戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜 作:saint shine
「それで俺にあんな事を言った理由は何だおっさん」
俺はおっさんに言われた意味が分からずにそう聞く
「ま、あたしはおっさんがああ言った理由わからなくもねぇがな」
『うんうん』
クリスがそう言うと響達も頷く
「湊君、君は相手によると言ったな?今回は相手が相手なんだ」
「何かは知らねえが此処に入ればわかる事だ」
俺は響達を押し除け中に入る
「成る程な、そう言う事か」
中に入るとキャロルに似た奴が居た
「あの…僕に何か付いてますか?」
「単刀直入に聞くぞ、お前はキャロルであってるのか?」
「いえ、僕はエルフナインです」
「そうか…悪いなあまりにもキャロルに似てたから警戒しただけだ」
俺がそう言うとエルフナインと名乗った相手はほっとため息を吐いた
「だが、キャロルと無関係ってわけでも無いだろ?」
「はい、貴方のおっしゃる通り僕はキャロルとは無関係ではありません。ですが、貴方や他のシンフォギア装者の皆さんを騙したりするつもりはありません」
エルフナインは真剣な表情でそう言う
「わかった、なら最後にこの質問に答えてもらおうか、お前とキャロルとの関係を」
「はい、僕はキャロルが肉体のスペアとして創造したホムンクルスのうちの1人です。貴方が似て居ると思うのも無理はありません」
ホムンクルス…そう言う事か
「わかった」
「あの…信じてくれるんですか?僕の話を」
エルフナインがおずおずとそう聞いてくる
「何だ?信じてもらえないと思って居たのか?」
「はい…実は少し」
エルフナインは俯き申し訳なさそうにそう答える
「そうか、もう良いだろお前ら」
俺がそう言うと扉の前で俺とエルフナインの話の内容を聞いていた響達が入って来る
「僕はキャロルに命じられるまま巨大装置の一部の開発に携わっていました。ある時アクセスしたデータベースよりこの装置が世界をバラバラにしてしまう物だと知ってしまい目論見を阻止するために逃げ出して来たのです」
「世界をバラバラにたぁ穏やかじゃねえな」
クリスの言葉を聞いてエルフナインは頷く
「それを可能とするのが錬金術です」
「少し良いかしら?アルカノイズも関係して居ると見て良いのかしら?」
「はい、アルカノイズはノイズのレシピを元に作られました。アルカノイズを見たのでご存知でしょうがシンフォギアを始めとする万物を分解する力は既にありその力を世界規模に拡大するのが建造途中の巨大装置チフォージュ・シャトーになります」
エルフナインはステラの質問を肯定した後そう続けた
「装置の建造に携わって居たと言う事は君もまた錬金術なのか?」
「はい、ですがキャロルの様に全ての知識や能力を統括して居るのでは無く限定して作られたに過ぎません。それに僕は装置の建造に必要な最低限の錬金術の知識をインストールされただけなのです」
インストールってどう言う事だ?
「インストールと言ったわね?」
マリアも俺と同じ所が気になったのかエルフナインにその質問をする
「必要な情報を知識として脳に転送複写する事です。残念ながら僕にインストールされた中に作戦の詳細はありません。ですが、世界解剖の装置チフォージュ・シャトーが完成間近だと言う事はわかります。お願いです!力を貸してください!その為にドヴェルグ=ダインの遺産を持ってここまで来たのです!」
「ドヴェルグ=ダインの遺産?」
「聞いた事がある、確か魔剣ダインスレイフだったか?」
俺の言葉を聞いてエルフナインは頷く
「はい、アルカノイズに…錬金術師キャロルの力に対抗しうる聖遺物それが魔剣ダインスレイフこれがその欠片です」
エルフナインは持っていた箱から黒い欠片を取り出す。あれって
「なあステラ、あの欠片俺がアメリカで回収した欠片に似てないか?」
「そう言われてみれば、確かにそうね」
「魔剣ダインスレイフの欠片を所持して居るのですか!?」
エルフナインが俺との距離を一気に詰めてそう聞いてくる
「ああ、ステラ確か持って来てたよな?」
「ええ、少し待ってて」
ステラはそう言って魔剣ダインスレイフの欠片と思われし聖遺物の欠片を取りに行く
「これよ」
ステラはエルフナインにその欠片を渡す
「間違いありません、これは魔剣ダインスレイフの欠片です」
エルフナインはそう言って俺にダインスレイフの欠片を返す
「これを何処で」
「アメリカで裏取引されてたのを偶然俺が回収したんだ」
俺の言葉を聞いてClover'sのメンバー意外が驚く
「裏取引ってお前」
「よく無事だったね湊君」
「デスね」
「そんな危険な事もしてたんだ」
「はぁ、貴方って本当に面倒事に巻き込まれるわね」
「あはは!違ねぇぜ!」
「まあわたくし達も無いわけではないですが」
「湊は異常ね、それこそ巻き込まれてない方が珍しいし」
「お前らな」
確かに思い出してみると色々と面倒事に巻き込まれてるが俺だって好きで巻き込まれてるわけじゃないんだがな
「すみません、もし宜しければその欠片も使わせて貰ってもよろしいでしょうか?」
「構わないわ、私も色々と調べてみたけど全然分からないもの貴方ならそれをどう使うかわかる。ならわかる人が持っている方が良いに決まってるわ、良いわよね湊?」
「ああ、大丈夫だ」
「ありがとうございます」
エルフナインはそう言ってダインスレイフの欠片を受け取るとステラはエルフナインにどう使うかを聞きたいらしいので残り他は部屋の外に出た
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