この素晴らしい天才物理学者に祝福を!!   作:血の一族

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この初戦闘に祝福を!!

「仮面ライダー…」

 

 

「ビルド…?」

 

 

ゆんゆん達はポカンと口を開けていた。何故ならめぐみんが何時もの姿から装甲を纏った姿に変わっていたからだ。しかもめぐみんは魔法を使っていない。ゆんゆん達の頭は情報過多で既にパンク寸前だった。

 

 

「勝利の法則は決まった!」

 

 

めぐみんは桐生戦兎がビルドとして戦っていた時に好んで使っていた決め台詞を言うと魔獣へと向かって行く。

 

 

最初にビルドは赤い色の装甲…ラビットハーフボディの能力を使う。ラビットハーフボディの複眼はウサギの横顔を模しておりまるで本物のウサギのように嗅覚や聴覚に由来した反応速度で相手を翻弄しそして素早い反撃を繰り出す事を可能としているが攻撃力が低いという欠点がある。しかしウサギ特有の俊敏力の高さや其れをカバーする手数の多さでその欠点をカバーしていたのだ。

 

 

「ふ、そら、あらやよっと!」

 

 

ビルドは左足に内蔵されているバネ『ホップスプリンガー』で強く地面を踏み込むことでウサギのように高いジャンプ力を発揮して魔獣を翻弄し上空から踏みつけ攻撃を行う。その上ラビットハーフボディは数秒間だけ自身のあらゆる動作を高速化することも可能な為、ビルドはその能力でゆんゆんやあるえ達を一瞬で安全地帯へと移動させると再び魔獣の元へ戻ると左足で蹴りを繰り出した。(因みに足裏にはウサギの肉球があるのは開発者である、ある男の遊び心、かもしれない)

 

 

次にビルドは青色の装甲…タンクハーフボディの能力を使う。タンクハーフボディの複眼は戦車を模しており、戦車の砲身がアンテナ風となっている。

 

装甲は高強度の複合装甲となっている為、防御力にとても優れていおり、それと同時に攻撃力も高くラビットハーフボディに比べ起動力も高い。 その上タンクハーフボディを装備している時の射撃武器の威力や命中率を高めるサポート機能も持ち合わせ、重装甲を活かしたとても重い物理攻撃を敵に与える事が出来るのだ。

 

 

左足によるキックを受けた魔獣が地面に転がるのを見計らうとビルドはドトメをさす為に再びビルドドライバーのボルケティクレバーを回す。レバーを回し終えるとビルドは魔獣から距離をとり其処からグラフ型の標的固定装置を展開するとx軸で魔獣を拘束する。そして最後にグラフ上を滑り、その勢いを利用し加速しながらビルドのライダーキック…ボルテックフィニッシュを放つ

 

 

『ボルテックフィニッシュ』

 

 

「タァァァァァ!!!」

 

 

タンクハーフボディの右足には『タンクローラーシューズ』と呼ばれるキャタピラが装着されており、そのキャタピラが高速回転して敵の装甲を削り取り、ビルドのキックが魔獣を貫いた。

 

 

「グオオオオオオ!!!」

 

 

ビルドのボルテックフィニッシュを受けた魔獣は呻き声を上げるとそのまま大爆発を起こした。

 

 

「やった!!めぐみんが勝ったわ!!」

 

 

ゆんゆんがビルドの勝利に飛び跳ねながら喜びあるえとふりくらはひたすら困惑していた

 

 

「めぐみんのあの姿は一体何なのよ?物凄いパワーだったけど、あんなゴーレム見た事ないわよ」

 

 

「仮面ライダービルドか…もしかしたらめぐみんには私達の知らない何かを背負っているのかもしれないな」

 

 

ゆんゆんとふりくら、あるえがそれぞれ今のめぐみんに対して三者三様の反応をしているとビルドが突然力無く地面に倒れこむと変身が解除された

 

 

(ク…やはり…身体に掛かる負担が大きかったか…)

 

 

薄れいく意識の中めぐみんが感じたのはこちらに走り寄ってくるゆんゆん達と他のクラスメイトとぷっちんの姿だった。

 

 

 

意識を失っためぐみんは里の中にある診療所へとつれてこられていた。めぐみんには大きな怪我はなかったが酷いダメージを受けており暫くの休養を余儀なくされた

 

 

「私の所為だ…私の所為でめぐみんが…」

 

 

ゆんゆんは酷い自己嫌悪と責任を感じていた。あの時自分に出来る事があった筈だ。もしあの時、自分が『上級魔法』を使う事が出来ていたらそんな思いに囚われていた。そんな思いに導かれるようにゆんゆんは自分の冒険者カードを見つめそして何かを決意した表情になると冒険者カードを操作した。

 

 

その頃、紅魔族の里の上空には一体の悪魔が居た。

 

 

「この辺りにヴォハルク様の半身の気配を感じたが…しかしヴォハルク様は封印されていた筈…その封印を一体誰が解いたのだ?それよりあの『コブラ男』が言っていた仮面ライダーは本当に居るのか?」

 

 

その時ホーストの目に1人の少女の姿を捉えた。どうやら里の外で何かをしている様子であり、ホーストは自分が敬愛するヴォハルクと仮面ライダーと呼ばれる戦士の情報を得る為に捕らえようと上空から強襲する。ホーストの存在に気づいた少女…ゆんゆんはホーストに向けて覚えたばかりの『上級魔法』を放った。

 

 

「ライトオブセイバー!!」

 

 

「グアァァ!!」

 

 

流石は光の上級魔法であるライトオブセイバーは悪魔であるホーストに思いもよらぬダメージを与えたが皮肉な事に其れがホーストの気に触れてしまう結果となった。

 

 

「紅魔族の小娘がよくもやりやがったな!このホースト様を怒らせた事後悔させてやる!」

 

 

「くっ…!!」

 

 

ゆんゆんは理解はしていた。今の自分では奴を倒す事が出来ない事を、何とか隙を見て里の大人達に助けを求めようにも奴にはそんな隙などはなく。一か八か全速力で里まで走るしかないのかとゆんゆんは考えており、そして実行に移そうとした時ホーストが自分に向けて魔法を放とうとしていた。ゆんゆんが慌てて魔法を放とうとするが到底間に合いそうもなくゆんゆんの脳裏に死が過ぎった瞬間、ホーストの右目に何処からか飛んで来たエネルギー弾が直撃した。

 

 

「今の攻撃って…まさか!!」

 

 

先程の攻撃が効いたのかホーストで右目を抑えながら呻き声をあげており、ゆんゆんが攻撃が飛んで来た方向を見るとカイゾクハッシャーを構えためぐみんが其処に立っていた。

 

 

「めぐみん!?どうして此処に!?」

 

 

「ゆんゆんの癖に私に黙って無茶するなんて生意気ですよ。私も一緒に戦いますよ」

 

 

そう言うとめぐみんはビルドドライバーを腰へと取り付ける。

 

 

「駄目よ!めぐみん!変身した後自分の身体がどうなったか忘れたの!?」

 

 

「分かってますよ、ゆんゆん。でも辞める訳にはいきません、ヒーローに取ってこんなに美味しい状況を見逃す訳には行かないですし、それに真打ちは最後に登場するものですよ?」

 

 

めぐみんは来ていたマントを翻すと

 

 

「さぁ、実験を始めましょうか」

 

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!!』

 

 

そしてめぐみんはボルティクレバーを回し

 

 

『変身!!』

 

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

 

 

ビルドはカイゾクハッシャーを構えるとホーストへと向かって行く

 

 

「お前が仮面ライダーか!仮面ライダーってのはどれぐらいの力があるのか見せてもらうぜ!!」

 

 

ダメージから立ち直ったホーストがビルドを見据えそう言うとそれに言い返すようにビルドも

 

 

「ならその身体に叩き込んでやるよ!ビルドの力を!!」

 

 

『各駅停車』

 

 

『急行列車』

 

 

『特急列車』

 

 

ビルドはそう言うと3回連続で弓を引きカイゾクハッシャーの3段階攻撃をホーストに与えるが決定打までには至らない。

 

 

「ふん。仮面ライダーってのはどんなもんかと思ったがこの程度か」

 

 

ホーストは軽く右手を振る事でビルドの攻撃を打ち消した上にビルドをその余波で吹き飛ばし、吹き飛ばされたビルドは地面へと転がる。そしてホーストが更なる追撃を加えようとした時

 

 

「ライトオブセイバー!!!」

 

 

ゆんゆんの上級魔法がホーストに向かって飛んで来る。ホーストはゆんゆんの攻撃を避ける為に咄嗟に距離を取る、そしてその間にゆんゆんは地面に転がるビルドの元に近づくと

 

 

「偉そうに言っておいて随分と情けないじゃない、めぐみん」

 

 

「う、うるさい!これからこの俺のカッコイイ逆転劇が始まるんだよ!!」

 

 

思わず桐生戦兎としての面を覗かしてしまうめぐみん。

 

 

「それならいい手の一つや2つぐらい思いついてるんでしょ?何時ものめぐみんならね!」

 

 

ゆんゆんの言葉は聞いたビルドは悔しそうに頭をかく動作をすると

 

 

「ゆんゆんの癖に生意気です!良いでしょう!奴を倒す良い方法を教えてあげますよ!」

 

 

そう言うとビルドはゆんゆんに耳打ちをする。そして耳打ちを終えた2人はホーストに向かい合うと

 

 

「勝利の法則は決まった!!」

 

 

そう言うとビルドはホーストとの間合いを一気に詰めるとカイゾクハッシャーで斬りつけようとするが空を飛ばれて避けられる。しかしそれは2人の作戦通りであった。

 

 

「ライトオブセイバー!!」

 

 

ゆんゆんが魔力を手に纏わせて其れをホーストに向けて放つ、上空にいたホーストは避け切る事は叶わずにゆんゆんの魔法の直撃を受ける。ゆんゆんの攻撃を受けたホースト上空から落下する。落下地点ではビルドがカイゾクハッシャーを構えながら待機しており最大火力のカイゾクレッシャーを放ちホーストの身体を貫いた。

 

 

「ゆんゆん!ライトオブセイバーを俺にぶつけてくれ!!」

 

 

「めぐみん、何を言っているのよ!?」

 

 

「良いから早く!!」

 

 

「わ、分かったわ!!ライトオブセイバー!!」

 

 

ゆんゆんはライトオブセイバーをビルドに向けて放つ、そしてビルドはカイゾクハッシャーを構えるとライトオブセイバーをカイゾクハッシャーにぶつける事でカイゾクハッシャーにライトオブセイバーを纏わる。そのまま未だにダメージか立ち直れてはいないホーストを切り裂き更に大ダメージを与えた。

 

 

「ホースト!!これでフィニッシュだ!!」

 

 

ビルドはボルティクレバーを回転させベルトにエネルギーを集中させる

 

 

「ゆんゆん!一緒に決めるぞ!!」

 

 

「はい!!」

 

 

『ボルテックフィニッシュ!!』

 

 

その音声と同時にビルドは天高く飛び上がり、ゆんゆんはライトオブセイバーを同時に放つ。

 

 

「タァァァァァ!!!」

 

 

ビルドのライダーキックがホーストにクリティカルヒットし其処にゆんゆんのライトオブセイバーが決まりホーストがいた地点で大爆発が起きる。その爆炎の中から満身創痍のホーストが飛び出して来た。

 

 

「まさか、この俺様がこんな連中にここまで追い詰められるとは…ゆんゆん、そして仮面ライダーか…その名前覚えておいてやる!!」

 

 

ホーストはそう捨て台詞を吐くと空高く飛び上がり何処へと逃げ去った。ホーストの姿が見えなくなった事を確認するとゆんゆんはその場に座り込み、めぐみんは変身を解除すると両膝を地面に着いた。

 

 

「何とかなった様で良かったです…でもアイツが言っていたヴォハルク様ってのは一体何ですか?ゆんゆん、貴方はは奴の半身について何か知りませんか?」

 

 

「ハァ、ハァ、私は何も知らないわ、役に立てなくてごめんなさい」

 

 

「いや、ゆんゆんが気にする必要はないですよ」

 

 

めぐみんはゆんゆんを慰める様にそう言うと騒ぎを聞きつけた里の大人達がめぐみんとゆんゆんの元に近づいて来た。

 

 

「二人とも無事か?あの悪魔は何処に行ったんだ?」

 

 

「悪魔ならゆんゆんの上級魔法で退却しましたよ。ゆんゆんが居なかったら私はあの悪魔にやられていたでしょう」

 

 

めぐみんの言葉に里の大人達は驚いた表情を見せると口々にゆんゆんを褒めちぎる。めぐみんは戸惑いの表情を浮かべているゆんゆんを尻目にその場をそっと立ち去った。

 

 

 

ラボに戻って来ためぐみんは戦闘の疲労によりベッドに倒れ込んでしまうと直ぐに眠りへと落ちて行った。めぐみんが目を覚めると布団がかけられており何処からか良い匂いが漂って来る。めぐみんが匂いのする方向を向くとゆんゆんがお盆を持って姿を現した。

 

 

「あ、起きたんだのね、めぐみん。随分と疲労していたみたいだからヒールをかけておいたわよ」

 

 

「ヒールって、ゆんゆん、いつそんなの覚えたんですか?」

 

 

「上級魔法を覚えた時に使ったスキルポイントがまだ余っていたからついでに取っておいたのよ」

 

 

ゆんゆんは其処まで言うと真剣な表情に変わり戦兎の向かいに座ると

 

 

「どうしてあの時に自分も活躍した事を言わなかったのよ?めぐみんが居なかったら私の方が奴にやられていた筈よ」

 

 

「魔力も使えない私が悪魔を倒したと言っても周りは信用なんてしないですよ?其れに私はライダーシステムを余り公にはしたくないんです。ライダーシステムは本来ならこの世界には存在しない物です。使い過ぎて余計な連中に目を付けられる様にはなりたくないんですよ」

 

 

そう、めぐみんはライダーシステムという『力』が権力者の目に止まる事を恐れていたのだ。前の世界でもライダーシステムが兵器利用され多くの被害を出してしまった、その経験からこの世界の権力者や大国に知られた場合は間違いなく戦争に利用される未来が見えていたからだった。勿論、そんな事を言ってもゆんゆんには理解出来るとは思っていない為にライダーシステムが兵器利用される危険性だけを説明するととりあえずは納得してくれた様子だった。

 

 

「あ、そうだ、めぐみんに言わなきゃならない事があったんだった。私、今回の事件のおかげで学校を卒業する事が認められたのよ!!」

 

 

ゆんゆんはとても嬉しそうにそう言っていた。紅魔族の学校では上級魔法をひとつでも覚える事が出来たら一人前と認められ卒業する事が認められるのだ。

 

 

「そうなんですか、卒業おめでとうございます。ゆんゆんには先を越されましたが魔法が使えなくても私は学校を卒業して見せますよ」

 

 

「何言ってるのよめぐみん?」

 

 

「???」

 

 

めぐみんはゆんゆんの言葉に思わず首を傾げた。

 

 

「めぐみんも学校の卒業が認められたのよ!」

 

 

「何故ですか?私は魔法を習得はしていませんよ?」

 

 

「めぐみんは魔法を使えないのに里の為に命をかけて悪魔と戦ったその勇気を認めるべきだと言う声が里の大人達から上がったのよ」

 

 

そこまで言うとゆんゆんはめぐみんの手を強く握り

 

 

「めぐみんが卒業を辞退するなら私も辞退するから!だって私が勝てたのはめぐみんのおかげだし何よりも私はめぐみんと一緒に里から旅立ちたいのよ!!」

 

 

「ゆんゆんはズルいですね…そんな事を言われたら一緒に卒業をするしかないじゃないですか」

 

 

めぐみんは呆れたようにゆんゆんの手を取ってそう言うが同時に罪悪感もめぐみんの胸の中に生まれてしまった。自分はまだゆんゆんに隠し事を沢山している、何よりも本来この場にいた筈の本当のめぐみんが手に入れていた筈の幸福を自分が得てしまっている。そんな闇をめぐみんは自分の奥に押し隠すと今は学校が卒業出来た事を喜ぶ事としたのだった。

 

 




今回も読んで下さりありがとうございます。次回もよろしくお願い致します・
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