思い通りにいくことなんてほとんどない。自分で予想をたてたってそれを上回ることが起きるのが人生大半である。そんなこと思いながらグランたちと会ってからまた数日経ちましたがこちらは元気にやっています。フルトです。機械のメンテナンスをしたり、魔獣狩りに行く村人に俺の特製銃(未完成)を渡して脱臼させたりとしてしまったが概ね平和にできている。最近思ったのがそろそろルリアが落ちてくる時期なのではと感じていることだ。だけどまったくそんな気配も感じない。
俺個人としてはこんなに安全な暮らしが脅かされずにすんでるし万々歳なんだがな。そんなわけで親父と一緒に今日も畑仕事だ!やったね!
「おーい、フルト。今日は畑の手伝いちゃんとやるんだぞ。じゃないとお前のガラクタ1つずつ壊していくからな」
今日はとはなんだ、色々野暮用があって手伝えないのが多いだけだわい。
「どこがガラクタだよ、親父。威力抜群でどんな魔物もイチコロの一品ばかりだろうが。ほめてほしいね」
「おうおう、魔物狩りのたびに魔物よりお前のおかげでけが人が出るって評判のな」
使い方が悪いんだ、使い方が。グランはふつーに使ってたし(目逸らし
親父と歩きながらくだらない話をしてみる。親父も最近愛しの娘に反発されてへこんでるだろうしここは長男が微笑ましい親子の会話とやらをしてみようじゃないの。
「でもよ親父なら俺の作ったやつうまく扱えんじゃねーの?」
「使えなくはねぇが癖が強すぎる。お前のは一発に重きを置き過ぎなんだよ」
「まぁそっちの方がロマンがあるからなー」
かっこいいもん、しょうがないね。
親父はまったくといいながら呆れたように笑いながら隣を歩いた。
「親父、ふと思ったんだけどさ。昔騎空士だったってのは本当なのか?」
「・・・まぁな、って信じてなかったのか?」
「そりゃあ親父が空の話をすんのは決まって酔っぱらってる時だけだかんな。空を旅した行商人とかってオチだと思ってたよ」
「あー、確かにな。それはうちの母さんが俺が騎空士だったころの話が嫌いだからだよ。酔っているときは大目に見てくれるけどな」
「母さんが?意外だなぁ、吟遊詩人の話とか一緒に聞いてくれたりするのに」
「当時幼馴染だった母さんの反対を押し切ってなったからな。いい顔しねーんだ。帰ってきたときも大けがしてきたもんだから、もう行かないでって泣きながら頼まれて仕方がなく今に至ってるというわけよ」
おっと~仕方ないとかいう人がそんなデレデレした表情をしないでほしいな。自分の親だと認めたくなくなるわ。
「へーそうなんだ、それはよかったね。うんうん」
「いきなり返事がおざなりになりやがったなこの野郎」
素敵な嫁さんがいるから息子との交流は必要ないなって思っただけですよー。
「お前にも素敵なお嬢さんの一人や二人いればいいんだがなぁ」
「お、俺だって作ろうと思えば?ちゅ、ちゅくれるし。趣味に時間が欲しいだけなんだからねっ」
「いやー無理だろ、なにせグラン君がいるもんなぁ。お前らが並んで歩いてるとき村の娘の目線はみんなグランの方に集中してるし、最近グラン君より男前になった感じするからな」
・・・嘘だと言ってくれお父様、俺はそんなことも気づかずにとうとうモテ期来たかとか思ってしまっていた自分を殴りたくなっているよ。
「ま、まぁほらグラン君は騎空士になるって言ってるからそうゆう憧れみたいなもんがあるんだろうよ」
下手なフォローはより傷をえぐるんだなぁ(泣
「そういうお前はないのか?騎空士になりたいってことは俺の息子なんだから一度は思うだろ」
「・・・まったくないな。今聞いた話でも危険と隣あわせだろ騎空士なんて」
そうだ、そんなものになりたいだなんて思っちゃいない。俺は転生者だ。だから知っている、どうしようもない死の感覚を。そして置いていってしまった家族のことを、どれだけ望んでももう会えない。それは転生した今でも記憶が風化しても大切なものだと頭じゃなくて心が知っている。
だから俺はこう続けるんだ
「平和が一番だよ、親父」
「ま、そりゃあそうだわな」
そんなこと話してたらもう仕事場にとうちゃーく。さてそれじゃあそろそろ今日もお仕事やるぞう
「おい、フルト」
いい感じに今年のも育ってきてんなーこのままいけば例年通りとれそうだなこりゃ。
「おい、フルト無視すんな。あれ見ろあれ」
「親父-指示語だけじゃあうまく人に伝わらないんだぞ?あれってなんだよ」
そして俺は親父の指が指しているものを見て、理解した。そうだ、都合のいいことなんてそうそうない。そんなこと前世から知っていた。
そしてそれは前世も今世も変わらないんだなと空に停泊している帝国の船を見ながらぼんやりと思った。
衝動で書いてるこの作品をお気に入りしてくれる方々ありがとうございます!数字として増えてくれるのは純粋にモチベーションがあがります。期待に応えられるようなるべく毎週あげれるようにしていきたいです(するとは言っていない)