仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。

前回、ラストデイズの力でカンナヅキを撃破したのですが兆は制御できずにまた暴れてしまいました。しかしとんでも精神力で少しの間だけ動き、ラストガンナイフを無理やり外す事に成功しその場は収まった。一方、孝四郎はテロスとラストデイズに対抗する事が可能となるであろうフィガンナイフの開発を進める。そんな中、ミナツキとキサラギが現れ……

それではどうぞご覧ください


第37劇「覚悟の百銃」

 シェリフはアフターネクストの力を使い、時間を飛ばしてミナツキとキサラギに近づくと、ミナツキを蹴った後にキサラギを殴り飛ばす。

 続けてキサラギを殴るが、ぐにゃりと曲がり右腕を丸ごと呑みこまれてしまった。そのまま固定され身動きが出来ず、振り向くとミナツキが銃を構えてシェリフを狙う。

 

 

「そうは… させるかッ!!」

 

 

 右腕に力を入れ、キサラギを持ち上げて盾にしようとしたが、その時に彼女の口から「巧也」と言われる。ただ名前を言われただけの筈なのに、両親との思い出が頭の中にフラッシュバックされてしまい、思わずそのまま別の方向へと向けてしまう。

 それを狙っていたかのように拘束を解いて、振られた勢いのままに後退した瞬間にミナツキの銃から弾丸が放たれる。

 

 

「ごめんね。巧也」

 

「母さ──!!!」

 

 

 シェリフに着弾した瞬間に大きな爆発を引き起こし、彼はゴムまりのように跳ねて壁に激突してめり込んだ。

 ズシャリと地面に落ち、それから拳を地面につけて立ち上がろうとしたが、まだ万全な状態ではない為に、ラストデイズに受けた傷で全身に激痛が広がってまた倒れてしまう。

 

 

「…… 巧也。やはりお前は私たちに攻撃はできないようだな」

 

「なんだとッ!!」

 

「なら何故キサラギを盾にしなかった?」

 

「そ、それは…」

 

「答えは簡単だ。お前は私たちに対しての情がある。それも仕方のない事だろうな… 私たちはお前にとっての憧れであり目標だったんだから」

 

「黙れッ!!!」

 

 

 ミナツキを怒りを糧に何度も殴る。殴る度にこの状況で思い出が頭の中に溢れるのだ。それでもシェリフは震える手を抑え、とにかく殴って自分の情を消そうとする。

 しかし、例え裏切られたからと言って、両親を本気で殴るという事がシェリフにはとても辛く苦しかった。

 

 

「何故だ!! 俺はお前たちに裏切られたというのにッ…… どうしてこんなに苦しい!!!」

 

「それがお前の正義であり優しさなんだ。それを捨てられないようでは───私たちには勝てない」

 

 

 そしてミナツキは銃口をシェリフの腹部へ当てると、すぐに引き金を引いた。

 シェリフはそれをギリギリのところで時間を消し飛ばしてミナツキの背後に回り込む。それと合わせてキサラギがシェリフの腕を取ると地面に叩きつける。

 

 

「ガッ…!!」

 

「あなたは今でも私たちの可愛い息子よ。考え直して? ウォンテッドの仲間になりましょう?」

 

「それだけはなんであろうと絶対にない!! 俺はウォンテッド全てを捕縛する!!!」

 

「そう…」

 

 

 キサラギの優しかった声は氷のように冷たくなり、シェリフの両腕を包み込んでミナツキの方へと向けて、先ほど彼がやろうとした盾をやってみせた。

 それにはまるで情はない。2人の中に情なんて最初からないのだ。このシェリフの答えもわかっていたんだろう。邪魔者はここで排除する。例えそれが血の繋がりがある実の息子だったとしても、2人には関係がないのだ。

 

 

「なるほど… 初めから俺を殺すつもりだったのか…」

 

「それ以外にないわよ。私たちが現れたら、必ずあなたがここへ来ることは既に把握済み。残念よ巧也。あなたならわかってくれると思っていたのに…」

 

 

 そしてミナツキは銃を構えてシェリフに放ち、キサラギは両腕を解放させると彼の背中を蹴り飛ばして、その勢いで後退する。

 もう避ける事ができないシェリフは被弾してしまい、爆発に飲み込まれて吹き飛ばされてしまう。地面を転がり、彼の体に火花が飛び散って、そのまま変身が解除される。

 キサラギは腕を伸ばして巧也を掴んで、自分たちの前へと彼を運ぶ。

 

 

「うっ…ぐぅ……」

 

「これでお終いだ巧也。病み上がりだったのも知っているが、手加減するほど私たちに情なんかないんだ。実の息子であるお前であっても」

 

「父さん……」

 

「さよならだ」

 

 

 巧也の頭に銃口が突きつけられる。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 カタカタカタカタカタカタカタカタッ

 狩馬はお茶を飲もうとしたが、物凄いスピードと気迫でフィガンナイフを開発している孝四郎を見て固まってしまった。

 まさかここまで本気になるとは思わなかったのだ。そこでこの天才の本当の力をこの目で見てしまった気がする。

 

 

「お、おいおい。急ピッチでやるのもいいが… お前昨日から休んでないだろ?」

 

「… いいんですよ。僕ができるのはこれくらいなんです。今だって課長は幹部2人に戦っているんです。僕だけが休んでなんかいられないんですよ」

 

「なるほど… 意味は違えどお前もあいつと共に戦ってるってわけか」

 

 

 それから狩馬はお茶を飲もうとすると、突然、研究室の扉が開かれて兆が入ってきた。どうやら様子を見にきたらしいがノックもせずに入ってきたもので驚いて飲めなかった。

 兆は孝四郎に近づいて横から様子を見る。段々と眉を潜めて彼のパソコンをジーッ見始める。

 

 

「えっと… どうしたんだい兆くん? 何か間違ってるかい?」

 

「あーいやね。テンスの派生って聞いたもんだからどういうのかなーと思ったら…… 何か全然思ってたのと違ってさ」

 

 

 テンス派生と聞かされていた兆は11と12の次辺りの数字と思っていたが、桁を見ると0が1つ多いのだ。

 孝四郎は頭の上にはてなが飛び交う彼に説明しようと、パソコンの隣にあったテンスガンナイフとコの字のフィガンナイフを手に取る。

 

 

「このテンスにこれを差してセイブドライバーにセットするんだ」

 

「派生って… そのままテンスを使うって事だったのか。でも大丈夫なのそれ? テンスって前からやべー代物じゃなかった?」

 

「だからこのフィガンナイフが必要なんだよ。このプリズンハンドレッドがあればテンスの力を最大限に活用できる。そしてそれはプリズンガンナイフの能力をも引き出すためのエネルギーにもなるんだ」

 

「ハンドレッドか…… ははっ!これまた数字が跳ね上がったな!」

 

「数字を裏切らない能力が現れるはずさ… じゃあ、仕上げするから待ってて」

 

「え? 仕上げ?」

 

 

 すると孝四郎はパソコンを睨めっこをし、10分ほど経った所で椅子に深く座って一息つく。そしてテンスガンナイフとプリズンガンナイフを兆に渡す。もう1つ先に開発が終わっていた大きな銃を取り出してそれも渡すと、孝四郎は頷いて力が抜けたようにテーブルに伏せて眠りについてしまった。ずっと寝ずに作業をしていたのだろう。

 兆は狩馬を見てアイコンタクトを取ると、研究室出て巧也の元へ行く前に、永理に孝四郎に毛布をかけるように言う。

 RIVERSから出てバオに跨って急いで巧也の元へと駆け出した。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「何故だ…… 何故撃たなかった!!! ミナツキ!!!」

 

「勘違いするな巧也。私はトリガーを待っているのだよ」

 

「兆を? 何が目的だ…」

 

「どうせ死ぬんだから教えてやろう。トリガーの前でお前を殺せば奴は怒り悲しみ、そして私たちに憎悪する。それが引き金となり、ラストガンナイフを使用させる。これにより終焉のトリガーは再び現れることとなる」

 

「お、お前ら…!!!」

 

 

 巧也はキサラギに拘束された状態で、ミナツキには頭に銃口が当てられている。引き金には指がかかっており、暴れようものならいつでも彼を殺せるように準備は整っていた。

 その時、兆がトリガーに変身した状態でバオに乗って3人の前に現れ、バオから降りると銃も向けずにそのまま無抵抗で歩いていく。

 

 

「ほう。来たか」

 

「来てやったぜパパとママさん」

 

「わざわざ来てもらったんだ。今からやる事をよーく見ていてもらおうか」

 

「巧也さんに銃を向けて何してやがる? 人質でも取ったつもりか?」

 

「この場合は違う。何故なら殺すつもりだからだ。トリガー。お前の目の前でな」

 

 

 銃を巧也の頭に突き立て、今にも発射しそうな勢いである。

 巧也は声を上げてトリガーに「俺は気にするな!! こいつらをやれ!!」というが、全く動こうとはしない。それどころか降参するかのように手を挙げ始めたのだ。

 

 

「何やってるんだ兆!!!」

 

「なぁ巧也さん。俺はあんたと出会えたから、こうして皆と戦ってこれてるわけだ。だからよー… 恩人のあんたを死なす事はまずありえないと思ってもらおうか!!」

 

「…… 兆。俺はこの2人を倒す事はできない。覚悟はあると言ったが、そんなもの言葉だけで、実際はこの通りの有様だ。俺はお前に対して言える立場ではなかったな…」

 

「何言ってるんだよ。俺が知ってる男はそう弱音を吐いたりしないぜ。俺は親がいた事ないから… そもそも作られた存在だったからそういうのはわからないけど… あんたは自分の正義を信じて進んで欲しい。それが例え実の親でも、悪い事したら正すのがあんたたち警察の役割だろ? だから正してやってくれよ。彼らをな。巧也課長」

 

「……ッ」

 

 

 ミナツキはその光景を見てやれやれとため息を吐くと、引き金にかかる指に力を込める。

 それを見たトリガーはガーツウエスタンを即座に抜いてミナツキの銃を撃って軌道を逸らしてから、セイブドライバーの引き金を引いてキサラギを蹴り飛ばす。拘束が解けて巧也は抜けだし、トリガーと共に後退する。

 

 

「そうだな。覚悟以前に… 俺は警察で悪党を取り締まらなきゃいけなかったな。相手が良心だったとしても正してやるのが俺の仕事だ」

 

「その粋だぜ巧也さん。んじゃ、はい」

 

「これは……」

 

「プリズンガンナイフとテンスガンナイフ。そして名前書くの忘れたけど新しい武器。孝四郎さんが急ピッチで仕上げてくれた出来立てホヤホヤの一品だぜ」

 

「ふっ、感謝を伝えるとしよう───」

《TEN》

 

 

 巧也はプリズンガンナイフにテンスガンナイフを差し込むと《PRISON HUNDRED》という音声が鳴る。それをドライバーに差すと《SET ARREST》と鳴り出す。

 それからハンマーを起こすと、ナンバープレートに110と書かれたパトカーと巨大な銃が現れる。

 

 

「この2人を捕縛してな…… 変身ッッッ!!!!!」

 

 

 巨大な銃はパトカーを撃ち抜くとそれらはバラバラとなって、装甲へと変わり、巧也の各部位に装着されていく。

 頭の横に100と書かれたシェリフが新たな装甲を身に纏い、ミナツキとキサラギの前に姿を現した。これがプリズンハンドレッド。

 

 

《プリズンガンアクション!! ポリス・エマージェンシーコール!! ハンドレッドテンス!!》

「俺は今を進む。その為にお前たちを… 過去を越える。憧れだったものを越えてみせる!!」

 

「巧也… 抵抗しなければ痛みはなかっただろうに…… いけない子だ!!」

 

 

 ミナツキが接近して銃を放とうとすると、シェリフは腕を掴み上げる。凄まじい力だが、それでもミナツキは引き金を引く。シェリフに向かって放ったはずだったのだが、当たるどころか弾丸すら出ないのだ。

 

 

「な、なんだと…!!?」

 

「この力は…… ハァッ!!!」

 

 

 シェリフは攻撃できないミナツキを殴り飛ばした。

 プリズンの力はその名の通り監獄。閉じ込める。すなわち拘束するのだ。彼に触れられれば、それが何であろうと止められてしまう。

 

 

「どうやらお前たちは俺に勝つ事は不可能になったようだ」

 

「ふっふっふっ… そうかそうか。キサラギッ!!!」

 

 

 キサラギが自分の腕を伸ばして、シェリフを包み込むほどの大きさに広げて捕らえようとした。

 しかしこれも今の彼にとっては造作もない事で、少し触れた程度でその形のままがっちりと、石像のようにその場で固まってしまう。

 

 

「こ、これはッ… 動けない…ッ!!」

 

「新しい武器を試してみるか」

 

 

 シェリフは新たな武器、ジャッジメントエンターンを取り出す。銃の方をしてはいるが、真ん中に円があり、それを中心に回転させると銃口部分が鋭利な刃物に切り替わる。

 それでミナツキとキサラギを斬りつけ、また回転させて銃にすると、2発の弾丸で2人を撃ち抜く。

 

 

「巧也ッ!! 親にこんな事をしてただで済むと思っているのか!!」

 

「俺は裏切られた今でも2人とも親だと思っているし大切な家族だ……だが、悪を捕まえるのが俺たち警察の仕事。それが例え親であったとしても、正しく導いてやらないとなッ!!!」

 

 

 そしてシェリフはジャッジメントエンターンをトリガーに放り投げた後、セイブドライバーの引き金を引き、2人に向かって走り出す。

 ミナツキは銃を構え、キサラギはゴムのようにグニャグニャになるが関係ない。

 

 

《プリズン!!アレストファイア!!》

「ハァァァァァァ……」

 

 

 ミナツキとキサラギの周りを囲うように縄が出現し、2人を縛り付けて身動きの取れないように固定されてしまう。

 そしてシェリフは跳び上がり、天より必殺の一撃を喰らわせる。

 

 

「ハァッッッ!!!!!」

 

 

 2人は蹴りを放たれ、しばらく胸を押さえた後、シェリフの背中を見て絶叫しながら大爆発した。その衝撃で2人のキラーズガンとデリートガンナイフは木っ端微塵に砕けて、地面にバラバラと落ちた。

 巧也は変身を解いて、倒れた2人に近づき、現時刻を言って手錠を掛ける。

 

 

「これが俺の正義だ。例え父さんと母さんに何を言われようとそれは決して変わる事はない」

 

「…… 終わったな巧也さん」

 

「あぁ、すまなかったな。お陰で警察としてまた一つ成長できた気がする… さ、運ぶのを手伝ってくれ。1人じゃ無理だ」

 

「あーはいはい。よっこらせ」

 

 

 かくして2人はRIVERSへと戻ると、巧也の両親は刑務所に送られる事となった。最後まで巧也に何か言っていたが、そんな事は別に気にする様子もなく、彼にとっては罪を償って欲しいのだろう。何も言わず父と母を見送った。

 一方でRIVERSの研究室では、狩馬がやっとキカンドライバーの修復に成功したようであった。

 

 

「あぁぁぁぁやっと終わったぜ」

 

「お疲れ兄さん。はいバナナ」

 

「ありがとな〜永理〜…… なんでバナナ」

 

「食べて」

 

「あ、おう」

 

 

 永理は先ほどもらってきたバナナをRIVERSメンバーに配っている最中だった。その間に孝四郎はまだ夢の中にいる。だいぶ疲れているのだろうか、狩馬がキカンドライバーをガチャガチャと音を鳴らしていたのにも関わらず全く起きなかった。

 巧也はRIVERSに戻って来ると、早速メンバーを集合させて今後の方針を説明する。

 

 

「今回はみんなご苦労だった。これで残る幹部はムツキを抜いて2人、シワスとシモツキだけとなった。黙って見ているはずがないこの2人に動きがあると見る。きっと近々エリアAに攻め込んでくるだろう。市民は予め避難してもらい、万全な状態で迎え撃つつもりだ。テロスに関しては対抗策がまだない。このプリズンが通じるか否か…… とにかく今は幹部たちを最優先にして事を進める。以上だ」

 

 

 いつものように巧也たちが話を進めている頃、誰も知らないとある場所ではたった3人で会議が始まっていた────。




終わらせ方が微妙…微妙じゃない?
シェリフの最強フォームプリズンハンドレッドが登場!!その能力はまさに強し。これはウォンテッドの方も黙ってない。

次回、第38劇「壊れた魂」

次回もよろしくお願いします!!
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