仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。

前回、ついに完成したトリガーの新形態により幹部達を圧倒しましたが、あと一歩の所でヤヨイを逃してしまいました。なんてことを…

それではどうぞご覧ください。


第18劇「後のステップ」

 今、私はBAR TRIGGERに足を運んでいた。酒が弱いので兆さんとミルクを飲んでいるがこれが格別だ。他のミルクを寄せ付けない濃厚で喉をスッ通る。素晴らしい味だ。こんな物がこの世に存在していいものかと、私はそう思いながらもう一口飲むのであった。

 

 

「いやそろそろ返して」

 

「いいじゃないですか。減るものじゃありませんし」

 

「現に減ってるんだよ中身が。お前がプハァーする度に3分の1消えてんだよ」

 

「いいじゃないですか。一杯くらい」

 

「さっき一口つったのに一杯になってるじゃねーかよ!?」

 

「くださいよ!!」

 

「逆ギレ!!?」

 

 

 兆たちはあの一件が終わった後、いつものバーでゆっくりとしていた。永理だけならよかったのだが…。

 

 

「俺の妹がよこせって言ってんだ。さっさとよこせトリガー」

 

「偶にはゆっくりしようかと思ったが… これか」

 

「まぁまぁ賑やかなのはいい事じゃない」

 

「久しぶりに研究所から出ましたよ…」

 

 

 狩馬、巧也、佳苗、孝四郎と兆の跡をつけて来た。で、結果がご覧の通りの有様である。本人は泣きたくて仕方がない。マスターはグラスを拭きながら微笑んでいるが、そうじゃないだろ!?と、兆は心の中で叫んでいた。

 それから隅の方に縮こまっているガンホーレとイッシュウ。警察が来たとなるとでかい顔が出せないのか、見た目があれじゃ猫だ。

 

 

「そうだ。兆」

 

「なんすか巧也さん」

 

「俺のフィガンナイフも完成した。これで戦力にはなるだろう」

 

「元から戦力内なんだよなぁ… ま、それはネクストイレブンと違ってパワー型だから巧也さんにはいいかもねー」

 

「… まるで人が力だけと言っているように感じるな」

 

「いやいや…… あ、やべっ。マスター今の話はその……」

 

 

 兆がトリガーであるという事をマスターには伝えていない。彼は心配させまいと、今まで黙っていたのを忘れており、うっかり口が滑ってしまった。そしてマスターは「知っている」と一言。

 

 

「…… へ?」

 

「お前が何をしているのか。既に把握済みだ」

 

「な、え、なんでぇ!?」

 

「最初から気づいていたが、さっき巧也課長と話しをしてな。それで確信した」

 

「なんでっ!? いつぅ!? 言っちゃったのぉ!!?」

 

 

 そんな彼らの所に連絡が入る。どうやらウォンテッドが出現したようだ。兆、巧也、狩馬の3人はすぐに現場へと向かう。後の3人はお代を置いてRIVERSへと戻る。

 

 

「嵐のように去って行ったな……全く」

 

「最近、相手がいないな」

 

「はぁ!!? 別に兆のやろうがいなくても俺は構わないがな!!」

 

「寂しそうだ」

 

「…………」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

 現場には無数のウォンテッドが人々を襲っていた。エリアAにウォンテッドが集中して来ているのは必然的だ。ここには幹部を倒せる者が3人もいる。すぐにでも1人潰したいのだろう。

 

 

「ま、こんな雑魚相手には負ける気しないけどね!!」

 

「早速試してみるか… ん? 連絡?」

 

「巧也さん! RIVERSから?」

 

「──── わかった。どうやらヤヨイが近くにいるらしい。そっち頼めるか?」

 

「お任せ!!」

 

 

 別の場所にてウォンテッドが出現し、それが幹部のヤヨイとなれば狩馬も付いていく。この数相手に勝つか否か、巧也は確信していた。勝利じゃない快勝するという事を。

 そして彼は新たなフィガンナイフ… アフタートゥエルブを取り出し、起動させる。

 

 

《AFTER》

「… 確かに力任せな所はあるかもしれないな。だが、それも悪くないだろう」

《SET》

 

 

 差し込んだ後、巧也は構える。眼前の敵はこちらに気づいて向かって来ており、この雪崩に呑みこまれたら終わりだ。

 

 

「日頃のストレス発散だ…… 変身ッッッ!!!!!」

 

 

 引き金を引くと、巨大な銃が現れて敵を吹き飛ばす。そして砂嵐で舞い上がったシクスオートの装甲が装着される。砂嵐が止むと、それから新たな装甲が夕陽が現れると共に宙に舞い、銃がそれらを撃ち抜いて行くと、装甲の上から更に纏うような形で装着される。

 

 

《アフターガンアクション!! フォローイング!! シェリフ!! イーハートゥエルブ!!》

 

 

 ウォンテッドたちがシェリフの周りをジリジリと囲む。それを見たシェリフは軽く首を横に振り、余裕な態度を見せた。次の瞬間襲いかかって来たウォンテッドだったが、シェリフの一発のパンチで複数の敵を巻き込み吹き飛ばした。

 

 

「… 全員捕縛する」

 

「ガルォォォォォォ!!!!」

 

「ハッ!!」

 

 

 1人1人に強烈な一撃を叩き込んでいく。明らかに、はっきりとわかる。今までのパンチ・キック力とは比べ物にならないほど威力が増している。攻撃を加える度に、巧也自身もその強さを感じ取っていた。

 

 

「すごい… まるで相手にならない」

 

 

 群れで攻撃してくるが、その装甲に傷がつく事をない。攻撃されたということはわかるのだが、痛みや衝撃は感じられないのだ。

 

 

「レベルも数字も違うようだな」

 

 

 全身に力が漲る。その力が最大にまで達した時、巧也のパンチが繰り出されると、辺りに衝撃が走って目の前の敵を全て吹き飛ばした。囲む的には回し蹴りを行うと、面白いように吹き飛んで消滅していく。みるみるうちに数が減り、ヤヨイの能力が追いついていないようだ。

 

 

「さすがに驚いた。ここまでの力を有しているとはな。慣れるとこんなものか」

 

「キシャァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 群れる敵は恰好の獲物。まとめてやるにはちょうどいい。ウォンテッドの足を掴んで振り回し、思いっきり片手で投げ飛ばすと、まるで爆弾のように着弾点が爆発する。

 

 

「すぐに終わる。足掻くのはこれで最後だ」

《アフター!! ファイア!!》

 

 

 もう一度引き金を引いて、右脚をグッと後ろに下げて力を込める。ウォンテッドが群れた時、それと同時に円を描くように回し蹴りを行うと、凄まじいエネルギーを纏った蹴りが、辺りを巻き込んでえぐるように敵を粉砕する。その衝撃でシェリフの周りに大きな穴が開いた。

 

 

「人が近くにいて使用するのは、よした方が良さそうだ…」

 

 

 RIVERSに連絡をしながら、兆たちの場所へと向かう。佳苗は先ほどから兆たちに連絡しているが、驚いた事に通信が途絶えてしまっているというのだ。嫌な予感を感じつつ現場へと向かう。その陰から何者かが見ていたが、シェリフはそれに気づいていないようだった。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

「遅い遅い遅い!!!」

 

「燃えろ!!!」

 

 

 トリガーへと変身し、ネクストイレブンでヤヨイが出すウォンテッドをその圧倒的スピードで片付けていく。一方、ハントの方は弍式の力で敵を炎で包み込み焼失させる。

 2人の強さに完全に押されいるヤヨイは焦りを隠せなかった。明らかに逃げ腰となっている。

 

 

「逃げる気か? 悪いが今の状態なら、鬼ごっこで俺が鬼だったら一息に全員仲間にしちゃうね!!」

 

「それは増え鬼だ!!」

 

「え?」

 

 

 それから2人の必殺技が飛び出し、周りの敵を全て倒すと、残ったヤヨイは逃げようとした。もちろんそれを逃すはずなく、トリガーはヤヨイを持ち上げて地面に叩きつけると銃を頭に突きつける。

 

 

「おーっと、逃さねーよヤヨイ」

 

「これで勝ったと思うなよ…!!」

 

「はっ、それはどの口が言ってるのかね? 状況見てみろよ」

 

「お前ッ…!!」

 

「んじゃま、今日の俺も勝利の日と行きますかね」

 

 

 セイブドライバーの引き金を引こうとした時、ハントがトリガーの腕を掴みそれを阻止する。何をやっているのか当然わからないトリガーは彼に聞く。

 

 

「何すんのさ」

 

「こいつは俺がやる。こいつは…… 俺の仇だ」

 

「別にいいけど… あんたじゃ殺しかねないだろう」

 

「何人も殺ってるお前が言うことか?」

 

「い、痛いところを…… というか、好きでやってるわけじゃ」

 

「いいから、どけ」

 

 

 トリガーを退かすと、ギアハンターの銃口をヤヨイの頭に突きつける。カチリと準備を終え、引き金に指をかける。その光景を見てヤヨイは笑う。何が面白いのか意味がわからないし、そういう状況ですらない。

 

 

「気でも狂ったのか?」

 

「クククッ…ッハハハハハハハハ!!! お前の妹は上出来だなぁ」

 

「は…?」

 

「まさに天性の才能だった。もう少し遊んでいたかったがなぁ?」

 

「おい、何が言いたい…!!!」

 

「売る前に味見でもしときゃよかった」

 

「黙れッ…!!!」

 

「買われた所はどんなだったろうな? 記憶を失うほど遊ばれたかもなぁ?」

 

「黙れぇぇぇぇぇぇッッッ!!!!!」

 

 

 引き金を引こうとしたその瞬間、ハントの手が痛みを覚える。ギアハンターは彼の手から落ちてしまい、その隙を狙ってヤヨイは拘束から脱出する。

 

 

「だから逃さねーって言ってんだよ!!!」

 

「トリガー… お前は邪魔だ」

 

「うおっと…!!?」

 

 

 溢れんばかりのウォンテッドの大群を出し、トリガーの視界を遮る。一瞬ではあるが成功したヤヨイは、すぐにハントの元へ近づき耳元で何かを言うと、そのまま消えてしまった。

 一気にウォンテッドを片付けたトリガーはハントの元へと駆け寄る。

 

 

「あーくそっ!! 何してんのよ狩馬さん!! 逃げちゃったじゃん!!」

 

「………… 悪かった」

 

「え、急にどうしたの…? あ、えっとー… あいつの話はきっと嘘だ嘘。そんなひでーことされてたら永理も忘れないって!! それにほらあいつ強いし!!」

 

「そうだな…… 俺は用がある。帰ってろ」

 

「どこ行くのよ?」

 

「お前には関係ない」

 

 

 そういったハントはそのまま何処かへ行ってしまった。それより先程のハントの手の痛みは、トリガーは見えてはいたが確信はできていなかった。遠距離から何者かがこちらに攻撃を行っている可能性があるのだが、あまりにも遠過ぎる。すぐに狙った方角を見たが、それらしい人物は見えなかった。

 

 

「狩馬さんが何処いったのかも気になるけど… それを撃った犯人も気になるな。とにかく巧也さん達に話そう」

 

「兆!!」

 

「おぉ、巧也さん。そっちは終わったの?」

 

「あっけなくな。そっちはどうした? 狩馬と一緒じゃないのか?」

 

「ヤヨイは逃げて、狩馬さんはどっか行っちゃって…」

 

「ヤヨイを追いかけた可能性があるな」

 

「やっぱり…?」

 

「他には?」

 

「あっと、あいつ以外に誰かいたっぽい」

 

「新手か?」

 

「わかんない。だけどその確率は高い」

 

「わかった。今は狩馬を追うとしよう。きっとエリアIだ」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>>

 

「来たか」

 

 

 ここはエリアIの何処かの地下。狭い部屋の中にはヤヨイと狩馬だけで、あとは誰もいない。ヤヨイは部屋の奥で椅子に座り、狩馬はその目の前に立ち、警戒しながら話しをする。

 

 

「さっきのはどういうことだ」

 

「まぁ何…… 前から取引はしていただろう?」

 

「……… それがどうした」

 

「お前の妹に何があったか教えてやるし、あのトリガーの正体を教えてやる」

 

「…… トリガーの過去はどうでもいい。俺は妹に何があったのかを知りたいだけだ」

 

「それなら俺が言った通りの金額集めてこい。トリガーをやりゃすぐ集まるだろ?」

 

「わかってる」

 

「今まであんなに"芝居"やっといてキツかっただろうなぁ? 意外にもあいつらがノってくれて助かったぜ」

 

「遠距離から攻撃してきた奴らか。あいつらの話は聞いてないぞ」

 

「こっちは命かかってんだ舐めるな。早く集めてこい」

 

「…… お前の部下になった覚えはないからな」

 

「おー怖い… まぁなんだ。お前の今まで行いを良しと取り、特別にいいもん見させてやる」

 

「何を見せる気だ?」

 

「この映像だ」

 

 

 部下にノートパソコンを持って来させると、それからファイルを選び映像を出すと、画面を狩馬の方へ向ける。その映像を観た狩馬は絶句し、そして怒りが湧いた。

 

 

「さすがに嘘だろ…?」

 

「いや、これは真実だ。これが正体、これがトリガーなんだよ」

 

 

 その映像にはトリガーが民間人を次々に撃ち殺しているものだった。流石に怪しすぎるが、どこからどう見てもトリガーなのだ。変身を解くと、その素顔がはっきりと兆であることがわかった。

 

 

「いつ、どこで撮った。これで俺を釣ろうってか?」

 

「これはお前が力を手に入れる前のものだ。トリガーは殺人鬼。何故あいつに記憶がないのか。何故あいつはセイブドライバーを託されたのか。何故フィガンナイフを開発できたのか…… その答えはあいつが根っからの殺し屋だからだ。それをボスが読み取ったに違いない。そしてわかるか? あいつは信用を取ってから狙うんだ。次の標的はもちろん… RIVERSだ」

 

「そんなバカな……」

 

「俺を殺したいのはわかるが、大事な妹をあの男に殺されるかもしれない。優先順位はわかるよな? この映像を見せたのはオレの疑いを晴らす為でもある。お前の親を殺った俺が信じられるはずがない。ただ俺は金さえ貰えればそれで構わない。約束は絶対に守る。なぁ?」

 

 

 それを聞いた狩馬はその場を後にしようとするが、ドアを開けてからヤヨイの方を向き睨みつけながら言い放つ。

 

 

「元からお前なんか信じきってない。お前の言う事がいなくなった永理と辻褄があった。それだけだけだ。これが終わったら次はお前だ」

 

 

 ドアがバタリと閉まると、すぐに笑いが込み上げてくる。

 

 

「物騒な男だ。まぁそれでいいがな」

 

 

 そうしてヤヨイは不気味な笑顔を浮かべる。

 暫くしたその頃、エリアIに向かおうとしていた兆たちは途中で狩馬を見つける。しかしそれは戦いの火種が付いた瞬間でもあった…。




終了です……
強化フォームのアフタートゥエルブがサラッと登場しました。力だけならネクストイレブンには負けません。
そして何やら不穏な空気…どうなることやら

次回、第19劇「仇」

それでは次回もよろしくお願いします!
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