戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜 作:saint shine
「やー!!葉月も行くの!!」
「わがまま言っちゃダメデスよ葉月ちゃん」
「そうだよ、それにたった3日会えないだけだから我慢しよ?ね?」
京都に向かう新幹線の駅前で俺は葉月に抱きつかれ切歌と調がそれを引き剥がそうとしている
「まだやってたのかお前ら」
先に新幹線に乗った筈のクリスが降りて来る
「お前こうなるの予想してなかったのか?」
「少しは予想してたけど此処までとは、葉月帰ったら何処か連れてってやるから少しの間切歌に調と留守番しててくれ。夜には小日向達も来るからな?」
俺は葉月に目線を合わせてそう言う
「未来お姉ちゃんも来るの?」
葉月は目に涙を浮かべそう聞いてくる
「ああ、今日から俺が居ない間小日向も来てくれる。それだけじゃない立花と風鳴も皆んな来てくれるんだ」
「…わかった」
葉月は未だに目には涙を浮かべているものの俺から離れてくれた
「よし、良い子だ。切歌、調俺が留守の間葉月の事頼んだぞ?」
「「任せて(任せるデス)湊!!」」
切歌と調のその言葉を聞いて俺はクリスと新幹線に乗り込んだ
〜クリスside〜
「そう言やお前いつあのバカや先輩、未来に頼んだんだ?」
あたしが知る中この3人と湊が最後に会ったのは祭りの時だ。だがその時に湊が3人の内の誰かと話している所をあたしは見ていない
「祭りの時に言ったろ小日向からテスト休みの日にちを聞いたって、そん時にあらかじめ俺が居ない間葉月の事頼んどいたんだよ」
「成る程な、そう言や昔お前もマ…母さんの事あんな感じに困らせたな」
危ねぇつい弟の前でママって言いそうになった。まだママとパパが生きてる時湊はさっきの葉月みたいにママにしがみついて離れなかった事が結構あった
「そうなのか?」
「ああ、マ…母さんが出かける時お前を置いてこうとした時は絶対に離さなかったな」
「んー、俺そんな事してたのか?」
そう言って湊はその時の記憶を辿る。まあこう言うのって本人じゃ無くて他人が覚えてる事が多いしな
「それより京都に行くのは良いが何処見て回るんだ?」
「それは調べて来た。メジャーな所だが金閣寺に清水寺、それから嵐山に二条城、それから此処は個人的に行きたいんだがリディアンの編入試験の合格祈願に学業の神様である菅原道真をまつった神社北野天満宮、他には」
「ちょっと待て!お前取り敢えずそれ見せろ!!」
あたしは此奴に任せて良いのか不安になり湊の書いた紙を掻っ攫う
「お前どれだけ回る気だよ」
あたしは頭を抱えてそう言う
「全部は回らなくてもせめて半分は回ろうと思ってる?」
「半分でも多すぎるだろ!」
湊の書いた紙には数多くの観光名所が箇条書きされておりその半分を回りたいと言って居る。
「バスやタクシーも安くないだろ」
「これくらい3日もあれば余裕だろ?」
「お前それ本気で言ってんのか?」
確かにノイズとの戦闘に比べればかなりマシだ、だがこれを全部回るのは流石に骨が折れる
「はぁ、こん中からあたしが選ぶからそこに行くぞ」
そう言ってあたしは湊の選んだ観光名所の中から何処に向かうか選んでいるとあたしの肩に重みが加わる
「まさか寝てねぇ訳じゃないよな?」
隣を見るとあたしの肩にもたれかかり眠る湊の姿があった
(少し前のあたしと湊じゃ考えられねぇな)
そう思うと何故か頬が緩んだ
〜クリスside out〜
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