戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜 作:saint shine
〜エルフナインside〜
あの後、弦十郎さんに皆さんを集めて貰いましたが湊さんは遅くまで調べていた疲れがあるからなのかまだ眠っていた為そのままにした
「これは?」
「以前ガングニールと融合し言わば生態核融合炉と化していた響さんより錬成されたガーベッジです」
マリアさんの質問に僕はそう答える
「まあ!あの時の瘡蓋?」
「とは言えあの物質にさしたる力は無かったと聞いていたが?」
「世界を1つの大きな命と見立てて作られた賢者の石に対してこのガーベッジは響さんという1人の小さな命より生み出されています。今回立案するシンフォギア強化計画ではガーベッジが備える真逆の特性をぶつける事で賢者の石の力を相殺する狙いがあります。この事に一早く気が付いたのが今ラボで眠っている湊さんです」
「つまりは対消滅バリアコーティング」
藤尭さんの言葉に僕は頷く
「あ、それで昨日の夜湊からメールが来てたデスか」
「切ちゃんにも?私にも来てたよ?」
「貴方達にも?私にもよ」
マリアさん達から気になる言葉が聞こえて来た
「そのメールの内容をお伺いしても良いでしょうか?」
「良いデスよ?えっとデスね」
切歌さん達の話では武装組織フィーネの時のサンダルフォンのガーベッジを用意出来るかという内容でした
「間違いありません。湊さんはその時点で既にこの考えに至っています。僕が話している内容も湊さんのメモを読み上げている状態に近いので…ですがそれをどの様にしてシンフォギア強化に持って行くかの所で悩んでいる内に眠ってしまったみたいです。ですが錬金思想の基本である。マクロコスモスとミクロコスモスの照応に導き出された回答です」
僕が話すが切歌さんと調さんは話が難しいのか良くわかっていない
「皆さん…おはようございます…」
そこに目を擦りながら湊さんが起きて来た
〜エルフナインside out〜
「ん…ふぁ〜、おはようございます…エルフナインさん?」
僕が起きると確かに僕が寝落ちしたラボの中にあるベットなのだがエルフナインさんが居ない
「調べた内容を纏めた紙がない…もしかして皆さんに説明をしているんでしょうか?」
夜の内に調べた内容を書き記して置いた紙がなくなっている事に気づきエルフナインさんも居ないので響さん達にその説明をしていると考えてラボの研究する部屋に向かう
『導き出された回答です』
ドア越しに話している内容が聞こえたので間違いないと確信して中に入る
「皆さん…おはようございます…」
「湊君よく眠れたか?」
「はい…それで何処まで話しましたか?」
まだ若干働いてない頭だがエルフナインさんからの話を聞いている間に完全に目が覚めた
「何度聞いてもわからないデス」
「湊はわかったの?」
「このガーベッジを錬金技術によるアプローチによって未解析物質の正体を《マイナス位相の賢者の石》と言う仮説を立てたと言う事であってますかエルフナインさん?」
「はい」
「教えるデスよ!湊!!」
エルフナインさんと話していると切歌さんが服を引っ張る
「えっと、切歌さん数学でプラスとマイナスのかけ算をするとどうなりますか?」
「プラスとマイナスの掛け算デスか?ん〜」
僕がそう言うと切歌さんは考え込む
「プラスとマイナスのかけ算ではプラスはマイナスになるよ切ちゃん」
「ありがとうデス調、それがどう関係して来るデスか?」
「そのプラスの所に賢者の石をマイナスの所にこのガーベッジが《マイナス位相の賢者の石》と置き換えてみて下さい」
僕がそう言うと切歌さんも調さんも話が理解出来たらしい
「わかったデス!ありがとうデス湊」
「私もわかった、ありがとう湊」
「これくらい大丈夫です。それでそのガーベッジの名前は…」
僕がそう聞くとマリアさん達も考え始めるがクリス姉さんだけは名前が決まってたらしい
「その物質何処ぞのバカの中から出たってんだから、さしずね愚者の石って所だな」
「愚者とは酷いよクリスちゃん」
「うん、成る程賢者の石に対する愚者の石か」
「まさかの師匠まで!?」
風鳴司令まで愚者の石と言う名前に賛成する
「皆さんもう少し考えてあげましょうよ。流石に愚者は酷いですよ」
「良かった、味方が居てくれたよ」
「なら湊お前ならどんな名前を付けるんだ?」
クリス姉さんにそう言われて僕も考えるけど
「えっと…すみません愚者の石で」
「そんな!?」
「ですが愚者はタロットカードの正位置の意味で可能性と言う意味があります。賢者の石に対抗する可能性として僕は愚者の石と名付けたいんですが」
少し遅いフォローを入れる
「なんだ可能性だったんだ。良かった悪い意味じゃなくて、クリスちゃんもそうだよね?」
「嫌、あたしは別の!?あっあたしもだよ」
隣に居るクリス姉さんが余計な事を言いそうだったので響さんに気づかれない様に足を踏んだ
「そっそれでその石は何処に?」
「一通りの調査を終えた後、無用不要なサンプルとして深淵の竜宮に保管されていたのですが」
友里さんがそう言うとクリス姉さんは難しい顔をして居た
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