戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜 作:saint shine
「こっこうデスか?」
「そんなもんだな」
夕食のメニューがカレーに決まり俺と切歌で夕食の準備をして居る
「ふー、料理って結構楽しい物デスね」
「そうかもな、それにしても急に料理を教えて欲しいなんてどうしたんだ?」
「前に調と湊が2人で料理してたのが少し恋人ぽくて羨ましかったんデスよ」
去年のクリスマスの時の事か
「それなら調に聞けば良かっただろ?」
「それが酷いんデスよ!それは私の特権って言って全然教えてくれないんデス!」
理由が無茶苦茶だな調の奴
「まあこの際俺が教えてやるよ」
「それは助かるデス、他の家事なら私にも出来るんデスけど料理はからっきし何で何時も調にばかり作って貰って悪い気がしてたんデスよ」
確かにマリアも作れない訳じゃ無いがマリアが遅くなる事もあると考えると必然的に先に家に居る切歌か調が作る必要があるからな
「調も今頃佳奈子の家で夕飯の準備の真っ最中デスかね?」
「流石にこの時間から作り始めるのは時間のかかる料理だからまだだろ」
「それもそうデスね」
俺と切歌がそう話して居る時、鳩木家では調が夕食を作って居た
「これで後は煮込んでルーを入れて出来上がりだな。それまではまた勉強をするぞ」
「そうデス湊、此処の問題を教えて欲しいデス」
「どれだ?」
俺と切歌はカレーを煮込んで居る間の勉強を始めた
〜調side〜
「くしゅん」
「どうしたの調ちゃん?」
「何だろ、誰かに噂されたのかな?…佳奈子ちゃんその緑の液体は何?」
「あ、これ?ゴーヤをミキサーで潰してみたんだけど美味しく出来たんだ「後は私に任せて佳奈子ちゃんはリビングに座って待ってて」うん、分かったよ。何か手伝える事があったら言ってね」
佳奈子ちゃんはそう言ってミキサーを置いてリビングに向かう
「う…これはゴーヤ以外にも絶対何か入ってる」
ミキサーの蓋を開けるとゴーヤの臭い以外にも甘い匂いがする
「まさか佳奈子ちゃんの料理が此処まで酷い何て、でもこの甘い匂いが何か気になるし…」
私は覚悟を決めてその液体をコップに注いで飲む
「!?ケホケホ、苦いのと甘いのの中に酸味があって…こんなの初めて…あの甘い臭いって蜂蜜だったんだ。酸味はみかんかな?」
若干涙目になりながらミキサーの蓋を閉じる
(これを美味しいって言う佳奈子ちゃんの味覚が心配になる)
「何でこんな事になったんだっけ?」
私は料理を作るまでに至る経由を思い返す
1、私が佳奈子の家に着く→2、勉強をして居ると佳奈子ちゃんのお父さんとお母さんが仕事の都合で今日は帰って来れないと佳奈子ちゃんに連絡が来た→3、何時もは料理の担当シェフが居るが今日はその人がお休みの為自分達で夕食を作る必要があると説明を受ける→4、調理を開始して佳奈子ちゃんの料理の腕が壊滅的だと知る(現在此処)うん、改めて理解するとどうすれば良いのかわからない
「取り敢えずこれは後でどうにかするとして…試しにもう一口」
興味本位で試しにもう一度飲んでみると今度は何の抵抗も無く飲めた。何だろ、美味しいって訳じゃ無いけど少し癖になる味だ
「兎に角また佳奈子ちゃんが手伝いたいみたいな事を言い出す前に完成させないと」
そうしないと私の寿命が縮む気がする。そんな感覚になりながら私は料理を再開し佳奈子ちゃんが手伝いに来る前に料理を完成させる事が出来た
「凄く美味しいよ調ちゃん」
「うん、ありがとう…そう言えばあのミキサーの中にゴーヤ以外にも何か入れた?」
「えっとね、蜂蜜とみかんだよ」
やっぱりその2つも入ってたんだ
「そっか…佳奈子ちゃん今のまままで料理の経験は?」
「えっと…小学校の家庭科で調理実習をして家でも試しに2、3回作ってみただけだよ」
(少しは料理の経験があるなら何でその3つを混ぜたんだろ?)
「でもね、ミキサーを使ってジュースを作るのは初めてでね!初めての割には上手に出来たと思うんだけどどうだった?」
「うん…美味しかったよ」
「良かった」
そう言って満面の笑みで食事をする佳奈子ちゃんを見てると正直微妙だったとは言えない私だった
「ん〜!今日は此処までにしない?」
「そうだね、ちょっと待って」
夜も遅くなったので勉強を終了させて携帯で湊にあるメールを送る
「お待たせ」
「ううん、それじゃあお休み調ちゃん」
「うん、お休み佳奈子ちゃん」
私は同じ布団の中で寝て居る佳奈子ちゃんにそう言って眠りに着いた
〜調side out〜
「湊、切歌貴方達明日も学校でしょ?そろそろ寝ないと起きれないわよ」
マリアにそう言われて時計を確認すると既に11時を過ぎていた
「もうこんな時間だったのか」
「全然気づかなかったデスね、あっ私お風呂まだだったデス」
「そう言や俺もまだだったな、ん?メール?相手は調か…は?」
俺は調から送られて来たメールの内容に目を凝らしてもう一度見る
『ゴーヤと蜂蜜とみかんの組み合わせって合うと思う?』
「何だその組み合わせ?」
「どうかしたの?…これは異様な組み合わせね」
マリアはその組み合わせは無いと言った表情をしてそう言う
「だよな…」
『合う訳ないだろ』
俺は調にそう返事を返して携帯を閉じた
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