仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんこんにちは。

前回、ハヅキを倒した兆。そして現在、巧也はエリアIで3日間潜伏中であり、かなりくたびれてる模様。しかしそこに怪しい影が…?

それではどうぞご覧ください。


第13劇「急がば爆発」

 もう3日も飯を食べていない状態だ。よそ者を見つければ即座に人々が束になって、一斉に襲いかかってくる。逃げ続ける毎日で、特にこれといった情報もないまま途方に暮れていた。

 巧也はある建物内の空の部屋で壁を背に座っている。

 

 

「……(さて、これからどうしたものか。幹部も見つからなければ、それらしい動きもまるで見せない。それとももうこのエリアから移動しているのか?)」

 

 

 そんな事を思い体制を変えようとすると、ドアが開かれる音が聞こえた。巧也はすぐさま視界に隠れジッと待つ。

 鍵は閉めたはず。どうやってここに入ってきた。

 足跡は徐々に近づいてくる。そして巧也は視界に入った瞬間に、その人物を地面に伏せさせた。

 

 

「ちょちょ、待った!! タイムッ!!」

 

「ここの街の奴か? いや、違うな。幹部の手先か?」

 

「違う違う!! 話を聞いてくれって!! 俺はあんたがRIVERSの課長だって知ってるし、それにここに調査に来たことも知ってる!!

 

「……尚更怪しいな」

 

「だーかーらー、話だけでも聞いてくれって!!」

 

 

 彼の必死な姿にため息を吐くと、拘束を解いてまた座り直す。彼は巧也の目の前で胡座をかいて座る。

 

 

「いやぁ、悪いね。もう3日も経つし、そりゃ警戒するわな」

 

「それでお前は誰だ?」

 

「あぁそうだった… 俺は "木的 狩馬" だ。よろしく」

 

「そちらは俺のことをわかっているらしいから省かせてもらうが、なんの目的で俺とコンタクトを取った?」

 

「えっとそれはだな───」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

「木的 狩馬。年齢33歳。最近出てきて、懸賞金目当てに犯人を捕まえてくるバウンティハンターね」

 

「いや、佳苗さん。バウンティハンターって実際いるのかね…」

 

「あら、兆くんだって本来超重要指名手配じゃない? それと同じよ」

 

「同じなんすかねぇ…」

 

 

 RIVERSでは、ようやく巧也から連絡が来たという事で、全員集まっていた。すると巧也は現在、エリアIでその狩馬という男と共にいるらしい。最近になって賞金が付く犯人が連れられてくるようになり、警察としては有難い事なのだが、この3日で既に10人は連れてきている。その怪しさ満点の人物といるとのこと。

 

 

「巧也さんそれ大丈夫なのか…?」

 

「とりあえず兆くんは、巧也の援護に向かって。それと孝四郎からフィガンナイフもらって行ってね」

 

「ほーい」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

「よし、連絡は完了だ。それで? これからどうするつもりだ?」

 

「…… ま、さっきも言った通り、俺はしばらくこの街にいるから」

 

「妹の為にか」

 

「もちろん。RIVERSのトップのあんたなら色々聞き出せると思ったんだが… なにも情報がないとはね」

 

「悪かったな」

 

「あぁ、変に聞こえたなら謝るよ。別に嫌味で言ったわけじゃない。何となく分かってただけさ」

 

「… しかし人探しとなるなら1人だけだと厳しいだろう? これも何かの縁だ協力しよう」

 

「ははっ、あんたもお人好しだなぁ。さっき会ったばかりの奴を信じていいのかよ?」

 

「まず俺が信じなきゃ先には進めない。困っている誰かがいたら手を差し伸べる。それが警察としての務めだ」

 

「ならお言葉に甘えるとしようかな。とりあえず本拠地は抑えてるぜ」

 

「なに…!!?」

 

 

 巧也が3日滞在して全く情報が手に入らなかったのに対し、狩馬は敵の本拠地を抑えているというのだ。それもそのはずであり、彼はかなりの期間ここにいるらしい。

 早速2人は外へ出ると、裏道を使いながら本拠地へと向かう。

 

 

「このエリアの頭はヤヨイだよ……」

 

 

 その名をいうと、狩馬の顔は怒りも憎しみに満ちている。巧也は特に聞くことはしなかったが、大体は察することはできる。きっと妹の件があるのだろう。

 

 

「あいつは金だけが全ての男だ。民衆から金をむしり取り、そして金を払えない奴らは記憶を奪って殺す…… そして金のためなら何でもする。妹も……!!!!」

 

「……… そうか」

 

「ハァハァ… 悪い悪い。ちょっと火がついちまったよ」

 

「気にしてない」

 

「── あそこだ」

 

 

 そこには何の変哲もない空き地があった。狩馬は空き地にある瓶を持ち上げ、近くのゴミ箱に捨てる。ただゴミを捨てただけなはずもないが、それだけで何かが起こるのか?と、巧也が思っていると、空き地の真ん中に階段が現れる。

 

 

「ど、どうなってるんだこれは…」

 

「さ、降りようぜ」

 

「待て! ウォンテッドがあるかもしれないんだぞ?」

 

「あんたよりここは長いから任せなよ」

 

「あ、あぁ…」

 

 

 そのまま彼について行くと、思った以上に堂々と進んで行っている。警備がかなり手薄なようで多少音を出しても、まるで人が来ない。そもそも人の気配がない。

 

 

「本当にここにいるのか?」

 

「いる… とは確実には言えないけどな」

 

「なに?」

 

「あいつは大体外に出てるんだ。さっきも言った通り人から… な? とりあえずあいつの部屋に行かないと、それはなんとも」

 

「そういう事なら。それにいなかったとしても何か大きな情報も収集できる可能性もあるからな」

 

 

 そして2人は黄金の扉の前に来た。扉を開けて中へ入ると、聞いている話とは裏腹に、中は綺麗に整頓されており、本棚がずらりと部屋の中を覆っている。

 そこにヤヨイの姿はどこにも見当たらない。

 

 

「… いないな」

 

「そうだな。留守らしい」

 

「…… 狩馬」

 

「ん?」

 

「この結果、お前はわかっていただろう」

 

「なんだって? おいおい、勘弁してくれよ。まさか俺を幹部の1人だと思ってんの?」

 

「いや、お前の目的はこの部屋を調べること。その為に俺をここに連れてきた… そうだろ?」

 

「…… どこで確信を?」

 

「言動がさっきから怪し過ぎる。それに矛盾してる部分も多々あったからな。賞金稼ぎは演技が下手らしい」

 

「じゃあ、後ろにいるアレ。任せる」

 

「そのつもりだ」

 

 

 後ろを振り向くと、ウォンテッドの集団が扉からゾロゾロと入ってきた。かなりの数に少々驚くも、すぐにセイブドライバーを装着にセブンスガンナイフを取り出す。

 

 

「課長さん! 礼はするから頑張れよー!!」

 

「危なくなったら言え。すぐに行く」

《SEVEN》《SET》

 

 

「変身!!」という掛け声と共に引き金を引いて、シェリフ セブンスアサルトへと変身する。

 それからタイムウエスタンを変形させ、アサルトウエスタンにし、右から流れるように撃ち抜いて行く。

 

 

「なんかないかなー… お、これは中々金になりそうだな」

 

 

 次から次へと攻め込んでくるウォンテッドたち。その勢いは止まることを知らず、入口が壊れるほどの群れが、雪崩のように部屋に入ってきた。アサルトウエスタンでの連射も次第に追いついて行かなくなりつつある。

 

 

「おい、まだか!!?」

 

「あとちょっと待って…… あ、ここにも」

 

「この数、さっきまでここに居なかったはずだ…!!」

 

 

 今更ながら罠だった事に気づく。狩馬を信じて来たが、その彼自体もまんまと嵌められたらしい。怪しいと気づくべきだったのかもしれないが、巧也の疲労も溜まっている事もあり、正常な判断力が鈍っていた。

 

 

「── よしっ!! いいぜ課長さん。いいもん見つけた!!」

 

「なら外に出ッ───!!?」

 

 

 シェリフがほんの少し目を離した瞬間。ウォンテッドの群れは2人を完全に囲み始めていた。狩馬はその良い物を抱えて、シェリフと背中合わせになる。じりじりとウォンテッドが2人に近づいて行く。

 

 

「妹見つけずにここで死ぬとかごめんだぞ!!」

 

「なにか打開策は……」

 

 

 そしてウォンテッド達が一斉に飛びかかろうとした時、入口から無数の発砲音が聞こえたかと思うと、群れの一部が一気に削られた。

 シェリフは一瞬戸惑ったが、その事を理解すると自然と笑みが溢れた。

 

 

「…… 遅かったな」

 

「ほうほう。これは敵さん大勢で楽しそうですね。今日はお前らの爆散記念日だぜ!!!」

 

 

 兆はエリアIに着くと、人を避けながら隈なく探し、その途中で銃声を聞きつけこの場所を見つけた。

 フィフスガトリングへと変身したトリガーは、ガトリングウエスタンを放ってから、シェリフに向けてフィガンナイフを投げる。

 

 

「さぁ、いっちょ決めちゃいやしょう!!」

 

「あぁ!!」

《NINE》《SET》

 

 

 シェリフはセイブドライバーの引き金を引くと、巨大なミサイルランチャーが現れ、浮遊するアーマーを捉え、爆発を引き起こすと同時に装着される。

 

 

《ナインスガンアクション!! シェリフ!! エクスプロージョンミサイル!!》

 

 

 フォームチェンジをし、肩に装着されたボックスから、ミサイルを計8発発射させると、とてつもない爆発によりウォンテッドの群れが一斉に消し飛ぶ。

 

 

「これで最後だ!!」

 

「決めるぞ!!」

 

 

 2人は同時に引き金を引くと、天高く飛び上がる。そしてエネルギーを纏ったキックを、上空よりウォンテッドの群れに炸裂させると、大爆発すると共に跡形もなく消え去った。

 

 

「あれは… トリガー…!!!」

 

 

 狩馬は急に血相を変えて、トリガーに近づくが、地下内が大きく揺れ始める。先程の爆発の影響で地盤が緩んでしまったのだろう。なにかを言いたそうな彼をシェリフが抱えると、外に急いで出る。

 そして外へ逃げ出した直後に、ガラガラを音を立てて入口が塞がれる。

 

 

「…… なんとか逃げ切れたな」

 

「そっすね」

 

 

 するとトリガーが不意に後ろを振り向いた瞬間、狩馬が懐のナイフを取り出し刺そうとして来た。あまりの急さに変な声を出して避けてしまう。

 

 

「な、ななななんだ!!?」

 

「トリガー。お前に賭けてある金額は知っている。お前を警察に突き出せば、晴れて俺は金持ちになれるってもんだ!!」

 

「あ、そっか。俺、指名手配犯やん」

 

「覚悟しろ!!」

 

 

 ナイフの扱いはうまいが、常人ではトリガーに傷をつける事はできない。軽く避けてから跳躍し、近くの電柱に足を絡めると、手を振ってから走って逃げ出す。

 

 

「あばよ!! 悪いけど俺は消えさせてもらうぜ!!」

 

「くそっ!! 待ちやがれ!!」

 

 

 追いかけようとしたが、もう既にトリガーは彼方へと逃げてしまった。まんまと逃してしまった狩馬は拳を握りしめて怒りを露わにするが、すぐに平常心に戻り、既に変身を解いていた巧也の元へと戻る。

 

 

「大丈夫か?」

 

「あぁ、なんとかな」

 

「…… トリガーとはどんな関係だ?」

 

「あいつは…… 因縁の相手だ。いつか本性を暴く為に見た通りの関係を気づいている」

 

「なるほど。だが、あいつを捕まえんのはあんたじゃないぜ。俺だ。じゃないと、せっかくの金が手に入らないからな」

 

「…… そうか。一度RIVERSに戻るぞ。もちろん約束は守ってもらう」

 

「礼の品でしょ。わかってる」

 

「なら、戻るぞ───」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

 RIVERS内に驚きの声が響き渡る。狩馬の持って来た良い物というのは、なんとセイブドライバーとフィガンナイフ資料であったからだ。しばらくざわついた後、巧也達は深呼吸を行い冷静になる。

 

 

「まさか… 奴らのアジトにこんな物が保管されていたなんて…」

 

「セイブドライバーをデータ解析しても出てこなかった情報もあります…… 今、制作している最後の一本が中々上手く行かずに困ってたんですよ」

 

「何故、あいつらの所にこんな物があったんだ? セイブドライバーとフィガンナイフについて何か知っているのか?」

 

 

 現在、巧也と孝四郎と佳苗。そして狩馬がRIVERS内にいるわけだが、一方の彼は佳苗を口説いていた。しかし彼女は軽く受け流しているようだ。

 

 

「佳苗さん、どうだい? この後、僕とカフェでパフェらないかい? もちろん奢るよ?」

 

「もう少し口説き方勉強して来た方がいいわね。それだと0点よ」

 

「え…? 0点…?」

 

「ありきたり過ぎてたまらないってことよ。それよりお茶出してあげるから飲んだら帰りなさい」

 

「まぁそう言わずにさぁ」

 

「興味ないから言ってるだけよ… あ、お二人さんおかえり」

 

 

 兆と永理が買い出しから帰って来た。またも彼女の物はひと回り大きい。それらを机に置いて、袋から出して整理し始める。

 

 

「ただいま戻りました」

 

「全く永理が色々買うもんで遅くなっちまったぜ。そんな食ってよく太らないでいられるな」

 

「あー! 兆さん。女性に対して太るは禁句なんですよ」

 

「いや、にしてもよ。その量見たら誰でもそう思うでしょうが」

 

 

 そんな彼女を見つめる男の目。狩馬はジッと永理な事を見つめる。完全にロックオンしているようだ。それに気づいた永理はビクッとし、兆の後ろに隠れる。

 

 

「な、なんか見てますよ……」

 

「なんか見てるな… 気持ち悪いほど見てるな」

 

「気持ち悪いです」

 

「あぁきもい」

 

 

 そして狩馬はズカズカと永理に近づき、肩に手をかけようとするが、兆はそれを払い、手をひらひらさせて向こうへ行けという仕草を行う。だが、彼は止まらなかった兆を押し除け、彼女両肩をガッチリと掴む。

 

 

「え、あ、な、なんです…?」

 

「………」

 

 

 黙って見つめる狩馬に恐怖で顔を歪める永理。兆はそれを止めさせようとしたが、その表情を見るや否や手が止まる。それから彼が言い放った一言はRIVERS内を暫く静寂が包み込んだ。

 

 

「あ、あのー…」

 

「え、永理……?」

 

「はい?」

 

「やっと見つけたぞ……!!!」

 

「だからどうしたんです──」

 

「─── 妹よ」




狩馬の妹はまさかの…!?
そしてセイブドライバーとフィガンナイフの資料が何故…?

というわけで次回、第14劇「十銃」

次回もよろしくお願いします。
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