仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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ボスの目的は一体…?
暴れるサツキを止められるのか!?

それではどうぞご覧ください。


第7劇「四つ蹴り」

「ちょ、小島さん!! ストップ!! 止まれ!! 止まってください!!」

 

「アァァァァァァァッッ!!!」

 

「あ、やっぱり無理だぁぁぁっ!!?」

 

 

 サツキの放つ銃弾は、何度も避けようと、トリガーを確実に捉える。彼女の的確な射撃力もあるが、戦いたくないというトリガー自身の心情もあり、避けられるはずの攻撃すら避ける事ができないのだ。

 

 

「こういう時は脚を狙う!!」

 

 

 撃たれた衝撃と共に寝転がり、ガーツウエスタンで脚を必要以上に狙いまくる。本人もこれは卑怯と思っているが、これは勝負だ。勝負だから仕方がないと、両脚を撃つ。

 

 

「グゥゥゥッ…!!!!」

 

「これで一旦倒れてくれ!!」

 

 

 ところがそう上手くはいかない。トリガーの放った銃弾は、彼女の脚に弾かれている。火花が散っており、一見当たっているように見えるのだが、否、当たっているだけ。サツキにはまるで効いていない。

 

 

「あ、あれ…?」

 

「ウガァァァァッッッ!!」

 

「あっぶね!!…… なら、セカンドはどうだッ!?」

《TWO》《SET》

《セカンドガンアクション!! トリガー!! ツインライトニング!!》

 

 セイブドライバーの引き金を引いて、セカンドライトニングの姿となる。あまり変わっていないのだが、二丁拳銃による連射で、一点集中で動きを封じるつもりだ。

 

 

「脚ばっかりでごめんなさいね!! 後で謝りますんで!!」

 

「グゥゥゥ……」

 

「………… え、まるで効いてないんですが…」

 

 

 そう、まるで効いていない。何発もの銃弾は確実に当たり、普通であるならば倒れるか、多少のダメージが入るはずだ。

 ただし、サツキには生半可な攻撃は無意味に終わる。彼女は体を硬化することができる。ウヅキの筋肉倍加とは違い、常時発動で、彼よりも精度と安定性がある。

 

 

「永理!!」

 

「え? あ、はい!」

 

「どうしよう…」

 

「…… 私もどうしたらいいか… あ、来てます来てます!!」

 

「なぬ… ぐわぁっ!?」

 

 

 よそ見をしていたトリガーは後頭部を鷲掴みにされ、そのまま地面に叩きつけられる。それからサツキは馬乗りになり、背後から何度も殴りつけ始めた。

 

 

「いででででででででっ!!!!」

 

「トリガーさん!! このっ…!!」

 

 

 永理は対ウォンテッド用の銃弾で援護射撃をするが、やはりサツキの外殻を崩すことはできない。弾がなくなると、サツキは馬乗りのまま永理に向けて銃口を向ける。

 

 

「…っ!!」

 

「よせッッッ!!!」

 

 

 キラーズガンから放たれた銃弾は永理の頬を掠める。すんでの所でトリガーは渾身の力を振り絞り、銃の軌道をずらしたのだ。

 その行為で永理は助かったものの、サツキの手がバキバキと音を立て、更なる硬化を行い、トリガーの背中を殴り付ける。流石に彼と言えど、今の重い一撃により動けなくなってしまった。

 

 

「そんな……!!」

 

「ウゥゥゥゥ……」

 

「見捨てて逃げるなんてことは──」

 

 

 通常の弾を込めてサツキに向け、何とかトリガーを逃そうと考えたが、初めて兆と会った時の言葉が頭をよぎる。

『自分の命も守れない奴が、誰かを守るとか言うなッ!!!』

 その言葉を思い出した永理は銃を伏せ、走り出す。

 

 

「必ず戻って来ますから… それまで耐えてください!! トリガーさん!!」

 

「ガァァァァァァッ!!!」

 

 

 サツキがトリガーから離れ、永理を追ってくる。その速さは尋常ではない。距離をすぐに近づけてくるが、彼女はただの新人警官ではない。障害物を利用し、攻撃を避けて、逃げ続けること15分で畑の方に出る。

 

 

「ハァ… ハァ… 」

 

「グゥゥゥ…」

 

「小島さん…」

 

 

 サツキは永理に銃を向け始める。畑には何もなく、逃げることは困難だろう。2人は向き合い、そのまま時間が過ぎて行く。

 それもそのはず、彼女は攻撃を仕掛けてこないのだ。だが、永理にはわかる。攻撃をしてこない、できない理由がある。

 

 

「… すみません小島さん… 逃げるにはこれしか考えられなかったんです…」

 

「………」

 

 

 銃をカタカタと揺らし、畑に入った永理を狙い続けるが、引き金を引けない。その隙に作物を踏まないように避けながら、畑の中を走り回り、ようやく森の中へと入り込む。

 サツキはそれと共に銃を放つが、その頃には彼女の姿は見えなくなっていた。そうしてサツキはトリガーの元へと戻って行く。

 

 

「追って来て… ないですね。ふぅ、よかった」

 

 

 そしてすぐさま携帯を取り出し、連絡をしようとすると、それと同時に孝四郎から電話が掛かってきた。

 

 

「は、はい。永理です」

 

『孝四郎です。あれ? なんか息が荒いようですけど、大丈夫ですか?』

 

「はい。今、幹部のサツキとトリガーが戦闘中です。トリガーはサツキに押されてしまっており、戦況は最悪。私だけは逃げることに成功しました」

 

『そうですか… こっちは課長に連絡しても繋がらない状態で、困ってたんですよ。何もなければいいんですがー… って、話が逸れましたね』

 

「はい?」

 

『フィガンナイフが完成したんです』

 

「ほんとですか!?… でも、サツキの硬度をなんとかできればいいんですが…」

 

『ん? 相手は硬いと?』

 

「はい」

 

『はははっ!… なら、このフィガンナイフはその幹部にとって相性最悪ですよ』

 

「は、はい…?」

 

『おっと、すみません。そっちは大変なんでしたね。すぐに持って行きますよ場所は?』

 

「えっと、場所は──」

 

 

── その頃トリガーは腰を叩きながら、何もできないまま、サツキが離れた隙に彼女の家の近くの倉庫に隠れていた。

 

 

「あー暗いなー暗いなー。痛いなー痛いなー… テロスの野郎。小島さんになんて事してくれてんだよ」

 

 

 独り言をしていると、サツキが戻ってきた。辺りを見渡し、トリガーがいないことを確認すると、まるでホラー映画の幽霊のように発狂する。

 本気で怖い。永理が逃げたは良いものの、1人だとホント不安で、早くこの場から逃げたいと思う。

 

 

「いくらトリガーでも、あれは怖いって… 今度サードで試してみるか…? 見る? やる? よし、やろう。頑張れトリガー。負けるなトリガー」

《THREE》《SET》《サードガンアクション!!トリガー!!ショットショットショット!!》

 

 

 倉庫の中だと狭いので、すぐさま外へ出て、サードショットにファームチェンジする。しかし、音声と派手な演出のせいで、彼女に気付かれてしまった。

 目と目が逢う瞬間、好きとかまだそういうのは分からないが、ものすごい勢いでこちらに走ってきた。

 

 

「来たな!!!」

 

「ガァァァァァァッ!!!」

 

「1発もらっとけッ!!!」

 

 

 1発で30発分の衝撃を生む、サードの渾身の一撃がサツキの腹に入る。容赦のないその攻撃に、流石に耐え切れず、体勢はそのままだが後方へ吹き飛ぶ。

 

 

「どうだぁッ!!!」

 

「………」

 

 

 自分で言うのもなんだが、ここまで来ると、そろそろ逃げた方がいいんじゃないかと思ってしまう。

 今の一撃ですら、彼女の防御力を突破することができなかったのである。

 

 

「これでもダメなのか…ッ!!!」

 

 

 相手と大きく距離を離すことは可能だが、それだけである。単純な防御力の高さが、これ程までとは思わなかった。

 

 

「キシャァァァァァァッッッ!!!!!」

 

「うわっ…!!!」

 

 

 その硬さから繰り出されるタックルを、トリガーはガードしたが、それを超えるように重さがのしかかる。

 それを耐え抜き、負けじと何度も殴るが、彼女の外殻を壊さない。今更だが、硬さ以外にも、サードの威力を受け流しているのかもしれない。そうでもなければ、そろそろヒビでもなんでもダメージは通るはずだ。

 

 

「ハァ… ハァ…」

 

「グルルルルルッ!!」

 

「体力が奪われるだけじゃんか…」

 

「ガァァァァァァッ!!!」

 

「だけどまぁ、小島さん… 俺はあんたを絶対助けるぜ」

 

 

 そしてトリガーは再び走り出す。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

 孝四郎は急いで現地に向かい、ようやく永理と待ち合わせていた駅に到着した。普段あまり動かない分、本人にはかなり重労働だったらしく、息を荒上げて近くの壁を背にして座り込む。

 

 

「うぅ…」

 

「大丈夫ですか? 飴食べます?」

 

「な、なぜ… それより例の物です」

 

 

 そしてポケットからフィガンナイフを取り出し、永理に渡す。

 

 

「ありがとうございます!」

 

「そ、それと兆くんかトリガーの方に連絡を一つ」

 

「ん?」

 

「ガーツウエスタンとライトニングウエスタンは、どうやら組み合わせができるらしいので。そのフィガンナイフとは相性がいいですよ、きっと」

 

「なるほど。わかりました! それにしても、この短期間でよく覚えられましたね」

 

「やっぱり僕は機械弄ってる方が性に合いますよ。何より楽しいですしね…… あぁそうだ!! 早く彼の元へ行ってあげてください」

 

「そ、そうでした!! ありがとうございました!! 孝四郎さんもお気をつけぇぇぇ!!!」

 

 

 本来の目的を思い出した永理は、トリガーの元へと走り出す。疲れた孝四郎は、しばらく近くのベンチに座ろうと歩き出す。

 すると、持っていた携帯が鳴り始める。公衆電話からであり、嫌な予感を覚え急いで電話に出ると、声からして巧也であった。

 

 

「か、課長!!? 電話しても出なかったから心配してたんですよ!!?」

 

『悪いな。携帯が壊れた』

 

「こ、壊れたって…」

 

『それより今、永理や兆はどうしてる? 2人に連絡をしたんだが、繋がらないんだ」

 

「2人は幹部のサツキと戦闘中らしいです。僕は今、完成したフィガンナイフを永理さんに手渡した所ですよ」

 

『なんだとッ!!?… まぁこっちも、さっき戦闘中だったしな』

 

「戦闘中だったんですか?」

 

『あぁ、ウヅキとな。なんとか捕まえてやったが…』

 

「え、えぇぇぇぇ!!!?? 捕まえたって、いったいどういう事で──」

 

『詳しい話は後だ。それよりすぐそっちに向かう場所を教えてくれ』

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

「やっぱり無理じゃぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

 

「グオォォォォォォ!!!!」

 

「カッコつけてすみませんでしたぁぁぁっっ!!!!」

 

 

 現在、トリガーは逃げていた。ヒットアンドアウェイで打撃を与えていたが、顔色一つ変えず攻めてくるサツキに焦り、見事にやられていた。あんな事を言っておいて、逃げるという選択をすることが自分自身のプライドが許さず、それでも戦った結果これである。

 

 

「ま、真面目にまずい!! トリガー史上最もやばい気がする!!」

 

「アアァァァァァァッッッ!!!!!」

 

「うあぁあぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!??」

 

 

 そしてサツキから放たれた銃弾が、足元に当たって態勢を崩して転倒してしまう。すぐに立ち上がろうとするが、背中を踏みつけられ身動きが取れない。

 

 

「く、くそっ…!!! 小島さん…!!!」

 

「グゥゥゥッ…」

 

 

 キラーズガンの銃口がトリガーに向けられる。ハンマーを起こし、引き金に指をかける。

 最後まで足掻こうと、渾身の力で地面を叩くと、凄まじい勢いで体が宙に浮かぶ。そしてそのまま引き金を引いて、回転しながら片腕に力を込めて、サツキを殴ると大きく吹き飛ばす。

 

 

「よしっ!!!」

 

「グゥ…ゥゥ……」

 

 

 流石に必殺技は効いたのか、見た感じは変わらないが、多少のダメージは入ったようだ。

 次の攻撃に備えて、構えを取ると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

 

「── さーん!!!」

 

「おっ」

 

「トリガーさーんっ!!!!」

 

「おぉ、永理。怪我はないっぽいか?」

 

「はい、問題ないです!! それよりこれを」

 

「こいつはっ…!!」

 

「新しいフィガンナイフです!! 孝四郎さんが完成させましたよ!! あ、それとガーツとライトニングの2つの銃合体できるらしいです」

 

「え、そうなの!?… まぁでも、やっぱあの人すごいな。これなら行けるッ」

 

「では、トリガーさん」

 

「あぁ、任せろ。小島さ… いや、サツキッ!!! さっきはよくもやってくれたな」

《FOUR》《SET》

 

 

 新たなフィガンナイフ。"フォースガンナイフ"を起動させ、セイブドライバーに差し込み、ハンマーを起こして引き金を引く。

 それから巨大なライフルが現れ、アーマーがトリガーの前に一直線に並び、それら全てを1発で撃ち抜いてから装着されて行く。

 

 

《フォースガンアクション!! トリガー!! ストレートライフル!!》

「今日がお前の豊作日だッ!!!」

 

「グォォォォォォッッッ!!!!」

 

「おらよっ!!!」

 

 

 トリガーにより放たれた蹴りは、サツキの胸部に当たるとヒビは入るが、大したダメージになってはいない。

 

 

「えぇぇぇぇ!!?」

 

「な、何だよどうした」

 

「い、いやぁもっとバキバキバキバキィ… ってなるかと思ってたので…」

 

「まぁ、あとそうだなぁ… 20秒くらい待ってて」

 

「…?」

 

 

 そうしてサツキが飛び付いてくるが、すかさず蹴りを放って距離を遠ざける。それを幾度と繰り返し、トリガーの言う20秒が過ぎると、彼の脚が赤くなっていき、熱を帯びる。

 

 

「見てろよ永理… これがフォースだ!!!!」

 

 

 その状態でサツキを蹴ると、凄まじい衝撃が彼女を襲う。それは彼女の硬い外殻を、防御を貫き、胸部を破壊する。

 

 

「アガッッッッ…!!!!?」

 

「お、おぉ… おぉぉぉぉぉっっっ!!!」

 

 

 喜んで拍手する永理に、右手で銃の形を作り撃ち抜いて見せると、この上なく冷めた顔になり、トリガーはとても傷ついた。

 すると、サツキは何かが切れたように咆哮を行い、トリガーに向けて凄まじいエネルギーを込めた銃弾を放つ。それを避けようと、構えるトリガーであったが、なぜかそれを避けず喰らってしまう。

 

 

「カハッ…!!」

 

「何してるんですかトリガーさん!!」

 

「今のはダメだ……!! 避けちゃッ!!!」

 

「どうして… あ」

 

 

 理由はすぐに分かった。トリガーの後ろに広々と小島の畑がある。彼はそれを分かった瞬間、身を挺して畑を守ったのだ。彼女が大切にしてきたこの畑を何としても。

 

 

「あんなに大切にしてきた畑を、小島さんが壊すはずがない… 今ならまた言えるぜ。俺はあんたを救う。だから決める… サツキッ!!!!」

 

「グワァァァァァァァッッッ!!!!!」

 

「ウォォォォォラァァァァッッッ!!!!!」

《ライフル!! ファイア!!》

 

 

 ちょうどフォースの力が発動できる時間が過ぎており、その状態でセイブドライバーの引き金を引いて必殺の蹴りを放つ。

 大きな爆発音と共に、キラーズガンとデリートガンナイフが宙へと舞う。ドス黒い霧を纏い、ウヅキのものと比べると酷い色をしていた。

 

 

「あれのせいだなぁ… じゃあぶっ壊しますかね。あらよいしょ!!」

 

 

 ガーツウエスタンの後ろに、ライトニングウエスタンを組み合わせると、まるでライフルのような形になる。その状態でライトニングの方にフォースガンナイフを差し込む。

 

 

「ぶっ壊れろッッッ!!!」

《ライフルヨンガーツ!! フォースエイプリルシューティング!!》

 

 

 放たれた一発の銃弾は鋭く大きくなり、それら2つを貫いてついに破壊する。

 

 

「やったぁぁぁ!!!」

 

「──っしゃ!!! 今日の俺も、勝利の日だっ!!!」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

 それから小島さんはすぐ警察に出頭した。彼女は自分の身に何が起こったのか覚えてないらしいが、ま、一応全部話したんだけどね。ものすごい勢いで謝ってきたよ。

 彼女の畑はどうなったのかっていうと、難しい話は省いて、今回の騒動もあって、色々と巧也の方でやってくれたらしい。それで権利は両親の方に行ったらしい。らしいだからね。詳しいことは俺にも分からないけど、なんだかんだでこれで良かったと思う。

 

 

「ただ… 俺の今の状況は良くないのか。それとも良くないのか」

 

「なにさっきからブツブツと独り言してるんだ?」

 

「じゃあ話してもらおうか… 兆のそれと、俺がもらったセイブドライバーの事を」

 

 

 RIVERS内にて、俺は事情聴取をされているわけだ。あーあ、これ前に見たことある展開になってきたぞ。

 

 

「まぁもう何度目となりますけど、これでようやくわかったと思うんだけどさ。真実は… 俺がトリガーだ」

 

「… やはりそうなるのか」

 

「はい (また始まるぞ〜。お前は嘘をついているとか、頭大丈夫か〜とか)」

 

「期待していた自分がいたよ。兆なら俺がトリガーだって言うだろうな、と。でも、逆に俺はお前が、トリガーは別のやつだ、って言ってくれれば良かったって思ってる」

 

「あ、え、巧也さん…」

 

「信じるしかないよな。現に俺がこの力を手に入れて、テロスが俺たち2人にセイブドライバーを渡した。お前は違ったか? どっちでもいいが、証拠は揃ってる。まさか、俺の両親を殺した、俺の仇が、俺の生涯の敵が、目の前にいるんだからな…」

 

「………」

 

 

 巧也はここの誰もが見た事がない悲しげな表情を浮かべている。孝四郎や佳苗、永理も黙ってしまうほど、RIVERSは誰も言葉を発さぬまま時間が過ぎて行く。

 それからようやく巧也が口を開いた。

 

 

「── 兆」

 

「はい」

 

「これだけは聞かせてくれ… お前は……… 俺の両親を殺したのか?」

 

「………」

 

「覚えてないなら、それでいい」

 

「─── このトリガーとして、今までやってきたけど、誰かを殺すって言うのは、本当にどうしようもない時だけだった。巧也さんの両親を殺したのかは本当にわからない… ただ、巧也さんの話からすると、あの日の3年前?は俺がちょうど記憶がない状態でウォンテッドと戦ってた頃で………」

 

「どうした?」

 

「すんません。やっぱり記憶にないっす…」

 

「…… そうか」

 

 

 また暫く部屋の中は静かになった。しかし、この静寂の中で、先に口を開いたのは兆である。

 

 

「巧也さん。いいっすか?」

 

「なんだ?」

 

「俺は自分が何者で、何の為にこのドライバーを持っていたのかわからない。もしかしたらウォンテッドの手先かもしれないし、その、言いにくいけど記憶がなくなる以前、巧也さんの両親を殺してしまったのかもしれない」

 

「あぁ…」

 

「本当に自分勝手だと思ってるし、ふざけんなって話だけど… ウォンテッドと戦わせてほしい。人を守る為に。絶対に償えない事をしてるのはわかってるし、とんでもない罪を犯してる。だけど、せめてもの報いとして、奴らと戦わせてほしい。この戦いが終わったら、逮捕だって何だってしてもいい!!」

 

「兆…」

 

 

 兆とは思えないほど真面目な表情を見て、巧也は驚いた。いや、ここにいる全員が驚いた事だろう。

 彼の真剣な眼差しを見た巧也は、立ち上がって兆へ近づいて行く。

 

 

「兆」

 

「……」

 

「俺の答えを言おう──」

 

 

 RIVERSに緊張の糸が張られた。




以上です。

ついにトリガーの正体が判明しました。本人は知られたがっていたけれど、この状況では喜べませんよね…

では次回、第8劇「月夜」

それから感想ありがとうございます!! 他にもなんでも(ん?)コメントしてくれて結構です!!「このキャラをもっと出してほしい」や「このアイテムの説明記載しろや」などなどご質問やご要望も構いません。
それではまた次回お会いしましょう。
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