仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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30話きたぁぁぁぁぁっっっ!!!
もうびっくりです。100話とか書いてる方を尊敬しますわ。大体私20話くらいで疲れてくるんですけど、今回はもうやばいですねもうやばいです(語彙力

では前回、カンナヅキVSトリガーで記憶を教えてもらう為に戦い、そして勝利を納めました。一方でミナツキVSシェリフはアフターネクストを使用し勝利したシェリフでしたが、加減してしまい取り逃がしてしまいました。その頃、トリガーは突然現れたテロスから衝撃の事実を伝えられ……

それではどうぞご覧ください。


第30劇「記憶のドライバー」

 テロスがデタラメを言っているだけだと、兆は最初そう思っていた。

 しかし兆はあの時、何故疑うことをしなかったのだろう。マスターがムツキと昔馴染みなどという普通なら信用できない筈なのに。

 それは簡単な話。兆がマスターを疑いたくはなかったからだ。自分の育て親同然の人なのだから。

 

 

「嘘だ… マスターが幹部…? あのムツキだって言うのかよッ…!!!」

 

「やはり会っていたか… そうだ。奴がムツキだ」

 

「マスターが… そんなっ!! 益々訳わからなくなってきた…… じゃあつまり最初からお前が命令し、俺は幹部に預けられる予定だったと?」

 

「その通りだ」

 

「…… 俺をいったいどうするつもりだったんだ? 何かあるのか!? 終焉のトリガーとはなんなんだッ!!? 俺は何者なんだよッ!!!?」

 

「カンナヅキの言った通りだ。お前はカンナヅキだ」

 

「は、はぁ…?」

 

「お前とこいつのDNAは同じだ。兄弟… と言っておくのが妥当だろう」

 

「意味がわからない… 兄弟? いつからだよ… 俺の記憶は……」

 

「…… カンナヅキ。そろそろ準備に取り掛かるとしよう。ここらで引き上げだ」

 

 

 そう言うとテロスは一瞬のうちにトリガーの目の前から消え、カンナヅキの側へと移動する。

 トリガーはすぐに振り返り、テロスに銃を向け問い詰める。

 

 

「最後に答えろよ。俺はお前にとってなんだ!!!」

 

 

 暫く沈黙が続き、お互い一歩も動く事はない。

 トリガーは引き金に指をかけて、いつでも発砲できるようにテロスの動きに集中する。

 それからゆっくりとテロスの口から言葉が発せられる。

 

 

「お前はこの世界を終わらせる為のトリガーだ」

 

「トリガー……」

 

「もうすぐお前は引く事になる。その時、お前の真実が語られる」

 

「おい待てッ!!! 逃げるなテロスッ!!!」

 

 

 そしてトリガーは何発もの銃弾を放ったが、テロスとカンナヅキの体をすり抜け2人は消えてしまう。

 震える手で銃を下げて、兆は変身を解く。変身を解いた直後、巧也と狩馬が合流した。狩馬は合流するや否や兆の様子がおかしい事に気づく。

 

 

「おいどうした兆?」

 

「あぁ、狩馬さん…… なんでもないさ。ただちょっとカンナヅキを逃しちゃって」

 

「そうかぁ… こっちはミナツキとキサラギを逃し…… いや、今はやめとくか。さて、まずはRIVERSに戻るとしようぜ。まーた襲われでもしたらたまったもんじゃねーからな!」

 

 

 狩馬は明らかにいつもと違う2人に挟まれやるせなさを感じた。自分の為にと行動してくれた2人の役に立てないことが悔しいのだ。恩を貰うだけで自分は返せていないとそう思っていた。

 それぞれの感情に揺さぶられながら、こうして3人はRIVERSへと重い足を動かしながら戻っていった。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 ここは誰も知らない場所。知る者は幹部だけ。

 その場所のある一角で、薄暗い部屋の中、ガチャガチャという何かを弄る音が聞こえてくる。

 

 

「少々時間はかかったけど、これで完成間近だ」

 

 

 独り言を呟くのはカンナヅキ。あの後すぐに何かを造る為にこの部屋に入った。傷を癒すという事はしない。休むこともない。彼はその何かをトリガーが誕生する前からずっと造り続けているのだ。

 それがようやく完成の一歩手前までとなった。

 

 

「くくくっ… 後はテロス様の用意されたプログラムを組み込めばいい」

 

「首尾はどうだ? カンナヅキ」

 

 

 カンナヅキの背後から音も立てずに現れたのはテロスだ。それには驚きもせず、現在製作中の何かについて話す。

 その話を聞いたテロスは笑みを浮かべ、その何かを手に取り観察する。

 

 

「やはり素晴らしい。カンナヅキよ。よくやった」

 

「いえ、これもテロス様のおかげです。あなたに習わなければ何もできませんでしたから」

 

「お前は物覚えがいい。お陰で私は計画を進められた。お前こそ私の左腕に相応しい」

 

「ありがたき幸せです」

 

 

 テロスはその何かを置き、また音もなく消え去った。

 そして陰で、その光景を見ていたシワスは歯軋りをし、拳を震わせる。何故あいつなのだと。何故自分じゃダメなのかと。

 それからシワスはシモツキを連れて外へと出る。

 

 

「に、兄さんどうしたの?」

 

「我は認めん。あの失敗作如きが左腕などと」

 

「兄さん! 聞こえてたらまずいよ! ボスはいつどこで見てるのかもわからないのに……!!」

 

「ならば見ていてくれればいい。我が奴らをこの手で始末するその瞬間をな!!」

 

 

 そんな彼らを後ろから観察するテロスは再び笑みを浮かべた。

 この先の展開が彼にはわかるのだ。カンナヅキの例の何かさえ終われば計画が始まる。

 何故ならそれこそが終焉のトリガーを誕生させる為に必要なものなのだから…。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「永理。今からバー行こ」

 

「あ、はい。いいですけどー……」

 

 

 永理がチラリと狩馬の方向を見る。当然、獣のような眼光で兆を睨みつけている。そんな事をお構いなしに兆は永理を引っ張って連れて行く。

 それを追いかけようとする狩馬だったが、兆の表情を見て引き返す。あんな顔見たこともなかった。

 

 

「おいおいおい。どいつこいつもしょげた顔しやがってよ!!」

 

 

 狩馬は空いている椅子に座り、深いため息を溢す。

 RIVERSはとても静かだ。あれからというもの巧也も隠してはいるのだろうが、声に張りがなかったり、元々笑顔は多い方ではなかったが、今ではすっかり笑ったところを見たことがない。

 すると佳苗が珍しく狩馬に話しかけてきた。

 

 

「意外と空気が読める男だったのね」

 

「…… まぁね。あんな思い詰めた顔されたらよー…」

 

「永理ちゃん帰ってこなかったりして〜」

 

「おいおいジョーダンでもやめてくれよ佳苗ちゃん…… だけど、永理ならあいつの心を癒してくれるんじゃねーかな」

 

「何よ突然」

 

「あーいや… 仲いいからよ。なんつーか…… やっぱり女の子に褒められたら励まされたりすると力が湧いてくるっていうか… 永理は昔から色んな子に好かれる奴さ。兆もだが、巧也も早く笑って欲しいぜ。暗い空気は好きじゃないんだ」

 

「私もよ。そんなに気にかけてくれるなんて見直したわ。ありがとう」

 

「ありがとうって佳苗ちゃんの事じゃないだろう」

 

「仲間なんだから当然よ。私たちはチーム。誰かが嬉しかったら一緒になって笑って。誰かが悲しかったら一緒になって泣いてあげる。それがRIVERSとしてだけじゃなくて仲間として当たり前なことよ」

 

「つまり俺に惚れたな?」

 

「それは絶対にないわ」

 

「…… 目が霞むぜ…」

 

 

 一方その頃、兆と永理はバオに跨りバーへと向かう。

 人が多い場所に入ると、兆のウエスタンな衣装と永理のキッチリとしたスーツ。そしてメカメカしい馬の三点セットにより非常に目立つ。

 しかし残念な事に2人は全く気にしていない。

 

 

「バーへ行くって突然ですね。またミルクでも飲みたくなったんですか?」

 

「ミルクも飲みたいけど、今日はちょっと別の用があってね。マスターに」

 

「用ですか?…… ミルク多めとか?」

 

「だから違うの! 用は用だよ」

 

 

 そしてバーに着くと、バオを帰らせ、扉を開けて中に入る。

 中にはガンホーレとイッシュウ。そしてマスターがいた。いつも通りの3人だ。しかし兆はその見慣れた光景でも心は休まらない。

 扉のカランカランという音でマスターたちは気づいた。

 

 

「兆か。よく来たな。いつものならすぐに用意し──」

 

「マスター。俺と2人きりで話せないか?」

 

 

 ミルクを取り出そうとしたマスターの手が一瞬止まり、再び動いてグラスにミルクを注ぐと、兆がいつも座る席にそれを置く。

 何も言わないが、兆と永理はその席へ座り、マスターと向き合う。

 

 

「ここで構わない」

 

「本当にいいんだなマスター。常連のおっちゃん達が来なくなっても知らないぜ?」

 

 

 永理は兆の言っている事がわからない。マスターに喧嘩を売りに来ているようにしか見えないのだ。

 ガンホーレ達も当然聞こえており、静かに耳を傾ける。

 それからマスターと兆は、お互い目と目をまるで離さず、暫く見つめ合っていると、先に兆の方が開いた。

 

 

「俺は何者なんだマスター。あんたなら知ってるんだろう」

 

「…… 何を言ってるのかがわからない」

 

「とぼけても無駄だぜ。俺はあんたを疑いたくない。だからここではっきりさせたいんだよ。答えてくれ」

 

「兆。お前が何を言っているのか俺にはさっぱり──」

 

「ウォンテッド幹部、ムツキ。それがあんただ」

 

「…………」

 

 

 その場の全員が兆の言葉に凍りついた。無理もないだろう。ここで働くマスターがまさか幹部だとは誰も思わない。

 永理たちは冗談だろと笑ってはいたが、兆とマスターの顔を見るなりまた静まり返った。

 

 

「証拠がないとでも言うんだろう。悪いがあんたの上司のテロスから聞いたぜ。なんの事だとかはなしだ。本当のあんたが知りたいんだ。教えてくれマスター。頼む」

 

「……… いつか話そうと思っていた。まさかこんなに早くバラされるとは…」

 

「信じたくはないけど、マスターがムツキだったのか… なんかいざはっきりとなると驚かないな」

 

「テロスは他に何か話していたか?」

 

「あんたがムツキって事と… 俺がカンナヅキと血の繋がりがあるとか、終焉のトリガーとか……」

 

「終焉のトリガーッ…!!? 確かにそう言ったのか!!?」

 

「あ、あぁおう。そうだよ」

 

 

 あのマスターが急に焦りだし兆は固まった。少し軽く考えていたが、どうやらそんな優しいものではないと、マスターのこの表情から察した。

 そしていつの間にか永理はガンホーレとイッシュウの間に入り、話の整理を行なっていた。さすがに話の内容が凄過ぎてついて行けてないようだ。

 

 

「それで終焉のトリガーって……」

 

「言葉通りの意味だ。トリガーはこの世界を終焉に導く。その言葉が出たのならゆっくりはしていられないな」

 

「ちょっと待ってくれマスター!! 後ろで話し着いて行けてない人らいるけど俺もついて行けてないから!! どういう事なんだよ!!? マスターはテロスの仲間なの!? 敵なの!?」

 

「俺の事は後だ。今は兆、お前が心配だ。テロスは次に自分から出向く筈だ。強力な武器を持ってな……」

 

「強力な武器だって?」

 

「それは───」

 

 

 その時、バーが揺れ始め一同何事かと辺りを見渡す。

 すると永理の携帯が鳴り、それに出て話始める。通話を切ると兆にシモツキとシワスが外で暴れてある事を告げた。

 

 

「な、なんだとッ!!? なら、行くか! 永理は市民の誘導頼む!!」

 

「兆ッ!!」

 

「… 何、マスター?」

 

「これだけは忘れるな。お前は平和のトリガーだ」

 

「…… あぁ!! そんなの最初からわかってるぜ!! 行ってくるッ!!」

 

 

 兆と永理が扉から出て閉まるまで見続ける。そして静かに扉が閉まり、またバー内は静かになった。

 その後、ガンホーレ達は兆が座っていたところに座り、ビールを頼む。

 

 

「なぁ、マスターよ」

 

「なんだ?」

 

「なんか色々話しが多過ぎて理解できなかった。が、これだけはわかった。兆の坊主もマスターのあんたも敵じゃあねーってことだろう?」

 

「…… そうかもしれないな」

 

「その言葉を聞けば充分だ。他に俺たちのような世間のゴミを受け入れてくれるところなんてここしかねーからな……」

 

「ガンホーレ団… と、言っても2人だけだが、やめるという選択肢はないのか?」

 

「あんたが幹部であるように俺もこれを辞めるわけにはいかない。あんたほどの理由は持っちゃいないが、俺には俺のプライドがあるんだよ」

 

 

 そう言ってガンホーレは出されたグラスを一気に飲み干した。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「テロス様。準備は整いました」

 

「ついに完成したか…… フフフフフッ、これで私の計画を始めることができる」

 

 

 テロスとカンナヅキの前には、例の何かが置かれている。

 それは3つのアイテム。1つはドライバーで、もう2つはフィガンナイフだった。とても禍々しく、そして怪しく光を放っている。

 

 

「これで… この世を喰らうことができますね」

 

「あぁ、それもこれさえあれば可能となる。この──

 

──── テロスドライバーがあればな」




デデドン!!(絶望
テロスドライバーとはいったいなんでしょう?
何やら危険な香りが漂います。

次回、第31劇「零」

次回もよろしくお願いします!!
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