戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜   作:saint shine

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104話

「敵を前にして通信とは余裕そうだな雪音湊」

 

「冗談キツイぜお前と戦闘だってのに通信なんてやってらんねぇよ」

 

俺はキャロルにそう言って通信を切る

 

「レイアお前は例の物を探せ此奴は俺が相手をする」

 

「分かりました」

 

レイアと呼ばれたオートスコアラーはそう言って奥に進んで行く

 

「一様聞くがお前の狙いはヤントラ・サルヴァスパで間違いないか」

 

「だとしたらどうする?」

 

「絶対に止める!マムが残してくれたこの世界を破壊させてたまるか!」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

「イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺がカマエルを纏いイグナイトモードに移行するとキャロルもダウルダブラを纏う

 

「やはりお前は彼奴とは違うな、むしろ俺好みの性格をして居る」

 

「そりゃどうも、と言っても敵に言われてもあんま嬉しくないけどな!」

 

《紅炎華》

 

「ふっ!」

 

キャロルは俺の攻撃を弦の様な元を束ね盾を作り出し防ぐ

 

「これならどうだ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

「こんなものか」

 

キャロルは錬金術を使って防ぎそのまま攻撃を仕掛けてくる

 

「まさかまだまだこっからだ」

 

「マスター」

 

俺がキャロルとの距離を取った所でオートスコアラーが杖を持って戻って来る

 

「良くやった、どうやらお前は此処までの様だな」

 

「あ?何を…根拠…に」

 

キャロルがその杖を起動させると目眩がした

 

「どうやら効いている様だな、良い事を教えてやろうこの杖はアステカの杖、個人によって違うが一定の周波数を出し相手を催眠状態にし自在に操れる完全聖遺物だ」

 

「催眠…状態…」

 

「ああ、これから俺達に協力して貰うぞ雪音湊」

 

薄れ行く意識の中で俺が最後に目にしたのはそう言って不適に笑うキャロルだった

 

〜エルフナインside〜

 

『此処だマスター』

 

『そうか、見張っていろ』

 

『了解』

 

「やられました、ヤントラ・サルヴァスパは二の次、キャロルの本当の狙いはアステカの杖を入手して湊さんを自分達の味方につける事だったなんて」

 

僕はセキュリティの映像に映るキャロルをヤントラ・サルヴァスパの保管されて居る場所に送る湊さんを見てそう言う

 

「エルフナイン君、アステカの杖とはどう言った物なんだ?」

 

「アステカの杖、個人に違いはありますが一定の周波数を出して相手を催眠状態にして自在に操る聖遺物です」

 

僕は風鳴司令の質問にそう答える

 

「成る程な、しかも今深淵の竜宮に向かったクリス君は兎も角、切歌君と調君に湊君を攻撃するなんて事は出来ない」

 

「それだけではありません、湊さんは何かと聖遺物にも詳しいです。恐らくキャロルは湊さんの知識を使ってチフォージュ・シャトーをより早く完成させるのが目的でしょう」

 

考えゆるキャロルの思惑を僕は風鳴司令に伝える

 

「状況は最悪だ、ヤントラ・サルヴァスパの位置データは既に湊君の端末に送られている。そして湊君は今彼女の言いなりだ。彼女の命令1つで強大な敵となってクリス君達の前に現れるだろう」

 

「そうですね、催眠を解くにはもう1度キャロルが湊さんにアステカの杖を使わなければなりませんし」

 

(アステカの杖の出す周波数は個人によって変わるそして催眠状態は同じ周波数の物でしか解けない。だからキャロルがもう1度湊さんにアステカの杖を使用すれば湊さんは元に戻る、でもキャロルが湊さんの催眠状態を解くとは思えない。どうか気をつけて下さいクリスさん、切歌さん、調さん)

 

僕は深淵の竜宮に向かったクリスさん達の無事を祈った

 

〜エルフナインside out〜

 

「湊!無事だったんだな!」

 

マスターとレイアを待って居ると見知らぬ女性が俺の名前を呼ぶ

 

「誰だお前?」

 

「何言ってるデスか湊、クリスさんデスよ」

 

「湊こんな時にそんな冗談は要らない」

 

そう言ってまた二人来るが此奴らも知らない

 

「んな事言われてもなぁ「どうかしたか湊」マスター、ヤントラ・サルヴァスパ見つかったんだな」

 

「ああ、客人か…もてなしてやれ湊、レイア」

 

「「了解」」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺がカマエルを纏いレイアと共にマスターの前に立つとさっきまで俺の名前を呼んで居た3人が顔を歪める

 

「湊…お前」

 

「悪いが同名の人違いだ俺はお前ら全員と初対面だ」

 

「んな訳ねぇだろ!あたしはお前の姉貴なんだからよ!」

 

「妄想も大概にしやがれ、俺はお前を知らない分かるか?」

 

俺はそう言って白髪に銃口を向ける

 

「湊、お前の相手はあっちの2人だそいつはレイアが相手をする」

 

「わかった、て事でよろしくなチビ2人組」

 

「湊…本当に…本当にどうしちゃったんデスか!」

 

「私達がわからないの!」

 

未だに状況が理解し切れて居ないチビ2人

 

「お前達が誰かなんてどうでも良い、マスターの敵は全て討つ」

 

《豪炎天界》

 

「くっ!止めるデス湊!私は…私は湊と戦いたくなんかないデス!」

 

「お願い湊!目を覚まして!」

 

攻撃を避けるばかりで攻めてこない2人、そろそろ飽きて来たな

 

「はぁ、オートスコアラーの1人はこんな出来損ないに負けたのか、興醒めだ」

 

俺はそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「湊テメエ!!「よそ見をして居る暇があるのか」くそ!」

 

「マスター、ヤントラ・サルヴァスパは無事なのか?」

 

「ああ」

 

そう聞くと防御壁を張って居るマスターが頷く

 

「湊に何をしたの!!」

 

《α式 百輪廻》

 

「はぁ…」

 

《紅炎華》

 

俺はため息を吐きながらマスターにたどり着く前に全て撃ち落とす

 

「さっさと目ぇ覚ましやがれこのバカ弟が!!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

「マスター、ちょっと失礼するぞ」

 

レイアが追尾式の小型ミサイルを撃ち落として居る途中、防御壁が解除されるギリギリの所で俺はマスターを抱えて残った追尾式の小型ミサイルを避ける

 

「降ろせ湊!」

 

マスターがそう言って暴れたので直ぐに降ろす

 

「別に良いだろ、減るもんじゃねぇしよ」

 

「調…デスよ」

 

「私…ちゃん」

 

向こうのチビ2人が何かブツブツ話して居るのが聞こえるが声が小さくて殆ど聞こえない

 

「そう言やあのミサイル爆発しないな」

 

「ヒヒヒ、久方ぶりの聖遺物、その味は甘くとろけて癖になる」

 

俺がミサイルの飛んで行った方向を見ると

 

「嘘…」

 

「嘘デスよ…」

 

「嘘な物か…僕こそが真実の人!!ドクターウェル!!」

 

そこには変色した腕から聖遺物を体内に取り込む片腕の無いおっさんが居た




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