この素晴らしい天才物理学者に祝福を!!   作:血の一族

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この素晴らしい旅行に祝福を!!

 

バニルが店員になってから数日が経った。

 

あれからは真面目に働いてはいるようで何か悪事を企んでいる様子などはなく当のバニル本人も

 

 

「吾輩の目的はこの店であくまでもダンジョンを作る為の資金を貯めること。それ以外には何も企んではおらぬ」

 

 

とのこと。…悪魔が言うことなんて信用などは出来ないが一応はウィズもバニルの動向には目を光らせておくとのことで今の段階では放置しておくことにする。

そして俺はバニル戦で手に入れて置いたバニルの魔力の残留を使い新たな装備の開発へと取り掛かる。バニルは自分の魔力が使われることに不満そうな顔をしていたがこちらとしてもバニルを店員として働くのを認めているのだからお互い様だろう。

俺が現在復元を試みているのはクローズのパワーアップアイテムだ、勿論ゆんゆん専用としてカスタマイはするし何よりもこれからの魔王軍幹部との戦いでは必要になるのは間違いないからだ。

そして俺が復元作業に没頭していると頬にいきなり冷たい感触を感じて驚いて後ろを振り返ると其処にはバンジョウがいた。

 

 

「おっす!戦兎。女になっても相変わらずの発明バカだな」

 

 

「筋肉バカに言われたくないっての!…それで?わざわざラボにまで来たりして何の用だ?」

 

 

「あああ。俺がお前んとこにきた理由はな…」

 

 

「アルカンレティアへの旅行?」

 

 

バンジョウから突然の旅行の誘いを受けた俺はそんな声を上げる

 

 

「今度纏まった休みを取れることになったから旅行をしようかと思ってな?ひとりで行ってもつまらないからお前達を誘いに来たんだよ。勿論旅費は全部俺が持つからその辺りは安心してくれよ」

 

 

旅費は全部バンジョウが持ってくれるか…普通に考えるならば是非とも話に乗りたいところだが…行くのはあのアルカンレティアだろ?前に滞在した時の嫌な記憶が蘇るな…

 

 

「アルカンレティア!!今、アルカンレティアって言ったの!?もしかして水の都のアルカンレティアに旅行に行くの!!」

 

 

どうやらアクアは旅行にいくことに乗り気のようだ。

 

アルカンレティアはアクアを祀っている街なのだからアクアは行きたがるのは当然だろう。

 

 

「温泉かぁ…そういえばこの世界に転生してからゆっくりと旅行に行ったことなんてなかったけ…」

 

 

やばいカズマも旅行に行く気満々だ。

 

 

「温泉旅行ですか…良いですねぇ…私も温泉に入ってゆっくりしたいです」

 

 

ウィズがうっとりとした表情でそう言っている。

 

こんな空気では俺だけ行かないという選択なんてもう無いに等しかった

 

 

「分かりました…私もゆんゆんと一緒にアルカンレティアに行きますよ。でも…行った後に後悔しないで下さいよ?」

 

 

「不吉なことを言うなよ!アルカンレティアに行ったら後悔する何が起きるのかよ!?」

 

 

カズマのそんな叫びを俺はスルーしながら数日後の旅行のことを考えると今から憂鬱になるのだった

 

そして旅行当日、その日カズマ達は外すことの出来ないクエストが残っているということで俺とゆんゆんにバンジョウが先にアルカンレティアへと向かうことになった。(因みにウィズも店の用事で出発が遅れるとのこと)

アルカンレティアまでの移動は馬車ではなくテレポートで行くことなっている。早朝にバンジョウが手配してくれていた出張テレポートサービスの人達が俺達の元にやって来てくるとあっという間にアルカンレティアへとテレポートさせてくれた、次に俺達が目を開けた時に目に入ったの見覚えのある巨大な噴水だった。

その噴水からは大量の綺麗な水が溢れその下にはとても広大で美しい湖がありそして俺達が湖に掛けられている神秘的な造りの橋を歩いていると水に滴る美しい女神の像が目に入る

 

勿論像のモデルはアクシズ教の女神であるアクアなのだがアクアを知っている俺達からすれば最早別人にしか見えないのが不思議であった。

だが、今の俺達にはそんなことよりも厄介なことに巻き込まれていた。それは…

 

 

「ようこそ水の都アルカンレティアへ!観光ですか?入信ですか?お仕事ですか?入信ですか?参拝ですか?入信ですか?少しでも入信と思った貴方!アクシズ教徒になれば毎日を自由に楽しく過ごす事ができますよ!今ならアクア様の教えが書かれた有難い教本と洗剤をプレゼントしております!」

 

 

「ここはアクシズ教の総本山、アルカンレティアです!どうです貴方、アクシズ教に入信しませんか??アクシズ教は水の女神アクア様を崇拝する素晴らしき教えですよ!今ならアルカンレティアの温泉の割引券と洗剤がついてきます!」

 

 

「知ってますか?アルカンレティアで作られた洗剤は…飲めます!!」

 

 

以前来た時よりも明らかにアクシズ教徒達の勧誘レベルが前より引き上げられており、以前にも増してドン引き案件であった。

ていうか、洗剤って飲んでも大丈夫なのか?まぁ、大丈夫だから言っているのだろうがそもそもの飲める洗剤に需要はあるのか?

 

 

 

「…前にも増してすごくなってるな…」

 

 

「もしかして…勧誘が激しくなったのって私の所為?」

 

 

罪悪感を感じて地面に伏しているゆんゆんを慰めながら俺達を囲い込んでいるアクシズ教徒達から強引に抜け出そうとするが中々動けない。止む無く万丈に助けを求めようと顔を向けると…

 

 

「お前ら離れろよ!つうか、変なところ触ってくんな!!」

 

 

「見て皆!!この人物凄くワイルドなオーラがあるわよ!あ、貴方こそアクシズ教徒になるべき逸材ですわ!!さぁ、この入信書にサインを…あ、ついでにこの婚姻届にもサインしてもよろしいですよ♪」

 

 

「ちょっと貴女!!抜け駆けはずるいわよ!!こんな年増はほっといて、向こうでお姉さんとお茶しないかしらー?とりあえずまずは入信書にサインするところから…」

 

 

「こんな状況で婚姻届にサインとかできる訳ねぇだろ!つうか、離してくれよ!!」

 

 

「ちょっと邪魔するんじゃないわよ!貴女の方が年増でしょうが!!この売れ残りプリーストが!!」

 

 

「なんですってぇぇ!?私は売れ残ってるんじゃないの、私に相応しい高貴な方を待っているだけなのよ!売れ残りはそっちでしょうが!!」

 

 

ふたりのアクシズ教徒が取っ組み合いの喧嘩を始めたことによる隙を突いて万丈が脱出してくると人混みをかき分け俺とゆんゆんの手を掴むとその場から離れていく

 

 

「めぐみん!ゆんゆん!急いで逃げるぞ!!」

 

 

俺達は全力疾走しながら後を追ってくるアクシズ教徒達から逃げていく。

ゆんゆんも疲弊しながらも一緒に走って行く。以前の身体ならばバンジョウのスピードにもついてくることが出来たがめぐみんの身体だと流石にバンジョウの後についてくるのは体力的にキツい物がある。たが、アクシズ教徒達は俺達のことを諦めてはおらずに追いかけて続けていた。

しかし俺達も諦める訳にはいかないので色々な裏道を利用して逃げ回る。すると大勢いたアクシズ教徒も諦めたのか追ってこなくなった、もう大丈夫だと判断すると俺達はその場に座り込んで息を整える

 

 

「アルカンレティアの恐ろしさを理解したか?筋肉バカ。ここは俺達の理解を越える魔境なんだよ…」

 

 

「良く分かったぜ…だから、アルカンレティアに旅行に行くと言った時に周りの奴らが凍り付いた訳だ…」

 

 

「ははは…」

 

 

俺達は綺麗にため息を吐くと取り敢えず後で合流するカズマ君達の為にも早く万丈が予約をとっている宿にチェックインする為に立ち上がるとその場から歩き出す

 

 

「確か、バンジョウさんは1番高い宿にしたって…言ってましたよね?」

 

 

「確かに一番良いところの宿にしたがこの街にいる以上奴らの魔の手から逃げれる気がしないんだよな?」

 

 

再び3人揃ってため息がでる。

なんというか予想していたことだがこの旅行前途多難過ぎる。恨むべきはアルカンレティアを旅行先に選んだ万丈かこんな勧誘方法を教えたゆんゆんか

 

 

「取り敢えずはこの街にいる間は何かを食べる時も常に警戒しておくことにしましょう。少しでも油断したらアクシズ教に入信させられそうですから…」

 

 

「なぁ、エボルトの時よりも厄介な事態に巻き込まれたと思うのは俺だけか?」

 

 

「いえ、その考えは間違ってはいないと思いますよ?奴らはある意味でエボルトよりも厄介な奴らですから」

 

 

エボルト本人が聞いたら間違いなく突っ込みが入るであろうことを言っためぐみんに反論する者はその場には居なかった

 

 

「ここが今回泊まることになる宿ですか、何ていうか…凄いですね」

 

 

俺達が泊まることになった宿は予想以上に立派なところであり見るからにアルカンレティアの宿の中でも上位に入ることが分かる。俺達が立派な装飾がされている扉から宿の中に入るとこの宿の女将と思われる着物を着た女性が俺達を出迎えた

 

 

「いらっしゃいませ。ご予約していたバンジョウ様でこざいますね。先ずは宿帳にサインして頂いた後私がお泊まり頂く客室までご案内させて頂きます」

 

 

因みに女将が宿帳と称して渡してきたのはアクシズ教徒の入信書でありバンジョウが宿泊の手続きをしている間にも執拗にサインを求めてくるのをバンジョウは見事にスルーしていた

どうやらバンジョウはこの短い間にスルースキルがかなり上達したようだ、俺はバンジョウの成長に少しだけ感動を覚えていた。

その後客室に案内する迄に女将は執拗に入信書にサインを求めて来ていたがそれらを全て無視し続けること数分俺達が泊まる客室に案内すると女将は残念そうな様子で戻って行くのを見届けた俺達はふぅと溜め息を吐くと客室の扉を開けると中へと入る

 

 

「「「…………….…」」」

 

 

客室に入った俺達が最初に目にしたのは至るところに置かれていた入信書の山であった。

其れを見た俺達は早くも帰りたくなった気持ちを押し殺すと入信書をまとめてゴミ箱に捨て荷物を置くと夕方まで休息を取った後俺は宿の温泉に入る為にフロントへと降りて来ると其処には酷く憔悴した様子のカズマとウィズにないやらホクホク顔をしたダクネスと泣いているアクアが騒いでいた

 

 

「一体全体この街はどうなってんだよ!!旅行にやって来たらいきなり勧誘地獄に遭うわ!幼気な少女を装って入信書にサインさせようとするわ、ふざけんじゃねぇよ!!」

 

 

「どうしてよ!どうして誰も私が水の女神だと信じてくれないのよ!!どうして私が女神って言うと鼻で笑われるのよぉぉぉぉ!!!」

 

 

「なぁ、カズマ。この街に住まないか!?私は是非ともこの街に住みたいぞ!!」

 

 

 

…どうやらカズマ達も相当な目に遭ったらしい。

それにしても幼い子供を使ってまでも入信を迫るとは…カズマの奴下手したら人間不信になるんじゃないか?そんな不安さえ覚えてしまう程今のカズマは荒んでいた。

 

 

「カズマ、気にするなとは言いませんが折角の旅行なので気楽に過ごしましょうよ?これまでは何かと忙しかったですし」

 

 

「めぐみんだけだよ…俺にそんな気遣いをしてくれるは…ダクネスもアクアもトラブルばっか起こすしよぉ…」

 

 

そう言って涙を流しているカズマを肩を優しく叩きながら立ち上がらせると気分転換の為にこの宿の名物である温泉へとカズマを連れて行く。

今回泊まっている宿には男女に別れている露天風呂以外にも混浴するタイプもあるようなのでカズマに折角の機会だからと誘ってみたがカズマに断固拒否するとひとりで男湯の脱衣所へと入ってしまったので仕方なく俺はひとりで混浴へと入る為に女性側の脱衣所の扉を開けると中へと入る。そして俺は棚に置かれていた大量の入信者が入れている籠を床に捨てた後衣服を脱いた後タオルを軽く羽織るとと露天風呂に続く扉を開けた

 

 

************************

 

 

温泉事業をしているだけあってアルカンレティアには沢山の露天風呂がある、そのひとつの混浴露天風呂には今ふたりの男女が入浴していた。

普通ならば仲の良い恋人同士だと思うところなのだろうかふたりの雰囲気は明らかにカップルの物ではなかった

 

 

 

「仮面ライダーか…ベルディアもバニルも其奴に倒されたって話だが何とも胡散臭い話だな、最近新しく魔王軍幹部に加わった怪しいコブラ男もそうだが英雄候補でありながら人類を裏切り俺達側に着いたテメェも信用できるか怪しいものだ」

 

 

「私だって魔王軍幹部の奴ら何て信用してないわ。私があんたらに協力しているのだって奴に復讐する為よ…奴さえ居なければ私は…」

 

 

その少女は心底恨んでいる相手がいるのか、血が出てきそうな程に強く歯を食いしばっている

 

 

「兎に角あんたは指令通りにアルカンレティアの源泉を汚染すれば良いのよ。このアルカンレティアを潰すことが魔王の望みよ」

 

 

「様を付けろよ様を…まぁ、俺もアルカンレティアをぶっ潰すことは反対はしねぇよ。俺もこの街には色々と恨みがあるからよ」

 

 

謎の二人組がそんな怪しげな会話を繰り広げていると女性側の脱衣所の扉が開かれる後が聞こえると

 

 

「こんちにわ、お話中失礼します…ってあれ?」

 

 

乱入者…めぐみんがそう言って温泉の方を見ると其処には誰も居なかった。

 

めぐみんは首を傾げながらも身体を軽く洗った後温泉に入る

 

 

「ふう…良い湯だ…にしてもさっきまで誰か居たような気がしたんだか気のせいか?」

 

 

そう言ってもう一度辺りを見渡すが其処には誰もいない。

 

だが、つい先程まで誰かそこに居た雰囲気をめぐみんは感じていた。そんなめぐみんを露天風呂からの死角に当たる部分で先程まで謎の男性と一緒に入浴していた少女が見つめている

 

 

「まさかこんな何処でビルドに会うなんて…これも運命なのかしら?ビルドには深い恨みがあるから完全に油断し切っている此処で晴らしても良いけれど、そんなんじゃ私の気が済まない。ビルドには最高の舞台で地を這いつくばる屈辱を味わせてやるんだから…覚悟して置くことね」

 

 

そう言って姿を消した少女はカズマと同じ黒髪をしていた…

 

 

************************

 

 

次の日、眠い目を擦りながら宿の食堂に降りてくると食事をしながらアクアがテーブルを叩きつけながら何やら騒いでいた

 

 

「この街の危険が危ないようなの!!」

 

 

「危険が危ないって何だよ」

 

 

国民的アニメの某ロボットが言いそうなことを言っているアクアにカズマは突っ込みを入れる

 

 

「朝から騒がしい人達です…一体何があったんですか?」

 

 

「ええ、実は最近この街の温泉が何者かの手によって汚染されているようなの」

 

 

「成る程、それは確かに困りますよね。温泉事業はこの街にとって重要な資源ですからね」

 

 

「めぐみんだけよ!心配してくれるのは!!他の奴らなんてちっとも協力してくれる様子がないのよ?酷いとは思わない!?」

 

 

いや、これまでのアクシズ教の所業から考えたら当然の反応だと思うし何よりもアクシズ教に恨みを持たない人間を探す方が難しいんじゃないか?

 

まぁ…アクア本人に言ったら泣きそうだから言わないが

 

 

「正義の味方としたら困っている人を見捨てる訳には行きません、それにアルカンレティア全体の温泉を汚染するとなると相当に危険な相手かもしれません。相手出来るのは私達仮面ライダーとリッチーであるウィズぐらいでしょう…取り敢えず詳しく事件の概要を知る為にも街の人達から情報を収集することにしますか」

 

 

そう会話を纏めると俺達は情報収集する為に街中を探索する為に宿から出発したのだった。




感想と評価をお待ちしています。


ついでに今回登場した転生者の少女はオリキャラでありません。

このすばに登場しているキャラです、名前が明かされるのはもうちょっとだけ後ですか予想している方は感想などに書き込んでくれると嬉しいです。

後、今回でストックが切れてしまったのでしばらく更新を停止します。

更新が再開したときはまたよろしくお願いします。
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