仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
40話目です。もうすんごい終盤ですよ。

前回、ラストガンナイフを破壊をテロスに阻止されてしまい、兆を救出することができない…… と、思われたが、ムツキから兆はラストガンナイフと一体化しており、破壊すれば兆自身も死んでしまうと聞かされる。永理はそんな彼を救いたいが為にムツキに懇願し制御装置のキューブを手に入れた。その頃、ムツキの裏を知ったシワスとシモツキは彼を追う───

それではどうぞご覧ください。


第40劇「永遠の理」

 誰もが知る街の誰も知らない場所がある。

 そこは広いスペースと椅子が1つあり、他は何もなく、いるとしたらトリガーとムツキのみだ。

 ムツキは永理にキューブを渡した後、トリガーをしばらく閉じ込めておく為にここへと運んできた。勝手に動く心配はないのかという話だが、それについては心配はいらない。

 ここに誰か来るのなら話は別だけれど、テロスからトリガーに課せられたものは記憶を奪うという事と、巧也を痛めつけるという事。そして攻撃されれば反撃をする。だからこうして誰とも会わさず、離しておけばなんら問題はないだろう。

 

 

「大丈夫か兆?…… と言っても反応はできないか。悪く言えば今のお前は人形なんだよな」

 

 

 兆は意識はあり、この全ての光景を見てきたが、どうすることもできずにただ誰かを傷つけ、そして記憶を奪うだけのテロスの人形として動いているのが何よりも悔しかった。

 そんなことを知るはずもないムツキは、椅子に座って優しく兆に語りかける。

 

 

「辛いか? 苦しいか?… 安心しろ。俺がなんとかしてやるからな。俺だけじゃない。市民を守る為というのもそうだが、みんなお前を助けようとそれぞれが必死に考えて行動している」

 

 

 その言葉を聞くと、兆は永理の目を思い出す。彼女の目は真っ直ぐに自分を見つめ、その瞳の奥からは今までにない彼女自身の覚悟を感じた。

 巧也の時もそうだった。トリガーの真っ黒な瞳の中をジッと見つめ、兆という男を闇の中から見ていてくれた。

 

 

「だからもう少しだけ時間をくれ。必ずラストガンナイフから解放してやるか─── 誰だ?」

 

 

 別に音が聞こえたわけではないが、ムツキは何者かの気配を感じ取り、右腕をブレードに変化させて戦闘態勢に入る。

 闇の中から出てきたのは、シワスとシモツキであり、2人とも既に武器を構えている。この状況から既に察しはつくし、2人からは明らかな戦意が感じられる。

 

 

「シワスか。何の用だ?」

 

「わかっているだろう。この裏切り者が… ボスに歯向かい、貴様ただで済むと思うな」

 

「わざわざそれを言いに来たのか? 元々俺は仲間になった覚えはない。いつ死んでもいいと思っている。俺が犠牲にしてきた数に比べれば、俺1人死んだ所で償えるものではない。だが、テロスを倒してお前たち幹部も潰すまでは死ぬわけにはいかない」

 

「貴様ッ…!! 何が右腕だ!! いいだろう。ボスに代わって今、貴様をここで殺してくれる!!」

 

 

 シワスは矢を放って分散させると、それに続いてシモツキが駒のように回転しながらムツキに襲いかかる。

 まずムツキはシモツキの足元を狙って態勢を崩させ、腕のブレードを盾にしながらシワスの矢を受けながら近づき、左腕を槍のように変化させて腹を突く。

 

 

「は、速い…!!?」

 

 

 突きの一撃でシワスは後方へと吹き飛んで壁に激突する。

 それからシモツキは体制を立て直し、高速で駆け寄って、両腕のブレードをクロスさせてムツキの首を撥ねようとした。

 しかしムツキはそれを読んでおり、両手を元の状態に戻し、その刃を指だけの力で抑えた。引き抜こうとするシモツキであったが、指だけの筈なのに、まるでプレス機に挟まれてるんじゃないかと思うくらい硬い。

 

 

「やめておけ。お前たちでは俺には勝てない」

 

「に、兄さんッ!!!」

 

「くっ……!! シモツキィ!! そのままでいい!!そのままそいつを抑えろ!!!」

 

 

 そう言い放ったシワスはムツキに向かって矢を放つ。

 何をするかと思えばと、シモツキを矢の方に投げ飛ばし、右腕を槍にして突による攻撃で挟み込もうとしたが、矢はシモツキの手前で8方向に別れる。

 

 

「詰めが甘いなシワス」

 

「甘いのは貴様の方だ… ムツキ!!!」

 

「なんだとっ……!!? こ、これは…!!」

 

 

 シワスの矢はムツキに向かうのではなく、その後ろへと飛んでいく。ムツキの後ろ… それはトリガーがいる場所。攻撃が当たれば、その攻撃したものへ反撃をしに行く。つまりここで暴走する事により、また外へとトリガーが放たれるという事になる。

 止めようと思ったムツキであったが、矢のスピードに追いつく事はできない。そして思っていた通り、矢はトリガーに命中し、終焉はまた再始動する。

 

 

「しまった…!!」

 

 

 ここまでトリガーを移動させたムツキだったが、移動できたのもシェリフの力のお陰で止められていたというのがあり、能力が解放された今の状態では止める事は不可能に近い。

 シワスとシモツキは最初からこれが狙いだったのか、トリガーが動き出した事を確認すると闇へと消えて行く。

 残されたムツキはトリガーを止めようと、彼を止めようと抑えてみるが無意味。それからトリガーはムツキの肩を掴み、思いっきり壁に投げ飛ばして穴を開ける。

 

 

「ま、待てッ!!! 兆ィ!!!」

 

 

 その時トリガーのセイブドライバーは更に浸食が進み、既にラストガンナイフがドライバーに元から付いていたんじゃないかと思うほど見た目が変わっていた───。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 RIVERSでは孝四郎に頼んで、例のキューブをどうにかできないものかと研究を進めているが、今のところ彼の口からは不可能としか言われない。

 巧也はそう言われる度に額に手を当て、大きなため息を吐く。彼も必死になってやってくれているのだが、これをフィガンナイフに組み込む、もしくは改造する事はできないとの事だった。

 

 

「孝四郎…… やはり無理か?」

 

「何度も言いますけど、こればっかりはどれだけ解析して考えても不可能です。確かにこのキューブは組み込もうと思えば出来ます。ですけど、ラストガンナイフの制御として造られてるものですから、中の回転している強力なエネルギーに耐えられる素材がないんです。このキューブと同じ質の物かラストガンナイフと同じ物じゃないと……」

 

「ぐっ…… どうすればいいんだ!!」

 

 

 巧也は少しの希望が崩れてしまった事に、悔しさで机を殴る。

 その後、研究室から出て自分の席へ着くと狩馬がお茶が入った湯飲みを持ってきた。きっと彼なりの優しさなのだろう。巧也はそれをありがたくもらう。

 

 

「味は期待するなよ。永理みたいにしっかりやってねーからよ」

 

「構わない…」

 

「…… これで打つ手なしか。どうするよ? 俺じゃあラストデイズと正面切ってやり合えねーぞ? お前があいつとタイマンになるしかない…」

 

「もう覚悟はできている。あいつを…… 化物にさせてたまるか……」

 

 

 すると突然、警報がRIVERSに響き渡る。

 巧也は佳苗に確認を取ると、彼女は大きく息を吸ってからトリガーが出現したと伝えた。噂をすればとなるが、それは同時にムツキに何かあったと捉えてもいい。

 彼の方は心配だが、今はトリガーを止めるしかない。

 

 

「俺がトリガーの相手をする。狩馬は周りを頼んだ」

 

「任せろよ!!」

 

 

 2人は急いでRIVERSから出て行くと、その後すぐに永理が入ってきた。

 彼女は特に何も言わず、真っ直ぐに研究室へと向かい、孝四郎の前まで来る。それから永理は孝四郎にキューブを貸してくれと頼み込んだ。

 

 

「キューブを…? 一体どうするつもりなんですか?」

 

「私がそれを持って兆さんに近づきます。そしてセイブドライバーに当ててみようと思うんです」

 

「え、えぇ!!? 何を言ってるんですか!!? そんな危険な事させれるわけないじゃないですか!!」

 

「前に私は兆さんをラストガンナイフから一度だけ解放したことがあります。あの時のようになるのかはわかりませんが、そのキューブでなら何かできそうな気がするんです!!」

 

「で、でも……」

 

 

 孝四郎が困っていると、研究室の扉が開かれて佳苗が入り込んできた。

 そして彼女も永理の意見に賛成だといい、孝四郎からキューブを取り上げると、永理に手渡す。

 永理は礼を言ってから、トリガーの現場へと向かい始める。

 

 

「ど、どうして渡したりなんかしたんですか!! 永理さんが死んでしまうかもしれないんですよ!!」

 

「えぇ、ただの自殺行為だと思うわ……」

 

「なら何故…」

 

「信じてみたいのよ。あの子を… ほんのちょっぴりの希望にね」

 

「まぁそうですね… それしかないですから…… 僕も信じて見ます。例えそれが化学じゃ証明できないものだとしても──」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「兆ッ!!!」

 

「(巧也さん…!!)」

 

 

 現場へ着いた巧也はその光景を見て固まった。

 トリガーを中心にして、街はどこもかしこも崩れ、ビルだったそこは瓦礫の山となり、記憶を取られたであろう人々が転がっている。

 巧也は街を崩壊させたトリガーではなく、ここまでして計画を進めるテロスに底知れぬ怒りが込み上げてきた。

 セイブドライバーへプリズンハンドレッドを差し込んで、トリガーの元へ走りながら引き金を引く。

 

 

《プリズンガンアクション!! ポリス・エマージェンシーコール!! ハンドレッドテンス!!》

「必ず止めてやる!!」

 

「(何で意識だけあるんだ!! 何なんだよこれ!!)」

 

 

 兆は何故か意識だけははっきりとしていた。声も聞こえるし、触られている感覚もある。目だって見える。なのに身体だけは自由に動かせない。この果てしない暗闇からも抜け出せない。

 そして兆の意思とは関係なく、シェリフを蹴り飛ばしてガーツウエスタンで追撃する。

 

 

「ぐはぁッ…!!?」

 

「(こ、巧也さん!!!… なんでだよ!! なんで動かないんだ!!)」

 

 

 それからトリガーはネクストで一気に近づきシェリフの頭を掴み上げ地面に叩きつける。ただやられているわけにはいかない。

 シェリフは地面にもう一度叩きつけられるギリギリで彼の動きを止め、くるりと回って、その勢いのままに側頭部に蹴り放つ。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 無理やり動き出そうとする度に動きを止め、その度に何度も殴り、何度も蹴り飛ばす。だが、そんな事に意味などないのはシェリフ自身が1番よくわかっている。セイブドライバーを破壊すれば兆が死んでしまう。そんな事を考えると破壊しようにもできない。だからこそ意味のない攻撃ばかりしている。

 何度も名前を叫び続けてきたシェリフだったが、やがて疲労が訪れる。

 

 

「ハァ… ハァ……」

 

 

 それでもトリガーは何事もなかったかのように動き始め、再びシェリフへと近づいてきた。覚悟を決めてドライバーを破壊するしかない。

 そう思った時、トリガーの動きがピタリと止まる。急に何故止まったのかと近づこうとしたが、その理由はすぐにわかった。

 トリガーの後ろからスッと変身したテロスが姿を現したのだ。

 

 

「テ、テロスッ…!!」

 

「無駄だと分かっているのに何故こいつを助けようと必死になる? やはり人間はわからない。一体何故だ?」

 

「兆は俺たちの仲間だ。仲間を助けようと必死になるのが人だ。お前には一生わからない事だがな」

 

「対処法もなしに何を根拠に言うのだろうか… まぁいい。このエリアAにもう用はない。次のエリアへ向かうとしよう。そこで記憶を吸収し、その後また別のエリアへ…… 最終的には世界の記憶全てを私の手に収める。そして開くのだ。次元の扉をな!!」

 

「そんな事… させるわけがないだろうッ!!!」

 

「なら、またこの2人を相手に戦うか? いいだろう。今度は私が直々にお前を立ち上がれないほど痛めつけてやる」

 

「やってみろッ!!!!」

 

 

 テロスとシェリフはお互いにドライバーの引き金を引いて、天高く舞い上がる。

 そして2人は脚にエネルギーを纏ってぶつかり合う。その衝撃は地面にクレーターができるほど大きく、シェリフの装甲にヒビが入り始める。

 咆哮をあげながら脚に力を入れるシェリフであったが、テロスも更に力を入れた瞬間、シェリフの脚は弾かれて、腹部に彼のキックがめり込んだ。後方へと大きく吹き飛び、地面をえぐりながら建物にぶつかって停止する。それと同時に変身が解除されてしまう。

 テロスは着地し、トリガーの元へとゆっくり戻っていく。

 

 

「(そ、そんなッ…!!!)」

 

「くくくっ… 私に本気を出させたか。それは褒めてやろう。しかし、私を倒すほどの力はもったいなかったようだがな」

 

「(見てるだけなのか… 俺は……!!!)」

 

「兆よ。次のエリアへ移るぞ。お前はこれから世界に終焉を齎さなければならない…… 本当によくできた私のクローンだ。私に忠実な人形としてよく育ってくれた… 感謝する」

 

「(結局俺は終焉のトリガーだった…… くそっ!!! 永理に約束したのに… ガンホーレのおっちゃんの為にやってやるって言ったのに……!!! ごめんみんな…… やっぱり俺は運命に逆らえなかったんだ───)」

 

 

 そう思う兆に暗闇からも無数の手が伸び始め、彼を包み込み始める。どうやら今まで抵抗する意思が薄れたせいで、ラストガンナイフに完全に取り込まれようとしているようだ。

 すぐに剥がそうとしたが、なぜか身体に力が入らず、徐々に飲み込まれて行く。もうダメなのか… と諦めかけていた。

 すると暗闇の中から声が聞こえる。女性の声だ。とても聞き覚えがあり、懐かしく感じる。

 

 

「兆さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

「(この声は…… ッ!! 永理か!!?)」

 

 

 薄れゆく意識の中で永理の姿が見える。彼女はこちらに向かって走ってきていた。

 そしてテロスを横切り、トリガーの元へと一直線にやってきた。それからセイブドライバーにキューブを当てながら、必死に兆の名前を叫ぶ。

 テロスはその行動の意味がわからず、やがて馬鹿らしく思えて笑い始めた。

 

 

「鍵よ。なにをしている? そんな事をしてどうなると言う?」

 

「兆さんなら答えてくれます!! あなたの… ラストガンナイフの呪縛なんて兆さんはすぐにでも打ち砕いて見せます!!」

 

「ハッハッハッハッ!! それはいい。面白い冗談だ…」

 

 

 すると永理はトリガーの胸に頭とキューブを握り締めながら当てて目を瞑る。

 それから不思議なことにトリガーは微動だにしなくなった。テロスの命令で動かないようにはなっているが、それとはまた違い、彼女を見つめている。

 

 

「こ、ここは……」

 

 

 永理がいたのは何もない真っ暗な空間だった。辺りを見渡していると、奥の方に誰かがいることに気づく。

 それから近づいてみると、それが兆である事がわかったが、無数の手に掴まれて、徐々に闇の中へと埋め込まれていっている。

 

 

「き、兆さん!!?」

 

「よう… 永理……」

 

「今剥がしますから待っていてくださいね!!」

 

「無理だ… 俺はこのラストガンナイフに負けた… テロスに負けちまったんだ…… だからもう俺は帰れなくなる」

 

「なにを言ってるんですか!! 諦めないでください!! 私はあなたを連れて帰る為にここに来たんです。一緒に帰れなかったら私泣きますからね!! 女の子泣かせるなんて最低ですよ!!」

 

「…… へっ、トリガーさんが女を泣かせるのは… 確かにダメだな」

 

「なら、早くここから出ましょう!!」

 

「…… わかってる。だけど力が入らないんだよ」

 

 

 更にズブズブと兆の身体は闇の中へと沈んでいっている。

 永理は彼の手を掴んで引っ張り出そうとするが、まるでびくともしない。もう既に下半身は呑み込まれてしまい、残る上半身もズブズブと沈む。

 それでも彼女は手を離さず掴み続ける。

 

 

「これ以上掴んでたら永理まで呑まれるぞ…!!」

 

「絶対離しません!! 私はあなたと帰るんです!!」

 

「…… 世界はもう終わるんだよ… 俺のせいで… お前は早く逃げてくれ。意識がありながらお前を巻き込むのは嫌なんだ!!」

 

「終わらせません!! だって兆さんが守ってくれます!!」

 

「もう俺は守れない!! 俺は終焉のトリガーになる運命なんだ!!」

 

「あなたは平和のトリガーです!!!」

 

「……ッ!!」

 

「言ってたじゃないですか。俺は平和のトリガーになるって…… なら見せてくださいよ!!! 嘘なんかつかないで実現させてください!!! 今日のあなたも勝利の日で終わらさせてください!!!」

 

「なんで…なんでそこまで俺を信じてくれるんだッ───!!」

 

「あなたが好きだからですッ!!! こんな所で負けて欲しくない!!! だから…… だから私と一緒に帰りましょう…… 兆さんッ!!!!!」

 

 

 その言葉を聞き、兆は彼女の手を振り払うと闇の中へと消える。

 それからトリガーは永理を突き飛ばすと、身体のあちこちから赤黒い霧が出始め、急に苦しみ出す。

 テロスはそれを見ると、予想外の光景に少々焦りを見せるが、トリガー頭を掴んで再び落ち着かせようと試みる。

 

 

「なにをしたか知らんが、無駄だったようだな」

 

 

 テロスが手を離すと、トリガーはまた棒立ちの状態となり動かなくなってしまった。それからテロスは永理から余分な記憶を奪い取れと、トリガーに命令を出して彼女に近づかせる。

 トリガーの手は永理の頭に手を掛ける。それは記憶を奪い取る為の行動であり、永理もギュッと目を瞑り、必死に兆を信じて、戻ってくる事を願った。

 それから驚く事に、トリガーは永理が被っていた帽子を外し、自分の頭に被って見せたではないか。

 

 

「ど、どういうことだ…? 私はその命令はしていない筈だ…!!」

 

 

 永理もなにが起こったのかわからないまま、トリガーはテロスに近づいて、地面が割れるほど踏み込んで、渾身の力でテロスの顔面を殴り飛ばした。

 そしてトリガーの変身が解け、ラストガンナイフが自然と抜ける。それをキャッチして、兆は永理の方を向いて手を銃の形にして帽子をクイッと上げた。

 

 

「あ、あぁ……!!」

 

「── 待たせたな永理。随分と怖い思いさせたな」

 

「き、兆さん…… 兆さぁぁぁぁん!!」

 

 

 永理は兆に思いっきり抱きついて大泣きし始めた。かなり怖かったのだろうか、安心した途端、腰が抜けてすぐに地面に座ってしまった。

 そしてテロスはありえない光景を目の当たりにして茫然と立ち尽くす。

 

 

「なにが起こった!! お前たち一体なにをした!!」

 

「何をしたか? さぁな、説明しろと言われたら俺もできないが…… 少なくともお前がわからないほどの奇跡が起こったってことだぜ!!」

 

「バカな… あり得ない!!」

 

「永理…… おかげでほんとに助かったぜ。最後まで俺を信じてくれてありがとな」

 

 

 そうして兆は永理の手を握って、笑顔を見せる。すると、その握った手から光が放たれる。それは永理が持っていたキューブの光だった。

 そのキューブは眩い光を放ちながら形を変えていき、最終的にはフィガンナイフへと変化した。

 

 

「こ、これは……」

 

「… 兆さん、使ってください。これを使ってテロスを倒してください。このフィガンナイフならきっと倒せます!!」

 

「わかってるぜ…… じゃあ、行ってくる。平和のトリガーの… 完全復活だ!!」

 

 

 兆はテロスの前まで歩きながらラストガンナイフを装着する。

 テロスは今まさに訳のわからない、今まで一度だった味わったことがない感情のが一斉に込み上げてきた。目の前に起こった奇跡が信じられず、普段出さない大声で兆に言ってくる。

 

 

「兆ッ!!! この私の力をどうしたというのだ!! 一体化していたはずのお前がどうして無事なのだ!! 何故だ!! 何故なんだ!!!」

 

「わからないよな。お前自身も変な感情がグルグルしてるだろ? だけどこれでテロス。お前は理解するはずだぜ!! これがみんなが起こした奇跡なんだ!! 仲間も何もいないお前には一生どころか死んだ後もわからない!!」

 

「何が奇跡だ!! そんなものがあってたまるか!!!」

 

「…… 俺はクローンなんかじゃない。俺は射手園 兆だ。RIVERSのメンバーだ。誰のモノでもない。俺は俺で、世界に1人。平和の引き金…… トリガーだッ!!!!!」

《FRONTIER》

 

 

 兆は新たなフィガンナイフ… フロンティアガンナイフを起動させ、セイブドライバーの上部に差し込みんでから開いて、最初につけていたラストガンナイフと合体させる。

 それからセイブドライバーのハンマーを起こし、右手で引き金に指をかける。そして左手を銃の形にし、前に突き出して無限を描いて胸持ってくる。

 

 

「変身ッッッ!!!!!」

 

 

 セイブドライバーの引き金を引くと、砂嵐が起こりラストデイズに変身した後、背に∞が現れ巨大な銃も出現する。∞はその銃で撃ち抜かれると、螺旋状にトリガーの身体を包み込み、新たな装甲をその身に纏わせていく。

 それからトリガーは腕を大き振り払い、砂嵐を消したばすと、目の前にスイングする扉が現れ、それを潜り抜ける。この行為に全く意味はない。

 顔の横に1と∞の字と、身体をこれでもかと∞の字が纏われているトリガーの新たなる姿。

 

 

《フロンティアガンアクション!! ピーストリガー!! エブリバディフォーエバー!!》

 

「これはなんだ…!! 私はこの姿のトリガーは知らない…!! 一体… これはッ!!!」

 

 

 トリガーは一歩前に出て、右手を銃の形にしてテロスを撃って見せる。

 そして帽子をクイッと上げていつもの通りのセリフを言い放つ。

 

 

「今日が俺の誕生日だ…… そしてテロス。今日はあんたの永遠の敗北日だぜ!!!」

 

 

平和のトリガーが今、引かれた──。




ついに復活!!
そして新たな奇跡の最強にして最終形態!!仮面ライダートリガー フロンティアフォーエバー爆誕!!!
果たしてその強さは…!!?

次回、第41劇「カウントダウン」

次回もよろしくお願いします!!

最終回まで残り── 5話
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