戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜   作:saint shine

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23話

「湊…」

 

「切歌」

 

ふらつく調を支えながら俺は切歌を睨む

 

「お前自分が何やったかわかってんのか!此処にはノイズが居るんだぞ!そんな状況でギアを強制解除させるって何考えてんだよ!」

 

「そんなのわかってるデス!でも此処ままじゃ私が私じゃ無くなるかも知れないデス!そうなる前に何か残さなきゃ!調にも、湊にも忘れられちゃうデス、そんなの…そんなの耐えられないデス!」

 

そんな理由で

 

「そんな理由でお前は調を…仲間を危険な目に遭わせんのか!!」

 

「私にとっては大事な事なんデス!だから私はドクターのやり方で世界を守るデス!もうそうする…」パンッ

 

我慢の限界に至った俺は切歌の頬を思いっきり叩く

 

「湊…「お前ふざけんのもいい加減にしろ!」ふっふざけてなんか!」

 

「いいや、ふざけてる。お前そんなに俺や調が信じられないのか?お前がお前で無くなっただけで忘れちまう程俺と調にとってお前がどうでもいい存在だなんて本当に思ってんのか?言っとくが少なくとも俺は忘れねえお前がお前で無くなろうがどうなろうが」

 

俺は切歌の肩を掴んで真っ直ぐ目を見ながら切歌にそう言う

 

「私もだよ切ちゃん」

 

「調」

 

「私が切ちゃんを忘れるなんてあり得ないよ。それに少しでも私と湊が切ちゃんの事を忘れるなんて思っちゃうのは切ちゃんが私と湊を信じ切ってくれていないから」

 

調もそう言って真っ直ぐ切歌の目を見る

 

「調…湊…でも他にどうすれば良いんデスか!私にはもうこうする以外の方法が思い浮かばないデス!」

 

切歌が涙を流しながらそう言う

 

「ならそのドクターのやり方でどれだけの人が救えるんだ?どれだけの弱い人達を助ける事が出来るんだ?」

 

「それは…」

 

俺の質問に切歌は言葉を詰まらせる

 

「切ちゃん1人で抱え込まないで、1人で考えてわからなかったら私や湊も入れて3人で考えよう?そうすればもっと良い方法が思いつくかもしれないでしょ?」

 

「そうだぞ切歌、それに昔約束しただろ?3人のうち誰かが道を踏み外したら残りの2人が正しい道に連れ戻すって」

 

「そうデスね、覚えてるデスよ何でこんな大事な事忘れていたんデスかね。湊…調…私まだやり直せるデスか?やり直せない所まで来てないデスか?」

 

切歌は泣きながらそう問いかけてくる

 

「ああ、お前はまだやり直せる。だから「湊逃げて!!」どう…した」

 

調にそう言われた途端に右腕に激痛が走るので本来右腕のある場所に目を向けるとそこには俺の右腕ごとシンフォギアを食べるネフィリムの姿があった

 

〜切歌side〜

 

私の目の前で人の右腕がネフィリムに食べられた。誰の?湊の?

 

「テメェ!許さねーデス!」

 

「待って切ちゃん」

 

ネフィリムに向かおうとする私を調が止める

 

「何するデス調!!早くしないと「湊変じゃない?」変…デスか?」

 

調にそう言われて冷静になって居ると確かに湊の様子がおかしい、それに何デスかあの赤い炎を纏った様な身体は!?

 

「切ちゃん、フィーネの観測記録にあった暴走って覚えてる?」

 

「暴走…まさか!?」

 

「ガアアア!!」

 

あれが暴走何デスか?

 

「湊…ネフィリムに腕…食べられたんじゃ」

 

「その筈、でもあれは確かに腕」

 

湊が叫びながらアームドギアを生成するかの様に右腕を修復するでもあの形は…

 

「切ちゃん」

 

「間違いないデス、湊の体を侵食してるシンフォギア、サンダルフォンデス」

 

忘れるはずがないデスあの腕の形はそれにあの剣あれはサンダルフォンのアームドギア一度に2つのシンフォギアのアームドギアを使う何て聞いた事無いデス!

 

「ガアアア!」

 

湊は叫びながらネフィリムに突っ込んで行く

 

「凄いデス」

 

6年前セレナと共に闘い苦戦していたネフィリム、それを今は湊は1人で圧倒して居るデス

 

「あれが暴走…確かに凄い、でもこのままじゃ湊の体が壊れちゃう!それにサンダルフォンの侵食も」

 

暴走してネフィリムを圧倒しているのは良いデスでも湊の体が心配になるデスそれにサンダルフォンのアームドギアを使ってるって事は体の侵食も…これはうかうかしてられないデス!

 

「そうデス!元々湊に使う予定だったこれを湊に使えば!」

 

そう思いAnti_LiNKERを取り出す

 

「確かに湊にそれを使えば暴走は治るかもしれないでもどうやって湊の動きを止めるかが問題」

 

やっぱりダメデスねこう言うのは湊が得意なんデスけど

 

「仕方ないデス、調イガリマの絶唱でネフィリムの魂を砕くデスそうすれば暴走した湊は次の標的を探すのに一瞬動きが止まる筈デス」

 

「でもシュルシャガナが使えないのにどうやって「調お姉ちゃーん!切歌お姉ちゃーん!」葉月ちゃん!?」

 

「何デスと!?」

 

私と調が声のする方を向くとそこにはパラシュートを使ってゆっくり下降して来る葉月の姿があった

 

「何してるデス!?」

 

私はそう言って着地した葉月に詰め寄る

 

「パパがこれ持って来てって」

 

そう言って私に渡したのはLiNKERだった

 

「このLiNKERを湊がデスか?」

 

「うん!調お姉ちゃんと切歌お姉ちゃんの分!」

 

驚いたデスこんな小さい子にこんな物持って来させるなんてでもこれで

 

「調これを使うデス」

 

「これってLiNKER?」

 

「湊が準備してくれてたデス!」

 

「そうなんだ、ありがとう湊」

 

そう言って調はLiNKERを打つ

 

「切ちゃん馴染むまで少し時間がかかりそう」

 

「わかったデス、その間は私が!今度は何事デス!?」

 

突然水飛沫が上がったと思うと海から何かが飛び出してき空中で開くと2人のニ課の装者が出て来た

 

〜切歌side out〜




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