仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。

前回、シワスとシモツキの戦闘の最中テロスが現れる。それからテロスが仮面ライダーテロスへと変身を遂げ、その恐るべき力に全員なす術なく倒されてしまう。そしてテロスは兆に真実を教える……

それではどうぞご覧ください。


第32劇「真実」

「俺がお前の… クローンだと? 言ってる意味がわからない」

 

「自分の記憶がないのは奪われたからだと思っていたんだろうが、現実はそうではない。お前は造られたからこそ記憶がない。私の計画の一部なのだ」

 

「やめろ……」

 

「終焉のトリガーの意味がわかっただろう? 私の為にこの世の全ての記憶を奪い、そして喰らい、終焉を齎すのだ!!」

 

「やめてくれぇぇぇぇッッ!!!」

 

「さぁ、私のクローンよ。成功作よ!! 共に世界を喰らおう…… だが、お前がそれでも私も否定し、倒そうと言うのならばやってみるといい。そのラストガンナイフを操れればの話だがな」

 

「なんだよそれ… 自分が何者なのかと思ったら、何にもないお前の人形だったと? お前の為に動いていただけの存在だって…? ふざけんなよ。ふざけんな!!」

 

「いくら騒ごうとこれが事実だ。変わる事はない。今はここで引き上げるとしよう」

 

「待ちやがれテロスッ!!!」

 

 

 兆はラストガンナイフを起動させようと構える。しかし起動ボタンを押す手前で止まってしまう。押してしまえばテロスの思うツボだ。奴の言う終焉のトリガーへと成り下がる。それだけはやる訳にはいかない。

 兆はラストガンナイフをゆっくりとおろした。

 

 

「やはり使わないか。それもいつまで続くか」

 

「くそっ……!!」

 

「お前の運命は決まっている。いずれ仲間すらもお前の手で死ぬ事になる。変える事はできないぞ」

 

「……ッ……ッッ!!!!!」

 

「あの永理という女も鍵として未だ覚醒してはいない。お前といればいつかは開くとは思ったが…… まぁいい。そのラストガンナイフさえ使えば変わるかも知れないな」

 

「お前は俺と永理を使ってどうするつもりだ…… 世界を喰らうってどう言う事だよ!!!」

 

「それはムツキに聞く事だな。奴なら話すだろう。私の正体も知っている筈だ。その目的も──」

 

 

 テロスはカンナヅキを連れ、闇へと消えていった。

 巧也と狩馬はテロスが消えた後、兆に近づいて声をかけようとした。その背中に手を当てようとした。けれど今それをするのは良い判断ではないと思い、手を引っ込める。

 彼は今なにを思うのだろう。兆の声にならないほどの叫びと共に、ポツリと雨が降り始めた。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 次の日。

 RIVERSに戻った一向だったが、兆と永理はマスターの元へと行ってしまった。テロスの本当の目的を知る為だ。

 残った他のメンバー達は全員で話し合いを行なっている。テロスの絶対に攻略不可能な能力。それに噛み付くことがラストガンナイフだと言う。そんなラストガンナイフは孝四郎が解析中である。

 巧也は頭を抱え、次にどうすればいいのかを考えていた。狩馬もそれに関しては一緒になって考える。

 

 

「…… あの強さは別格だ。今の俺たちのフィガンナイフでは太刀打ちする事はおろか、相手にもされないだろう…」

 

「やっぱりラストガンナイフが必要になってくるな。ただアレ使うととんでもない事になるんだろ?」

 

「あいつが終焉のトリガーとなってしまう… テロスの計画というのが世界の破滅だと思われる。だが、引っかかる点がある。アレほどの力を有しておきながら、何故兆を使う必要があるんだ? そんなに周りくどいことをする必要性がないだろう」

 

「あいつは永理を使うと言っていたが、テロスが何かをするのに必要なんだろう。世界を壊す以上の大きなことを」

 

「世界を壊す以上のこと? それはなんだ?」

 

「あーいやー… 世界を壊す話なんてもんが、そもそも現実的な話しじゃねーんだけどよ。例えば宇宙すら巻き込む感じの……… 悪い。テロスが規格外過ぎて変なことまで考えちまう」

 

「ここもきっと兆たちが聞いてくれる筈だ──」

 

 

── その頃、兆たちはBAR TRIGGERにて、マスターに今までの出来事を全てを話していた。

 話しを聞いた途端にマスターが仕事をやめ、表をCLOSEと書いてある札を貼る。ガンホーレたちもいるが、気にせずにテロスについて話す。

 

 

「兆…… そうか。聞いたのか」

 

「…… あぁ」

 

「お前は操り人形でもテロスの道具でもない。お前は兆だ。1人の人間なんだよ」

 

「…… ありがとう。それでテロスの計画ってのは?」

 

「今なら話せるだろう…… まずテロスは元はこの世界の住人じゃない」

 

「なにっ…!!? テロスがここの住人じゃないとしたら、そのー宇宙人とかってやつか?」

 

「ここから話は壮大になるがよく聞いておけよ?」

 

「お、おう」

 

「テロスの正体はこの世界だけじゃない。全ての並行世界を喰らおうとするとんでもない化け物だ。俺もテロスが最初に生まれた世界から奴を追ってきた。奴の計画を止める為に」

 

「信じられない話だ。並行世界だなんてよ…… それでマスターもここの住人じゃないって訳だ」

 

「そうだ。テロスは世界から膨大な記憶のエネルギーを奪う事で強力な力を手に入れ、その世界を搾りカスのように捨て、次の世界へと渡る。あらとあらゆる世界を喰ってきたあいつだが、ついにはそれだけに飽き足らず、次元にまで手を出そうとしているんだ」

 

「今度は次元だって!!? おいおい話が飛躍し過ぎてる…」

 

「さすがの奴でもそれほどの力はないらしい… が、その為にお前たちの力が必要なんだ」

 

「永理の鍵と俺が?」

 

「永理はどの並行世界を探して、この世界のただ1人。つまり彼女が次元の扉を開く為に特別なものを持っているんだ。そして兆はラストガンナイフを使用する事で膨大な記憶のエネルギーを使うことができる。それは永理の鍵としての覚醒。兆を成功作と言ったのは、唯一お前だけがセイブドライバーを使用することができたからだ。お前はその為の糧なんだ」

 

「へっ、今度は糧かよ…… 俺は所詮そんなもんか」

 

「…… それと巧也もその1人に数えられる」

 

「巧也さんも?」

 

「あぁ… お前がテロスの力の増幅機で、巧也は足りない分のエネルギー… 保険と言ったところだろう」

 

「ひどい言われようだぜ…… それともう一つだけいいか?」

 

「なんだ?」

 

「どうして俺は巧也さんの両親を撃ったのかなんだ。まぁ幹部だったからってのもあると思うが… その時の記憶がないんだ」

 

「それはそうだろう。カンナヅキがやったんだからな」

 

「え、そうなの!!?」

 

「お前が理由もなしに、たとえ相手が幹部だろうと殺めるとまではいかないだろう」

 

「そ、そっか… よかったぜ…」

 

 

 マスターは事実を伝えた。

 現在的ではない。まさにファンタジーのような話の展開に、ここにいる全員黙ってしまった。しかしどう言おうがなにしようがこの事実は変わる事はない。

 すると永理は兆を見ながら、何かを言おうと口をパクパクさせている。

 

 

「…… 鯉の真似か?」

 

「違います!… ただその… 兆さんはあんなテロスとは似てませんし、それにおバカです!! だから元気出してください!!」

 

「え、バカにしてるの? 励ましてるの?」

 

「バ… 励ましてます!!」

 

「今のバってなんだ!!!」

 

「… よかったです。少しは声が出せるようになったんですね」

 

「あ… ごめんな永理。ありがとよ…… お前はすげーな。こんな事実わかっても平然としててよ」

 

「いえいえ、そんな事ないですよ… 本当はすごく怖いです。いつか2人でこの世界を壊しちゃうなんて考えたくもありません。でも、そんな状況でも兆さんなら何とかしそうなんです」

 

「俺が?」

 

「運命に抗えないだか何だか知らないですけど、兆さんならいつもの感じでテロスをボッコボコにして世界を救ってしまいそうな… そんな感じがするんです」

 

「まーた訳がわからない事を…… だけど嬉しいぜ。なんか元気が出てきた」

 

「そうです!! 兆さんはバカ正直に動けばいいんです!!」

 

「やっぱりバカって言ったぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 2人のやりとりを見てマスターは胸を撫で下ろす。いつもの調子に戻ってくれた。

 それから兆は立ち上がり、RIVERSに戻って皆にこの事を話すという。永理は礼をしてバーから出ていく。

 扉が閉まると、マスターの抑えていた声が自然と口から漏れる。

 

 

「すまない兆… 俺のせいだ──」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 それから兆たちはRIVERSにその事を伝えると、皆最初は嘘だろうと疑う。無理もないだろう。いきなり話が大きくなり過ぎているのだから。

 巧也たちの方も、これからについての話し合いをしていたと言う。その話の間にラストガンナイフの解析結果が出たらしいが、結果という結果はまるで出なかった。調べようにも全てエラーという表示が出てどうする事もできないようだった。

 そして巧也はRIVERSのメンバーに今後について述べる。

 

 

「皆、聞いてくれ。今の兆たちの話からムツキはこちらの味方のようだ。それ以外の幹部を最優先に倒すぞ。テロスの方は後回しと言うのもなんだが… 今は対抗手段がない。できる事をやるんだ。俺と狩馬はいつも通り前線へ出る。永理はここで手伝いをしていてくれ。無理に動くのは危険だ。佳苗と孝四郎はいつも通り頼む… 兆はここに残ってくれ。もしもの時がある」

 

 

 巧也はそう告げた後、狩馬と共に他エリアへと足を運ぶ。

 残された兆と永理は暇そうにしていると、佳苗が眉を潜めてパソコンを見ているのに気づく。いつもであったらそんな顔するはずないのだが、とにかくどうしたのかと聞いてみる。

 

 

「佳苗さん。パソコンなんか見つめてどうしたの? なんか気がかりなものでも?」

 

「うーん…… カンナヅキかしら? この反応はそうよね?」

 

「カンナヅキ!!? すぐに行かないとまずいじゃんか!!」

 

「そうなんだけど、この隣にいるのが気になって。これ誰なのかしら?」

 

「カメラとかで見れない?」

 

「ここら辺にはないのよ…… もしかしたらわかっているのかも。兆くんを誘き寄せるための罠の可能性があるわ」

 

「あいつ相手ならどうにでもなるぜ。一応、ネクストだけは持ってる。何かあってもテロスとか来なければ多分大丈夫」

 

「…… わかったわ。気をつけてね。巧也には連絡しておくから」

 

「んじゃ、行ってくる」

 

 

 兆が出て行くと同時に、研究室から慌てて孝四郎が飛び出してきた。

 普段見せない彼の行動に少々驚きつつも、永理は尋ねる。

 

 

「あれ? 孝四郎さんどうかしました?」

 

「な、ないんですよ!!! フィガンナイフがどこにも!!!」

 

「フィガンナイフ?…… それって…」

 

「ラストガンナイフがどこにもないんです!!!」

 

「そ、そんなッ…!!! まさか兆さんが……」

 

「どうしてなんだ… あれだけ使用禁止だと課長に言われていたのに!!」

 

「…… テロスだった場合の事を考えて持って行ったのかもしれません…」

 

「すぐに連れ戻さないと!!」

 

「私が追いかけます!! 行ってきます!!」

 

「ちょ、ちょっと永理さん!!?…… 行ってしまった──」

 

 

 バオに跨って現地まで直行した兆は、バオから降りると反応があった場所に徒歩で向かう。

 そこは古い工場地帯で今日は人がいない。どこかしかも影ができて薄暗い中、進んで行くと話し声が聞こえてきた。

 壁を背に近づくと兆の名を呼んでいるように聞こえる。いや呼んでいる。どうやら本当に罠だったが、それを承知できているので驚く事はない。

 声のする方へ行くと、カンナヅキとテロスがそこにはいた。それだけならよかったが、ガンホーレとイッシュウまでいる。

 

 

「おっちゃんにイッシュウ!!? なんでこんな所にいるんだよ!!?」

 

「逃げろ坊主ッ!! こいつらの狙いはお前だッ!!」

 

 

 カンナヅキはガンホーレの頭を掴み、地面に叩きつける。イッシュウも泣き叫んでいる。よく見ると、2人の体はボロボロになっており、兆が来る前に痛めつけられていたのがわかった。

 そんな光景とガンホーレ達の姿を目撃した兆は、これまでにないほどの怒りを感じる。頭が破裂しそうなほど血が上ってくるのがわかる。

 

 

「お前ら… やってはいけない事をやったなッ…!!!」

 

「やってはいけない事だと? それはなんだ?」

 

「2人にそれ以上手を出してみろ!!! お前らただじゃ済まさねーぞッッッ!!!!!」

 

「なら、やってみるといい。私よ」

《ZERO》《SETTING》

 

「言われなくてもなやってやらぁっ!!!!!」

《NEXT》《SET》

 

「変身」

 

「変身ッッッ!!!」

 

《ゼロスガンアクション!! オールテロス!! ザ・ビギニング・オブ・ジ・エンド!!》

《ネクストガンアクション!! フォローイング!! トリガー!! イーハーイレブン!!》

 

 

 トリガーへと変身すると、感情のままにテロスへと突っ込む。

 しかしどれだけ怒ろうがなにをしようが、テロスにはあらゆる攻撃は一切通用しない。

 ネクストの力で一気に間合いを詰め、人間の急所を全て殴打する。だが、その感触はまるで通ったような感じがない。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!」

 

「遅いな」

 

 

 テロスが手を挙げようとし、何かが来ると悟ったトリガーは一旦距離を置く。

 そのはずだったのだが、気づいた時にはテロスの目の前にいるのだ。何が起こったのかわからない。テロスとは20m以上離れていたはずなのに。

 そして重い音と衝撃がトリガーの胸に響く。大きく吹き飛ばされてしまい、怒りで痛みを堪えて、体勢を立て直そうとした。

 

 

「あれ…?」

 

「それでは私に遠く及ばない」

 

「なんでまたッ…!!?」

 

「言っただろう。私の力は…… 全てを0にすると」

 

 

 また気がついた時にはテロスが目の前にいる。頭を掴まれ、一回転して勢いをつけてからトリガーを地面に叩きつけた。

 倒れたトリガーを見下ろしながら、 テロスはあのフィガンナイフの使用を促す。

 

 

「ラストガンナイフを使え。そうする事でお前は力を手に入れ、私と戦う事ができる」

 

「い、いやだッ…!!」

 

「ならこの男共がどうなってもいいと言うのか?」

 

「テロ… スゥ…ッ!!!」

 

「自分から付けてもらわなければ困る。お前の意思で使わなければ意味がない」

 

「お前の言いなりになってたまるかよ!!!」

 

「…… なら、まず1人目だな」

 

「なッ… やめろ!!」

 

「ならば付けろと言っているんだ。そうすれば彼は助かる。それにお前がそれを制御できればいい話だろ?」

 

「ぐぅ……ッ」

 

「やるのか? やらないのか?」

 

「それは……」

 

「…… 時間切れだな。カンナヅキ」

 

「お、おい待てッ!! おいテロスッ!!!!」

 

「決断が遅い。やれ」

 

 

 カンナヅキはガンホーレの頭に銃を突きつけ、引き金に指をかける。

 そしてトリガーは立ち上がってガンホーレの元へと向かおうとするが、テロスに背中を踏みつけられ身動きが取れなくなってしまった。

 

 

「やめろッ!! やめてくれぇッ!!!!!」

 

 

 それからテロスが手を挙げて合図すると、ガンホーレをグッと掴み上げ銃を持つ手に力が入る。

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!!」

 

 

バンッッッ

と、銃声の音が響き、辺りはとても静寂に包まれた。




今回、戦闘描写が無さ過ぎる(戒め
さぁお次はどうなるのでしょうか?

次回、第33劇「引き金」

次回もお楽しみにです!!
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