戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜   作:saint shine

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84話

「悪いおっさん、俺の注意不足だ」

 

「湊君、君だけが悪いわけじゃ無い我々とて誰一人として彼女に気付かなかった」

 

サンダルフォンで響と未来を本部の潜水艦まで運び響は治療室に入り治療を受けて居る

 

「あの違和感の意味がやっとわかった。彼奴はガリィが居る事を理解して居てあの余裕があったんだ」

 

「終わったわよ彼女の治療」

 

そこに響の治療をして居たステラが来る

 

「外傷はあるものの人体には特に影響はないわ、強いて言えば彼女のメンタルの問題かしら?シンフォギアを使えなくなったって言う事実を受け入れられるかどうかね」

 

彼奴にはそれが1番辛いだろうな

 

「ステラ、エルフナインと共同で行ってるシンフォギア強化プロジェクトの方はどうなってる?」

 

「そうね、カマエルと同時進行してる天羽々斬とイチイバルも完成まで早くても1週間近くかかるわ」

 

まだ1週間近くかかるか

 

「わかった」

 

そう言って俺はその部屋を出る

 

(また助けられなかった…これじゃあ、あの時と…)

 

俺の頭の中にはネフィリムの起動実験の時のセレナが思い浮かぶ

 

「響とセレナは違う…それでも…」

 

守れなかった、その事実だけが俺の中にあった

 

「ただいま」

 

「お帰りデ…どうかしたデス湊?」

 

「何でもない、少し寝る」

 

マンションに帰って直ぐに自分の部屋に入る。心配そうな顔をして居る切歌に気づかずに

 

「……」

 

天井に手を伸ばした後

 

「少しは強くなれた…そう思ってたんだけどな…」

 

そう呟いた後目を瞑った

 

〜切歌side〜

 

「失礼するデス」

 

私はそう言って湊の部屋に入る

 

「よく寝てるデス「どうかしたの切ちゃん?」!?しっ調デスか脅かさないで下さいデス」

 

私が振り返るとそこには調が居た

 

「それが帰って来た時の湊の様子がどうも変でずっと気になってたデス」

 

何があったかはわからないけど湊の様子が明らかに変なのは分かった

 

「そう言えば、未来さんからのメールにこんな写真が」

 

「メールに写真デスか?こっこれは!?」

 

そこには裸の響さんを抱えている湊の姿が写って居た

 

「その事を湊に問い詰めるのは後回しデス、それって響さんまでクリスさん達と同じ状態になっちゃったって事デスよね?」

 

「多分そうなんだと思う、それも湊の目の前で」

 

やっぱり、と言う事は

 

「湊、セレナと響さんが重なっちゃってるデスかね?」

 

「そうだと思う『セレナの時と同じで何も出来なかった』そんな事考えてるんじゃないかな?何もできなかったのは私達なのに…」

 

「そうデスね」

 

ネフィリムの起動実験でセレナが動かなくなった時、湊はセレナを必死で助けようとしてた。でも…私達はそれを見てる事しか出来なかった

 

「切ちゃん、明日も学校だし私達も早く寝ないと」

 

「そうデスね、これ以上は湊の問題デスし私達に出来る事はないデスね」

 

湊の事が心配になりながらも私と調は自分の部屋に戻って寝る事にした

 

〜切歌side out〜




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