戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜   作:saint shine

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57話

「へー、此処が司令が用意したリーダーの部屋か。どう見ても広過ぎる気がするんだが」

 

ナインが俺の部屋に着いて最初の言葉がそれだった

 

「俺もそう思って初日にオーグさんに電話したよ、そしたらアメリカでアリアの世話をしてくれたお礼だって」

 

そう言うとアリアの部屋の事と言い生活面と言いかなり酷い事を知っているナインは何処か納得した表情を浮かべた

 

「それじゃあ早速始めるね」

 

「待て調、今日は俺が作るよ。お前は向こうで2人と一緒にお土産選んで来い」

 

「わかった、それじゃあお願いね湊。それと後で勉強見て」

 

調はそう言って切歌達と俺が買って来たお土産を選びに行った

 

「リーダーあたしにも手伝わせてくれよ」

 

「お前は大人しく座っててくれ、それが1番の手伝いだ」

 

俺がそう言うとナインは不機嫌な顔をして椅子に座る。

 

「何だよ、あたしだってあれから成長したんだぜ」

 

「それは更に酷くなったって事か?それとも少しはマシになったって事か?」

 

「マシになったに決まってんだろ。悪化してるなら成長した何て言わねえよ」

 

アメリカで夕食を当番制にして最初のナインの当番の日、俺もそうだがClover'sの全員がナインも料理は出来ると思い込んでいた。ナインの料理は見た目は普通だったので何の躊躇いも無く食べた。それが臨時体験をさせる料理とは気づかず。後に油の代わりに中性洗剤を使ったと聞いた時は全員が耳を疑った。それだけではなくやけに辛かったり、酸味が強かったりと調味料も真面に使えない程に料理が出来なかった。

 

「あれを目の当たりにして俺がナインをキッチンに立たせると思うのか?」

 

「そりゃ、思わねえけどよ」

 

自分でも料理の出来なさは理解しているのかそう答える

 

「だろ?」

 

「まあ良いや、そんで風鳴翼について何だが」

 

そこからは俺の知る限りの風鳴の事をナインに話した

 

「それで勉強を見て欲しいって調から聞いたんだが何で切歌は文字の書き取りをしてるんだ?」

 

夕食の洗い物を済ませ部屋で勉強をして居る切歌と調の所に行くと何故か切歌が文字の書き取りをしていた為調にそう聞く

 

「切ちゃんの字見て」

 

「切歌の字?…酷いもんだな」

 

俺が京都に行ってから勉強を始めた2人だが切歌の字が酷かった

 

「それで切歌は文字の書き取りか、試験以前の問題だな。調はどうなんだ?」

 

「私は切ちゃんと別の問題があった」

 

そう言って調はノートを広げるが殆ど白紙の状態だった

 

「切ちゃんは読める字が書けなくて私は問題が解けなかった」

 

「お前ら今まで何やってたんだよ」

 

問題が解けないのはまあ仕方ない。だが読める字が書けないのは致命的過ぎる

 

「ちょっと待て、切歌とは別の問題なんだよな?て事は」

 

「うん、未来さんが見てくれたんだけど切ちゃんは字を直してうっかりミスさえ無かったらギリギリ合格点は取れるみたい。私は取り敢えず入試の国語と数学を勉強中」

 

意外な事に切歌は読める字を書ければギリギリ何とかなるらしい。となると問題は調か

 

「葉月はどうなんだ?彼奴も小学校に通うんだろ?」

 

「葉月ちゃんも未来さんが見た限りは字も読めない訳じゃないから取り敢えずは大丈夫だって」

 

成る程、切歌には頑張って貰うしかないが調は今から勉強をすれば何とかなるな

 

「取り敢えず分からない所は教えるから初めろ」

 

「うん」

 

調はそう言って問題に取り掛かる

 

「湊これでどうデス?」

 

「最初に比べると多少マシにはなってる。小学生でこれなら許せる範囲だが高校生じゃダメだろ」

 

何を書いてるかわからなかった字は何とかわかるくらいになったが高校生が書いたとなるとかなり酷いものだ

 

「これでもダメデスか、もう手が疲れたデスよ。そうデス!湊何かご褒美があれば頑張れそうデス」

 

ご褒美か

 

「そうだな…切歌お前が調と同じくらい字が上手くなったら俺に出来る範囲で何でも言う事を聞いてやろう」

 

「うーん、調と同じデスか中々に難しいデスね。でも何でも言う事聞いて貰えるなら頑張れそうデス」

 

切歌はそう言ってまた文字の書き取りを再開した

 

「湊、私も欲しい」

 

「欲しいってご褒美の事か?」

 

俺がそう聞くと調が頷く

 

「ならその入試の2科目で本番までにいくつかテストするからそれで70点以上取れたら切歌と同じで何でも言う事聞いてやるよ」

 

「70点、それなら何とか頑張れそうありがとう湊それと此処教えて」

 

「ああ、此処は」

 

そこから調の勉強に付き合ったが切歌と調に限界が来たらしくその状態でやっても意味が無い為勉強を切り上げ寝る事にした




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