仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。

前回、暴走する兆を止める為、巧也が奮闘していた所にテロスが乱入。テロスの強さにプリズンハンドレッドも押されてしまった。途中から永理が来て、兆の心に呼びかける。諦めずに願った結果、兆は元に戻り、そしてキューブはフロンティアガンナイフへと姿を変える。それとラストガンナイフを用いて、仮面ライダートリガー フロンティアフォーエバーへと変身し、今最強の力がテロスに炸裂する……

それではご覧ください。


テロス編
第41劇「カウントダウン」


「永遠の敗北だと? 私にそのような言葉はない。少々焦りはしたが、どうということはない。私の前では全てが0へと帰す… と、そのフィガンナイフ。ラストガンナイフの制御でもしているのだろう? ならば力は3分の1…いや、半減しているはずだ。それで勝った気でいるというのは腹立たしい限りだな」

 

「あー…… お喋りになったなぁ? あんたが勝つも負けるも戦わないと結果はわからない。だからよ、決めようぜ。どっちが正しいのかをな!!」

 

「ならば、わからせてやろう… 私の0の力をッ!!」

 

 

 煽ったトリガーだったが、テロスの全てを0にしてしまう力は非常に強力であり、あのラストデイズは身体的力でなら勝てていた。だが、テロスの言う半減が本当であればこの状況は危険過ぎる。

 トリガーは咄嗟に腕をクロスさせて防御の体制を取り、テロスはその防御を貫こうとど真ん中目掛けて殴ってきた。

 

 

「腕ごとへし折って…… なっ…!!?」

 

「な、なんだこれっ…!!?」

 

 

 それはトリガー自身も驚いた。ただ腕をクロスさせただけでそれ以外は何もしていない。右腕と左腕を体の前に持ってきただけの防御。

 だが、その単純な防御はテロスの攻撃を余裕で受け流したのだ。身体に油が塗りたくられているんじゃないかと思うくらいつるりと滑った。

 

 

「これがフロンティアの力……」

 

「どう受け流したか知らないが、2度目はないと思うがいい!!」

 

 

 今度は蹴りでの攻撃だったが、それもトリガーの身体に触れはするが、彼の身体に沿って受け流される。

 このフロンティアフォーエバーは確かに力こそはラストガンナイフに及ばない。何故なら余りあるエネルギーを全身に循環させてしまっているからだ。だが、絶えず無限に身体中を周り続けるそのエネルギーは見えない装甲となり、あらゆる攻撃を受け流してしまう。

 例えそれがテロスの0に変えるという力であっても。

 

 

「あり得ない… 私の力が2度も通用しないなどあり得ないッ!!」

 

「今、目の前にあるのが現実であり得てるんだぜ。どうやらあんたの攻撃は全て効かないってことらしい」

 

「そのような力があるものか!!!」

 

「ハァァァッ!!!」

 

 

 テロスが再び殴ろうとしてきた所を、トリガーが先に殴って腹に拳をめり込ませる。

 そして当たった部位は徐々に捻れていき、強烈な回転を加えられてからテロスは後ろの建物まで吹き飛ばされる。

 そう、無限に回転するエネルギーは防御にもなるが、転じて強力な攻撃にも変わるのだ。テロスは身を持って思い知ったはずだろう。このフロンティアフォーエバーの恐ろしさを。

 トリガーはテロスに近づいていきガーツウエスタンとは別の銃を取り出す。それはフロンティアガンナイフと共に現れた銃。フォーエバーピースメーカーである。

 

 

「いやーアフターの力とかフォースの力を使って1発決めてやろうと思ったんだけどさ。どうやらそれもできないらしいな。ははっ、こりゃ完全な弱体化だな…… まぁ能力は減ったが、今までに以上の力になっているってことに変わりはねーよな?」

 

「兆…!!」

 

「いや、失われていない能力があったな… 記憶をエネルギーに変換する。みんなの思いを力に変える!!」

 

 

 そしてテロスが最大出力で飛びかかって来たところに、フォーエバーピースメーカーを構えて放つ。

 その弾丸を0に帰そうと、拳と拳で挟み込んで止めようとした。しかし、その弾丸は彼の拳の圧を簡単に抜けてしまう。何故ならこの銃はフロンティアの無限回転エネルギーを弾丸にも宿らせることができ、ガーツウエスタンの威力が10段階中2となるなら、この銃は10と言ったところだろう。

 それから弾丸はテロスに炸裂し、今までビクともしなかった装甲を破壊した。

 

 

「これで決めてやるぜッ!! テロスッ!!!」

 

 

 この無限回転は誰であろうと止めることはできない。止める方法は兆自身が死ぬか、変身を解くかの2択のみ。誰であろうとこの渦の中に入る者には敗北という漢字2文字が浮かび上がる。

 トリガーはセイブドライバーの引き金を引いて高く飛び上がり、脚に螺旋のように∞の字を無数に纏い、テロスに飛び蹴りを放つ。

 この蹴りによる凄まじい風圧と衝撃にテロスの身体が吹き飛ばされそうになる。テロスドライバーの引き金を引いて、渾身の蹴りで押し返そうとした。

 

 

《ゼロス!! エクスプロージョン!!》

「き、兆ィィィィィィッッッ…!!!!!」

 

「ハァァァァァァッッッ!!!!!」

《フロンティアフォーエバー!! ファイア!!》

 

 

 フロンティアフォーエバーの無限回転はテロスの蹴りをいとも簡単に粉砕し、凄まじい力と共に後方の瓦礫の山へ一瞬にして吹き飛び、そのまま大爆発を引き起こした。

 トリガーは右手を銃の形にして、それから天へと突き上げる。

 

 

「今日の俺も完全勝利の日!!!」

 

 

 終わったはずなので永理が駆け寄ってくると思ったが、辺りに彼女の姿はない。

 おかしいな、と思いながら辺りを見渡すと、先ほど巧也が吹き飛ばされてできた道から、巧也に肩を貸した永理がトリガーに手を振って向かって来ていた。

 トリガーも安心し、手を振りながら2人に近づく。

 

 

「終わったぜ永理、巧也さん」

 

「兆さん! やりましたね!」

 

「…… 随分と遅かったな。遊び過ぎるのも大概にしておけよ」

 

「えっと……本当にごめん… 他の人たちにも俺は……」

 

「ふっ、お前らしくもない。その件なら安心しろ。幸いな事に全員記憶を取られただけ。後はお前が返すだけでいい」

 

「よかった… いや、よくはないか。まず今までのお詫びと償いしなきゃな── お? 狩馬さん?」

 

 

 すると周りの片づけが終わった狩馬が戻ってきた。

 それからトリガーの姿を見ると、驚きはしたが全てを察してから彼の肩を引っ叩く。

 

 

「やったな。だが、永理はやらないからな?」

 

「なんの話しよ… あ、そう言えば永理が俺を助けてくれる時なんか言ってたな───」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!! ダメです!!!!」

 

「え、永理? 兆てめぇ何しやがった…?」

 

「いやいや何もしてないって!!…… と、忘れちゃいけないテロスはどうなったんだ?」

 

 

 顔を真っ赤にした永理と額に血管が浮かび上がった狩馬を止めながら、先ほど蹴り飛ばしたテロスの方に視線をやる。

 すると瓦礫の山が崩れ砂埃が立ち、体中からバチバチという音を立ててテロスがゆっくりと立ち上がる姿が見える。腕を思いっきり振るうと砂埃は消し飛び、禍々しい気を放った者がトリガー達を睨みつける。

 

 

「どうするテロス。その傷で俺と戦うって言うのなら、お前にもう勝ち目はないぜ?」

 

「……… 記憶だけならよかったんだがな… それも仕方ないこと。お前たちが決めた運命。その運命に抗おうと思うな? 計画の変更を余儀なくされたが、鍵の覚醒を見れたことだ。今回はそれで良しとしよう…」

 

「それでも世界を食えると思うなよ? お前は俺が必ずぶっ飛ばす」

 

「くくくっ… 全ては0となる。その運命からは逃れることはできない。私の力は鍵… そしてお前たちの力を吸収し、更に強力となるだろう。その時がお前たちの最後だ───」

 

 

 テロスは意味深な事を言い、笑いながら闇へと消えた。

 彼らの戦いによって滅茶苦茶になってしまった街であるが、これから被害はこのエリアAだけには止まらなくなってくるだろう。あのテロスがトリガーに手も足も出ず、無様に敗北し何もして来ないはずがない。

 トリガーたちは一度作戦を立てる為、RIVERSへと帰還する──。

 

 

 

 

 

 >>>>>>>>>>>>>>

 

 RIVERSへと戻った一向は早速今後についてを話し合う。と、言っても作戦どころかテロス側は3名。こちらも3名。ムツキを入れれば4名で有利だ。更に今回の一件で手に入れたフロンティアガンナイフは、 テロスにとって圧倒的に有効打である。攻めるなら今だと言いたいのだが、生憎アジトがわからず攻めるも何もないのが現状だ。

 巧也は少し考え、今できる策を言い放つ。

 

 

「下手に出ず奴らが仕掛けてくるのを待つ」

 

「…… まぁだよねー… こっちから仕掛けようにも場所わからないし」

 

「それもあるが、奴の目的は俺たちの力と世界全ての記憶。そして永理だ。何もせずとも仕掛けてくるだろう」

 

「大丈夫だよ巧也さん。あいつ俺の必殺の一撃でズドーンでバーン!!… ってなって今頃は家で大泣きしてるだろうぜ」

 

「あいつは何であろうと0にする… つまり自分の傷だろうと、あいつのベルトを破壊しない限り何度でも蘇るだろう。現にあの時フロンティアの攻撃を喰らっても立ち上がれたのは奴の力のせいだ」

 

「あーそっか… なら、今度はベルトごとテロスを倒さないとな… あいつとの決着はこの手で必ずつけてやる!!…… あ、そう言えばマスターは!!?」

 

「マスター…… あの時、兆を連れて行ってラストデイズを止めてくれていた筈だったと思うが… まさかやられたのか…?」

 

「い、いやわからない… 多分大丈夫だと思うけど……」

 

「彼なら無事だろう。何にせよテロスにずっとついて来た男だ。きっと今は傷を癒しているか、何か策を練っているに違いない」

 

「そうだよな…… あーあ、最後の戦いの前にミルクを飲みたいな───」

 

 

 その時、警視庁全体が大きく揺れて机の上から物が落ち、全員立つことができず倒れてしまう。

 暫く揺れは続くが、佳苗は机に捕まりながら何とか立ち上がって状況をすぐに調べる。地震かと思われたこの揺れの正体が外でウォンテッドが暴れている為だと気づく。

 佳苗は大声で巧也にそれを知らせると、兆と巧也と狩馬の3人は揺れが収まってくると同時にRIVERSから出る───。

 

 

 

── 外へ出ると、3人は街の光景を見て息を呑む。

 何故なら街は先程見た風景が嘘のようにマンションやビルは崩れ、車は粉々となり、辺り一面瓦礫の山と化していたのだ。後ろを振り向くと、警視庁も所々崩れており、崩壊寸前であった。

 

 

「巧也さん……」

 

「あぁ、仕掛けて来たな… それもかなり派手にやってくれた」

 

 

 その瞬間、3人の元へと1本の矢が飛来し、ギリギリのところでかわして、飛んできた方向を見るとシワスが弓を構えてこちらに向かって来ているのがわかる。その隣にシモツキが両腕から剣を出して地面に引きずるように歩いて来ている。

 兆たちはそれぞれ腰にドライバーを巻きつけて、変身の準備を行う。

 

 

「このやろう、シワス。よくもまぁやってくれたじゃねーかよッ!!!」

 

「トリガー… 我は腹が立って仕方がない」

 

「それはこっちの台詞だこらっ!! お前のせいで何人の命が犠牲になったと思って──」

 

「黙れッ!! それをお前が言えた口か? 言える訳がない。ただそんなものどうでもいい。我はお前たちの要らぬ邪魔によってボスの計画が狂わされてしまったことに腹が立っているのだ!!」

 

「なら、ざまぁ見ろってやつだな!! 俺はテロスを倒して変えてやるんだ。この世界に平和のトリガーを引いてやるぜ!!」

 

「…… 平和か。そうだな。くくくっ、出来たらいいな」

 

「ん? 何がおかしいって様子だから言ってやる。何がおかしい!!」

 

「後ろを見てみろ」

 

 

 兆は振り向くと、警視庁の屋上にテロスが立っているのに気がついた。それと同時に狩馬の怒声が聞こえ、よく見てみるとテロスは肩に何かを担いでいるのに気がついた。

 そしてそれが間違いなく永理だと気づき、3人は変身しようと身構える。

 

 

「テロスッ!!! 永理を離せッ!!!」

 

「それは無理な話だ。永理は大切な鍵だからな。これで私は更なる力を手に入れる…… 次元の扉を開く為に」

 

「それには俺たちの記憶のエネルギーも必要なんだろ? 特にお前がラストデイズで集めようとしたやつがよ!!」

 

「あぁ、しかし私は勝率が低い状態では戦おうとは思わない。順序は変わるが、この女の鍵としての力を無理やり引き出させてもらう。既に覚醒済みだ。容易にできる…… 記憶のエネルギーは私自身の力を高め、そして鍵によって生じる力を抑える為だった。だが、その保険もこの状況下に置かれたのなら話は別。すぐにでも開いてやろう…… 0の力の全てを!!」

 

「鍵の力に耐えきれなくてお前自身崩壊するかもしれないぞ?」

 

「ふっ、勝率が低い状態での戦闘は行わない。しかし私は私の力に自信がある。それぐらいは人間のようにやって見せよう。賭けというものはな──」

 

 

 テロスは一瞬にして消えてしまい、3人はシワスとシモツキに向き直る。

 この2人から無理やりにでもテロスの居場所を吐かせるつもりで、3人はそれぞれが準備を終えて変身する。

 シワスとシモツキはトリガーたちに突っ込むと、それに合わせてトリガーたちも駆け出す。

 

 

「かかってこい!! シワス!! シモツキ!!」

 

「ボスの為に勝利をッ!!!」

 

 

 互いの攻撃がぶつかり合い凄まじい衝撃と音を響かせる。

 それが終わりへの始まりのゴングだという事は、この時まだ誰も知るよしもない──。




ついに鍵が開かれようとしていた…

次回、第42劇「全ては零へ」

次回もよろしくお願いします!!

最終回まで残り── 4話
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