戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜 作:saint shine
〜クリスside〜
あたしが次に目を覚ました時に見たのは知らない天井だった
「痛っ、此処は…何でバカがあたしの足元で寝てんだ?おい起きろバカ」
「うーん…未来後ちょっと」
この此奴あたしと未来の声も聞き分けられねー程熟睡してんのかよ
「良いからさっさと起きろやこのバカが!!」
そう叫んでバカを殴って起こす
「痛た…クリスちゃん!良かった!目が覚めたんだね!!」ギュー
バカはそう言ってあたしに抱きつく
「だー!もう暑苦しい!引っ付くな!まだ痛み残ってんだから手加減しろよ全く、それであの後どうなったんだ?」
あたしはバカにあの後のどうなったか聞く
「そうか未来が拐われたか」
「うん、私何もできなくて…そう言えば私の机にこんな手紙が置いてあったんだどう思う?」
バカの取り出した手紙には『響へ 何か困った事があったら此処に電話してね 未来』そう書かれてあった
「これって未来からなんだよな?」
「見た感じそうなんだけどこれ一体いつ書いたんだろうって思うと電話する気になれなくて」
「取り敢えずかけてみろよ」
バカは頷いてあたしにも聞こえる様にスピーカーで電話をする
「もしもし未来?『誰だよこんな朝っぱらから…その声まさか立花か?』ふぇ!?湊君!?」
待て待て!何で彼奴が電話に出る!?
「なっ何で湊君が!?『そりゃ俺の携帯だし…と言うか立花お前何で俺の番号知ってんだ!?』わっ私は未来が書いてあった番号に電話をしただけなんだけど」
『あの野郎、立花お前は何も知らない良いな?俺の番号も忘れろじゃあな』
湊はそう言って電話を切る
「なんか凄い人が出たね」
「あっああ、あたしも彼奴が出るのは予想外だ」
未来の野郎なんて事考えてんだ!
「そう言えばクリスちゃん足は大丈夫?」
「足?そういや、引っ付いてんなてっきり無くなったかと思ってたんだが」
「あ、それは師匠のつてでなんとかなったみたいだよ」
あのおっさんマジで何者なんだよ!?
「それでさ、湊君がクリスちゃんにあそこまでする理由教えてもらっても良いかな?」
流石の此奴も気になるわな
「おっさん達が来てからで良いだろ「なら話して貰おうかクリス君」チッ!来てたんならさっさと入って来れば良いものを、そんじゃ話すぜ」
あたしはあの時の事を思い出しながら話す
「おっさんは置いといてお前たち2人特にバカは唯一1人だけの家族に拒絶されたらどう思う」
「え?うーん、あはは私難しい事はわかんないや」
「私はそうだな、酷く悲しく孤独なのかもしれないな」
まともな意見を出したのは翼だけか
「彼奴さ、性格があたしとは正反対だったんだよな、争い事が嫌いで優しくて愛想良くて何処ででも友達が出来る様な奴でさ、困ってる奴が居たら手を差し伸べるちょいとバカに似た奴だったんだ。そんな彼奴を壊したのは他でもねえあたしなんだ10年前にあたしは彼奴を拒絶しちまった」
拒絶その言葉におっさんと翼は難しい顔をする
「えっと、それの何処があの状態につながるの?」
「はぁ、ちっとは考えろ、お前は幼い頃に親を亡くした上その数日後に唯一の心の支えであった姉に歌が嫌いだと言う理由で拒絶されるんだ。お前はこれに耐えられるのか?」
そこまで説明すると状態を理解したらしい悲しい表情を浮かべる
「多分…ううん、絶対無理!」
「あたしは彼奴を拒絶したんだ!歌が嫌いだって言うそんな理由で唯一あたしの側に居てくれた彼奴をたった1人の家族を!!」
今思えば本当に情けねぇな、湊はずっとあたしの側に居てくれようと寄り添おうと2人で助け合おうと手を伸ばしてくれていた。それなのにあたしが臆病なばっかりに…彼奴を
「彼奴があたしを恨むのは訳ねえよ。唯一の家族に拒絶され裏切られたんだからな」
そうこの世に神様なんて奴がいるんならこれはあたしに対する罰なんだ
「クリスちゃん…」
「悪い今は1人にしてくれ」
あたしがそう言うとまだ何か言いたそうなバカをおっさんと翼が部屋の外に連れ出して行ってくれた
「なぁパパ…ママ…あたしどうすりゃ良いんだ?」
誰も居ない病室でそう呟くあたしの視界は涙でぼやけて見えた
〜クリスside out〜
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