前回、マスターが幹部のムツキであるということが発覚する。テロスの言う終焉のトリガーの話をするとマスターは何やら慌しくなり、何か言おうとしたがシワスとシモツキが暴れ始めたと言う連絡を受け、兆と永理はバーを後にして現場へ向かう。その頃、テロスは何かを完成し終えたようで……
それではどうぞご覧ください。
「永理ッ!! そっちは任せたぞ!!」
「はい!! 兆さんもお気をつけて!!」
兆はそのまま走って現場へ向かうと、シワスとシモツキが街を破壊していた。
しかしその暴れ方は不自然なものだった。まるで兆たちを誘き寄せる為にやっている様に見える。
それから巧也と狩馬が合流すると、シワス達はこちらに気がついて近づいてきた。
「トリガー・シェリフ・ハント。お前たちに会いたかったぞ。ようやく来たな」
「もう少し早く来てくれれば手っ取り早かったのにね」
やはりそうだった。彼らは兆たちを誘き寄せる為にやっていたのだ。
その誘いに乗る以前に街を破壊して黙っていることなどするはずがない。それぞれが腰にドライバーを巻き付け、変身の準備を行う。
「よし、行くぜ。巧也さん! 狩馬さん!」
《AFTER NEXT》《OVER SET》
「捕縛するぞ」
《TEN》
「さぁて、あいつらは痛めつけてわからせてやらないとな」
《WEEK START》
「「「変身ッッッ!!!!!」」」
《アフターネクストガンアクション!! クロッシングトリガー!! イレブン!! トゥエルブ!! ダブルイーハー!!》
《テンスガンアクション!! シェリフ!! レディーゴージュウ!!》
《漆曜式!! ギアチェンジ!! スタート!! ニチ・ゲツ・カ・スイ・モク・キン・ドッ!! オールウィーク!!》
3人は同時に変身し、すぐにハントが地面に手をつけ、地面を操って足場を作り出す。その上をトリガーとシェリフで駆け上がって一気にシワスとシモツキの元へ近づく。
シワスが矢を放つが、アフターネクストで消し飛ばし、テンスのリミッター解除5倍でシワスを蹴り飛ばす。
「さすが巧也さん。ナイス!」
「テンスも5倍までならギリギリ耐えられそうだ… これもアフターネクストのおかげかもな」
「作っといてよかったぜ。ま、孝四郎に感謝感謝」
それからシモツキがシワスを受け止めた後、凄まじい速さでトリガーの元へ行き、両腕の剣で斬りつけた。それをなんとか受け止めてから剣を掴むと、続けてシェリフが上から殴りつけようとする。
だが、シワスの矢がなんと三本連続も飛んできて、避けようとしてシモツキを離してしまった。こいつを盾にすればよかったと思ったが、反射的にやってしまう。
「なんとか避けられ…… ん?」
後ろからヒュゥゥゥという音が聞こえてきた。それは先ほどの3本の矢がこちらに向かって飛んで来ているのだ。途中で矢を曲げたのだ。それくらい幹部としては当然と言えるだろう。
トリガーはシェリフの足場となって、彼をシモツキの方へと飛ばし、自分は3本の矢を最大出力で全て破壊した。しかし急に体の力が抜けて膝をついてしまった。
「兆ッ!!!」
「なるほど… 触れただけでもダメなのね…」
更に追撃をしようとシワスは矢を放つが、ハントがそこで植物と土を操り、巨大な壁を作り出す。その力で矢を防ぎ、今度は炎と水を混ぜ合わせて巨大な渦を作り出し、それをシワスの元へと飛ばして渦の中へと閉じ込める。
シワスは抵抗していたが、その渦は崩れる事はなく彼の周りをぐるぐると回り続け、徐々に体を焼き始める。
「おぉッ… ぉぉぉぉおおッ…!!!」
「どうやら七曜式の力には幹部トップクラスと言えどこの程度かよ!! 思っていた以上に早く終わりそうだ!!」
「…… 渦状に作ったという事は必ず目がある。お前は演出にこだわったのかどうか知らないが、それでもこの我の能力に関して渦を選んだのなら失敗だな」
シワスは弓を空に向け、先程よりも巨大な矢を放つ。その矢は一直線に渦の流れに逆らって抜けた。シワスの真上に上がった矢は爆散し、周囲に無数の矢となって、雨の様に降り注いだ。
シェリフはシモツキを矢の方へ蹴り飛ばし、地面へ着地する。
「この矢の数は避けられないッ…!!」
「おい巧也!! 兆!! 俺の所に来い!! 俺の力なら防げるかもしれない!!」
それからトリガーとシェリフはハントの元へ行き、集まった瞬間に地面を分厚いドーム状に作り、3人を包み込ませる。
シワスの矢は降り注ぎ、ドームに直撃する。威力はあるが耐えきれないほどではない。そう思っていた。
しかし3人が見えていないところでシワスの更なる力が発揮されていた。矢の方へ蹴飛ばされたシモツキが無事なのだ。矢は彼の体を通り抜け、それら全てトリガー達の元へと降る。
「な、なんか外の様子がおかしいと思うの俺だけ? さっきから音と衝撃が強くなってる気がするんだけど!!?」
「シワスのやろう… 全ての矢をこっちに集中させてやがるなッ!!!」
ようやく静かになっていき、ドームを解除し周りに注意する。
シワスとシモツキは構えてトリガー達が出てくるのを待っていた。睨み合いが始まりどちらも一歩も動こうとしない。
トリガーは前に出て銃を構える。
「確かにあんたらは強い。幹部の中でも随一だと思うぜ。だけど俺たちの力はお前たちに優っている。これ以上やり合っても終いには俺たちが勝つぜ?」
「我らを愚弄する気か? ふざけた事を。ここでお前たちを始末し、我らはボスに認めてもらうのだ。そして右腕は我となるッ!!」
「右腕ぇ〜〜〜? シワスさんよ。あんたはそんな場所よりも、刑務所でずっと右腕枕にして寝てた方がお似合いだぜ」
「…… 殺してやろう。二度とその口を開かないようにしてやるッ!!」
「やってみろよ!! あんたらもそれなりの覚悟があるんだったらな!!!」
「いいだろう!! このままお前たちの喉元を貫いてくれッ───!!」
弓を引こうとした構えたシワスだったが、慌てて弓を引っ込めた。
トリガーたちはすぐに銃を構え直し、シワスが見た者に標準を定める。何故なら彼らの間に入るように、カンナヅキと テロスが現れたのだから。
シワスはテロスが現れた事で、すぐに近づいて膝をつく。
「ボスッ! もう暫くお待ち下さい! 今すぐ奴らを始末致しますので!!」
「…… お前たちは下がれ。ここから先はこの私が直々にやろう」
「… わ、我では不服ですか?」
「そうではない。ただ私もウォンテッドのボスとして動かねばならないと思ってな。お前たちは別で行動しろ」
「…… 御意。行くぞシモツキ… お前たちは終わりだ。ボスの前では何もかもが無力だ」
そういうとシワスとシモツキはテロスに一礼した後、すぐに何処かへと消えていった。
それからテロスは前に出て、トリガー達に近づく。ただ近づいてきているだけの筈なのにも関わらず、その体から出ているオーラはまさに恐怖という塊だ。先程の戦いでは感じられなかった圧がトリガー達を押し潰す。
「さ、さすがボスだな。一気に空気が変わったぜ。それで何しに来たんだ? また終焉だかなんだかいいに来やがったのか?」
「カンナヅキ。あれを渡せ」
するとカンナヅキは懐からフィガンナイフを取り出すとそれをトリガーに投げる。トリガーは受け取った後、そのフィガンナイフを見る。アフターネクストのように2つ分くらいある大きさだ。それに何故かとても手に馴染む。
テロスは彼がフィガンナイフを受け取ったのを確認するとまた話し始める。
「そのフィガンナイフの名はラストガンナイフだ。お前の為に開発した」
「…… こんな訳のわからないの使うとでも思うか? こんなもんポイッと捨ててやるよ」
「あぁ、構わない。破棄してしまって大いに結構」
「お、おう。こんなもん捨ててやるぜ!!」
「…… だが、お前はそれを使わなければならなくなるぞ? 今まさにその状況だ」
「なんだと?」
「シワスとシモツキに言っていた筈だ。私がやると… カンナヅキ」
するとテロスはカンナヅキからドライバーを手渡される。トリガーたちはそれを見て驚いた。セイブドライバーとよく似ているが色が違う。赤黒く、禍々しい。非常に不気味だ。
それを腰に巻き付けて、カンナヅキから更にもう一つのフィガンナイフを渡される。それからカンナヅキは用を終えたのか距離を置く。
《テロスドライバー》
「お前たちに教えてやろう。私の真の力をな」
《ZERO》《SETTING》
フィガンナイフ… ゼロスガンナイフを起動させ、そしてテロスドライバーに挿し込むと、禍々しい待機音が辺りに鳴り響く。
右手でハンマーを起こし、引き金に指をかける。左手を胸前に持って行き、軽く銃の形にする。
「あの構えはッ…!!」
「── 変身」
テロスドライバーの引き金を引くと差し込んだゼロスガンナイフが開く。トリガーと同じような巨大な銃が現れ、アーマーを撃ち壊していく。バラバラとなった装甲はテロスの体を包み込んで黒く光る。
それが終わるとマントをなびかせ、変身したテロスが姿を現す。
《ゼロスガンアクション!! オールテロス!! ザ・ビギニング・オブ・ジ・エンド!!》
「テロスが…… 変身したッ…!!?」
「まずは誰からだ? まとめて掛かってこい」
テロスがそういうと、ハントが前に出る。
自分であるならやれるとトリガーとシェリフに伝え、早々に能力を全開放し、 テロスを飲み込むほど巨大なビームを手から放出する。
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁどうだぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
「…… 逆に期待通りだったな」
「こ、これはッ…!!?」
完全に決まったはずの攻撃だったが、テロスが手を振り上げた途端に一瞬にして消えてしまった。なにをしたわけでもない。ただ手を挙げただけのはず。
ハントは状況を把握できてはいなかったが、すぐに構え直す。そしてテロスが近づいてくると、悟金の力で体を劇的に硬化させる。
「…… (なんだ。ただのパンチくらいどうってこと……)」
「脆い」
「は?」
バキリと音を立ててハントの腹部にテロスの拳がめり込む。
仮面の下で血を吐き、吹き飛ばされて変身が解ける。狩馬は腹を抑えて激しい痛みに呻いている。
その後、トリガーとシェリフが同時に前へ出て同時に蹴りを放つが、まるでびくともしない。軽く手で払われ、シェリフに向かって殴る。ただのパンチのはずだ。どこかなにをしたわけでもないただの拳での攻撃。
「かはぁ…ッ…!!!!?」
「狩馬さんッ!!! 巧也さんッ!!!」
その光景はまるで豆腐を殴っているようだった。それに対し、テロスへの攻撃はまるでダイアモンドを素手でぶん殴ってるが如く硬い。
狩馬と巧也は変身が解けてしまい、再度変身する力もないだろう。そのくらいのダメージをその身に与えられたのだ。ただのパンチで。
「テロスゥゥゥゥゥッッッ!!!! 」
「アフターネクスト如きでは私は倒せん」
「それはどうかな!!」
テロスが殴ってくると同時に時を消し飛ばし、完全に懐へと入り込む。その瞬間にトリガーはセイブドライバーの引き金を引いて、拳にエネルギーを纏い、渾身の一撃を叩き込む── 流れのはずだった。
だが、最初の時点で顔面を殴られていた。時を消し飛ばした筈なのにも関わらず、奴はそれを無視して攻撃してきたのだ。こんな事があり得る筈ない。
兆は変身が解かれ、地面に転がる。
「ど、どうして…!!? 完全に消しとばした筈なのに…!!」
「私の力の前では全てが0へと還る。どれほどの身体能力を持ち合わせようと、どれほどの特殊能力を持っていようと関係はない。例え時を消そうがな。それが私の力だ」
「それじゃあよ… なにをしたって無理ってことじゃねーかよ!!」
「そうだ。私の力はお前たちとは比べるまでもないほどの差が存在する…… だが、一つだけ方法がある。私の能力から逃れる術が一つだけな」
「…… これのことか」
兆はポケットからラストガンナイフを取り出す。
このラストガンナイフは底が知れない。 そもそもテロスから受け取った物なんて確実に裏がある。その為に今日ここへと来たのだから。
そしてテロスは兆に向かって話し始める。それは彼にとってとても重要な話だ。
「そのフィガンナイフはお前専用だ。お前しか使えない」
「なんで俺にそこまでこだわる… 俺は本当に誰なんだ…… 何者なんだよッ!!!」
「…… 兆。お前は考えた事はあるか? もし記憶が元よりなかったとしたら?」
「元々記憶がないってか? そんな訳ないだろ。誰しも記憶は存在するぜ」
「ほう。だが、お前の記憶がない理由は、記憶を奪われたからではないぞ?」
「なんだと? じゃあなんだ。俺の記憶はなかったっていうのか? そんなのありえるかよ」
「以前に話しをした筈だ。カンナヅキとお前は兄弟のような関係であると。DNAは同じだと。だからどうしたという話しだろう。率直に言えばカンナヅキは…… 造られたモノだ」
「は、ははっ、なんだそりゃ。つまり俺がそいつのクローンとでも言う気か? 馬鹿言うな!! 俺の記憶を変えようとしてるな!! そうはさせねーぞ!!」
「しかし真実は違う」
「… は?」
「お前は私の成功作だ。1000体ものクローンを作り続けた結果、お前と言う存在が誕生した。この時をどれほど待っただろうかと。そしてお前は私の思惑通りにRIVERSへ行き、12本の全てのフィガンナイフを開発した」
「お、おい…… どう言う事だよ… なぁ……ッ!!!」
「─── お前はその1000体目。私のクローンだ、兆」
以上です。
次回、更に計画の全貌が明らかとなります。
次回、第32劇「真実」
次もよろしくお願いします!!