仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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20話目に入っ…ちゃっ…たぁ!!!
原作だと大体まだ半分いってないくらいですね。頑張らなければ!

前回、狩馬と一悶着ありましたが、その後トリガーとまた戦いました。ですが何か様子がおかしい。ウォンテッドの指揮をするトリガー。その変身者も兆本人!? これはいったい……。

それではどうぞご覧ください


第20劇「鏡写し」

「一体どういうことだっ!!なんでお前が…… っ!!」

 

「………」

 

 

 ハントの目の前に兆が立っている。それだけなら別に驚く事もない。ただ周りにウォンテッドが並び、兆がそれらを操り、その中心に佇む光景を見ればそうは言えなくなるだろう。

 

 

「なぜ答えない? 俺とは話したかねーってか?」

 

「………」

 

「お前は本当に兆か? 顔変えてるだけとかじゃねーよな? お前もウォンテッドの仲間なのか? それとも元々ウォンテッドって事か?… あーくそっ! 訳がわからない!」

 

 

 頭を抱えるハントを黙って見ていた兆?は、表情を変えず、その口をゆっくり開く。それに気づいたハントは急なアクションだった為、身構える。

 

 

「── そうだ。俺は兆だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「… 他の質問にも答えろ。お前は何者だ?」

 

「何者? お前が今言った通りの者だが?」

 

「そういう事じゃねぇ!! ふざけんなッ!!」

 

「……… そうかもな。ウォンテッドの仲間かもしれない」

 

「は?」

 

「だけど違う。俺はウォンテッドとは関わりはあるが、ウォンテッドではないという事だ」

 

「いや… 意味がわからない。俺にとってお前の事情はどーでもいい事だが、最後に1つ答えてもらおうか?」

 

「………」

 

「RIVERSをどうするつもりだ?」

 

 

 ハントにとって、狩馬にとってRIVERSには思い入れはない。永理がいるということだけが彼の心配する理由だ。と、本人は思いたかったのか。しかし無意識に彼らを心配している彼がいた。永理を守りたいという気持ちもそうだが、それをRIVERSのメンバーに事実を伝えようと思っての行動だった。狩馬は誰かを犠牲にしてまで下衆には成り下がりたくないのだ。

 

 

「もちろん潰すつもりだ。1人残らずな」

 

「… そうかよ」

 

「これ以上の質問はやめた方がいい。きっと後悔することになるぞ」

 

「後悔ねー… 後悔かー… それならもう何年も味わってきた。だから、俺は後悔しないように目の前の事に当たってみることにするか」

 

 

 そういうハントは銃口を兆に向ける。向けた理由は決まっている。この男からは底知れぬ闇が感じ取れた。このまま野放しにしておけば、被害は市民にまで広がる恐れがある。

 兆はセイブドライバー?にフィガンナイフを差し込んで引き金を引いて変身する。向き合う2人。互いの間に異様な空気が立ち込める。

 

 

「それはセイブドライバーか? それともまた別物か?」

 

「セイブドライバー、フィガンナイフはどちらもプロトタイプ。最初のドライバーであり…… 失敗作だ」

 

「プロトタイプだと…!!?」

 

「性能はセイブドライバーよりも低い…… が、お前にはちょうどいい」

 

「何故プロトタイプを使用しているんだ? いつものセイブドライバーはどうした?」

 

「答える必要はない。何故なら…… 今日はお前の命日だからだ」

 

「言いやがったな!!」

 

 

 トリガーに向かって駆け出すハントだが、急にその脚を止める。今までいたはずのトリガーが自分の目の前から消えている。瞬間移動と思われたが違う。ウォンテッドを使って、見事なまでに自分の姿を隠している。

 

 

「隠れても無駄だ!!」

 

 

 ギアハンターに参水チケットを差し込むと、先端に水のエネルギーが集中する。最大まで溜めて引き金を引くと、レーザーのように凄まじい勢いでウォンテッドを突き抜けていく。

 

 

《スイヨウ!!ハンターバレット!!》

「くらえぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 一直線に放たれた水のレーザーは勢いを徐々に弱める。撃ち終わったが、そこにトリガーの姿はない。流石に避けたな、と思ったその時、首に重い衝撃がやってきた。建物に激突し、何が起こったのかわからないまま蹴られた方向を見るとトリガーがいた。

 

 

「あの一瞬でどうやって…!!?」

 

「隠れただけと思ったのならお前もそれまでだな…… お前がそれを使う前から後ろにいたが?」

 

「なっ…!!」

 

「確かに力の差はあるが、ここを使えばその差は埋まる」

 

 

 トリガーは自分の頭を指先でコンコンと叩く。馬鹿にされているのはわかったが、ハントは深呼吸をし冷静さを保つ。兆は何を考えているかわからない。今ここで怒れば奴の思う壺である。

 そしてプロトセイブドライバーの引き金を引いてトリガーは高く飛び上がる。ハントもそれに合わせてギアナイフを押し込んで飛び上がる。

 

 

「ハァッ!!!!」

 

 

 互いの蹴りがぶつかり合い火花を散らす。明らかにハントの方が優っており、現に押し返している。勝ったと確信していた。そのまま押し切ろうと更に力を込めると、トリガーが急に力を抜き、流れに身を任せてハントの頭上へと移動する。

 

 

「そんな馬鹿なッ!!?」

 

「頭を使え…… 終わりだ」

 

 

 ぐるりと一回転をし、その勢いでかかと落としをハントの脳天に決める。不意の一撃をくらい、そこで糸が切れたように目の前が真っ暗になった。空中から地面に叩きつけられ、それから変身が解除されてしまう。その後からトリガーも着地し、変身を解く。

 

 

「── 今日の俺も勝利の日」

 

 

 それからウォンテッドを引き連れて、兆は何処かへと歩んで行く。その背中を見る事もなく、それから狩馬はしばらくの間、気を失っていた。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 永理は兆の担当から外れ、資料室で調べ物をしていた。調べるというのはもちろん狩馬の事。そろそろ信じてもいいんじゃないかと本人も思っている。ただ例え兄だったとしても、永理自身の過去がわからないままだ。

 

 

「…(佳苗さんがあんなに探してもないというのなら無駄なのかな…)」

 

 

 以前から彼女のことを調べようと、あれこれ佳苗が手を回してくれたが、まるで見つからない。永理自身の出生は載っているのだが、狩馬が兄だったという理由になるものは何処にもない。ここにいても仕方ないのではないかと思った。

 それからかなり長い間探していたので、体も頭も痛くなってきた所、資料室のドアが開かれる。

 

 

「あ、兆さん」

 

「よう永理。久しぶりだな」

 

「RIVERSに出勤した時に何度もあってるじゃないですか」

 

「あー… まぁそうだな」

 

「それでなんですか? 差し入れならありがたく頂きます!」

 

「差し入れなんてねーよ。それと…… 無理に笑わなくてもいいんだぜ?」

 

 

 無理に笑う永理に兆は気づいていた。彼女の気持ちはもちろん分かる。記憶もないのに横からあーだこーだと言われても困るだけ。本当はとても苦しいし、悲しいはず。

 

 

「今から飯行こうぜ。いつものところ」

 

「いいですよ。もちろん…」

 

「… よし! 今日は俺が奢ってやる!」

 

「はいっ!!!!!」

 

「元気だね!!」

 

 

─── それから兆たちはいつものバーに来て食事をする。いつものミルクを注文し、後は永理が大量の食べ物を頼む。いつも通りだ。食べてる時の彼女の顔から少しばかりか本当の笑顔が見えてきた。

 

 

「マスター悪いね」

 

「なんだ急に?」

 

「いやぁ急に来たもんだからーと……」

 

「おかしな奴だな。 RIVERSで世話になって性格が変わったのか?」

 

「いやぁーー……」

 

 

 そんな兆の後ろから、ニヤニヤとしながらガンホーレが近づいてきた。肩を掴んで軽く揉む。とても気持ちが悪い気がする。

 

 

「な、なんだよ」

 

「これはあれだな。俺は分かるぞ?」

 

「何がわかるってんだよおっちゃん」

 

「くくくっ…… まだまだミルクから抜け出せない赤ちゃんにはわからないか?」

 

「え、でもこれうまいよ?」

 

「そういうことじゃねーよ!!…… お前は今、恋をしているんだよ」

 

「は……?」

 

 

 兆を担いでバーの隅の方へと運ぶ。イッシュウに逃げないように囲ませ、またニヤニヤしながら耳元で話す。とても耳が気持ち悪い。

 それを気にせず永理は目の前のものを食べ進める。

 

 

「いいか? 俺にもそういう青春があった。しかしそんな日々はすぐに去っていくものよ…… 後悔しない為に、今すぐ告白してこい!!」

 

「勝手に話が進んでるけどー……」

 

「お前は若い!! やるなら今しかない!! 最低なお前が変われるチャンスだ!!」

 

「それを犯罪者のガンホーレ団の… それも団長さんがいう事なんですかね?」

 

 

 それからキレたガンホーレがガブ飲み対決と評したただの飲み食いに付き合わされた。腹がタプタプになり、気分が悪くなってきた。主にミルクで。

 ちょうど永理も食べ終わり、RIVERSへと帰る事になった。帰り際、永理は兆に頭を下げる。

 

 

「急になんだ?」

 

「ありがとうございました。兆さんには何度もお世話になってますね」

 

「お前は俺がいないとダメだなぁ〜」

 

「どの口が言うんですか」

 

「ちょっと傷付いたな!!」

 

「ふふふっ、お陰でリフレッシュできました。さて、また手掛かりでも探しますか!!」

 

「でもあんだけ探してもないなら、違う方法探さないとな」

 

「そうですね…」

 

 

 2人が悩んでいるとマスターが急に永理を呼ぶ。それからマスターに地図が描かれた紙をもらい、兆を見て頷く。それが何かを察することができない兆は聞いた。

 

 

「マスター? どう言うこと?」

 

「…… かっこがつかないな。ここに行けばきっと彼女の役に立つだろう」

 

「あぁ… だけどなんで?」

 

「ただのマスターの気まぐれだ」

 

「わかったよ…? じゃあ早速行ってみるか。じゃあねマスター!」

 

 

 兆は訳の分からないまま、マスターから渡された紙を頼りに目的の場所へと向かう。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「ここが紙に書かれていた場所か?」

 

「そうみたいですね…」

 

 

 そこはなんの変哲もない廃工場である。マスターから貰った地図であったから特に怪しいという風には思わず、中へと入って探索を始める。

 

 

「マスターもなんでまたこんなところを…」

 

 

 しばらく歩いて広い場所に出てきた。ここは昔使われていたであろう倉庫。今は隅にドラム缶やら置いてあるだけで、他の場所を見ても変わったところはない。

 それからまた地図の確認をしようと、永理の持つ紙を覗こうとする。その時、両側の出入り口から2つの人影が現れた。だが、ただの一般人ではない。人ですらない。

 

 

「ウォンテッド!!?」

 

「な、なんでこんなところに!!?」

 

「永理、下がってろ!!」

《NEXT》《SET》

 

 

 兆はセイブドライバーを装着して、ネクストガンナイフを差し込んでからから引き金を引く。トリガーネクストイレブンへと変身すると共に、ウォンテッドが2体こちらに向かってくる。

 

 

《ネクストガンアクション!! フォローイング!! トリガー!! イーハーイレブン!!》

「1対2なら余裕だ!!…… ハッ!!」

 

 

 ネクストの力を解放し、自身を加速させて一瞬のうちに2体のウォンテッドを蹴り飛ばす。それから1体を掴み、上空は放り投げる。

 

 

「ネクストの力に勝てると思うなよ!!」

 

 

 それからもう1体のウォンテッドが走ってくるが、それに合わせて上空に投げたウォンテッドをオーバーヘッドキックで蹴り飛ばしてぶつける。それぞれが重なるように地面に叩きつけられた。

 

 

「どーよ!」

 

「さすがです! 兆さん!」

 

「まぁ天才ですから! あははっ!!」

 

「あ、来ますよ!!」

 

 

 高笑いしていたトリガーに立ち上がった2体が向かってくる。ガーツウエスタンを取り出して、瞬時に両方とも撃ち抜く。見事な彼自身の銃捌きを行なってから、ネクストガンナイフを抜いて、ガーツウエスタンに差し込む。

 

 

《イレブンガーツ!! ノーベンバーシューティング!!》

「勿論の事! 今日の俺も勝利の日ッ!!」

 

 

 ガーツウエスタンから放たれた弾丸は2つに分かれ、それぞれの胸を一直線に貫く。貫かれたウォンテッドたちは爆散し、跡形もなく消えてしまう。どうやら人間自体を使わない人形タイプのものらしい。

 

 

「…… さて、なんでここにウォンテッドがいたのかは知らないけど」

 

「マスターが少々怪しく感じますね」

 

「あぁ、俺も今言おうとした…… 疑いたくはないが、いや疑った事はないけど… これに関してはどうしようもない。不自然過ぎるぜ」

 

「そうですね…… っ! だ、誰ですか!!」

 

 

 永理がトリガーの後ろへと隠れると、目の前には誰もいなかったはずだが、いつの間にか何者が2人の前にいた。この工場の関係者という見た目はしてないし、そもそもここは廃工場。誰かいるとするなら幽霊やそこらだろう。

 

 

「あんたは?」

 

「ウォンテッドをよく倒した。さすがと言っておこう」

 

「あんたは?」

 

「2体だけじゃお前の手には余ったか? それもそのはずか…」

 

「あんたは?」

 

「あのウォンテッドは俺が連れてきた。テストがしたくてな。まぁ見ていたら間違いなく合格のそれだとわかった」

 

「ちょい! さっきからあんたは? って聞いてるんだから答えてよ!! つーか連れてきただってぇ〜?」

 

「あぁ、悪い。俺は見ての通りウォンテッドだがー…… 幹部の人間だ」

 

「幹部? 幹部ねー…… はぁ!!?」

 

「一応ここのエリアの担当をしている。幹部のムツキだ。マスターとは知り合いで話は聞いている」

 

「ムツキ… マスターと知り合いってのはどういう事だ?」

 

「昔からの馴染みだ。俺も理由があって…… ここはまだ話す時じゃないか」

 

「…… まぁ信じるよ。ここまでの経緯があるからね。じゃあ早速だけど、質問に答えてもらってもいい?」

 

「あぁ… 時間に限りはあるがな」

 

「… 永理の過去を教えてくれ。知っているなら俺の記憶もだ」

 

「わかった。話してやる。よく聞いておけよ──」

 

 

 こうしてムツキの口から彼女の過去が明かされる。それは嘘か真実か。2人はそれを固唾を呑んで聞き始めた──。




終わり!!閉廷!!以上!!
色々あったけど物語も中盤くらいです。

次回、第21劇「上に立つ者」

次回もよろしくお願いします!
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