仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
前回をお話しする前に豆知識です。気づいてる方はいらっしゃると思いますがRIVERSは川だろうがーと。本来は逆転の意味のREVERSEなんですけど、RIVERSの方が字的にカッコ良かったのでこちら方にしました。巧也・佳苗・孝四郎の3人(川)で元は構成してましたからちょっと掛けてます。はい!

という事で前回、まさかのキサラギとミナツキ…巧也の両親が生きていました。そして巧也が撃たれてしまって……

それではどうぞご覧ください。


計画の始まり編
第26劇「リバーストップ」


「こ、巧也さん!! 大丈夫かよ!! なぁっ!!!!?」

 

「うっ……ッ……!! 」

 

「…… ッお前らァァァァァァァァァッッッ!!!!!」

 

 

 トリガーは変身が解除されてしまった巧也の元へ近づき腹部を抑える。撃たれたところからドクドクと血が流れている。すぐに治療をしなければ死んでしまうかもしれない。しかしトリガーはそういう事は思ってはいたのだが、こいつらをぶっ飛ばしたいという気持ちが強かった。

 トリガーはシェリフからアフタートゥエルブを抜き取り、ネクストと組み合わせてセイブドライバーに挿し込んで引き金を引く。

 

 

《アフターネクストガンアクション!! クロッシングトリガー!! イレブン!! トゥエルブ!! ダブルイーハー!!》

「絶対に許さねーからなッ!!! 例えあんたらが巧也さんの親だったとしても、実の子を平気で傷つけるような奴はぶっ飛ばすッ!!!」

 

「シモツキがやられたという姿か。いいだろう。試してみようじゃないか」

 

 

 ミナツキは持っていた銃を放つと、凄まじいエネルギーに回転を纏う。トリガーは反射的に避けると、後ろの建物に当たるとまるでダイナマイトでも仕込んでいたかのように爆発する。

 

 

「…… なるほど。あんたの能力は銃弾の火力を底上げできるって事か」

 

「それだけならいいな」

 

「…っ!!?」

 

 

 またも放たれた弾丸を躱そうとしゃがむと、なんと弾丸はトリガーを追いかけるように突然に曲がる。この近距離で避けられるはずもない。そして着弾… したかに思えたが、何故か弾丸は爆発しない。

 

 

「ど、どういう事なんだ……?」

 

「── なんでだろうな?」

 

「なにっ!!?」

 

 

 ミナツキが気づいた時には、トリガーの筋力が倍加された蹴りを右頬に決まり吹き飛ばされていた。なぜ当たったはずなのにトリガーはなんともなかったのだろうかと、ミナツキは思っているだろう。アフターネクストの時間を消し飛ばすの力により、弾丸はトリガーに当たったという時間を消されてしまったのだ。

 

 

「まぁちょっとしか飛ばせねーからなんとも言えないが…… おっと!?」

 

 

 トリガーの頬スレスレに弾丸が飛んできた。どうやらもう1人の幹部キサラギが攻撃してきたようだ。まだ彼女の能力自体は把握できていない為、用心しなければならない。

 

 

「外れたわね。まぁこれくらいじゃ当たる訳ないか」

 

「あらあら奥さん。あんたも俺とやり合うってか? なら、さっさと終わらせてやるぜ… 巧也さんがやばいんだよ!!」

 

 

 キサラギに思いっきり蹴りを放つが、おかしな事に脚が体に埋め込まれていく。ハヅキのようなスライム状になる能力かと思ったがそうではない。キサラギの体は一気に元に戻ると、トリガーを大きく吹っ飛ばした。そう、彼女はまるでゴムのように柔らかくなったのだ。

 

 

「サツキが確か硬化能力だったかしら? でも硬いだけじゃいけない時もあるのよ?」

 

「こ、これはこれで厄介な能力だな…… いくら消し飛ばせると言っても幹部2人はきついかも」

 

 

 ミナツキが戻ってきてキサラギと共に、トリガーを囲むように立つ。もちろんトリガーはいつ仕掛けて来てもいいように身を低くして構える。しばらくそのまま時間が流れて、先に動き出したのはミナツキの方だった。

 だが、それは攻撃を加える為に動いたのではなく、手を挙げる為に動いたのだ。

 

 

「なんのつもりだッ!!」

 

「勝負はここで終わりだよ。降参じゃない。目的は果たせたからな」

 

「巧也さんを戦闘不能に持っていく… あわよくばこのまま死ねばいいってのが目的なんだろ?」

 

「少し当たっているが、巧也の件は本当に仕方がない事なんだ。もしこちら側に着くと言ってくれたのならこうはならなかった……だが、そうじゃない」

 

「なら、なんだって言うんだこら」

 

「私たちの本当の目的は時間を稼ぐ事さ」

 

「時間を稼ぐ…? 何の?」

 

「………… そういえば永理だったかな? あの子はRIVERSに向かったね」

 

「それがどうし─── っ!!? まさかお前らッ!!?」

 

「RIVERSはどうなっただろうね? それでは私たちは失礼するよ」

 

「待てッ!!…… くそっ!! いや狩馬さんがいるから大丈夫な筈だ。今は巧也さんを病院へ──」

 

 

 巧也を運ぼうとしたトリガーだったが、腕を強く握られたのを感じ巧也の方を見る。すると荒い息を立てながら首を横に振った。

 

 

「RIVERSへ行くぞ…… 兆ッ!!!」

 

「あんた今の状態で戦える訳ないだろ!!? とにかくあんたは治療をしなければならない!! 今すぐにだ!!!」

 

「頼む兆ッ!!!」

 

「巧也さん…?」

 

「RIVERSの課長は… リーダーは俺だ…… ここでくたばっていたら、あいつらにこの先見せる顔がないッ!!! 無理はしないつもりだ!! 頼むッ!!!」

 

「……ッだぁぁぁぁぁぁぁ!!! どーせ言っても聞かねーんだろ!!? あんたという課長はよ!!! 行くぜ巧也さん!!!」

 

「すまない兆… ありがとう!!」

 

「礼ならしっかり生きて、今度バーでミルク奢ってもらうからなッ!!!」

 

 

 バオを呼ぶと早々にトリガーを踏みつける。しかしバオの今回の踏みつけは肩だった。そしてブルルッと首を回すと、早く乗れと言わんばかしに首を自分の背へ向ける。

 

 

「…… へっ、ありがとよ。相棒」

 

「ブルルルルルルッ」

 

「よし、行くぞッ!!!」

 

 

 巧也を乗せて、トリガーは急いでRIVERSへと戻って行くのであった。しかしこれはシワスの予想通りの展開なのだ。この後も彼の思惑ではうまくいく。兆、巧也、狩馬の3人に亀裂を走らせる為のものだと、この時の誰もが思わなかった────。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「おいおい…… 嘘だろ?」

 

「くそっ…… なんて事だ…!!」

 

 

 警視庁は既にほぼ破壊にされており、火の手が上がっている。周りには警察官たちが倒れていた。急いで中へ入り救助を行いながら、RIVERSのドアを開くと狩馬と佳苗、それから孝四郎が倒れていた。中は酷い有様だ。

 

 

「みんな大丈夫か!!? 狩馬さんちょっと起きてッ!!」

 

「佳苗!! 孝四郎!! 返事をしろッ!!!」

 

「とにかく運ばなきゃ…… 巧也さんは無理しないようにね」

 

「わかってる」

 

 

──── それから数時間経ってやっと消化され、幸い死亡者は出なかったが、怪我人が大勢出てしまった。そして多くは記憶を抜き取られてしまっている。RIVERSにいた3人は何とか記憶を奪われずに済んだようだ。警視庁の外で集まったメンバーは今までの経緯を話す。巧也は治療の為、兆が狩馬から聞く事になった。

 

 

「すまねぇ…… シワスとシモツキ、それにヤヨイが攻めてきたんだ。あいつらもガチで来てやがった。俺の力じゃどうすることもできなかった…」

 

「俺たちもごめんな狩馬さん。まさか時間稼ぎされてるとは思わなかった… 巧也さんはあぁなっちゃうし…… それに巧也さんの両親が生きてたし」

 

「なんだとッ!!?…… いやもう今更驚いても仕方ないか… 奴らの作戦にまんまとはめられた俺たちの負けだ」

 

「……… ん? 待ってくれ。永理はどうしたんだよ?」

 

「永理?…… そうだ。あいつはどこに行ったんだ!!? 永理はどこだッ!!?」

 

「落ち着いて狩馬さん!! 今は冷静に物事進めないと!!」

 

「わかってはいるが… まさか攫われたんじゃ──ッ!!!」

 

 

 佳苗はそこで「そうよ」と呟く。そして気を失う前に彼女が連れて行かれる所を見たと語った。それを聞いた狩馬はもちろん黙っているはずがない。すぐにでも行こうとするが、兆が止めに入る。

 

 

「落ち着けってば!! まだ永理が連れ去られただけだ!! あいつらの狙いは俺たちを分断すること!! 下手に動けば奴らの思う壺だぜ!!?」

 

「妹をそのままにしておけって言うのか!!!?」

 

「ちげーよ!!! 1人で乗り込む前にしっかり準備を立ててから行かないと返り討ちにされるって言ったんだよ!!!」

 

「ならお前もついてこい!! アフターネクストの力があれば勝てんだろ!!?」

 

「そういう問題じゃないってば!!! それにもし幹部3人が相手になったら、いくらアフターネクストでも勝てねぇよ!!!」

 

「それならお前がもっと早く来ていればこんな事にはならなかった筈だ!!!」

 

「はぁっ!!? 狩馬さんだって負けてなきゃこんな事にはならかったんじゃないのか!!!?」

 

「なんだとッ!!!!!」

 

 

 2人がヒートアップしてくると、慌てて2人を佳苗と孝四郎が止めに入り、その場はなんとか治った。しかし彼らに亀裂が走ってしまった事は言うまでもない。

 狩馬が何処かへ行くと、兆はコンクリートの地面に座り込み、頭を抱えてため息を吐く。それから数時間後、孝四郎が近づいてきて彼を宥める。

 

 

「…… ごめん孝四郎さん。ありがとう」

 

「いいよ気にしないで」

 

「えっと… 狩馬さんは?」

 

「狩馬さんは佳苗さんが相手してくれているよ… それより落ち着いた?」

 

「あ、うんまぁ……」

 

「大変な事になっちゃったね。研究室もあの有様だし、フィガンナイフの製作はしばらくできそうにないよ」

 

「そっか…… あ、そうだ巧也さんは?」

 

「今さっき治療が終わった所だよ。行ってみれば?」

 

「うん… 行ってみるよ」

 

 

 孝四郎と別れ、病院へと行き、ナースセンターで場所を聞いた後、巧也の病室へと向かう。重症患者が多い為、個室ではなく大部屋となっている。もう既に見舞いに来た人たちが大勢いるようだ。

 するとその中から兆の名を呼ぶ声が微かに聞こえた。声のする先には巧也がベットで寝ていた。

 

 

「よう巧也さん。見舞いというか様子見というか… 手土産は残念ながら持ち合わせてないぜ?」

 

「来てくれただけで充分だ。ありがとう」

 

「いえいえ。これで2度目の入院? するのかわからないけど… 怪我し過ぎだぜ?」

 

「そうだなぁ。人生で2度目になるかもな…… まさかその2度目が親に撃たれて病院送りとは」

 

「あ……」

 

 

 兆は自分で言った冗談をこれほどまでに憎んだ事はない。今かける言葉にしては冗談が過ぎた。巧也は実の父に殺されかけたのだ。

 

 

「ごめん巧也さん。そんなつもりで言った訳じゃないんだ…」

 

「お前の冗談はすぐにわかる。例え数ヶ月でもお前のことはそれなりに理解してるつもりだ」

 

「……」

 

「なぁ、兆。ただの質問なんだがいいか?」

 

「もちろんっすよ。なんでも言ってどうぞ!!」

 

「お前は目標にしたいた人物がウォンテッドの幹部だと知ったら…… お前はどうする?」

 

「……… あっと… その、なんだ。俺は親がいたのかどうかもよくわからないし、それに目標にしたいって人もいないし、だからうまく言えないけどさ。ぶん殴ってると思う」

 

「…… そうか。そうだよな。普通ぶん殴りたいほどムカついてくる… だが俺はそうじゃないんだよ。怒りとか憎しみとかじゃない。悲しみでもないんだ……」

 

「なら、なんだって言うの?」

 

「── わからない。この気持ちをどう表せばその答えが出るのかわからないんだ。今は…… 何も考えていたくない気分なのかもしれない」

 

「オッケー。俺はこれで失礼するよ」

 

「すまないな兆。わざわざ来てもらって変な話に付き合わせてしまったな」

 

「何言ってんの。俺の巧也さんの仲じゃねーか。どんな話でも付き合ってやるぜ」

 

「それともう一ついいか? 狩馬の事なんだが…」

 

「狩馬さん…… が、どうしたの?」

 

「あいつを見張っておいてくれ。佳苗から既に連絡はもらってる。永理を助ける為に乗り込むかもしれない」

 

「…… わかったよ。俺に任せてくれ」

 

「頼んだぞ兆」

 

 

 病院から出ると、警視庁前へと戻る。孝四郎と佳苗、狩馬はいない。兆は2人に近づいて病院に行ってきたことを告げる。巧也の状態は良かったとだけは伝えたが、それ以外は何も伝えなかった。伝えられなかったのだ。

 

 

「そうねー… まぁいいわ。元気そうなら良かった良かった」

 

「…… なぁ佳苗さん」

 

「ん? 狩馬なら気分転換に散歩してくるって。一応携帯は渡してあるから連絡できるわよ」

 

「そっか… あのさ。ただの提案なんだけどさ」

 

「何かしら?」

 

「RIVERSはご覧の有り様だからしばらく拠点がなくなる訳じゃん?」

 

「…… 当てはあるの?」

 

「あぁ、とびっきりの場所がね───」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 そんなこんなでBAR TRIGGERへやってきた兆たちは、マスターに事情を説明するとすぐに迎え入れてくれた。ラジオで現場を把握していてくれたらしく、兆がここに来ることも予想がついていたらしい。

 

 

「マスター本当に助かるよ」

 

「ここなら偽物の兆くらいしか知る奴はいないだろう」

 

「えっ!!? ここに来てたの!!?」

 

「気付かないフリはした。すぐにわかったぞ。お前ならいつもミルクを頼むからな」

 

「そこかよ…」

 

「半分そうだが半分違う」

 

「どういうことだよ!!」

 

「… お二人もゆっくりしていってくれ。ここは安全だと保証しよう」

 

 

 話によればカンナヅキはあれ以降来ていないらしいが、用心はした方がいいだろう。マスターは胸を張って安全だと言うが、こればっかりはさすがに怪しい所である。しかしムツキという知り合いがいるからこその自信もあるのだろうか。

 

 

「よーしちょうどおじさんもいるし、飲みっぷり対決しよーぜ?」

 

「くくくっ… いいだろう。俺が勝ったら奢りにするぞ?」

 

「上等だぜ!!」

 

 

 イッシュウはガンホーレを後ろから応援し、2人でゴクゴクとジョッキに入った飲み物を飲み干していく。もちろん勝敗は、誰かに決めてもらうわけではないので一生終わらないだろう。

 佳苗はそれを見て笑いながら、携帯で狩馬に連絡を入れる。だが、いつまで経っても反応がないのだ。

 それから1時間経っても、何もこないので再度電話をかけようとするとメールが来ていた。開いて内容を確認し、急に佳苗の動きが止まった。そして兆を急いで呼ぶ。

 

 

「な、なになにどうしたの佳苗さん?」

 

「狩馬が……」

 

「狩馬さんがどうしたの?」

 

「あれだけ念押ししたのに!!!」

 

「だからなにさ?」

 

「── 永理ちゃんの所へ行ったわ」

 

「な、なんだってッ…!!?」




どんどん暗くなっていく〜
狩馬が永理の元へ行ってしまった!!?どうなってしまうのか…

次回、第27劇「七曜」

次回もよろしくお願いします!!
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