仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんこんにちは。私です。

前回、何やらすごい能力持ちのやつが出てきましたね。なんとか逃げたが、果たして兆たちはどうするつもりなのか…?

それではどうぞご覧ください


第11劇「長距離射撃」

 兆と永理はフミヅキからなんとか逃げてRIVERSへと戻り、メンバーに詳しい事情を話した。話を聞いた途端に、巧也の怒号が室内に響き渡る。

 

 

「するとフミヅキは記憶だけではなく、用済みになった人々は消滅させるだと? ふざけるな!」

 

「まぁまぁ巧也さん落ち着いて… って、まぁ無理な話か」

 

「これが落ち着いてられるか。兆、お前だってわかるはずだ」

 

「誰しもが願い事をするし、願いが叶える為にはそれ相応の努力や時間をかけなきゃならない。それがただ願うだけで叶う方法があるとするなら… わからないこともないかもしれない」

 

「んー…… さて、この話はここまでにしよう。それで、相手は空間を操る事ができるらしいが、永理に何か名案があるらしいな?」

 

 

 永理の方に向き直ると、彼女は椅子に座って下を向いていた。人の話を聞く態度には見えないが、明らかに何か思い詰めているようだ。

 

 

「永理。聞いてるか?」

 

「── あ! はい!!」

 

「どうした? 何かあったのか?」

 

「い、いえ……」

 

 

 兆にはその原因が分かっていた。フミヅキの所で彼女の記憶について触れられていた時、永理は高校時代の前の記憶を思い出す事ができていなかった。

 フミヅキがホラを吹いているかもしれないが彼女の表情からはとても奴が嘘をついているようには見えない。全て事実を伝えているようだった。

 

 

「えっと、フミヅキは空間を自在に操る事ができます。しかし強大な力にはやはりデメリットがありました。まず1つが、奴が意識を寄せていないものには効果が発揮されないという事。そしてもう1つが、奴が作り出せる空間には制限があるという事です」

 

「制限がある? なぜそう言い切れるんだ?」

 

「はい。理由は私と兆さんが逃げた時、奴は追ってきませんでした。奴なら追える距離で、尚且つ能力を使える余裕もあったと思います。しかしどうやら私達との距離が絶妙に離れており、能力が発動できなかったのではないかと」

 

「なるほど… お前ならまだ他に確信できる部分があったと思うが、聞かないでおこう。なら、作戦はもちろん?」

 

「遠距離からの攻撃です」

 

「ちょうどいい。孝四郎から渡されたフィガンナイフの出番だな」

 

 

 毎度思うのだが、孝四郎は幹部戦になると、タイミング良くフィガンナイフを完成させているなと。ある意味での才能ではないかと兆は思った。

 

 

「じゃ、早速行きますかね… 俺が囮になるよ」

 

「よし、これよりRIVERSはフミヅキの逮捕に出る。俺と兆の2人で奴のところへ行く。他は待機だ」

 

 

 この命令に永理は少々戸惑ったが、今の自分が行っても迷惑をかけるだけだと、何も言わずに素直に応じた。それを察していた巧也は、すれ違い様に彼女の肩に手を置いてからその場を後にする。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

 2人はフミヅキがいるビルに着くと、それぞれが持ち場へ着き始める。相手は幹部であるが為、対策を取られている可能性がある。兆はトリガー ファーストリボルヴに変身し、ビルの階段をゆっくり上がって行く。

 トリガーは耳に付けている小型のイヤホンでシェリフと通話をしながら先へ進む。

 

 

「巧也さん。二階だから目的地はすぐよ」

 

『わかってる。だからこそ気を抜くな』

 

「はいはーい… あれ?」

 

 

 そこにはあんな変哲もないオフィスが設けられていた。あのいかにもと言った感じの扉はどこにもない。ゴミ箱の中身を漁ってみたりもしたがやはりどこにもない。

 

 

「おかしいなぁ…」

 

『どうした?』

 

「いやぁね。例の部屋がなくなってる」

 

『…… なるほど。兆、階段を上がれ。奴は上にいる可能性がある』

 

「あーはいはい。上に行けば行くほど俺に逃げ場は無くなってくるからな」

 

『気を付けろよ』

 

「わかってるさ」

 

 

 3階、4階と昇って行き、次が最後の5階になる。腕を回して気合を入れ直し、5階へと進む。

 

 

「さて、着いたぞ…… って、なんだこりゃ!?」

 

 

 部屋はどこにもないが、その代わりに5階自体が1つの部屋となっている。その真ん中にフミヅキが腕を組んで待っていた。

 

 

「随分と余裕そうだな。えぇ?」

 

「… まぁね」

 

「願いを叶えるってのはまぁいいだろう。だけど人を消すってだけは許さんぞ」

 

「それの何がいけないんだ? 俺は叶えてやる代わりの代償としてやってるんだ。ギブアンドテイクってやつ」

 

「理由になってないぞ。あとその服センスないと思うよ。さっき来た時言わなかったけど」

 

「ぐっ…!!…… まぁ、俺は昔からそういう事が好きなんだよ。好きだからやってる。7つも願いが叶うなんて言ったら案の定みんなポンポン使うし… でも、人間ってのはやだね。テレビのリモコンが届かないくらいで無意識に思ってしまう。このリモコンが私の手に飛んでくればいいのに…ってね? 全く馬鹿だと思わないか? それであと1つの願いを使って、はいさよなら。それを見るのが面白くってしょうがない!!」

 

「確かに誰しも叶えたい願いはあるだろうよ。俺だってあるぜ? 例えば自分の記憶を取り戻したいとか、ムフフな事にならないかなとか、透明人間になりたいとか。強風が吹いてこうきゃー的なのとか」

 

「後半のクッソみたいな願いはさておき…… お前にも願いがあるならどうだトリガー? 俺と契約しないか?」

 

「あ?」

 

「俺の能力は作り出した空間内ならなんでもできる。それを応用して契約した奴らに7個分のエネルギーを付与してやる。あいつらだけの空間を作る。ま、そのせいで今空間を作れるのに限度が出てるけど… どう? 願いを叶えられるんだよ? 悪い話じゃないだろ?」

 

「悪い話ではないな。消える以外」

 

「そうだろ? トリガー、お前なら消えるというデメリット無しでも使っていいよ? 今だけ大感謝セールさ」

 

「んー……」

 

「君の記憶も、彼女の記憶も取り戻せるかもしれないよ?」

 

「あー……」

 

「君の所のマスターも何かさ……」

 

「──── わかった」

 

「契約成立って事で……」

 

「きっぱりお断りさせていただきます」

 

「…………… は?」

 

「負担ゼロでセールって言葉に心が惹かれたが、ダメだダメだ。俺が欲しいものは俺自身の実力と根性で取る。確かに叶えるられるのならば叶えたいさ。だけどな。簡単に叶わない人生ってのも、このトリガーの楽しみの1つであり、自分自身に課した試練よ」

 

「……… ホントにお前は馬鹿なのか…? そういう事なら契約は不成立。お前はここで死ね」

《シ・ザイ・キリング・ウォンテッド!!イーディアー!!》

 

「そうだ。俺の願いの1つを教えてやるよ。何故ならそれはもう叶いそうだからな…… お前を倒すって事がよッ!!!」

 

 

 トリガーは走り出し、腹部に蹴りお見舞いしようとするが、その不意打ちには簡単に反応されてしまい反撃を喰らってしまう。

 

 

「ただ突っ込むだけで勝てると思うなよ」

 

「無意識に… 脱力して… そして殴る。今日はお前の願望聞かないデーだッ!!」

 

「ふざけた事をッ!!!」

 

 

 フミヅキの攻撃を躱しながら、隙を見つけて後退し、部屋の中をぐるぐると周る。ガーツウエスタンを放ちながら、ただ単に彼から逃げる。

 しかし、トリガーの放った銃弾はフミヅキにはまるで当たらない。あろう事か当たる気配すらないのだ。

 

 

「どこを撃ってるんだ? あのトリガーが銃の扱いが下手くそだとか笑える展開だね」

 

「確かにな。だけど、この天才イケメントリガー様々は無駄な射撃はしないぜ」

 

「意味があると?」

 

「それは自分の目で確かめて、どうぞ」

 

 

 ただ銃を撃っていたわけでも、フミヅキを狙っていたわけでもない。彼に考えがあるからこその行為。それは放った銃弾が地面を徐々に削り床を削り穴を開けていた。

 意識を完全にトリガーに向けていた為、フミヅキの判断が一瞬遅れた。その瞬間を狙いトリガーは穴の中へ入ると、そのまま下の階へ降り、直ぐさま壁を蹴り壊す。ポッカリと穴が開いたそこから顔を出すと、上からフミヅキが追ってきた。

 

 

「おっと逃がさないよ!!」

 

「うわっ… と!?」

 

 

 フミヅキが手を翳すと4階が全て部屋に変わる。もちろん開けた壁も塞がれてしまった。おまけに先程まで聞こえていたイヤホンもノイズが入り、まともに聞ける状態ではなくなっている。

 

 

「卑怯だな。あんまりそれやられるとイラッと来るかも」

 

「… あーあ、折角逃げようとしたのに壁を塞がれちったぁー トリガー超ショックー」

 

「なんだそれ? なめてんの?」

 

「なめてるよ。だって勝利が確信に変わって行くんだから」

 

「このやろう…!!」

 

 

 トリガーに手を翳すと掃除機のように吸い寄せられ、そのまま近距離で腹に数発撃ち込まれる。これがとてつもなく痛い。そんな事はフミヅキには関係ない。吸い寄せた状態でトリガーを殴り続ける。

 

 

「ぐはっ…!!」

 

「随分なめた態度取ってくれたね? だけどそれももう終わりだよ。だってここは俺の空間、俺の世界だ!! 誰にも邪魔は出来ないしさせない!! お前がここでなにをしようと、それも全て無駄に終わるッ!!!」

 

「そ、そうか… そうだよな… うぐっ!」

 

「どうしたほら!! さっきまでの威勢はどうしたよ!!」

 

 

 フミヅキは手を思いっきり突き出し、トリガーを壁に叩きつけ、そのまま硬い壁に押しつける。強烈な重力が彼を襲い、ミシミシと音を立てて彼の体を圧迫する。

 

 

「こ、これは… きっつい…!!!」

 

「このまま紙のように潰してからサイン書いてやるよ!!」

 

「さ、さて… この位置ならギ、ギリギリかな────」

 

 

─── シェリフはトリガーのいるビルが肉眼でギリギリ確認できる位置に立っていた。そして彼が壁を蹴り壊した事を確認すると、新作のフィガンナイフを取り出し起動させる。

 

 

《EIGHT》

「良くやった兆」

 

 

 エイスガンナイフをセイブドライバーへ差し込み、引き金を引くと、巨大なスナイパーライフルが現れ、少し遠く離れた一直線のアーマーにターゲットし、1発で全て撃ち抜くとシェリフに装着される。

 

 

《エイスガンアクション!! シェリフ!! ロックオンスナイパー!!》

「これでタイムウエスタンを変形させればいいんだな」

 

 

 タイムウエスタンを変形させると、スナイパーライフルのような形に変わる。そこにエイス専用のアイテム、エイススコープを取り付けて、銃口をビルに合わせそれを覗き込む。標準を徐々に調整し、先程穴が開いたであろう場所へ合わせる。

 

 

「…… この作戦を考えたのはお前だ。しっかりやれ」

 

 

 このエイスの放つ銃弾は、トリガーとシェリフのどのフォームを持ってしても防ぐ事ができない破壊力があるが、1発放つだけでもかなりのエネルギーを消費する為、次を放つ為の時間にロスが出る。

 

 

「外せば兆が死ぬか、俺の場所がバレて作戦失敗になるか… 全く無茶を言ってくれるな」

 

 

 しかし、何故かシェリフは落ち着いていた。銃を構え、スコープを覗き込む。イヤホンからはノイズ音が聞こえるだけ。辺りはとても静かだ。

 そしてじっと待つ。兆が穴を開けたのは逃げる為ではなく合図をする為。そしてその合図より10分後に一点の場所を撃つ。フミヅキの高さに合わせた調整。微調整を行い、とうとうその時間が訪れる。

 

 

「……ッ!!!」

 

 

 シェリフが放った1発の銃弾は、風を切りながら4階のビルの壁に向かう。トリガーは銃が放たれた瞬間に、渾身の力で自分の首を曲げると、頬を銃弾がかすめて、そのままフミヅキの胸部を撃ち抜く。

 

 

「あ、ガハッ…!! そ、そんな… これは…… 一体、なんだッ!!?」

 

「さすが巧也さん。タイミングぴったりだぜッッ!!!」

 

 

 トリガーはセイブドライバーの引き金を引いて、弾が当たった胸部を今迄の分をこめて蹴り込む。

 

 

《リボルバー!! ファイア!!》

「これで最後だッ!!」

 

「くそっ… トリガーッ!!!」

 

「うぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁッッッ!!!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 

 そして爆発すると共にフミヅキの銃を粉々に砕け散った。地面に落ちて行く破片を見ながら、いつも通り手を銃の形にしてからこう叫ぶ。

 

 

「今日の俺も勝利の日ッ!!!」

 

 

 やっと終わったと背伸びをして、元通りになったビルの穴から外を見る。目を凝らすとシェリフが手を振っているのがわかる。トリガーも手を振り返そうとすると、背後に違和感を感じて振り向く。

 フミヅキがボロボロの体で起き上がろうとしていたのだ。

 

 

「おいおい。流石に爆発したらやれてるのが普通でしょ。ていうか、お約束です」

 

「ふっ、ふふふっ…」

 

「何笑ってるんだ?」

 

「ウォンテッドの幹部にはまだまだ上がいる。俺で手こずっているようじゃあいつらには勝てない」

 

「その為に新しいフィガンナイフ作って返り討ちにしてやる」

 

「だろうね。お前もいずれわかるさ… 自分の立場ってやつをね」

 

「なに? 立場だって?」

 

「お前は褒められた男じゃないってことさ。お前はそこに居てそこに居ない。トリガー、それがお前なんだよ」

 

「なんかよくわからないけどわかった」

 

「つまりお前が記憶がない理由はッ─────」

 

 

 何かを言おうとしたフミヅキの体は砂のように崩れ、衣服を残したまま姿が消えてなくなってしまった。

 

 

「逃げた… 訳じゃなさそうだな…」

 

『── 兆、俺だ。そっちは?』

 

「あー巧也さん? フミヅキ消えた」

 

『なにっ!?』

 

「あれは力の使い過ぎか… 或いは消されたか。何か言おうとしてたみたいだけどそれのせいかな?」

 

『そうか… それにしてもよくやった。任務完了だ』

 

「へーい」

 

 

 フミヅキが言いたかった事は気になるし、それにマスターがどうとか言ってたけど何かあるのだろうか?

 とりあえずRIVERSへと帰り、今後について話し合う事にする。




以上です。

マンネリしてますが、まだ序盤やし大丈夫やろ…(震え声)
次からフォームチェンジのラッシュです。
そして兆や永理などの面々の謎についてそろそろ触れて行くつもりです。

では次回、第12劇「五感」
感想、質問等なんでも(ん?)どうぞよろしくお願いします。ではまた次回お会いしましょう。ほいじゃまったのぉ〜
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