仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

10 / 52
はいどうも辰です。
私Twitterやってますのでね。絵やら何やら小説に関しての事を載っけたりしてます。(関係ないものももちろんあります)
よければご覧くださいませ。

それではどうぞご覧ください


第6劇「2の6」

「── それで、ウォンテッドのボスが、わざわざこんな所まで何しに来たんだ? 観光とは違うだろ?」

 

「……」

 

「俺にあそこを紹介した良い人だと思ったんだけどなぁ… まさか全ての元凶さんであるボスだったなんて」

 

「……」

 

「… おい、なんか言ったらどうだ? そろそろ自分の言ってることが正しいのか不安になって来たから。頼むからなんか言って!!」

 

 

 ウォンテッドのボスがわざわざここへ来る筈もないが、何故か確信が持てる。分からないが分かる。この男からは、自分の何かを刺激されるのだ。とても恐ろしい何かが。

 しばらく沈黙は続いたが、ついにその口が開かれる。

 

 

「── トリガーが引かれる」

 

「なに…?」

 

「着々と準備は進んでいる。お前も時期にわかる」

 

「訳がわからねぇ… なにを言ってるんだ?」

 

 

 すると、ボスであろうその人物は、サツキの方に手をかざす。その瞬間、サツキは突然苦しみ出し、地面をのたうち回る。一緒にいた永理は彼女に声をかけているが、その異常な苦しみのあまり、全く反応できない。

 男はそうして場を後にしようと、背を向き歩き始める。

 

 

「待てッ!! 小島さんになにしやがった!!」

 

「……」

 

「おいッ!!!」

 

「… 私はウォンテッドを指揮する者" テロス "… 時が来れば、また会う事になるだろう。トリガー──」

 

 

 テロスと名乗った男に、兆は手を伸ばして捕まえようとしたが、触れたと同時にスッと、その姿を消してしまう。

 自己紹介か、サツキを始末しに来たのか、間違いなく後者だろうが。とにかくサツキの様子を見に行く。

 

 

「小島さん!! しっかりしてください、小島さん!!」

 

「アガッ… ゲッ………ァッ…!!!」

 

 

 暫くの間、彼女は苦痛の声を上げていたが、急にピクリと動かなくなってしまった。そんな彼女を心配して顔を見ようと永理が近づく。

 

 

「小島さん…?」

 

「…ッ!! 離れろ永理ッ!!!」

 

「え…?」

 

「くっ…!!」

 

 

 兆は咄嗟に永理を突き飛ばすと、サツキからの拳が脇腹を捉える。その力に飛ばされ、激痛のあまり腹を抑えて蹲ってしまう。

 

 

「ぐはっ!!」

 

「兆さん!!!… な、何故… 」

 

 

 見ると、サツキの手にはキラーズガンが握られていた。目は弱々しい彼女の目とは思えないほど釣り上がり、息を荒くしながら、懐からデリートガンナイフを取り出してキラーズガンに差し込む。

 

 

「そ、そんな… いきなりどうしたんですか!!」

 

「あ、あのテロスとかいう野郎… 何かしやがったらしいな…」

 

 

 それからサツキは自分の胸部に銃口を突き立て、自分の体を撃ち抜く。姿は変わり始め、恐ろしい化物へと変貌してしまった。

 

 

「あんたとは… やりあいたくなかったんだけどな」

 

「………」

 

「全く、かわいいお顔が台無しですよ。レディー」

 

 

 兆はファーストガンナイフをセイブドライバーに差し込み、トリガーに変身し、サツキに向かって走り出した──。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

 一方、巧也はウヅキと一対一で戦っていた。しかし、ただの人間がウォンテッドに、幹部に語るのだろうか。答えは決まっているが、無理である。無謀過ぎる。

 現に、巧也は何もできないまま、街を走り回り、市民に避難を促す事くらいしかできていなかった。

 

 

「どーこだー… 出てこいよ。さっきの威勢はどうした?」

 

「………」

 

 

 物陰に身を潜めて、様子を伺っているが、相手はすぐ近くにいる。見つかれば抵抗するしかない。普通の銃弾はまるで意味がないので省き、対ウォンテッド用に開発した弾が残り3発。全部で6発あったが、その前に3発ほど使用しており、倒せるほどのものではない。上着の内ポケットにも爆弾が入っているが、これも効くかどうか。

 

 

「携帯は…… ダメか」

 

 

 連絡を取ろうにも、ウヅキに破壊されており、繋がらない状態にある。まさに絶望的状況だった。

 

 

「…… 片っ端から撃っていくか」

 

「なっ…!」

 

 

 まだ避難している人々がいる。もしこのまま暴れられでもしたら、要らぬ被害を出してしまうだろう。

 巧也はそうはさせまいと、ウヅキの前に立ち塞がり、銃を構えた。

 

 

「ほぅ。やっぱり出て来たか」

 

「コソコソ隠れていても、いずれお前に見つかるがオチだ。それにいつまでも逃げるのは性に合わない」

 

「それはいいが、俺の前に出て来た所でどうなるんだかな」

 

「なんとかやるさ」

 

 

 そういうと、すかさず膝に撃ち込み一瞬だが、態勢を崩させると走り出し、その勢いのまま飛び蹴りを喰らわせる。

 だが、そんな生身の蹴りが効くはずがない。吹き飛ばす所か足を掴まれ、強めに投げ飛ばされる。なんとか受け身を取るものの、所々に痺れるような痛みを感じる。

 

 

「折れちゃ… いない… よな?」

 

 

 巧也は立ち上がり、残り2発を撃つ隙を伺う。

 何かないか。どこだっていい。あいつに少しでもダメージを負わせられれば。

 

 

「… キラーズガン」

 

 

 真っ先に目がいったのはそこだった。あれを破壊することができれば、奴の力は失われる。ただ、そう簡単には行かないのが事実であり、キラーズガンを破壊しようと試みたものはいたが、あまりの硬さに破壊できずに終わった前例がある。

 

 

「何かないのか…!!」

 

「おいおいどうした? 俺としちゃ、トリガーを潰したい所なんだが… 今はお前で妥協してやってるんだ。さっさと始末させてもらうぜ」

 

「… この2発で決められると思うか?」

 

「なに?」

 

「無理だな。孝四郎には悪いが、これじゃお前を倒す事はできない」

 

「その通りだな」

 

「兆にも前に使わせてもらった武器を持たされちゃいないしな」

 

「だからなにが言いたいんだ」

 

「ははっ… つまり、喧嘩を売っておいてなんだが、今の俺はお前に対抗できる手段がないって事だ」

 

「なるほど。それで少しの時間稼ぎというわけか」

 

「よくわかってるな。その通りだ」

 

「なら、それももう終わりだな」

 

 

 ウヅキが銃を向けた瞬間に、上着の内ポケットから小型の爆弾を取り出し、相手が打つタイミングに合わせて、上手く当たるように銃口の前に投げる。

 これには反応ができず、放たれた弾丸は、爆弾に当たり、そのまま爆発を引き起こす。

 

 

「ぐあっ!!」

 

 

 ウヅキとは至近距離であったが為に、爆発に巻き込まれ、吹き飛ばされてしまう。ただ巧也も、そこはわかっており、なんとか身を守り、事前に避けられる態勢を作っていた。

 

 

「ゴホッ! ゴホッ!… 対ウォンテッド用の小型爆弾だ。流石にこの距離だと死ぬと思ったが…」

 

 

 巧也の視界を砂埃が遮る。ウヅキがどうなったかはわからないが、この決死の行為は正解であったか。それとも失敗であるのか。

 どちらにせよ、これでやられるわけもない。大袈裟に言って、先程の銃弾によるダメージが蚊に刺された程度とするなら、今のは蜂に刺された程度にはなっているだろう。

 

 

「…っ」

 

 

 とりあえず体を引きずりながら、距離を徐々に取ってはいるが、なにもしてはこない。本当に倒せてしまったんだろうかと、馬鹿な考え方をしてしまう。

 暫くすると砂埃が消え、巧也はそれを見た時、自分の予想が裏切ってくれなかったことに腹が立った。同時に何故裏切って欲しくもあった。何故ならウヅキは、なに食わぬ顔でそこに立っていたからだ。

 

 

「これでもダメか… 傷だけでも負って欲しかったんだがな」

 

「あー… 変な小細工してくれた事には腹が立ったが、流石に簡単に死なせちゃくれないか。だが、お前のネタはもうそこを尽きたろ」

 

「… 完全になくなった」

 

「それじゃあ、くたばりな」

 

 

 巧也はゆっくり目を瞑る。全身に痛みを感じる。先ほどまで死に物狂いでなんとかやっていたが、急に出て来た。諦めるというのはこういう事なんだろうな。

 

 

「くそっ…!!」

 

 

 頭に銃口が当てられる。偉大な父と母の姿が頭を過ぎる。死を覚悟して走馬灯でも見え始めたか。だが、このまま死ぬのであれば、一矢を報いてやろうと目を開けた。

 すると、ウヅキがピタリと動きを止め、後退っている。なにが起きたのかはよくわからないが、目の前に帽子を被った黒いコートの男が立っていた。

 

 

「ボ、ボス…!!?」

 

「ボスだと…?」

 

 

 ウォンテッドのボスであるテロスは、巧也を守るように立ち塞がっていた。巧也は何がなんだか、その光景に整理が追いつかない。

 そして、彼の前にしゃがむと、コートから取り出した何かを手渡した。どこかで見た事がある。あの時、そうトリガー。それから兆が持っていた。

 

 

「セイブドライバー…!!」

 

「知っているか。なら話は早い」

 

「…?」

 

「これをお前に託そう。どう使うかは、お前次第だ」

 

「な、なに…!?」

 

「次のトリガーは引かれる──」

 

 

 そういうと、テロスの姿は消えてしまい、セイブドライバーと、地面にもう一つフィガンナイフが置かれている。

 

 

「一体どういう事だ… 何故ボスが…」

 

「── 何が次のトリガーだ……」

 

 

 セイブドライバーを握りしめ、立ち上がる。そしてそれを腰に巻くと、地面に落ちていたフィガンナイフを拾い、顔の横に掲げる。

 

 

「俺は奴のようにはならない。俺の正義は、俺の信念は。人々の平和を、自由を未来を!! この手で守る事だッ!!」

 

 

 兆のやっている事を思い出しながら、フィガンナイフにあるスイッチを押すと、起動音が鳴る。

 

 

《SIX》

 

 セイブドライバーに差し込み、胸の前に左拳を持って行き、硬く握りしめる。

 

《SET》

「── 変身ッッッ!!!」

 

 

 ドライバーの引き金を引くと、巨大な銃が現れるが、トリガーの物と違い、回転式拳銃ではなく、自動拳銃が現れ、舞い上がったアーマーを撃ち抜いてゆく。

 

 

《シクスガンアクション!! シェリフ!! オートアオート!!》

「これは…… 力が湧き上がってくる」

 

「馬鹿な… ボスは何故こんな事を…」

 

「ウヅキ。お前を捕縛する」

 

 

 腰に装着されていた" タイムウエスタン "という銃を抜き、ウヅキを撃ち抜く。先ほどとは嘘のようにダメージが入る。

 

 

「ぐっ…!! だが… その程度だ!!」

 

「ハァッ!!」

 

 

 巧也、もといシェリフとなった彼のスペックは、トリガーとはほとんど変わる事はない。しかし、彼の元からのセンスが合わさることにより、その数値は上回る。

 ウヅキの攻撃を巧みに躱しながら、タイムウエスタンを撃つ。

 

 

「トリガーに続いて、この俺を…!!」

 

「トリガーと一緒にしないでもらおうか!!!」

 

「じゃあお前はなんだ!!」

 

「俺は…… シェリフ。音声がそう言っていたから、そう呼ぶとしよう」

 

 

 相手のパンチを頬をかすめる所で避ける。全てがギリギリの状態で、ウヅキの猛攻撃を華麗に躱し、たった一瞬の隙を狙って攻撃を繰り出す。

 

 

「こいつちょこまかとッ!!」

 

「遅いぞ。ウヅキ」

 

「ぐわっ!!?」

 

 

 タイムウエスタンの銃口を腹に当て、至近距離で撃つと、ウヅキは腹を抱えて体勢を崩す。

 勝てるとわかって挑んだ相手の前に、自分達のボスが出現して、ただの人間にセイブドライバーを手渡し、見事なまでの攻守逆転。いや、最初から攻守なんてなかったのかも知れない。巧也が攻守を上手く行っていただけで、今は攻撃に転じているだけだ。

 

 

「こんな… はずじゃ…っ!!」

 

「だろうな。俺もまさかこうなるとは思わなかった」

 

「ボスが何故お前に」

 

「何か裏がありそうだが、今は置いておこう。ウヅキ、そろそろ潮時だ」

 

「ふざけるな…!!!!」

 

 

 筋肉を増強させ、シェリフの首に勢いのまま、ラリアットが決まる。衝撃のあまり、目の前が霞んでしまいそうになったが、その腕を軸に回転し、後頭部を蹴り飛ばす。

 そのまま着地をし、セイブドライバーのハンマーを起こし、引き金を引く。

 

 

《オート!! ファイア!!》

「ハァァァァッッッ!!!!!」

 

 

 ウヅキがすかさず放った銃弾を、スライディングをして躱し、右脚を突き出すように前に出し、ウヅキの胸部に喰らわせる。

 

 

「そんな… 馬鹿な…… この俺がッ!!」

 

「任務完了だ」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

 

 

 爆発と共に、キラーズガンとデリートガンナイフは砕け散り、ウヅキの体は人間態へと戻っていく。

 巧也は変身を解くと、散らばった破片を集め始める。

 

 

「後で孝四郎と兆に調べて貰わなきゃな… うぐっ…」

 

 

 先程の戦いの傷が、ようやく効いてきた。瓦礫に腰掛けてると、その痛みに耐える中、ある疑問が浮かんでくる。それは兆の事だ。研究員であるなら、このドライバーは一体何なのかと。トリガーの持つドライバーと巧也の持つドライバーはきっと同じ物である。変身して初めてわかったが、これはキラーズガンと同じような作用があるに違いないと。

 

 

「兆… お前は本当にトリガーなのか…」

 

 

 たった数日の間ではあるが、巧也は兆を信じていた。彼は誰かを殺すような男ではない。トリガーは自分の親を殺したが、実は別の犯人がいるのではないかと思ってしまう。

 

 

「…… これは俺だけで伏せておこう。とりあえず、このドライバーについては聞いてみるか」

 

 

 巧也はウヅキに手錠を掛けると、引きずりながら公衆電話がある場所に移動する。一刻も早く、2人に連絡を取らなければならない。とにかく今は、あの2人が心配だ。

 そして視点は、トリガーとサツキに移行する。




やる度に〜文字数がなくなってゆく〜
何故なんですかねー不思議ですねー(棒

巧也さんはアレと違って、 暴れてくれないから…(震え声

というわけで次回、第7劇「四つ蹴り」
次回もよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。