは…アイツしか居ねえんだよ…あのナルシストで自意識過剰なあいつにしか…これを作れねぇんだよ!!」

 

 

バンジョウさんの言葉がギルド中に響く、その言葉には迂闊には言い返すことの出来ない何かがあった

 

 

「お前さんにも何か事情があったのは分かったぜ。でも、ゆんゆんが持っている装備を作ったのは間違いなくめぐみんなんだよ」

 

 

「それにめぐみんも自分のことを天才物理学者って言ってるわよ?仮面ライダーという名前を誇りに思っているところも全く同じよ?」

 

 

ダストさん達の言葉に同意するようにギルドにいた冒険者達も声を上げていく。其れを見ていた万丈さんも段々と周りの言っていることが真実であることに気づき始めたようだ。

 

 

「あんたらの言うことが本当なら自分で自分のことを天才物理学者なんていうところも仮面ライダーに対する考えも彼奴にソックリだ…もしかしてマジなのか?なぁ、そのめぐみんってのは何処にいるんだ?」

 

 

「それぐらいならば教えられますが…今はパーティーメンバーと一緒にアクセルの近くでジャイアント・トードの討伐クエストをしていますよ」

 

 

バンジョウさんはルナさんの言葉を最後まで聞くことなくギルドの外へと飛び出しいく…私のフルボトルとビートクローザーを持って

 

 

「私のフルボトルとビートクローザー!!」

 

 

「もしかしたら彼奴は俺の大切な相棒かもしれねぇんだよ!悪いがコレも借りて行くぜ!!」

 

 

そう言ってギルドを飛び出して行くバンジョウさんに私達は呆気に取られていた。

 

 

********************

 

 

カエルの体内から放り出された俺は自分の目を疑っていた

 

 

そんな馬鹿なことがある筈がない…あいつが『この世界』にいる筈が…でも、エボルトもこの世界に居たのだからばあいつが…万丈がいても可笑しくはない…!!

 

 

「嘘だろ…あの人は…万丈龍我さん!?まさか、この人までこの世界にやって来ていたのか!」

 

 

カズマが驚いているとセナさんの表情が先程とは違い凛とした物になるとバンジョウに近づき

 

 

「助けて下さりありがとうございます。まさか、貴方がトリスではなくこんな辺境の街にいるとは思いませんでしたよ…『プロテインの貴公子』バンジョウリュウガさん」

 

 

「「「…はぁ???」」」

 

 

 

バンジョウの通り名にそんな反応した俺達は悪くないだろう

 

 

 

その後、俺がカエルのヌメヌメを払っているとバンジョウが話しかけてくる

 

 

「もしかして…お前がめぐみんか?」

 

 

「はい、私がそのめぐみんです。貴方の聞きたいことは分かります、少し離れて話しませんか?」

 

 

俺がそう言ってカズマに目線を向けるとカズマは俺の意図を理解してくれたのかそれとなくセナさんの気をそらしてくれた(アクアはヌメヌメ塗れで泣いている為に放置した)

そしてカズマ達から充分に距離を取ると俺はめぐみんとしての仮面を外し桐生戦兎としてバンジョウに話し掛ける

 

 

「まさかお前もこの世界に居たとは思わなかったよ…万丈」

 

 

俺の言葉にバンジョウは信じられないと思う表情になると

 

 

「マジかよ!本当に…戦兎なのかよ!!お前…無事だったんだな!!」

 

 

「無事って言うには微妙なんだけどな…それと他の冒険者や仲間達がいる前では俺のことはめぐみんって呼んでくれ、この世界での俺はめぐみんという人間だからだ」

 

 

「よく分からねぇけど…とりあえずはアイツらの前ではめぐみんって呼べばいいのか?」

 

 

「基本的にはそれで頼む。でも、あそこにいる高校生ぐらいの歳をした男…カズマとヌメヌメ塗れで泣いてるいるアクアって奴は俺の正体は知っているからあいつらしか居ない場合は前のように戦兎呼びで頼む」

 

 

「そいつはわかったけどよ、どうしてお前だけ別の人間になってんだ?俺は元の姿のままなのによ?」

 

 

「詳しくはわからないが…恐らく新世界が創生された時の状況の違いじゃないか?お前はエボルトの体内に吸収されてたから運良くそのままの姿で放り出されだけかも知れないな」

 

 

他に推理をする要素がない以上はそう考えるしかない…だか、その答えは魔王軍と戦っていく内に明らかになるような気がしている。エボルトがこの世界に存在している理由も…確かな根拠はないが何となくそう確信出来る。学者としては失格なのかもしれないがな

 

 

 

「エボルトまでこの世界にいるなんてマジかよ…でも、戦兎がこの世界に居てくれてマジで良かったぜ…この世界であの世界のことを覚えてるのは俺だけだと思ってたからな…」

 

 

バンジョウの気持ちは良く分かる。俺もめぐみんになったばかりの頃自分が孤独だと思っていた時期があったからだ

こいつも能天気そうに見えて色々と苦労して来たのだろう、少しは優しくしてやるかと考えていると

 

 

「しかし…お前が女になっているなんて思わなかったぜ。アイツらも今の姿を見たらきっと爆笑すると思うぜ?…っていうか、ヌメヌメしてる上にカエル臭いなお前、悪いけどあんま近づかないでくれねぇか?」

 

 

人がしんみりモードでいる時にこの筋肉馬鹿は…

 

 

「なぁ…バンジョウ知ってるか?ジャイアント・トードのヌメヌメには美容効果があるんだとよ?…俺だけ美肌になるのも悪いからお前にもこのヌメヌメをお裾分けしてやるからこっち来いよ?」

 

 

そう言ってジリジリとバンジョウに近づいて行く俺

 

 

「いや、俺女じゃねぇし美容効果なんて要らねえから…近づいて来るなよ、ヌメヌメが付くだろうか」

 

 

「遠慮すんなって…こんな美少女とヌメヌメプレイなんて元の世界なら高い金を払ってもやって貰えないんだからさぁぁぁぁ!!」

 

 

「悪かった!!謝るから許してくれって…カエルくせぇぇ!!」

 

 

その後俺の熱い抱擁によりカエルのヌメヌメ塗れになったバンジョウと俺は(カズマとセナさんは警察署に今回のことを報告にアクアはギルドに討伐を報告しに行った)

地下ラボへと帰って来るとふたり一緒に脱衣所に入る

 

 

「なぁ、戦兎。もしかしてクローズとグリスに変身してるのはお前と一緒にいたカズマとゆんゆんって奴なのか?」

 

 

服を脱ぎ上半身裸になったバンジョウがそんなことを俺に聞いてきた

 

 

「そうだ。お前の想像の通りゆんゆんとカズマが変身している」

 

 

「俺はあのふたりのことを何も知らない。あいつらは本当にお前の信頼に値する奴らなのかよ?」

 

 

俺がカズマとゆんゆんにライダーシステムを託したことを不満に思っているのかバンジョウはそんなことを言ってくる

 

 

「お前の気持ちも分かる。でも、あいつは…カズマは一海が認めた人間だ。きっと仮面ライダーグリスとして相応しい人間だと一海が判断したんだろう」

 

 

バンジョウは俺の言葉に驚いた表情になると

 

 

「一海があいつのことを認めたのか?…正直、直ぐには信じられねぇがお前はそういう嘘をつく奴じゃねぇってことは良く分かってるつもりだし、あいつが認めたってことは良い奴なんだろうなそいつは」

 

 

「ゆんゆんもああ見えてかなり芯の強い奴だ。始めは俺もクローズはお前以外に勤まるものかと思ってたが、それでもあいつはクローズとして必死で戦い続けている。かつてのお前のようにな」

 

 

「お前がそこまで言うなんてな…確かにあのゆんゆんって奴は意外と根性がありそうだ。一度あいつとはちゃんと話してみるのもアリかもな」

 

 

俺はバンジョウの言葉聞き笑みを浮かべると羽織っていた上着を脱ぐ

 

 

「ちょっと待て!!お前一緒に入るつもりか?」

 

 

何にやらバンジョウが慌てた様子でそう言って来る

 

 

「そのつもりだけど?」

 

 

「アホか!今のお前は女の子だぞ?流石に色々と不味いだろ!!」

 

 

「どうでも良いでしょうか!早いとこヌメヌメな服を脱ぎたいんだよ!!」

 

 

そして俺は上着と同じくヌメヌメ塗れなシャツに手を掛けると

 

 

「ちょっと待ってって!本当に待ってって!」

 

 

「「おわぁぁぁ!!」」

 

 

 

その時俺は足元のヌメヌメに足を取られてすべりバンジョウはそんな俺の手を掴んで助けようとするがバンジョウも足元のヌメヌメに足を取られると俺を押し倒す形で倒れた

 

 

数分前….

 

 

めぐみんとバンジョウが脱衣所に入ったのと同時にゆんゆんが地下ラボへと帰って来る

 

 

「あのバンジョウさんって一体何者なんだろう?めぐみんと何だか親しい様子だったけど…」

 

 

バンジョウリュウガ…名前だけならば時々現れるカズマさんやミツルギさんみたいな勇者候補と呼ばれる人達と同じだと思うけど、あのふたりにはそれとは違う強い何かがあるような雰囲気を感じていた。

そしてそれはずっと一緒にいた私としては羨ましくもあり妬ましくもある複雑な感情を持ってしまう物であった。

 

 

「少し…頭をスッキリさせようかな?確かれいぞうこにこーらがあった筈…」

 

 

私がそう言ってれいぞうこの扉を開けようとした時

 

 

「「おわぁぁぁぁ!!」」

 

 

「今の悲鳴は…めぐみんとバンジョウさん?一体なにが起きたの!?」

 

 

 

悲鳴に驚いた私がビートクローザーを構えて脱衣室の扉をぶち破ると其処には…

 

 

真実・足を滑らせ頭を打って涙目になっているめぐみんとそんなめぐみんを助ける為に手を掴んだバンジョウだがバンジョウも足が滑り倒れた

 

 

誤解・涙目の幼気なめぐみんを半裸のバンジョウが押し倒している

 

 

「あ…あ…ああああ」

 

 

顔を真っ赤にしたゆんゆんがビートクローザーを構えながらジリジリと近づいて行く

 

 

「ま、待て!俺の話を聞け!!これは誤解だ!先ずは話を」

 

 

「めぐみんに何してるのよ!!このヘンタァァァァイ!!」

 

 

「ギャァァァァァァァァァ!!」

 

 

カズマとアクアが地下ラボに入って来るのと万丈の悲鳴とゆんゆんの大声が響いたのは同時だった

 

 

********************

 

 

その後夜のギルドで万丈と宴会騒ぎをしていたが女性陣の目はとても冷たくそれを見ている万丈は冷や汗をダラダラと流しながらカエルの唐揚げを食べていると冷たい目で見ていたアクアが

 

 

「……ロリリューガ」

 

 

「ロリリューガ言うな!!!」

 

 

万丈龍我は称号『ロリリューガ』を手に入れた

 

 

「嬉しくねぇ!!」

 

 

********************

 

 

 

次の日、ドリスへと戻らなければならないバンジョウを見送る為に俺はカズマとふたりでアクセルの正門へとやって来ていた。

 

 

「戦兎、本当に俺がいなくても大丈夫なのかよ?」

 

 

「筋肉バカのひとりやふたり居なくても別に変わらないっての」

 

 

「女になっても減らず口は変わらねぇのかよ!」

 

 

俺とバンジョウは昔を思い出すやり取りをするとお互いに旧世界のことを懐かしむような表情になる。

 

その時に俺はバンジョウに渡す為に昨夜の内に開発していた物があったことを思い出すと

 

 

「これは選別だ、持って行きな」

 

 

俺はふたつのアイテムを万丈に投げ渡した

 

 

「コイツはドラゴンゼリーとスクラッシュドライバー…復元してたのかよ」

 

 

「まぁな、お前の為に特別に用意したんだ。有り難く思えよ?」

 

 

「……そうだな、有り難く受け取らせて貰うぜ戦兎」

 

 

万丈はふっと笑みを浮かべると受け取ったドライバーとドラゴンゼリーを仕舞った。

 

 

「お前から見てどうだった?もうひとりのクローズは?」

 

 

「初めは女にクローズなんか任せられるかと思ってたが、中々にスゲェ奴じゃねぇか誤解とは言え友達の為にあそこまで出来る奴は中々いねぇ。あいつにならクローズの名前を預けても良いかもな」

 

 

「その言葉ゆんゆんが聞いたら嬉しがるよ」

 

 

その言葉に俺は笑みを浮かべる。そしてバンジョウはカズマの方を向くと

 

 

「佐藤和馬、あいつが認めたならば文句は言わないがあいつの力をろくでもない事に使ったら許さねぇからな」

 

 

「わかってますよ。バンジョウさん」

 

 

カズマはその言葉に強く頷く。それを聞いたバンジョウは安心した表情になるとドリスへと戻っていくのを俺達は見届けたのだった




万丈龍我を登場させました。

カズマの覚醒の時には幻影として一海が現れたのにゆんゆんの場合は現れなかったので万丈がこの世界にいることを予想していた人がいるかもしれませんね。

万丈は今後準レギュラーとして本作にチョイチョイ絡ませていくことを考えています。

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