戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜   作:saint shine

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108話

俺が次に目を覚ましたのはだだっ広い空間だった

 

「此処は…」

 

「君が壊そうとした潜水艦の中だ」

 

俺が呟くとさっきの男がそう言って入って来た

 

「そうか、何故殺さない俺はお前達の敵なんだぞ」

 

「そうかもな、だが敵だからと言って邪険にしてはいけない後に強力な味方になるかもしれないからな」

 

「俺がお前達の味方?馬鹿馬鹿しい「君は、確か響の友達だよね?」誰だお前」

 

すると今度は別の男が入って来た

 

「そう言えば前に会った時は自己紹介もしてなかったね、立花洸だ」

 

「立花洸…やはり知らないな人違いだろう」

 

「そうかい?此処まで似てる子中々居ないと思うけどね」

 

男はそう言ってまじまじと俺の顔を見てくる

 

「危険ですので離れて下さい」

 

「取り敢えず兄弟とかなら、君のあの時の言葉のお陰で色々と考えさせられて真剣に響と向き合おうと思えたとそう伝えて置いてくれ」

 

そう言ってその男は部屋を出て行った

 

「全く、人違いだって言ってんのに何なんだよ彼奴は」

 

そう言いながらも何故か自分の中には良かったとそう思ってる自分が居た

 

「たった今決着が着いた」

 

「聞くまでもない、マスターが負けるはずが無いからな「いや、辺り一帯を包む爆破に巻き込まれた後、キャロルの消息が不明だ」マスターが…」

 

俺がそう言って力無く倒れるとその男は俺の拘束を解いた

 

「湊君…」

 

「おいバカ今の彼奴はキャロル側なんだぞ」

 

そのに見知った奴が入って来た

 

「お前は」

 

「よお、ちいとばかし付き合って貰うぜ」

 

「わかっている」

 

俺は以前会った白髪の女に着いて行く

 

「こんな所に連れて来て何をするつもりだ」

 

「お前にはある実験に付き合って貰う、勿論拒否権はなしだ」

 

「元々そのつもりだ」

 

俺がそう言うと別の奴が杖を持って来る

 

「此奴の実験だ、先に言っとくぞお前はキャロルに操られて居る。お前は元々こっち側の人間なんだ」

 

「マスターが俺を操って居ただと!ふざけるな!そんな訳があるか!しかもよりによって俺がお前らの仲間だと!」

 

「やめなさい、今の貴方では此処にいる全員を相手には出来ない。貴方がそれを1番良くわかっている筈よ」

 

桃色の髪の女が白髪の胸ぐらを掴む俺にそう言う

 

「やるならさっさとやれ、俺はマスターを探さなきゃいけねぇんだ」

 

「待て、お前はキャロルを探すつもりなのか?」

 

「ああ、マスターは絶対に何処かで生きている」

 

俺はそう言ってその場に座る

 

「ま、早いに越した事はねぇな」

 

その後、順に杖を向けられるが特にこれと言っておかしな事が起きる訳じゃ無い

 

「はい、響が最後だよ」

 

「うん」

 

黒髪はそう言って茶髪の女に渡すそう言や響って名前確か

 

「なぁ、お前立花洸って奴知ってるか?」

 

「うん、私のお父さんだけど?」

 

「そいつに言っとけ人違いだって、何でも俺に似た奴に何か言われたお陰でお前と向き合えたとか言ってたからな」

 

「…うん」

 

少し間を置いてそう言った茶髪は俺に杖を向ける

 

「やっぱりダメか」

 

「これで終わりか?」

 

「いや、最後に1人残っている」

 

俺は言われるがままに着いて行くとそこにはマスターに似た奴が居た

 

「湊さん、良かった催眠状態が解けたんですね」

 

「ううん、まだ元に戻って無いんだ」

 

そいつはベットに横たわりながらそう言うとさっきの茶髪がそれを否定する

 

「此奴が最後で良いのか?」

 

「ああ、と言ってもお前を解放するのはもう暫く後の話になるだろうがな」

 

「どうでも良いが、さっさと済ませてくれ」

 

「はい…」

 

そう言って立ち上がろうとするが倒れそうになるそいつを何故か支えてしまった

 

「ありがとう…ございます」

 

「別に立ってする必要は無いだろ」

 

「そうですね」

 

そう言ってベットに座り杖を俺に向ける

 

「どうですか?」

 

「どうもしないが?」

 

「ダメだった様ですね」

 

そう言うと残念そうな表情を浮かべる

 

「結局何だったんだ彼奴らは」

 

結局何の実験だったのかは説明されず俺は拘束されて居た部屋に戻され用意された食事を済ませて直ぐに眠りに着こうとすると人の気配を感じた

 

「誰だ?」

 

俺がそう聞くと

 

「マスター!!」

 

マスターが黙って入って来た

 

「すまない…あまり記憶が無いんだ、マスターって言うって事は…お前は湊なんだな」

 

「何言ってんだよマスター…まさか記憶を使い過ぎてわからないのか!」

 

「ああ…此処に来たのも直感だったんだが当たったか」

 

マスターはそう言うと昼間に彼奴ら何俺に向かって使った杖を俺に向ける

 

「う、マスター…何を」

 

「すまない…俺には…まだ…やる事が…残って居る…だから早急に終わらせて貰うぞ」

 

マスターがそう言うが視界は徐々にぼやけて行った

 

「ん!?ぷはぁ!何やってんだよお前!!」

 

目が覚めると俺はキャロルにキスをされて居た

 

「戻ったか…」

 

そう言うとキャロルは俺にもう一度同じ事をする

 

「だから何やって!?そうか…俺お前に操られてたのか」

 

「俺がどうかしたのか?」

 

先程まで普通に話して居たキャロルは突然何もわからないと言う表情で俺を見る

 

「どうかしたかって、まあ良いお前の目的は何だ」

 

「彼処に連れて行ってくれ」

 

俺はキャロルをエルフナインの居る病室に運んだ

 

「キャロル…湊さん…」

 

「キャロル…それが俺の名前か」

 

エルフナインがキャロルの名前を呼ぶとキャロルはそう返す

 

「待て、お前さっきまで俺の事覚えてたよな!まさかお前!?」

 

「記憶障害…思い出の殆どを焼却したばっかりに」

 

やっぱり記憶障害なのか

 

「エルフナイン、起きたらキャロルの奴にキスをされてたんだがそれに何か意味があるのか?」

 

「本来…アステカの杖を使用されて居た人は…その間の記憶が無いんです。恐らく…キャロルは貴方が操られて居た間の…記憶を1度奪い…再び貴方に転送複写したんだと思います」

 

それで彼奴はもう1度俺に

 

「全てが断片的でかすみがかった様に輪郭が定まらない。俺は一体何者なのだ。目を閉じると瞼に浮かぶお前なら何か知っていると思い此処に来た」

 

「お前はもう1人の此奴だ」

 

少し辛そうに話すエルフナインに代わって俺がそう答えた

 

「俺がもう1人のお前なのか?」

 

「ええ、2人でパパの残した言葉を追いかけて来たんです」

 

「パパの言葉…そんな大切な事も俺は忘れて…教えてくれ!こうしている間にも俺はどんどん…」

 

キャロルがそう言った所でエルフナインが咳き込む

 

「大丈夫かエルフナイン」

 

「お前!」

 

「順を追うとね、一言では伝えきれないんです。僕の体もこんなだから」

 

エルフナインはキャロルを見ながらそう言う

 

「湊さん…僕は世界を守れるなら消えても良いと思ってました。でも、今は此処から消えたくありません」

 

「エルフナイン…俺もお前に消えて欲しくなんてねえよ!彼奴らだって!皆んなだってお前が元気になるのを待ってるんだ!だから…頑張ってくれ…彼奴らの歪んだ顔を見るなんて…もう…懲り懲りなんだよ」

 

俺はエルフナインの手を握りながらそう言う

 

「ならばもう一度2人で!」

 

キャロルはそう言ってエルフナインにキスをして居る間も俺はエルフナインの手を握って居た

 

「本当にもう大丈夫なのか?」

 

「はい、わ!」

 

暫くするとエルフナインはフラフラながらも立てるまで回復して居た

 

「ほら、無理すんなよ」

 

「ありがとうございます」

 

俺がエルフナインを支えると外から大勢の人の足音が聞こえる

 

「キャロルちゃん、それに湊君」

 

後ろから俺とキャロルを呼ぶ声が聞こえる

 

「僕は…エルフナインです」

 

「色々迷惑かけて悪いな響「「湊!!」」お前らも心配かけて悪かったな」

 

そう言って飛びついて来た切歌と調の2人を撫でる

 

「全く、世話のかかる弟だぜ」

 

「悪いなクリス」

 

「この貸しは高いぜ、まあそれは置いといて…お帰り湊」

 

「ああ、ただいまクリス」

 

俺がそう言うとクリスは俺の背中に体重を預けて来る

 

「良かった…本当に良かった」

 

薄れた声でそう言うクリス

 

(クリスの貸しは後にして取り敢えず当面は此奴らに時間を割いて過ごすか)

 

俺は泣きながら抱きつく切歌と調を見ながらそう考えた




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