仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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あぁ^〜中盤の音ぉ^〜
ご無沙汰しております。悶絶小説調教師の辰ノ命と申します。

前回、新たな力アフターネクストでシモツキをぶっ飛ばしましたが、まさかの逃げてしまいました。本物の兆が帰ってきてみんなハッピーだったのですが、なにやら不穏な空気……

それではどうぞご覧ください。


第25劇「正義とは」

 あれからRIVERSはいつも通りの日々を過ごしていた。それぞれの問題は解決されたとまではいかないが、ここ数日で落ち着きを取り戻している。狩馬に至っては永理の事もあり、RIVERSの一員として暫く居てくれるようだ。

 しかし狩馬は今、とてつもなく機嫌が悪い。理由はもちろん妹関連である。

 

 

「兆のやろぉ…… また永理連れ出しやがってよ!! なんで誰も止めないんだ!!? 俺の妹があいつに何かされるかもしれないんだぞ!!?」

 

「それはないわね。だってあの子たちいいコンビだけど、そういった感情はないわ。ただの相棒関係ってやつ」

 

「んなもんわかんないだろ!!? 佳苗ちゃんならわかるはずだ。男と女が2人きりで共に時を過ごす。この時間にどれだけの思いが凝縮されていくと思う!!? そんな事したら何もないはずがない…… あぁ… 永理がぁ… 俺の妹がぁ……!!」

 

「大袈裟」

 

「それにあいつ偽物のお陰で表出れないんじゃねーのかよ!!?」

 

「顔隠して変装しているから平気よ」

 

 

 するとガチャリとドアが開く。狩馬は永理が帰ってきたと思って近づいたが、会議で出ていた巧也が帰ってきただけであった。本人はただ仕事してきただけなのに、狩馬の顔は氷のように冷たい表情へと変わる。

 

 

「お前の声が外まで響いていたぞ。なんて声量で叫んでいるんだ」

 

「俺の永理が兆のやろうに誘拐されたんだよ!! だからさー巧也から言ってやってくれよ。俺の妹はお前となんて釣り合わねーよってな!!」

 

「それは俺が言う事じゃない… そもそも2人は元から仲がいい。一緒に出かける事くらい普通だろ」

 

「普通でも嫌なんだよ!! いや普通になってるのがそもそもだろ!!?」

 

「……… はぁ、RIVERSも騒がしくなったな…」

 

 

 巧也は呆れながら椅子に座り資料やらを纏め始める。そうしていると佳苗が急に巧也と狩馬を呼ぶ。その慌てようからすぐに察しはついた。

 

 

「ウォンテッドか? 場所は?」

 

「場所は月日公園付近ね。幹部ではないわ」

 

「よし、すぐに向かうぞ狩馬」

 

「あー待って! この付近なら確か兆くんと永理ちゃんがいるはずよ」

 

「ん? あいつら例の場所に行ったんじゃないのか?」

 

「今日はただのパトロールですって…… まぁ見た目は兆くんが連行されてるみたいだけど、私たちからすればデートよね」

 

 

 最後の言葉はわざと言ったのだろう。完全に狩馬を見ながらそう言ったのだ。巧也はため息をつくと、一応現場へと向かう事にする。もしも暴走や幹部の罠であるならまずい事になりかねないからだ。

 

 

「佳苗。永理に連絡しておいてくれ。俺もすぐに向かうとな」

 

「さぁて文句でも言いに行くかね。あいつ絶対ぶん殴ってやるからな」

 

「お前は来るな」

 

「…………… はぁっ!!!??」

 

「勘違いするな。何もお前が暴れるだとか面倒くさいことになるだとか気持ちが悪いとかそう言う事じゃない… シモツキがやられて、兄の方が黙ってこのまま見ているはずがない。お前ならその気持ちは痛いほど分かるはずだ。ここにもしものことがある。着いていて欲しい」

 

「最初お前の気持ちは言ってたよな…? まぁいい。お前の言う事には一理あるぜ。ここで見張っておいてやるが、その代わり兆は一発殴らせろよな?」

 

「…… 考えておこう。頼んだぞ」

 

「任せろよ」

 

 

 それから巧也は急いで現場へと向かう。

 狩馬はRIVERSに残された後、彼の言葉を思い出す。シモツキがやられて兄が黙っているわけがない。たったそれだけの一文なのだが、今深く考えれば、シワスの強さは自分たちの強さを遥かに超える。もしここへ攻めてくればひとたまりもない。例え自分がいたとしても。

 

 

「…… なんか嫌な予感がするな」

 

「まだ言ってるの? しつこい男は嫌われるわよ?」

 

「違うよ佳苗ちゃん!!?」

 

「じゃあ何よ?」

 

「いやただの胸騒ぎって言うか。何というか…… この何もない時間ってのが1番怖いんだよ。何の変哲もないこの時間がよ…」

 

「言いたい事はまぁ分かるけど、そんなに深く考えなくてもいいんじゃない? あなたも頑張って来たんだし、こういう時くらい肩の力を抜きなさいよ」

 

「あぁ、それはもちろんだぜ…… んーちょっと神経質過ぎたな。ははっ… ところで今度──」

 

「嫌よ」

 

「うぐっ…!!」

 

 

 ただの勘違い。それで止まればいい。しかし狩馬のこの胸騒ぎは現実のものとなってしまうのだ───

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 

「久しぶりの中身ありのウォンテッドッ!! みんなの記憶は返してもらうぜ!!」

 

「くそっ!! トリガーは仲間じゃねーのかよ!!」

 

「ふざけんな!! 仲間な訳ないだろがい!!」

 

 

 トリガー ファーストリボルヴに変身した彼を見るや否や逃走するウォンテッドを追いかける。逃げ足が速く、中々捕まえることができない。

 月日公園に入ると、トリガーはガーツウエスタンを取り出して足元を撃つ。ウォンテッドはバランスを崩し、鉄棒に引っかかり倒れてしまう。それから倒れたウォンテッドに近づいて頭に銃口を当てる。

 

 

「もう逃げられないからなぁ? 大人しくしてれば痛い事はしないよーん?」

 

「こ、こいつッ…!!」

 

「うおっと!!?」

 

 

 追い詰められたウォンテッドが暴れ、その拳がトリガーの顎をかすめる。一瞬だけ引いてしまい、その隙を突かれて突き飛ばされる。

 キラースガンを構えて、トリガーに「動くな」と命令する。

 

 

「いいな? 絶対だぞ?」

 

「…… いやさ。あんたこの後どうすんのよ」

 

「な、なにがだッ!! 動かんじゃねぇ!!」

 

「俺に動くなっつうのはいいんだけどよ… その後、あんたはどう動くの? 逃げるの? 背中向けて? いつまでも銃構えてる訳にはいかないしな」

 

「動くなって言ってんだろ!!?」

 

「素人だね〜… いくら俺が魅力的でも、周りを見ないと対処できなくなるよ」

 

「うるせーんだよッ!!! さっきから説教じみたこと言いやがっ…… てッ!!?」

 

 

 ウォンテッドの銃を持つ手に弾丸が辺り、その衝撃で銃を手放してしまった。その隙を突いて、トリガーはセイブドライバーの引き金を引く。

 

 

「しまっ……!!!!?」

 

「3.2.1…… 今日の俺も勝利の日」

《リボルバー!! ファイア!!》

 

 

 トリガーの渾身の右足での蹴りが炸裂する。その力にたまらずウォンテッドは爆発し、キラーズガンは粉々になり、記憶も本人の元へと帰っていく。

 それから本体の男に永理がすぐさま手錠をかけて取り押さえる。

 

 

「さっきの射撃ナイス」

 

「これでもプロの端くれですからね。これぐらいは当然です!」

 

「さーて、早く変身解かねーと周りの見る目が怖いだよ」

 

 

 フィガンナイフを外そうと手を掛けたその時、背後から何者かが近づいてくるのを感じ、すぐに腰のガーツウエスタンを抜いてその何かに向ける。それからトリガーは永理に男を拘束したまま一歩も動かないよう指示する。

 

 

「なんだよ… 綺麗に終わるかと思ったら横から乱入してくるなんてさ。それであんたらは誰なの? まぁその姿で完全にウォンテッドだってわかるけど」

 

「…… 君はトリガーとして戦い、そして勝ってきた。敵ながら称賛に値するよ」

 

「そりゃどーも… って、そんな話をしにここに来た訳じゃないだろ。久しぶりの人間ウォンテッド相手かと思ったが、これは撒き餌だ。俺らが鯉のようにパクパクしてくるのを待っていた」

 

「そうとも。よくわかったね」

 

「わかる以前の問題だぜ。それで何の用だ?」

 

「まだ君たちと争うつもりはない。もう少し待たなければならないからね」

 

「待つ?」

 

 

 すると誰かが兆の名を呼ぶ声が聞こえる。聞き覚えのあるその声の方を向くと、巧也がこちらに向かって走って来ていた。そして公園まで辿り着くや否や現状をすぐさま把握し、セイブドライバーを腰に巻いて、アフターガンナイフを取り出して変身する準備を行う。

 

 

「相手はただのウォンテッドじゃないぞ、兆」

 

「わかってるよ。俺も嫌な予感しかしないぜ」

 

「あぁ… 永理、お前はRIVERSに戻れ。車のキーは渡しておく」

 

 

 永理はキーをもらうと、拘束していた男を連れて車へと急ぐ。その時に誰かとすれ違うが、その者はトリガーと巧也の元へと向かって行った。

 トリガーたちを前と後ろから挟み込む。2人は互いに背中をくっつけ、新手に対応できるように構える。最初に来たウォンテッドは男で、後から来た仲間であろうウォンテッドは女だと見た目でわかる。

 

 

「おい率直に答えてくれよ。あんたらの目的はなんだ」

 

「簡単だよ。トリガー。君は二の次さ。用があるのはそこの男…… シェリフだ」

 

「巧也さんが? いったい巧也さんに何があるって言うんだよ!」

 

「これ以上、敵に話す事はない…… 安心しなさい。殺しはしないよ」

 

 

 その男がニヤリと笑ったような気がした。その瞬間に背筋がゾッとなる感じトリガーたちを襲う。2人はそれぞれネクストとアフターを挿し込み。引き金を引いて変身する」

 

 

「「変身ッ!!!」」

 

《ネクストガンアクション!!フォローイング!! トリガー!! イーハーイレブン!!》

《アフターガンアクション!!フォローイング!! シェリフ!! イーハーイレブン!!》

 

 

 2人は変身を終えると、それぞれウォンテッドの男女に向かって走り出す。トリガーは女の方を相手にし、シェリフは男の方を相手とする。

 それからシェリフは戦いの最中に男の方の手を見る。そこにはキラーズガンとデリートガンナイフが合体した状態で使用されていた。これはつまり奴らが幹部であると言う証拠である。

 

 

「そうか… お前たちはウォンテッドの幹部か。わざわざ俺たちを始末しに来たと言うわけか?」

 

「さすがだな。血を受け継いでいる事はある」

 

 

 シェリフは倍加させた力で男を投げ飛ばし、脚を掴んで地面へ叩きつける。幹部相手に容赦はしない。もしこちらが少し気を抜けば、状況が一変してしまう可能性がある。

 

 

「ハァッ!!!」

 

 

 そして力を込めた蹴りを脇腹に喰らわせ、胸部をすかさず殴る。幸い力はシェリフの方が優っている為、男は何もできていない。好機ではあるが、攻撃を加える度にシェリフの中で何かが引っかかる。

 

 

「兆… これは敢えて受けているのかもしれない」

 

「え? なんでそんなことする必要があんの? そういう受ける能力があるとか?」

 

「その可能性もあるが違う。こいつらは攻撃すると見せかけて、俺たちに攻撃という攻撃を先程からしてこないだろう?」

 

「確かにそうだけどさ。何の利点もないぜ…… あーそう言われると怪しくなってきたな」

 

 

 トリガーの方も薄々気づいてはいた。ネクストの速さに女は対応できておらず、先程から攻撃を受け続けているのだ。今までの戦いから幹部はもうすでに半分を下回っている。なんの対策もなしに戦いを挑むような無意味な事はして来ないはずだ。

 

 

「…(巧也さんの言う通り攻撃が簡単に通るなんて思えない。対策もないなんて事がおかしいんだ。幹部は残り半分もいないんだぞ? 奴らにはもう後がないはずなんだ………… ん? いや待ておかしい)」

 

「どうした兆? さっきから急に黙っているが……」

 

「… 巧也さん。あんたの言う通りだ」

 

「そうだな。奴らには何か考えがあ──」

 

「違うんだ。そっちの事じゃあないんだよ…」

 

「何が言いたいんだ兆?」

 

「こいつらはキラーズガンとデリートガンナイフを持っている。つまりは幹部って事だよな? これは確定なんだよ。だからこそ幹部だとしたらさ。こいつらいったい─── 誰なんだよッ!!」

 

「……ッ!!!?」

 

 

 そうだ。おかしいんだ。この2つのアイテムを使う事で幹部は力を使う事ができるようになる。そこの話は今はいい。残りの幹部はムツキ・ヤヨイ・カンナヅキ・シモツキ・シワス。この5人だけのはずなのだ。だとするなら、今トリガーたちの目の前にいる敵はいったい誰なのだろうか。

 男の方は「ようやく気づいたか」と言い、不気味に笑う。

 

 

「おいッ!! あんたらいったいどこの誰さんだこらっ!!? 俺と巧也さんが既に7人の幹部を討ち取った。残りは5人で名前も姿も把握済みだ。だからこそわからねーんだよ。あんたらがその銃とナイフ持ってんのがな!!!」

 

「…… わからなくて当然だ。私たちは殺されたのだから」

 

「は…? 殺されたってどう言う事だよ……」

 

「トリガー。お前は覚えていないのか? 私たちを撃ったあの日を…」

 

「待て待て待てよ!! あ、あんたらの言う事が正しいとするなら、俺は今とんでもないものを目の当たりにしているところだぜ。本当に現実的に考えてバカげてるとしか言いようがない事がよ!!」

 

 

 シェリフもトリガーと男の会話を聞いて気分が悪くなった。それは同時に胸を締め付けられるような感覚に襲われる。そしてシェリフはその感情のまま男に飛び込み。地面に叩きつけ、馬乗りになって肩を鷲掴みにして問いただす。

 

 

「お前は誰だッ!!! 答えろォッ!!!」

 

「ふふふふっ… お前というものがわからないなんて事はないだろう? お前は天才だ。そしてそのカリスマ性はとても良く似ている」

 

「だから誰なんだッ!!!!」

 

「ずっと一緒に暮らしていたのにも関わらず忘れたのか? 酷い奴だな…… まぁ今は顔が変わってしまっているからわからないだろうがな」

 

「ハァ… ハァ……!!」

 

「この名を言えばわかるだろう。私はミナツキだ。そして彼女は私の妻のキサラギだ。これでわからない訳がないな? シワスから聞いているはずだ」

 

「あ…ぁ……ッ…!!!」

 

「久しぶりだな巧也。大きくなったな? 私たちが死んでからたくましく育ってくれた… 親として私たちは嬉しい限りだ。今であるなら私たちの側へ付けてやれる。どうだ? 来るか? 悪い話じゃないはずだ」

 

 

 シェリフは仮面の下で今どういう表情をしているのだろうと、トリガーは思った。こんな衝撃的な事が起こって彼とて平然としていられるはずがない。だが、この答えを彼はどう対処するのだろうか。どう返すのだろうか? 言うまでもなくシェリフの答えは決まっている。

 

 

「答えは簡単だ。答える必要がないが、敢えて答えてやろう。あんた達は俺を裏切った。俺はウォンテッドを倒す。それだけの事だッ…!!!」

 

「…… そうか。残念だな。お前は昔から正義感が強いいい子だったからなぁ。しかしな巧也よく聞きなさい。正義とは時に人を守る事が全てじゃないとわかる。例えそれが命を奪う行為だとしても、自分の正義を尊重しなければならない時が必ずある」

 

「そんな正義… あんたに教えてもらった事は一度もない!!!!」

 

「わかっているよ。だからこそもうお前は私たちの元へ戻って来ることはないのだろう? それならやる事は一つなんだ」

 

「やるこ────ッ!!!」

 

 

 その瞬間、銃声が聞こえたかと思うと、シェリフの腹部から血が滴り落ちてきた。ミナツキの手には銃が握られている。そうしてシェリフは崩れ落ちるように倒れた。

 

 

「残念だよ…… お前には失望した」

 

「こッ…… 巧也さぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッ!!!!!」

 

 

 公園からトリガーの悲しき叫び声がビルの間を通り抜けるほど辺りに響き渡った──。




ファッ!!?やべーよやべーよ…
幹部のミナツキとキサラギが生きていた。巧也が撃たれた……
次回どうなってしまうのでしょうか?

次回、第26劇「リバーストップ」

次回もお楽しみに〜!!
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