前回、ヤヨイを倒してから1ヶ月が経ち、巧也が退院できました。しかしそのタイミングで幹部カンナヅキ・ミナツキ・キサラギが出現し……
それではどうぞご覧ください。
「この偽物ッ!! 何が目的だ!!!」
トリガーはカンナヅキに銃を撃ちながら近づく。
自分に何故似せているのか。自分と何の関係があるのか。彼にとって自分の記憶に近づく為の大きな手掛かりになるかもしれない。
カンナヅキは弾丸を避け、急にトリガーに向かって走りスライディングを行う。この行動は予想外だったので懐に入られ、腹に一発喰らってしまった。
「ぐっ…!!」
「気になるよな。俺だったら気になる。いや、お前だからお前の気持ちはよくわかる」
「お前だから? やっぱりあんたと俺は関係があるのか!!?」
「答えを知りたいのなら… 俺を倒してみろ!!」
「言ったな? なら… やってやるぜ!!」
《TWO》《SET》
《セカンドガンアクション!! トリガー!! ツインライトニング!!》
フォームチェンジを行い、二丁拳銃でカンナヅキに連続射撃を行う。一丁だけならよかったが二丁ともなると、トリガーの巧みな銃捌きにより、避けられずに何十発と当たってしまう。
「こんなもんか偽物ッ!!!?」
「まだ… まだだな。これじゃあ、あの方も喜ばない」
「あの方? テロスのことか!!」
「教えて欲しければ倒してみろと言ったはずだ!!」
「だから今から倒すんだよ!!」
《THREE》《SET》
《サードガンアクション!! トリガー!! ショットショットショット!!》
カンナヅキは隙を見て、トリガーの左側から蹴りを放とうとしたが、見切られており、サードのパンチを受けてしまった。
1発は30発。それが3発もカンナヅキの体に一気に襲いかかる。
「がはぁっ… !!!?」
「まだまだこれだけじゃ終わらねーぞ!!!」
《FOUR》《SET》
《フォースガンアクション!! トリガー!! ストレートライフル!!》
今度はフォースでカンナヅキの攻撃を避けつつ44秒間待ち続ける。
そしてその時が来ると、脚が赤くなり始め、トリガーはその脚でカンナヅキに蹴り浴びせる。能力は相手の防御無視する事。つまり貫通するのだ。
「お前本当に狩馬さんに勝ったのか…? なんかおかしいぞ?」
「くっ… ふふふっ」
「なーに笑ってんだ。蹴られ過ぎて頭がおかしくなったか?」
「いや、そうじゃない。嬉しいんだよ。お前が俺を蹴る度に、殴る度に、 あの方の予定通りに進んでいると思うとな」
「その言い方だと本当にテロス? みたいだな。なら、尚更聞きたくなってきた。お前を倒して絶対に吐いてもらうぜ!!」
セイブドライバーの引き金を引くと、脚から蒸気が出て赤くなり始める。
カンナヅキが顔目掛けて蹴ろうとしたが、トリガーは避けてガラ空きとなった懐に潜り込む。顎に掌底を放って体勢を崩してから、そのまま踏みつけるようにカンナヅキに必殺の一撃を喰らわせる。
「これで最後だッ!!!」
「グワァァァァッッッ!!!?」
もう動かないであろうカンナヅキを、トリガーは襟元を両手で掴んで持ち上げる。こいつに約束通り喋ってもらうつもりだ。
それからトリガーは問う。本当のことを話してみろっとこの静かな街に響く声で怒鳴る。カンナヅキはそんな彼の声に驚く事はなく、仮面の下で不気味に笑いながら、されど冷静に話し始めた。
「まず事実から教えてやろう…… お前は俺なんだよ。兆」
「だからそれがなんだってんだよ。俺がお前ってなんだ? お前は俺のコピーとでも言いたいのか? 何の為に?」
「落ち着けよ。コピーってのは確かにそうだ…… だが、間違っている点がある。逆なんだよ。お前が俺のコピーだ」
「は…? おい!! どういうことだよ!! お前が俺の? それじゃあお前が俺の偽物じゃなくて、俺がお前の偽物だって言いたいのかッ!!?」
「結論から言えばそうなるな。言っただろ? お前は俺なんだと、そう告げていたはずだ。しかしそれも真実じゃない。本当の真実を話すのは俺じゃないからな」
「お前よ。話すって言ったよな? 俺はそう聞いていたはずだけど?」
「全てを話すなんて一言も言った覚えはないが?」
「…… どうやら更に殴られないとわからないみたいだなッ!!!」
トリガーが右手の拳を振り上げた。だが、その拳は何者かの手に掴まれて止められてしまう。巧也と狩馬は戦闘中のはずで、その前にこの状況で止めはしないはずだ。
そして振り向くと、予想もつかなかった者がそこにはいた。その者はウォンテッドのボス。テロスがトリガーの手を掴んでいたのだ──。
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その頃、シェリフとハントはミナツキとキサラギの幹部達とタイマンの形で交戦していた。
ハントの方はキサラギにかなり優勢なのに対し、一方のシェリフはミナツキに攻撃をまともに与えられていなかった。
「どうした巧也? お前の今の攻撃は余りにも弱過ぎる。手加減しているのか? この私に対してそれは、私が親だからか?」
「て、手加減だと? それをする必要が何故ある!!? お前は俺を裏切った!!」
「なら先ほどから防御の方の回数が多いのは何故だ? 私に対しての攻撃回数は実に26回。その内23回は明らかに本気じゃないだろう?」
「ち、違うッ…… 俺はただッ!!」
「お前は昔から正義感が強かったからな。私に憧れてこの職場に入り、そして今ではその若さでRIVERSの課長という座に着いた。親としてこれほどまで成長してくれたのはとても嬉しい限りだった。だが逆に言えば、私に憧れるお前だからこそ私のこの仕事を受け入れてくれると思っていたんだけどなぁ…」
「思うわけがないだろ!!! 俺は父さんに憧れて警察になった。本当に心の底から尊敬して、いつか父さんのようになろうと思ってた…… 実際はどうだ? 罪なき人の記憶を、命を、いとも簡単に奪うような人だった!!! 俺はそんな親を持った事が悔しくてたまらない!!!」
「言うな巧也…… 父さんは悲しいぞ。まぁこれではっきりしたな。お前と私は分かり合えない。そしてこれからも敵同士だと。ならやる事は一つだけだ」
ミナツキはシェリフの殴りを避け、腕を取ると少しの力で容易く宙に浮かせる。これは合気道だ。
軽々と宙に浮かされたシェリフは感じ取っていた。このミナツキもそうだが、キサラギも時間を稼ぐ為に敢えてやられたふりをしていたのだ。実際は2人ともかなりの腕であり、そうでもなかったら通常のウォンテッドように、あの時とっくにやられているだろう。
「巧也、お前に見せてやろう。私の本気をッ!!!」
それからミナツキはシェリフの腰に膝を当て、首と脚を掴んでそのまま地面に着地する。腰は折り曲げられ、激痛がシェリフを襲う。
その後、攻撃はまだ続く。今度もまた宙に打ち上げ銃を構える。あの弾丸をこの距離で喰らったら確実に頭を撃ち抜かれて死んでしまう。
「うおぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!」
「なにっ!!?」
放たれた弾丸を、シェリフは空中で体を曲げてなんとか避けた。だが、攻撃は1発だけで終わるはずがない。ミナツキは続けて2発目を撃とうと構える。
しかしその時、様子を見ていたハントが能力を発動させ、そこらの植物を操り、銃をシェリフから逸らす。お陰で危機は回避したが、その後ろで凄まじい爆発音がこだまする。
「すまない、狩馬」
「いいって事よ!!(やっぱり気にしてるんじゃねーか。このままだと巧也がまずい。俺がこの2人を相手にするしかない)」
ハントはそう思い、シェリフに下がるように言おうとするが、彼はこちらを見てそれに気がついていたようで手の平を見せて止める。
今のシェリフは彼らと戦える状態ではない。親と戦う事、ましてやこれが殺し合いであるなら尚更だ。もし自分が永理と戦うとなれば絶対に攻撃できないとハントは思った。
「大丈夫だ。狩馬は母さん… キサラギを頼んだ。俺はこの手でミナツキを倒す」
「倒すか。どうするつもりなんだ? お前のアフターではこの私には勝てないぞ。それにまともに攻撃もできないお前が何を言う」
ミナツキに煽られながらも巧也はアフターガンナイフを抜くと、もう一つのフィガンナイフを取り出す。それは彼が持っているはずがない物で、今は兆の手元にあったはずのネクストガンナイフである。
そしてその2つのフィガンナイフを合体させ、セイブドライバーに装着する。
「それはネクストガンナイフ…!!」
「兆は俺にもしもの事があったらと渡しておいてくれたんだ。自分の身も危ないってのにな。心配性だと思って初めは抵抗してみたもんだが…… 折れたおかげで助かったぞ」
「いいだろう。手間取るだろうがやってやろう。来い!! 巧也ッ!!」
「行くぞ…… 父さんッ!!!!」
《アフターネクストガンアクション!! クロッシングトリガー!! イレブン!! トゥエルブ!! ダブルイーハー!!》
シェリフはアフターネクストの形態へと変身する。
そしてネクストの力を使って高速でミナツキに近づき、アフターの力でミナツキを思いっきり殴り抜ける。
しかし完全に決まったと思い込んでいたのだが、どうしてか当たりがイマイチだった。とても軽い感じである。
「合気道か…!!!?」
合気道を実戦で行える者はほんの一握りだと聞く。しかしこのミナツキは階級としてもトップであるが、戦闘においても右に出る者はいない。まさに最強の警察官だったのだ。
そしてミナツキは流れのままにシェリフにかかと落としを決める。
「甘かったな巧ッ…… !!? 消えただと!!?」
その瞬間、ミナツキの背後から脚が伸びてくる。背中に軽く押し当てられているのがわかる。わかってはいたが、やはり対処は難しかったアフターネクストの時間飛ばし能力。
シェリフは足を当てたままセイブドライバーの引き金を引いた。
「俺の勝ちだ… 父さん」
「……… そうだな。お前の成長した姿を見れてよかったよ。あんなに小さかったお前がこんなに大きなって… そして私を超えた。努力したんだな。そこまで上り詰めるのは大変だったろう 」
「………」
「親としてお前にしてやれる事はなかった。毎日毎日、心配かけさせてごめんな。寂しかっただろう… しかしお前は沢山の仲間たちに出会えた。お前が楽しそうで私は嬉しいよ」
「……ッッ」
「ありがとう巧也。私はお前のような息子を持って幸せだったよ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
シェリフはエネルギーを纏った脚でミナツキを蹴った。
しかし彼自身全く気がつかないうちに手加減をしてしまった。ほんの僅かな手加減だ。それがミナツキにとっては計算通りのことだったのだ。
その時、キサラギの腕が伸び、吹き飛ばされたミナツキを掴むと、ミナツキは地面を蹴ってキサラギの元へと跳んでいく。
「なッ…!!」
「やはり多少力を抑えてくれたか。お陰で助かったぞ巧也。だが──── 次に会う時は殺す」
そう言って幹部2人は姿を消してしまった。
崩れるように膝をついたシェリフに近づいたハントはそっと肩に手を掛ける。その気遣いは嬉しかったが、軽く手で払いゆっくり立ち上がる。
ハントはそれ以上何もせず、ただ黙ってシェリフの力なき背中を見ていた──。
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トリガーの前に再びテロスが現れた。カンナヅキを助けに来たのかと、最初はそう思ったがどうやら違うらしい。こうなる事を見越して最初から待っていたのだ。何処かでこの戦いを待っていた。
テロスの手を振り払い、トリガーは構えた。
「テロスッ!!!」
「いったいなんのようだ。と、そう言いたいらしい。しかしお前はわかっている。私が何故ここへ来たのか。その理由をな」
「へー、なら答えてもらおうじゃないの。さっきの話の内容もどーせわかってるだろうけど聞いてやるよ。俺は…… 何者なんだよ」
「── 終焉のトリガーだ」
「その終焉だかなんだか知らないけどよ。これは仮にだ。突拍子もないし、頭お花畑かよって話だけど…… 俺が元あんたらと同じウォンテッドで、その終焉… つまり世界の破壊者で、その昔に力を使い過ぎて記憶を失った… とかな」
「…………」
「え、マジ? ホントにこれなの?」
「全く違う」
「違うのかよッ!!! ちょっと恥ずかしいじゃねーか!!!」
「お前にとってはな」
「俺にとっては…?」
「お前の記憶は無くなっている。それは何故なのか考えた事はあるか?」
「あるに決まってるだろう。自分の記憶だぞ? マスターに拾われてなきゃ俺はお陀仏よ… それにお前があそこを紹介した。セイブドライバーを渡したのもあんただろ」
「そうだったな。私の方が忘れていた…… だが、何故私があの場所を教えたのか考えた事はあるか?」
「この間、考えていたさ。何故あんたが俺をバーを紹介してくれたのか。ま、わかるはずねーけどな。ちょうど裏路地で目立たないからとか?」
「裏路地でひっそりと営む… ふっ、いかにも奴らしい」
「奴? マスターの事か?」
「奴とは知り合いでな。快くお前を引き取ってくれた」
「…… おい、どういうことだよそれ。まるでマスターは俺が来ることを知っていたかのような口振りだな…」
「なるほど。やはり知るはずはないか。何故なら私が口止めをしていたからな」
「さっきから何を言っているんだ!! マスターがいったいなんだ!!」
「── ウォンテッドの幹部が1人」
「え…?」
「表ではバーのマスターとして働いているそうだが、しかし実態は違う。私の右腕であり、幹部最高峰の実力者─── ムツキだ」
トンデモ事実が発覚!!?
次の話でまた何かが起こる…?
次回、第30劇「記憶のドライバー」
やる気がムンムン湧いてくるぅ^〜
次回もよろしくお願いします!!