ついに終盤突入です!!
前回、ラストデイズの暴走を止める為、果敢に立ち向かいましたが、全く歯が立たず、巧也と狩馬は重症に。そして兆の目を覚まさせようとしたガンホーレは犠牲となり命を落としました。それから全てを知った兆は自暴自棄になりかけましたが、永理の言葉によって目が覚めます。そんな状況でもテロスの計画は進んでいた……
それではどうぞご覧ください。
兆はバーにてイッシュウに謝罪をした。殴られる覚悟で来たのだが、彼はそんな事をするどころか頭を下げてきたのだ。
「ちょ、ちょっとイッシュウ!!? なんで頭下げるのさ!!?」
「俺はお前が憎いとは思ってない。そのラストなんちゃらを見ると腹が立ってくるが…… 本当に腹が立つのはあのテロスだ。あいつさえいなければ団長もあんな事にはならなかった!!」
「イッシュウ……」
「だから頼む!! 俺にも協力させてくれ。あんまり役に立たないかもしれないが… このまま黙ってみるのはガンホーレ団の団員としての格が落ちちまう!!」
「…… ありがとう。本当にごめん… 絶対にあいつを倒すぜ」
「あぁ、頼んだぞ。兆」
イッシュウにはもし何かあればすぐに連絡をしてくれ、と連絡先を渡した。
その後、兆はカウンター席に座ると永理も隣の席に座り、マスターと会話し始める。
「マスター。それでラストデイズの事なんだけど…」
「知っている。テロスから聞いた」
「それでなんだけど、マスターはなぜテロスにバレないんだ? それともバレてるのにあの態度なのか?」
「バレてはいない。言っただろ? 俺はあいつと同じ世界にいた。その頃からあいつの下につき、絶対にの信頼を得ている。奴が唯一、全てを話すのはこの俺くらいだろう」
「凄いなマスター…」
「俺は塩瀬 睦だ」
「え? 何よ急に… それって名前?」
「名前だ。俺の本名だ。マスター呼びの方が呼びやすいのならそれで構わない」
「ならマスターにするぜ。俺にとっちゃそれが1番いいからよ」
「好きにするといい」
「… んで、マスターはどうしてそこまで信頼を?」
「お前と同じだ。そこまで上り詰める為に色んな過ちをして来ている。そうでもしなければ奴を倒す手段が見つけられないからだ…… そしてようやくこの世界で見つけた。お前という奴に勝てる唯一の存在をな」
「…… だけどほぼギャンブルだったろ? 現に俺は例のフィガンナイフを操れていない」
「あのラストガンナイフ… いやフィガンナイフ自体が元々テロス自身の力だった。だが、奴はクローンを作る為に力を使い過ぎた。だからセイブドライバーを2つ作り、その中に記憶… フィガンナイフ12本ずつ入れたんだ。失った力を再び取り戻す為にな」
「そして俺にアフターネクストまで作らせて… まぁ孝四郎さんがほぼやってくれたけど、俺のセイブドライバーにアフターを通して、残りの6本の記憶を自動的に組み込んだ… うまい具合に全てのフィガンナイフは洗礼されていったと…」
「そういう事だ。こうなってくると時間はない。なんとしてでもラストガンナイフを自分のモノとしなければならない」
「あぁ、わかってるよ。あいつを倒さなきゃならないしな…… さて、そろそろRIVERSに戻るから。ありがとうマスター」
「…… 兆」
「なーに?」
「強くなったな」
「おう! また来るぜ!」
兆たちはバーを出ると、RIVERSへと戻る。また孝四郎がラストガンナイフを見てくれているので、その結果も気になるところだ。
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永理と佳苗は幹部たちに動きはないか、あらゆる所から情報を集めていた。テロスに関しては自分から動く時は兆が関連している時のはずだ。それ以外は幹部に任せると思われる。
「今の所は動きがないですね」
「そうねー… 幹部はムツキを抜いて残り5人だけど、きっと5人は記憶を集める為にいずれ全員動き出すはずよ」
「テロスが出るまでもないって事ですね。彼が動くのは記憶が充分に集まった後と、兆さんのラストデイズによって集めたエネルギーを奪うだけですから」
「邪魔者を消すって事でも動くかもね… 兆くんが言うにはムツキ以外は信じていないようだし」
現状で言えば、巧也と狩馬は未だ入院中であり、もし幹部が出てくると兆が1人で対応しなければならない。ラストデイズの力が使えるのなら造作もないだろう。しかしあの危険性を見でも尚、使おうとは彼は思わないはずだ。
一方、研究室では兆と孝四郎が頭を抱え、ラストガンナイフをどうにかしようと奮闘していた。
「孝四郎さん。どうよ」
「…… ダメだ。ノンストップで色々調べに調べ尽くしたけど、パソコンがエラー起こしてさっき壊れかけたよ。これ以上やっても無駄かもしれない」
「やっぱり一筋縄じゃいかねーよな……」
結果については察しがついていたが、こうもはっきりと無駄だとわかると辛くなってくる。ただ制御ができなければまたあの悲劇を繰り返してしまう。2人は同時に大きなため息をつく。
「アフターとネクストもそれぞれ2つ以上作れないから巧也さんと貸し借りしないといけないし…… それに今のところ漆曜式が1番強いのに、狩馬さんは俺のせいで病院へ。挙げ句の果てにはどちらのドライバーもラストデイズで破壊してる…」
「新たなフィガンナイフを作ろうにも、セイブドライバーのデータからはファーストからアフターまでの計12本しか対応しない。キカンドライバーはどうにでもなるけど…… しかも壊れてしまったセイブドライバーを直すなんてことできるのかい? これはテロスが作った物だろう?」
「…… なぁ、孝四郎さん。今から馬鹿なことを言うだろうけど聞いてくれ」
「なんだい?」
「その巧也さんの奴は俺のセイブドライバーからデータをコピーして修理する事ができる」
「コピー? 完全に壊れてしまっているんだよ?…… そんなことできるわけないよ。もし無傷であったなら話は別だけど」
「それは外見上の話しかもしれないぜ?」
「…… なんだって?」
兆は巧也のセイブドライバーをアダプターやらパソコンに繋いで弄り始める。急に何をし始めたのかと孝四郎は思い、パソコンを見てみると、驚いたことに壊れていたはずのセイブドライバーのデータがそこにズラリと出てきたのだ。
「な、なんで!!? 僕が調べた時には完全に壊れていたはずなのに!!」
「… ラストガンナイフのおかげさ」
「ラストガンナイフの?」
「実はまだ動いていたんだ。テロスはもしもの事を考えたんだろうな。ドライバーの心臓部だけは壊れない様に頑丈に作られている。流石にラストデイズの力の前では結構壊れて弱くなってたんだと思う。データを読み取れないほどにね。だけどラストガンナイフの記憶を変換してエネルギーに変える力を補助にしてやればこうして動く様になるってわけ」
「記憶のエネルギー… それって──」
「永理とイッシュウ… それにガンホーレの記憶だ。多分持ち主に返せるだろうけど…… これが制御できない以上無理だよ。今はこの変換した記憶というエネルギーをありがたく使って、奴らに対抗できるフィガンナイフとセイブドライバーを修復をする。もう二度と…… 繰り返さないために」
「…… いいね。わかったよ。頑張ろう兆くん!!」
「おっしゃ!! じゃあ早速データをインプット──」
その時、突然扉が開き永理が入ってきた。その慌てぶりから察するに、どうやら幹部の誰かが現れたらしい。おちおち修理もしてられない。
永理を連れ、現場へ向かおうとすると、孝四郎がラストガンナイフを渡してきた。
「孝四郎さん!!? これ渡したら修理できないし、俺は使わないぜ…?」
「もう修理できるよ。もうデータはインプットしたから」
「え?」
「ラストガンナイフはすごいね… もう終わったよ。この有り様だし、もっと時間がかかるはずなのに…」
「いやでもよ。このラストガンナイフ使ったらまた…」
「もしもの為さ。テロスは何を考えているかわからない…… それにこのフィガンナイフが製作し終われば、ラストデイズに勝てずとも止められる事はできるかもしれないんだ」
「根拠はあるの?」
「あるよ。僕自身の全ての知識と技術をフル活用させれば絶対にね」
「…… ははっ、言うねー。でも孝四郎さんってそんな人だった?」
「やらなきゃいけないんだ。今尚病院にいるRIVERSの…… そして課長や佳苗さん。狩馬さん、永理さんや兆くんみんなの為に。だから僕に任せて行ってくれ」
「そっか…… じゃあ頼んだぜ。孝四郎さん」
それから警視庁を出た兆と永理は現場へと急行する。
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「永理。確か今暴れてるやろうが…」
「カンナヅキです」
「あいつも懲りねーな…… ん? 忘れてたけどあいつラストデイズに記憶吸い取られたんだよな?」
「あ、はいそうですよ」
「なんで暴れてるんだろうなーって思ってよ。記憶もないのに」
「確かにそうですね… テロスがバックアップ取ってたとか」
「そんな機械的かなぁ… 何にせよ。現場に着いて確認するしかないな」
2人は現場へ着くと、トリガーに変身したカンナヅキが考えもなしに街を破壊しているのを目にする。記憶がないのかこれだけだとまだわからない。永理に民間人の誘導を頼み、セイブドライバーにアフターネクストガンナイフを差し込んで変身する。
それから暴れるカンナヅキに飛び蹴りをかまして吹き飛ばす。
「カンナヅキ!! これ以上暴れるとこのトリガーがお尻叩くぞ!!」
「………」
「おーい聞いてんのか?」
カンナヅキに声をかけるが、反応する事はなく、何事もなかったかの様に立ち上がる。記憶がないのか? と一瞬思ったが、急にカンナヅキが笑い始めた。
「な、なんだよ気持ちわりーな…」
「お前が誰だかわからないが… 殺してやるよ。殺してやる!!」
「記憶を失ってるのはわかったけど、はぁっ!?」
そしてカンナヅキはこちらに向かって走り、助走をつけた状態で殴ってきた。
トリガーはアフターネクストであるなら、この攻撃であるなら対処できると、ただ腕をクロスして防ごうとした。
だが、その拳が触れた時、トリガーは象でもなってきたんじゃないかと思うくらいの重さを感じ、そのまま後方へと吹き飛ばされる。
「こ、このパワーは一体…!!?」
「絶対に首をへし折る!!!」
「何なんだよこりゃ!!?」
そういえばここに来た時からおかしいと薄々感じ取ってはいた。
以前のカンナヅキであるなら街の被害はこれほど酷い状態ではなかったのだ。所々に大きな割れ目ができているが、きっとこれらは彼の打撃でできたモノだろう。
トリガーはそれを理解すると、彼の攻撃を1発もまともに当たらない様、注意しながら避ける。
「避けてばっかりもいられねーからな!!」
蹴りを離れたと同時にアフターネクストの能力を発動する。
カンナヅキの蹴りはトリガーを透けてしまい、まんまと懐に入られてしまう。そのままトリガーはセイブドライバーの引き金を引いて、カンナヅキに必殺技を叩き込む。
《アフターネクスト!! オーバーファイア!!》
「オラァッ!!!」
その蹴りは見事にカンナヅキの腹を捉え、向こうの壁まで吹き飛ばした。
攻撃こそパワーアップしていたが、思っていたより脅威となる程ではなかった。その為、トリガーは特に怪我を負ったと言うわけでもない。
それからカンナヅキの様子を見ようと近づいて行く。
「一体何があったんだ? テロスに何かされたのか?」
「グウゥゥゥゥ……」
カンナヅキは呻き声を上げながら、キラーズガンとデリートガンナイフを組み合わせ、自分の胸に銃口を当て始めた。
その行動はトリガーには理解できなかった。だがよくよく考えてみれば、このカンナヅキはウォンテッドとしての姿を見せたことがない。
まさかと思った時、彼の銃は引かれており、カンナヅキの体はみるみるうちに巨大化していく。それは人型の姿ではなかった。いつか見た暴走形態によく似ている。
「…… カンナヅキがキラーズガンを使わなかったのは、トリガーになってRIVERSを混乱させる為だけじゃなかったんだ… こいつの能力自体が問題だった!!!」
蜘蛛のような見た目をしたそれはトリガーの容姿を残している。
巨大なウォンテッドとなったカンナヅキは、トリガーに向けて鋭い爪で彼を切り裂いた。時間を消し飛ばそうにも、ここまで短過ぎた為にまだ時間があった。避けられずにまともに喰らってしまう。
「ぐはぁっ…!!?」
トリガーは胸を抑えながら体勢を立て直す。アフターネクストの装甲が貫通されている。それほど強力な攻撃であったと伺える。ただの引っ掻き攻撃だったのはずなのに。
「なるほどなカンナヅキ…… お前の能力は暴走だな。本来、キラーズガンの副作用でなるモノだが、幹部はそれを克服した、或いは適応した奴らだ。しかしお前の場合、適応したはいいものの勝手にエネルギーが溢れ出すようになってやがる。本人にとってこれほど最悪な能力はないだろう…… でも、こんな時だからこそ、幹部という強さだからこそ、この力は従来のものよりも強力になる」
能力はわかったが、そうなると単純なスペックだけではまず勝てない。
テロスに殺意という記憶だけを埋め込まれたのだろうか。知性がなく、ただ力だけで暴れる奴ほど厄介な奴はいない。
トリガーは深呼吸をしてから構える。
「来いよカンナヅキ!!! 今日がお前の命日だ!!!」
その時、ラストデイズが少し光った様な気がした──。
カンナヅキのウォンテッドとしての姿!
アフターネクストで勝てるのか…?
次回、第36劇「暴走する者達」
次回もよろしくお願いします!!