前回、幹部復活!という事でしたが一体どういうことなんでしょうか。
それではどうぞご覧ください。
「幹部が現れたってどういうことなの…?」
「わかりませんよ! と、とにかく現場へ向かいましょう!!」
「お、おぉ! 孝四郎さんあと頼むぜ!!」
今まで倒したはずの幹部が再び現れた。にわかには信じがたい話しだが、とりあえず今は急いで真偽を確かめるしかない。
「…ったく、しゃーねーな。俺も行ってやるよ」
「え、狩馬さん兄さんもですか?」
「え、永理? まだ疑ってんのか?」
「え、はい」
「なんでだよ!! お兄ちゃんって呼んでくれてもいいじゃねーかよ!!」
「早く現場に向かいましょう!! 狩の兄さん!!」
「その呼び方は仮の兄貴に聞こえるからやめて!!」
こうして兆、巧也、狩馬、永理の4人は現場へと急行した。街の一部はすでに荒れており、悲惨な有様になっている。永理は逃げ遅れた人たちを誘導し、残りの3人は爆発音が聞こえる方へと歩みを進める。
「信じたくなかったけど……」
「あぁ、兆、狩馬。構えろよ」
3人の前にいたのは、倒したはずのウヅキ、サツキ、フミヅキ、ハヅキ、ナガツキの5幹部が破壊の限りを尽くしていた。怪人体であるので中身は不明ではあるが、少なくとも本人ではないだろう。刑務所の方にはすでに確認を取り、5人ともいるという連絡をもらっている。
「まーったくよー。せっかく汗水色々垂らしてやっつけたっていうのにさ。でも、俺が倒してないやつもいるし、リベンジマッチって事でいいのかな?」
「やるぞ。任務開始だ」
《FOUR》《NINE》
2人はフィガンナイフを差し込み、狩馬は壱月チケットを差し込んで番式ギアナイフを構える。
「「「変身ッ!!!」」」
《フォースガンアクション!! トリガー!! ストレートライフル!!》
《ナインスガンアクション!! シェリフ!! エクスプロージョンミサイル!!》
《壱式!! ギアチェンジ!! ゲツヨウ!!》
掛け声と共に引き金を引き、ギアナイフを差し込んで変身する。それに気づいた幹部達は一斉に走ってきた。
「今日はもう一度ぶっ潰す日だ!!」
「ハント開始だ」
ハントはまずウヅキを撃った後、すぐさまサツキに蹴りを入れる。するとフォースで破ったサツキの外殻にヒビが入る。どうやら思っていた以上に壱式の力は大きいらしい。
「す、すげー…」
「ま、オーバーフローする前にケリつけねーとな……… ん? あれ?」
「ん?」
「お前…… 確か兆つったよな」
「あ、はい。あっ」
「あっ」
「やべっ」
ここに来てまさかの正体がバレるという凡ミスを犯してしまった。しかし敵の攻撃は激しく、ツッコむ余裕がない。シェリフがミサイルで次々に爆発させ、なんとか塞いではいるものの、1人1人の能力が厄介であり、すぐに次の手をやられてしまう。
「おいおい!! 獲物が目の前にいたのかよくそっ!!」
「巧也さん助けて」
シェリフ自身忘れていたのだ。幹部復活という嘘のような話しが出た為、焦りが出てしまったのだろうか。しまったと、ため息をつくがとにかく幹部達をどうにかすることが先決だ。
「やはり3人で幹部相手はかなり手古摺るな」
「なら、これでどうだ?」
そういうハントは壱月チケットを外し、もう一枚別のチケットを取り出す。それは弍火チケットというもので、それを交換する形で差し込む。
《弍式!! ギアチェンジ!! カヨウ!!》
「うぉぉぉぉっっっ!!!!!」
ハント自身の見た目は変わらないが、体中から燃え上がり、両手に火の球を作り出す。その火球を幹部達に向かって投げると、凄まじい勢いで炎が包み込む。
「どうだこのやろう!! これが弍式の力だ!!」
「火の力かぁ… 魔法使いみたい」
「お前もこうなるから覚えとけよ」
「妹さんには優しく接してるから許してほしいんです」
シェリフは2人にまだ終わってないぞと喝を入れると、幹部達は火を振り払い姿を現した。外傷が見えるほど大きなダメージを与えている筈なのだが、まるでその動きは最初のようにピンピンとしている。
「どういうことだ!? こいつら一体…」
「巧也さん。言うことがあるとするなら、こいつら中身がないかもしれない」
「中身がないだと? 根拠は?」
「さっきからフォースの一撃喰らわしてるんだけど、全く手応えを感じない。わたが抜かれたぬいぐるみみたいな。ペラッペラというかさ」
「…… 何にせよ。俺と兆の攻撃が効いてないというのは確かだ」
先ほどからトリガー達の攻撃より、ハントの攻撃の方が通っている。単純な火力不足だけではない。何か引っかかる。
その時、幹部達は動きを止め、後ろからヤヨイが姿を現した。ハントはその姿を見るや否や銃を構え、今すぐにでも射撃できる体制を取る。
「何しに来た…!!」
「お?… くくくっ、どうやら困っているらしいな? 俺達の攻撃が効かないなってな」
「この幹部は何だ!!!」
「お前だな? 前から俺のシマで好き勝手してくれたガキは」
「それがどうしたこのゲスやろう。俺の質問に答えろ!!」
「荒いやつだ。いいぜ? 教えてやるよ。こいつらは俺の能力で作り出した雑魚1人1人にキラーズガンとデリートガンナイフを渡して使わせた」
「なんだと…!!?」
「ボスが試しにやるつったらくれるからよ。ま、時間は掛かったが元々の所有者の奴らの記憶を入れたら出来ちまった」
「待て!! 記憶を入れるってなんだ」
「質問が多いなお前。つまり、俺たち幹部は記憶の出し入れも自由自在って事だ」
その事実を聞いた瞬間、彼ら元幹部の確認を取った時、様子がおかしいとの連絡も入っていた。どうやらそれは記憶を失っているからであったのだ。いつどこから盗まれたのかは分からないが、奴らであるなら造作もないのかもしれない。
「おいおい… ここに来て記憶奪う以外にも与える力とかふざけた事言ってくれるな」
「トリガーか。お前も記憶がないんだってな。可哀想な野郎だ」
「微塵も思ってもいないこと言っちゃってさ。で、だからと言って俺たちの攻撃が通らないのはおかしいんじゃねーか?」
「それもそのはずだ。俺の力はただ増やすだけじゃない」
「なに?」
「── 記憶から耐性を作る」
そういうと止まっていた幹部達は動き出し、トリガーとシェリフの元へと走り出す。意味がわかった狩馬は守ろうとするが、ヤヨイが行手を阻む。
2人もその言葉の意味は理解していた。2人と戦った記憶から、それぞれがそれに対応した硬さや柔軟さや力を身に付ける。つまり既存のフィガンナイフは幹部達からしたら克服したも同然なのだ。
「だから狩馬さんの攻撃は通ったって事かよ…くっ!!」
「ぐはっ…!! さっきよりも力が増している…!!?」
ヤヨイが現れた事で、更に動きが良くなったのか。トリガー達は徐々に追い詰められる。ハントは何とか2人の元へと駆け寄ろうとするが、ヤヨイの嵐のような銃弾が行く事を許さない。
ハントは銃で応戦しながら、隙を見てギアナイフを押し込み腰を深く落とし、銃を構える。
「くらえッッ!!!」
《キカンギアブレイク!!》
炎を纏った銃弾が放たれると、ヤヨイはすかさず幹部達を盾にする。その瞬間、ハントは2人に合図を送る。逃すために時間を稼ぐつもりだ。
「狩馬さんあんたはどうするんだ!!?」
「俺は後から追いかける!! さっさと行け!!いいか? お前を捕るのは俺だ!!」
逃げる彼らを追おうとするが、今度はハントがそれをさせない。再び銃を構え直し、ヤヨイ達を足止めする。
「いいのか? お前死ぬぞ?」
「妹残して誰が死ぬかよ。お前には恨みがあるんだ」
「妹だと?」
「お前に売られた妹だ。まぁ、何人もいる中でそんなの覚えてもいないだろうけどな」
「妹か。ん… お前まさか─── くくくっ…!!」
「な、なにがおかしい!!」
「巡り合わせというやつか? そういえばいたな。あの時の奴だろ? そうだよな?」
「覚えてもいない事を… デタラメを言う気ならやめとけ。頭ぶち抜くぞ」
「家族4人」
「…っ!!?」
「お前はなにも出来ずただ呆然としてるだけだったな。ハーッハハハハハハハハッッッ!!!!」
「ヤヨイィィィィィィッッッ!!!!!」
怒りに任せて何発もの銃弾を放つが、ヤヨイはウォンテッドを大量に生み出し、その群れの中へと姿を消す。それでも尚、撃ち続けたが、ウォンテッド達がいなくなると、そこにはなにもなくなっていた。
「はぁ… はぁ……… くそっ…!!!」
行き場のない怒りをそのままに、ハントはRIVERSへと戻って行った。
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幹部の復活だけならよかった。よくはないのだが、それに加えてこちらのフィガンナイフが効かないとなると今は手の施しようがない。唯一の頼みはギアナイフだけだ。
だからこそ兆は研究室で幸四郎と共に頭を抱えながら、新たなフィガンナイフの製作を進めていた。
「テンスの派生… 2個に分ける。本当にちっちゃい子がやりそうな単純な事なのにさ。何でできないんだろうかねぇ…」
「焦る気持ちはわかるけど、やっぱりそう簡単にはいかないのが面白いじゃないか」
「さすが研究者。だけど俺は疲れてきたよ」
「大丈夫。できた時の喜びで疲れは一瞬で吹っ飛ぶよ」
「逆にどっと疲れきそう…」
研究室では試行錯誤が繰り返され、一方の佳苗も幹部達の位置情報を何とか探ろうとしていた。しかしその尻尾を掴むことができない。もう何時間もの間、同じ作業の繰り返しで、自然とあくびが出て眠気を誘う。
「巧也〜? 全然見つからないんだけど…… あれ? 巧也?」
「巧也さんなら今、狩馬のお兄と話をしてます。あ、コーヒーです」
「ありがと。そっかぁ… 狩馬も大変ね」
「兄狩馬さんの方がですか?」
「… なんかあの人、永理ちゃん以外にも何か抱えてそうなのよ」
「私以外… あの方が兄であるとするなら確かに一つ目の目的は完了していますね」
「一つ目? あ、そっか…」
「はい。2つ目はヤヨイへの復讐です。ただそれだけじゃなさそうです。未だにわからない事が、金銭への異常な執着心です」
「そういえば兆ちゃんの正体バレちゃったんだっけ? ここに着くなり襲おうととしてたけど」
狩馬はRIVERSへと戻った後、兆に対し暴力的になった。トリガーの賞金を手にする事ができれば、一生遊んで暮らせる事だろう。ただ、彼にとっては遊ぶ金ではない。もっと別に、やるべき事の為に使おうとしている。
「……… 私はどうすればいいんでしょうか」
「どうすれば、か… 狩馬の方も考えがあるんでしょうけど、今の状況じゃちょっと申し訳ないけど危険ね。兆ちゃんはうちにとってはいなきゃ行けない存在よ。永理ちゃんはできればこちら側でいてほしいわ」
「そうですか……よし! 妹(仮)として兄(仮)を止めながら、いつも通り皆さんのサポートができたらと思います!!」
「切り替えし早いわね」
「兆さんといたからでしょうかね。あはは」
「ふふっ、さてと、私も仕事頑張ろっかなぁ─── っ!! 永理ちゃん!!巧也呼んできて!!」
「ど、どうしました!?」
「幹部が現れたわ!!」
── またエリアAに幹部の出現が確認された。ヤヨイらしき人物はいないようだが、またいつ現れるかわからない。巧也は急いでRIVERSに指示を出した。
「俺と狩馬で幹部を抑える。兆と孝四郎はそのままフィガンナイフを、永理は現場で救助活動。佳苗はここに残っていてくれ。RIVERS出動だ」
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それから現場に急行した巧也と狩馬は、幹部達の傷が癒えている事に気づいた。ヤヨイの力は2人が思っている以上の力を発揮しているらしい。
「なるほど。一筋縄どころの話じゃないな」
「乗り掛かった船とは言ったが… 理由は何であれトリガーの賞金は貰うぞ?」
「…… あいつをどうする気だ?」
「悪いが命の保証はしない。俺には金が必要なんだ」
「ヤヨイの復讐だけなら金は必要ないはずだ」
「そういう事でもねーんだよ… 来るぞ!!」
巧也はセイブドライバーにフィガンナイフをセットし、狩馬は壱月チケットを差し込む。
「「変身ッ!!」」
《シクスガンアクション!! シェリフ!! オートアオート!!》
《壱式!! ギアチェンジ!! ゲツヨウ!!》
変身を終えると、それぞれが武器を構え、幹部達に一気に近づく。それと同時に幹部も一斉にこちらに近づいてきた。しかし、5幹部の能力発動により、かなりの苦戦を強いられている。
「倍加に硬化。それに加えて幻覚に空間操作、液体化か。化物揃いだなッ」
「あぁ、俺もそう思う。よくこんなのと戦ってたなあんたら!!」
「少し前の俺だったら同じ事を思ってたかもな!!」
2人の銃弾が交差し、幹部との戦いが始まった。
その頃、兆達に不思議な事が起きていた…
終わり!!閉廷!!以上!!
次回、第17劇「次のステージ」
そしてついに!!トリガーがパワーアップの新形態!!
次回もよろしくお願いします。