『天才物理学者桐生戦兎は謎の悪魔、ホーストから泣き噦るゆんゆんを華麗に救うと奴を俺のカッチョいい必殺技で片付けたのであった』
『ちょっと、戦兎さん!!何いい加減なあらすじ紹介をしているんですか!?華麗に勝利なんてしていませんし私は泣き噦っては居ませんよ!?』
『この小説は俺のカッコイイ活躍を描いた物だぞ?これぐらい描かないと読書は納得しないって!!』
『読者って一体誰の事ですか!?幾ら何でもぶっちゃけ過ぎですよ!?』
『そんなゆんゆんもあらすじ紹介では充分にぶっちゃけてんじゃん』
『誰の所為だと思っているんですか!ああ!!もう!!この天才物理学者に祝福を!!第5話スタート!』
ホーストとの戦闘から数日が過ぎめぐみんの傷もすっかり癒えた事で診療所から退院の許可がおり、ゆんゆんと一緒に入院中に使用していた日常用品を纏めているとゆんゆんからあの時の事について問いかけられる
「ねぇ、めぐみん。ずっと聞きたかったんだけど、どうしてめぐみんはあの時タイミングよく私を助けに来れたの?めぐみんはずっと意識を失っていたじゃない」
そう、あの時のめぐみんは意識を失っていた筈。それなのにめぐみんは自分が悪魔に襲われている事を予め予想していたかのあの場所に現れていた。ゆんゆんはその事がずっと気になっていたのだ。そしてゆんゆんの言葉を聞いためぐみんは
「そうですね。私が何故ゆんゆんのピンチに気付けたのかどうして助けに行く事が出来たのかを説明する事にしましょう。あれは魔物との戦いが終わり意識を失った後…」
戦いの後意識を失ってしまっためぐみんが目を覚ますと見覚えのある暗い空間の中で椅子に座っていた。
「この場所は確か前に夢で訪れた…という事は」
「貴方の予想通りですよ…桐生戦兎さん」
「お久しぶりですね…エリス様」
其処には戦兎の予想通りにエリスが此方を見つめながら座っていた。
「エリス様、俺がここに居るという事は俺は死んでしまったのか?」
戦兎の言葉を聞いたエリスは首を左右に振る
「いえ、貴方は死んでは居ません。簡単に言えば貴方は今、深い眠りに入った状態にいるんです」
戦兎はエリスのその言葉を聞くと安堵の表情を浮かべ椅子から立ち上がり
「なら、問題はないな。悪いが早く俺を現世に返して貰えないだろうか?」
「それは構いませんがその前にあれから更なる調査のおかげで新たに分かった事があるので少しだけお話しさせて貰ってもよろしいでしょうか?」
今すぐに現世に戻らなければならない理由もない上にエリスが言っている新たに分かった事について興味があった為、戦兎は椅子に座り直しエリスに話をするように促した
「戦兎さんがパンドラボックスでこの世界を創生した事で本来の歴史と異なる部分がある事はご存知ですよね?」
「勿論だ、この俺…めぐみんも本来の歴史ならば魔力を失わずに済み、そして幼い頃からの夢である爆裂魔法を極める為にアークウィザードとして旅に出る事になっていたんだろ?」
「それ以外にも『本来ならばこの時点でまだ出会ってはいない筈なのに既に出会っていたり、本来なら既に出会っている筈なのにまだ出会ってはいない』という細かな違いがあります。そして1番の違いは」
「ライダーシステムの存在だろ?この世界に存在しない筈の仮面ライダーがこの世界で生まれてしまった…エリスが言いたい1番の違いはそれじゃないのか?」
「ライダーシステムも1番の違いである要素の1つですがそれ以外の要素もあります。それは…パンドラボックスの存在です」
「なっ!?」
戦兎は絶句する。前の世界における全ての悲劇の元凶であり、多くの人々の運命を狂わせそして命を奪った物。しかし新世界を創生する時のエネルギー源としてエボルトと共に消滅した筈。いや、その話が本当だとすると
「エリス様、そのパンドラボックスは何処にある?」
「パンドラボックスは現在6枚のパネルに分かれ魔王軍、人類側にそれぞれ所持されています。6枚の内の1枚は現在ベルゼルグ王国にあります。そしてパンドラパネルを所持しているのはベルゼルグ王国の第一王女。ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリスです。そして彼女は6枚に分かれる前のパンドラボックスの光もあびています。戦兎さんならこの意味をお分かりですよね?」
「そんな…どうしてこの世界にパンドラボックスが…エリス様、パンドラボックスが何故分かれてしまったのかを」
戦兎がそこまで言いかけるとエリスが何かに気づいた表情になると戦兎の話を中断させた
「戦兎さん!大変です。ゆんゆんさんが今、悪魔に襲われています!」
「ゆんゆんが!?エリス様!俺を今すぐ現世に戻してくれ!手遅れになる前に!」
戦兎の言葉にエリスは強く頷くと現世に繫がるゲートを戦兎の上空に出現させる。そして戦兎は宙に浮き、ゲートの中に入って行った。その後意識を取り戻した戦兎が里の外でホーストに襲われているゆんゆんを助けに向かったという訳であった。
「めぐみんがエリス様と会っていたなんて…もしエリス様がめぐみんに私の事を教えてくれなかったら私はあのまま死んでいたかも知れないわ…今度エリス教の教会に行ったら沢山お布施をしないといけないわね」
ゆんゆんは全くめぐみんの話に疑う様子もなく頷きながらそう言った
「ゆんゆん、貴方は少しは疑うという事はしないのですか?」
「どうして疑う必要があるのよ?めぐみんはこうゆう時嘘はつかないって分かってるから」
キッパリとそう言い切るゆんゆんを見ためぐみんは嬉しさをにじませながら礼を言う
「そう言ってくれると嬉しいです。ありがとうございます。ゆんゆん」
「お礼なんて必要ないわよ。だって私達は友達なんだから!」
真っ赤な顔で照れながらそう言うゆんゆんにめぐみんは
「やはりゆんゆんはチョロ過ぎです。私は親友としてゆんゆんの将来が心配ですよ」
「そういう時は仲間思いだねとかとても優しいんだねとか言えないの!?」
「ゆんゆんにはそういう扱いがお似合いなんですよ。寧ろチョロくないゆんゆんなんてゆんゆんじゃありませんね」
その言葉にゆんゆんは顔を更に真っ赤させると、めぐみんをどつく為に捕まえようとするがめぐみんは一目散に逃走しゆんゆんもその後を追いかける。2人はそれから暫くの里の中を舞台にした追いかけっこが始まるのであった。
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ゆんゆんとの追いかけっこを終えるとめぐみんは久しぶりに自宅へと帰って来た。そしてそんなめぐみんをこめっこと黒い子猫が出迎える。
「姉ちゃんお帰り!!」
「なーう。」
「お出迎えご苦労様です。こめっこ、その子猫は一体どうしたんです?」
「この子はねぇ、私の使い魔なんだよ。すごいでしょ!?」
「其れは凄いですね、それではその使い魔は何処で見つけたんです?」
「私が何時も遊んでる森で見つけたんだ!」
こめっこが言うには何時ものように森の遊び場に行った時に弱った状態で居るのを見つけ、慌てて家へと連れて帰り懸命に看病し餌も充分に与えた後、元気になった為、森に返そうとしたがこめっこに懐いてしまいそのままこめっこの飼い猫兼使い魔として家で飼われる事となったのだ。
「この子の名前はちょむすけ、私が名前をつけたんだよ、可愛いでしょ?」
「…ソウデスネー。トテモカワイイナマエダトオモイマス」
屈託のない笑顔でそう言うこめっこにめぐみんは何も言えずに同意するしか選択肢がないのだった。
それから更に数日が経ち遂にめぐみんとゆんゆんが紅魔族の里から旅立つ日がやって来た。めぐみんはちょむすけを連れてゆんゆんとの待ち合わせ場所へと来ていた。ゆんゆんが来るまで時間があり、時間を持て余していためぐみんはちょむすけを撫でながらホーストとの戦いをホーストの言葉を思い出していた。
「一体誰が邪神の封印を解いたんだ?解いたとしたら一体何が目的で?」
ホーストが言っていたヴォバルク様とは一体何なのか?この里に封印されていたという邪神と関係があるのか?知ろうにも余りにも情報が少な過ぎる。そもそも封印を解いた犯人の目星さえついていないのだ。今の段階では犯人の正体や目的までは掴む事は出来ないなとめぐみんは結論づける。思考の海に沈んでいためぐみんが先程と変わらずにちょむすけを撫でていると何時もとは違う服装をしたゆんゆんが待ち合わせ場所へとやって来た。
「こんな所に居たのねめぐみん。今日は絶好の旅立ち日和ね!ってその黒猫は一体どうしたのよ?旅に連れて行くつもりなの?」
「そのつもりです。何故だか分かりませんがこの子は私にとても懐いているようで私から離れたがらないんです。まぁ、少し変わった同行者ですが連れて行っても何の問題はないでしょう、ゆんゆんも反対するつもりはないのでしょう?」
「別に反対する理由もないしね。ところでこの子の名前はなんていうの?」
「ちょむすけです」
めぐみんがそう言うとしんと場が静まり返る
「めぐみん。もう一度聞いて良いかしら?その子の名前は何ていうの?
「ゆんゆん。否定したい気持ちは理解しますがこの子の名前がちょむすけなのは本当ですよ」
「どうしてそんな名前になったのよ?この子の名前をつけたのは誰なの?」
「こめっこですよ。森で拾って来た時に名前をつけたみたいです」
ゆんゆんは納得した様子を見せるとめぐみんが思い出したように
「そう言えば旅立つ前に私に言いたい事があるって言ってましたけどそれって何の話なんですか?」
昨夜、ゆんゆんが家にやって来た時、めぐみんに旅立つ前に話して置きたい大事な話かあるという話をしていたのだ。
「う、うん。…その事なんだけど…ねぇめぐみん、もし私がめぐみんに嘘をつき続けていたとしたらどう思う?やっぱり軽蔑する?」
「…そんなの話の内容を聞いてみないと何とも言えないですよ」
「…めぐみん。本当はね、あの時にはもう上級魔法を習得するだけのポイントは溜まっていたの」
そう、あの時点でゆんゆんは既に上級魔法を習得出来るだけのポイントが貯まっていたのだ。
「その話が本当ならどうしてゆんゆんは上級魔法を早く習得しなかったのですか?余程の事がない限り普通ならばポイントが貯まった時点で上級魔法を習得している筈ですよ?それとも習得するのにかなりのポイントが必要な魔法を習得しようとしていたんですか?」
「そんなんじゃないの…私が上級魔法を習得しなかったのは…めぐみんと一緒に居たかったからなの!めぐみんと離れ離れになるのがどうしても嫌だったのよ!!」
めぐみんと一緒に居たい。それがゆんゆんの1番の願いであり本心であった。自分が学校を卒業してしまったら学園でめぐみんは独りぼっちになってしましうし、自分もめぐみんとは離れ離れになってしまう。しかも自分は将来里の長となる存在。卒業後は外の世界で経験を積む為に旅へと出る約束になっていたのだ、だからこそゆんゆんは少しでもめぐみんと一緒にいる為に少しで旅立ちを遅らせる為にずっと周りを欺き続いて来たのだ。
「ごめんなさい…めぐみん…」
ゆんゆんはめぐみんに深く深く頭を下げる。泣いているのか肩が震えているのが分かる
「全く、何かと思えばそんな事か」
「へ…めぐ…みん?」
ゆんゆんはきょとんとした表情でめぐみんを見つめている
「そんな事で俺とゆんゆんの関係が終わる訳ないだろ?そんならしくない事をしてないでゆんゆんはゆんゆんらしくずっとぼっちをやってる方が良いっての」
「ねぇ、めぐみん?一応私の事慰めてくれてるのよね?何だか貶されている気分になるんだけど」
「気分も何も実際貶してるんだか?」
ゆんゆんはめぐみんの言葉を聞くと涙目でポカポカと叩く
「勇気を出して言ったのに!私の勇気を返しなさいよ!」
「そんだけの元気があるならばもう大丈夫だろ、ゆんゆん?」
その時ゆんゆんは気づいた、自分の中にあったモヤモヤと鬱屈した気持ちがいつの間か消えていた事に
「めぐみん…まさか、私を元気にする為にわざと」
「さぁ、何の事か分かりませんね」
そっぽを向いてそう言うめぐみんの口調は何時もの物に戻っていた。
「さてと、里のみんなが待ってます。そろそろいきますよゆんゆん?」
そう言うと里の出口へと歩いて行くめぐみん。ゆんゆんはめぐみんの後を追いながら、ある事を考えていた。時折めぐみんは別人のような口調に変わる、先程の酷く大人びた雰囲気のめぐみんが本当のめぐみんなのか?それとも年相応な部分があるめぐみんが本当の姿なのか?めぐみんと一緒に居ればいつかは教えてくれる時が来るのだろうか?ゆんゆんはそんな事を考えながらめぐみんに追いつくと里のみんなが待っている場所へと向かっていった。
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「姉ちゃん、気をつけて行って来てね!」
「めぐみん身体に気をつけるのよ?」
「ゆんゆんもぼっちを拗らせないでよ?」
「めぐみんも一緒に居るんだ。心配をする必要はないだろうね」
ゆんゆんとめぐみんの両親、クラスメイト達が2人の旅立ちの見送りへとやって来ていた。
「皆さん、お見送りありがとうございます。アクセルの街に着いたら手紙を送りますよ」
「姉ちゃん!その時は美味しい物を送る事も忘れないでね!後、ちょむすけの事もお願いだよ!」
「分かってますよ。手紙を送る時は食べ物も一緒に送ります。ちょむすけの面倒もちゃんとみますよ…ってこめっこ!ちょむすけの面倒を見ていたのは貴方ではなく私とお母さんですよ!?」
めぐみんの言葉にバレたかという表情になるこめっこにめぐみんは呆れると持って来ていたバッグを開け、出発の日に向けて用意していたとあるコートを出すとずっと着ていたマントを脱ぎそのコートを代わりに羽織る。そのコートは旧世界で自分が好んで着ていた物と同じであった。めぐみんは自分の旅立ちの時にはこのコートを着て行くと決めていたのだ。
「そのデザイン…どことなく勇者候補と呼ばれている人達が着ている摩訶不思議な服装に似てるわね?」
ふにふらがめぐみんの着ているコートを興味深く見つめ
「私も初めて見たけど…なんていうか不思議な感じがするデザインよね?」
ゆんゆんも初めて見たのかあるえ達と同じ反応をしていた
「ところで2人共、アクセルへと行くなら途中でアルカンティアを経由するのが1番の近道なんだがちゃんとテレポート屋の手配はしているのか?」
あるえが心配そうに言うとめぐみんは得意げに『黄色いフルボトル』と『黒くて小さな箱』を取り出す。
「テレポート屋なんかに頼らなくてもコレさえあればアルカンティアまでは楽勝に行けますよ」
そう言うとめぐみんは黒い箱に付いているスロットに黄色いフルボトル…ライオンフルボトルを装填すると誰もいない場所に向かって放り投げる
『ビルドチェンジ』
その音声と共に黒い箱は変形しながら巨大化し小さな箱はビルドのライダーマシン。『マシンビルダー』へと変形完了した。
「…本当にめぐみんは最後の最後まで驚かせるわね…」
目の前で起きた信じられない出来事にその場にいためぐみんとゆんゆん意外が絶句していた。
そんなゆんゆん達を尻目にめぐみんはマシンビルダーに近づくと運転席にある小さな窓?を操作する。すると黒い兜が2つ現れ、めぐみんはその内の一つをゆんゆんに投げ渡した。
「それはヘルメットという物です。このバイクに乗る時は其れを被って下さい。まぁ、死にたいならば被らなくても良いのですが」
「ちゃんと被るわよ!ていうか、めぐみんが出した其れはなんなのよ!!」
何時もの調子に戻ったゆんゆんのツッコミが冴え渡る。
「これはバイクという乗り物です。馬車なんかよりも速くしかもテレポート屋の料金よりも安いという最高の乗り物ですよ。さぁ、早く後ろに乗って下さい。出発しますよ」
めぐみんはバイクに跨ると後ろから乗るようにゆんゆんを諭す。ゆんゆんはめぐみんから渡されたヘルメットを被るとめぐみんの指示通りにバイクの後ろに跨るとめぐみんの腰にしっかりと掴まる。其れを確認しためぐみんはビマシンビルダーのエンジンを入れる。するとマシンビルダーからエンジン音が鳴るとその様子を見ていた里の人々達から驚愕した表情と視線が送られる。其れに気づいているめぐみんは軽く手首をスナップさせると里の仲間達に見守られながら出発した。目的地は駆け出しの冒険者達が集まる街、アクセル。そしてそのアクセルの街でろくでなしだか、しかし素晴らしい仲間達との出会いが待っている事をめぐみんはまだ知らない。
紅魔族の里編終了です。
原作をベースとしながらもオリジナル展開が多くなると思いますが宜しくお願い致します。
次回からはアルカンティア編が始まります
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