戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜   作:saint shine

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82話

「パパ!これで良いの?」

 

「ああ、こんなもんだな「湊」マリア、切歌達もどうした?」

 

俺が毎週日曜の日課で(今日は葉月も一緒)マムのお墓の掃除をしているとマリア達が来た

 

「此処に来てする事と言えば決まってるデスよ」

 

「そうだな」

 

そう言ってさっきまで墓を拭いていた雑巾を洗いに行く

 

「綺麗にされてるわね、もしかして日曜日になる度に毎回来るの?」

 

「ああ、マムの居る場所は少しでも綺麗にしておきたいからな」

 

「全然気づかなかったデス」

 

「私も」

 

どうやら切歌と調にも気づかれていなかった様だ

 

「ごめんねマム遅くなっちゃった」

 

「マムの好きだった日本の味デス」

 

マリアが花を添えた後切歌が何故か醤油を添える

 

「調あの醤油に何の意味があるんだ?」

 

「私は反対したんだけど常識人の切ちゃんがどうしてもって」

 

まあ今は良いか、水刺すのも何だし

 

「マムと一緒に帰って来たフロンティアの一部や月遺跡に関するデータは各国機関が調査している真っ最中だって」

 

「みんなで一緒に研究して、みんなの為に役立てようとしてるデス!」

 

「ゆっくりだけど少しずつ世界は変わろうとしているみたい」

 

「だからもう少し待っててくれマム」

 

そう言ってマリアを見ると何処か難しい顔をしている

 

「マリア叔母さん?」

 

「何でもないわ…いえ、私も変わりたい。本当の意味で強くなりたい」

 

「それはマリアだけじゃないよ」

 

「私達だって一緒デス」

 

雨が降り出してもマリア達はそこに佇むだけだった

 

「ほら、そんなくらい顔するなよ。マムだってお前達のそんな顔見たいないだろうからさ」

 

そう言ってマリア達に1本ずつ傘を渡す

 

「「「ありがとう(デス)湊」」」

 

そう言ってマリア達は傘をさす

 

「昔のように叱ってくれないのね、大丈夫よマム答えは自分で探すわ」

 

「此処はマムの残してくれた世界デス!それに湊の言った通り私達の暗い顔なんてマムは見たくない筈デス」

 

「そうだよね、答えはある筈だもの。うっ!」バサッ

 

そこに強い風が吹いて調の使っていた傘が壊れる

 

「湊…」

 

ずぶ濡れになりながら俺の近くに来る

 

「わかったよ」

 

俺が傘の中に入れると調はぴったりと引っ付いて来る

 

「あ!ずるいデス調!!」

 

調が俺の傘に入って居る事に気付いた切歌がそう声を上げる

 

「傘が壊れちゃったから仕方ない」

 

「むむむー!!それなら!!」

 

切歌は傘をたたみ調と反対側に入って来る

 

「これでおあいこデス」

 

「お前自分のあるだろ」

 

「調だけ相合い傘なんてずる過ぎるデス!」

 

相合い傘……ああ成る程な

 

「また来るわマム、帰りましょう葉月」

 

「うん!」

 

マリアは葉月と2人で先に帰る

 

「おい待てよマリア!お前ら歩きにくいからどっちか離れろ!」

 

「「いや(デス)!!」」

 

此奴らは本当に

 

『……』

 

「!」

 

俺は聞き覚えのある声で何かを言われた気がしたので振り向くがそこには誰もいない

 

「「湊?」」

 

「いや、何でもない」

 

俺は切歌と調にそう言って歩き始めた

 

『これからも3人を支えてあげて下さい』

 

マムにそう言われた様な気がしながら俺は切歌と調の2人とマンションに帰った




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