前回、巧也の両親が完全に幹部だとわかり、面には出さないものの心情は苦しくて仕方のない巧也。狩馬がRIVERSに戻ると、兆が敵だという風に話す。それを確かめるべく彼の元へと行く。そこで会ったのは兆だったが、後に幹部のカンナヅキだと判明した……
それではどうぞご覧ください。
全ての幹部の名が上がった。残りは巧也の両親を除き、5人。倒さなければならない相手が僅かとなり、喜ばしいことではあるのだがそういう気分にはならないだろう。
RIVERSでは緊急会議が始まっていた。その中で重要視されたのは兆… カンナヅキの事である。あの日から兆とトリガーからの被害が絶えない。皆、彼を非難する声がRIVERSに殺到している。
「課長。兆さんはどこへ行ったんですか?」
「…… あいつはカンナヅキだ。もうどこにいるのかもわからない。次に来るとしたらRIVERSを潰す時だろう」
「本当に兆さんだったんですか? 何かの間違いじゃ……」
「やめろッ!!… あいつの話はもういい。今はどう対処するかだ。あいつによって街の被害は拡大しているんだ… いいな?」
巧也のこの発言に永理は怒りや失望があるとは思わなかった。彼は人が良過ぎる。仲間や市民に対しては強く優しく、本当に誰からも信頼される人。逆に誰かを信じてしまえば決してそれを曲げない。今回の事に関してもまだどこかに思う節があるのだろう。
「言っただろう課長さん。俺らは騙されてたんだって。まぁ俺はあんたらよりは長くはいないが… 気持ちは分からなくもないぜ」
「気遣いすまない狩馬。ただ続けて裏切られると流石の俺も堪える…… 全くなんだろうな。俺はどこで間違えたんだろうか」
そんな巧也にRIVERS内は暗い空気が漂う。その空気を横から警報が割り込んでくる。嫌な警報を聞き、すぐさま佳苗はパソコンで原因を調べると、やはりウォンテッドの反応がある。幹部の反応もだ。
佳苗はその反応した場所を言い、幹部が誰であるのか言おうとしたが、巧也は手を翳してやめさせる。それを察した彼女もそれ以上何も言わなかった。
「では、RIVERS出動だ」
「俺も行くぜ課長さん。誰かは察しがつくが、俺も借りができてるからな」
「あぁ、すまない」
「謝ってばっかだな… とにかくあんま考え過ぎんなよ」
「…… 永理はいつも通り避難を最優先だ」
2人が出て行き、それに続いて永理も行こうとするが、孝四郎が出てきて彼女を止めた。そういえば最近ずっと研究室に篭りっぱなしであり、顔をあまり見なかったのを思い出す。
孝四郎は彼女を手招きし、アフターガンナイフを手渡す。早く届けなければならないと思い、走りだそうするがまたも止められる。
「ど、どうしたんですか孝四郎さん! 早くしないと課長が行っちゃいますよ!」
「これを渡すのは課長ではありません。聞いて欲しいんです… 君になら話してもいいと言われたんです」
「…… どういうことですか? 誰から?」
「兆くんですよ。永理さん」
「兆さんが…?」
「場所を教えます。場所は───」
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エリアAの中心から次々に建物を破壊し、人々から記憶を奪い取る姿が見えてきた。巧也と狩馬はようやくたどり着いて、街の有様を見て怒りをあらわにする。
「兆ィィィィィィッッ!!!!」
「── 巧也さん。なんだやっと来たのか」
「なんだじゃないだろう!! それ以上はやめろ!! 自分が何をしているのかわかっているのか!!」
「わかってるさ。わかっててやってるんだよ。ただここで理由を話した所であんたには決してわからない。俺には俺の事情があるんだ」
「兆…… お前ッ!!!」
「俺は兆じゃない…… カンナヅキだ」
《ONE》《SET》
「力づくでもお前を止めるッ…!!!」
《SEVEN》《SET》
向き合う2人は互いにセイブドライバーを装着し、フィガンナイフを挿し込む。それに続いて狩馬もキカンドライバーを巻いて、陸土チケットを挿し込む。3人は「変身ッ!!」の掛け声と共に引き金を引き、ギアナイフをセットする。
《ファーストガンアクション!! トリガー!! リボルヴリボルバー!!》
《セブンスガンアクション!! シェリフ!! バーストアサルト!!》
《陸式!! ギアチェンジ!! ドヨウ!!》
「今日がお前らの命日だ」
「お前を捕縛するッ!!」
「ハント開始だッ!!」
ハントは早速、陸式の力を使って砂嵐を作り出してトリガーを閉じ込める。シェリフはアサルトウエスタンを取り出し、周りのウォンテッドを殲滅していく。まずは先にトリガーを止め、次に周りの雑魚を狩る。そうでもしなければこの状況は抑えられない。
「司令塔をまず先に潰せば、組織は次に取る手が無くなるだろう? その中に有能な野郎さえいたら話は別だが、お前のところには空のウォンテッドしかいねーだろうよ!!」
「………」
「黙りやがって… まぁそれもそうか。この砂嵐はただの砂じゃねぇ。そもそもただの砂だったらお前に突破されてるだろうからよ!!」
陸式は土や砂といったものなら全て操れる。しかしただ操るだけじゃない。肆式のようにエネルギーを送る事で多少ではあるが力が増しになり、ちょっとやそっとの攻撃ではビクともしない。
「課長さん!! こっちは大丈夫だ。さっさと蹴散らしてくれよ!!」
「そのつもりだ」
アサルトウエスタンにセブンスガンナイフを挿し込んでから跳び上がる。上空から下にいるウォンテッドに向け、銃の引き金を引く。その弾丸はまるで雨のようにウォンテッドの群れに襲いかかる。
《シチジカーン!! セブンスターイム!! アサルト!!》
「ハァァァァァッッッ!!!」
ウォンテッドはみるみるうちに消えていき、残す所はトリガーのみとなった。ただ呆気なさ過ぎる。こんなにも早く終わっていいものなのかと。
シェリフは周囲を警戒しつつ、ハントの元へと近づく。今も変わらず砂嵐の中にトリガーは身動き取れずにいるようだ。
「前は負けたがもう好きなように行くと思うなよ。こっちは2人だ。いいか? スポーツマンシップ的にはどうかと思うが、こればっかりは違うだろ? さっさとお縄につけよ」
「…… 何かがおかしい」
「あ? 何がおかしいんだよ。あいつはもうカゴの中の鳥だぜ?」
「確かにそうなんだが…… 何も仕掛けずにただこうしてやられているのがおかしいんだ」
「そりゃそうだろう。この嵐からは逃れられない。肆式より柔軟性には欠けるが拘束能力ならこっちの方が高い」
「違うそうじゃない。まるで何かを待っているような……」
その瞬間、砂嵐を何者かの攻撃により真っ二つに斬られてしまい、拘束が解かれてしまった。誰かは分からぬまま、早々にハントは斬られ近くの建物に叩きつけられる。続いてそれはシェリフに近づいてくるが、すぐさまそれに反応し、アサルトウエスタンを盾がわりにして受け止める。
「さすがシェリフ。よく反応できたね」
「お前は… シモツキかッ!!」
「ご名答。兄さんからこの状況に乗っかってお前たちを殺してこいって言われたんだ…… あぁ、これ言っちゃダメなやつだった…」
「なんだと…!!…… 兆はッ!!?」
シモツキの攻撃を受け止めつつ周囲を確認するが、トリガーの姿は見当たらなくなっていた。その隙をつかれ、腹を蹴られると斬撃を叩き込まれる。先ほどから刀や剣を持っているものだと思ったが、手の甲についているアーマーから鋭利な剣を伸ばしているようだ。
「ぐぅっ…!!」
「兄さんと俺は幹部の中で最高位の実力を持っているんだ。もちろん兄さんが1番さ。そんな僕らにそんなおもちゃみたいな銃で勝てると思う?」
すぐさまアサルトウエスタンをシモツキに向けて撃ち放つが、片腕の剣でいとも簡単に防がれるてしまう。この距離で間のない連射を受けられるとは、最高位というのはハッタリではないようだ。
シェリフは立ち上がり、アフターガンナイフを取り出そうとする。だが、どこにも見当たらない。
「アフターガンナイフがないだとッ…!!?(… そうか! あの時、調整で孝四郎に渡したままだ!!)」
「おや? 何かをお探しのようだけど、どうやら見つからないようだね?」
「くっ…」
戦闘手段がない事を知ったシモツキはシェリフを両腕の剣で切り刻む。為す術なくただのサンドバックと化してしまっている。ちょうどその頃、吹き飛ばされたハントが体勢を立て直し、こちらを助けに来ていた。
「さっきはよくもまぁやってくれたな!!」
「見てれば怪我しなかったのにダメだね」
陸式の力を使おうと、地面に手を翳そうとするが、その前にシモツキがハントの懐にすでに回っており、強烈な斬撃を受けてしまった。シェリフはなんとかしようと近づくが流れような刃が彼を右斜めから斬り付ける。
「ぐわぁっ!!!」
「絶対絶命ってこの事を言うよね? どう? 信じていた者から裏切られる気持ちは? 僕はわからないなー… だって裏切られたことがないからね。お前の気持ちはこれっぽっちも全然わからない」
「わからなくていい。お前に同情されるくらいなら、いっそ死んだ方がマシかもな…」
「なら、ここでやってあげるから安心して」
その腕の剣が伸び、頭上に掲げる。真っ二つにする気だ。そうはさせないとハントは走ってくるが、それも無駄に終わってしまう。もう片方の剣をハントに向けて飛ばしてきたのだ。かなりの威力があり当たると同時に倒れてしまう。
そして再びシェリフに向き直り、その剣を今にも振り下ろさんと構える。だが、急にシモツキはその腕を掲げたまま後ろを振り向く。その方向には兆がいた。永理も一緒である。
「え、永理に…… 兆だと? どういうことだこれは…」
「お前、逃げたんじゃないの? せっかく人が逃してやったのに… 作戦をおかしくするつもり?」
その兆の手にはネクストガンナイフと現在、孝四郎の所にあるはずのアフターガンナイフが握られていた。ついにRIVERSに手を出したかと思ってしまった。ただそうなれば永理もなぜ一緒にいるのか。脅されているのか、それとも人質なのか。いやそのどちらも当てはまることはない。
兆はふっと笑い、手を銃の形に変えてシモツキにそれを向ける。
「違うね。俺はその兆じゃあないと思うんだけど」
「は?」
「あー残念だなー。こんなイケメンを判別できないとか巧也さんも狩馬さんも酷いなーーーーー…… あ、別にシモツキとやらにはわかってもらわなくてもいいかなと思う。だってさ。俺はお前の味方じゃねーんだからよ」
「お前…… まさかッ!!」
「…ったく面倒くさい事してくれちゃってよ。なんとか孝四郎さんに連絡取れてよかったぜ。更には永理が来てくれたから逃げることができたぜ?」
兆の言っていることはシェリフはよくわからなかった。ただわかる事は彼は偽者なんかじゃなく、本物であるという事。根拠? それは簡単だ。あのバカさ加減は彼にしかできないのだから。彼であるという証拠なのだから。
「兆…」
「待たせちゃった? 悪いね巧也さん。俺も実は何がどうなってるかさっぱりなんだけどさ。とりあえず色々あっていなくなってたよ。話は後でいいよね?ね?」
「まさか…… 俺が疑ってしまうとはな。恥ずかしい事だった。今思えばそうだ、こんな奴は他にいないからな」
「それは褒めてるの?」
「褒めてはいない」
「めっちゃショック」
会話を妨げるように、横からシモツキの声が響く。何やら計画が崩れてしまった事を察し、多少お怒りのご様子である。
兆はそれにはまるで怯まず、一歩二歩と前に出る。それからセイブドライバーを装着する。
「シモツキ… とか言ったな。人の偽者使っていいようにかき乱してくれちゃってたみたいじゃーん?」
「さすがだね。あの状況で電話できるとは思わなかったよ」
「トリガー舐めんなよ。あんぐらいどーって事ないね!」
「それでどうするつもり? お前は僕には勝てない。兄さんの力を見ただろう? お前たちのネクストもアフターも通用しないんだよ。つまりお前たちにはどうすることもできない。計画は狂ったけど、お前らを始末してしまえば多少違うけど同じ事」
「内部崩壊狙ってたんだけど潤滑油付けたみたいな滑りだな! よくもまぁ色々やってくれちゃったなおい。お前はここでぶっ飛ばしてやるよ。このネクストとアフターの力でな!」
そう言って、ネクストとアフターガンナイフを掲げる兆をシモツキは笑う。シワスはアフターの倍加の力を受け止め、まるでものともしない。そんなフィガンナイフで勝てるわけがないと思っていた。
「何度も言わせてもらうけど勝てない。ネクストもアフターもない。僕がここでお前を圧倒的な力でねじ伏せる。その事実は変わる事はない」
「…… ネクストもアフターも元は1つのテンスガンナイフから造られた。2つのフィガンナイフは互いに別々の力を持つけれど、元は1つなんだ」
「何を言ってるんだ?」
「どちらも勝てない? ならどちらも合わせればいい。元に戻してやればいいんだよ。それが本来あるべき姿のネクストとアフターのフィガンナイフッ!!」
兆は持っていた2つのフィガンナイフを合体させる。その際、フィガンナイフを繋げた時に電流のようなものが見えた。それは2つのナイフが互いのエネルギーを共有し合っている証拠。元ある力を戻したエネルギーなのだ。
「最終調整で孝四郎さんに話し合いながらやってもらったんだ。これで本当の力を引き出したって事だぜ!!」
「訳の分からないことを… 合わせただけでどうなるというんだッ!!!」
「テンスの派生ではあるけど全くの別物だよ…… これからお前が見るのはお前自身の勝利じゃない!! 俺の勝利だッ!!」
《AFTER NEXT》《OVER SET》
1つとなったフィガンナイフ。アフターネクストガンナイフをセイブドライバーに挿し、両手を銃の形にして前に突き出す。それから左手は顔の横へ持っていき、右手はハンマーを起こしてから引き金に指をかける。
「変身ッッッ!!!!!」
兆が引き金を引くと、アフターとネクストのそれぞれの巨大な銃が交差し、アーマーが砂嵐と共に舞い上がる。それらを撃ち抜いていき、兆の体にアーマーが纏う。
《アフターネクストガンアクション!! クロッシングトリガー!! イレブン!! トゥエルブ!! ダブルイーハー!!》
「…… これがなんだと言う?」
「なんだもこうもそうもない。お前に勝てる力だ」
トリガーは両手を銃の形にし、シモツキの方は向ける。そして両手で彼を撃ち抜く真似をして見せ構える。
「行くぜシモツキ。今日がお前の明後日だ」
という事で帰ってきました本物です多分
新フォームのアフターネクスト登場です!果たしてその力は…!
次回、第24劇「不可思議」
それではまだ次回お会いしましょう〜!