仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。

あらすじ
テロスと兆が消滅し、あれから2年経った現在。ウォンテッドの脅威が消えたかに思えたが、キラーズガンの残った部品を用いて量産している場所があるとの情報が入っていた。巧也・狩馬の2人は場所を突き止めそこへ向かうと、そこにはラストガンナイフがあり……

それでは前編どうぞご覧ください。


特別編
仮面ライダーシェリフ


 研究室では孝四郎が兆のデータが入っているファーストガンナイフを調べていた。生きているのか死んでいるのかさえわからない彼のデータを、徹夜で隅から隅まで調べていたが、特にこれといった情報を得られないまま時間が過ぎていった。

 そして2年が経過した現在でも、兆のデータがあるということだけで他は何もわかってはいない状況である。

 

 

「ね、眠い…… けどこれをどうにかすれば兆くんは帰ってくるんだきっと…きっと……」

 

「── あら? まだやってたの? そろそろ寝たらどう。ずっと調べて疲れてるんでしょ」

 

 

 すると研究室のドアが開かれ、心配した佳苗がお茶を持って入ってきた。

 孝四郎の目の下の隈は真っ黒くなっており、まるで漫画のような見た目になっている。

 そんな状態でも孝四郎は首を横に振り、また作業に移った。

 

 

「仲間の為ですよ…… 僕はフィガンナイフを製作しただけで、それを使って今まで戦ってきたのは彼らです。僕は何もしていない。だから今度はもっと大きなことを成し遂げないと… 兆くんの為だけじゃありません。彼のバディである永理さんの心の底からの笑顔を取り戻してあげなければいけませんからね」

 

「…… 孝四郎の癖にかっこいいこと言っちゃって〜。でーも程々にしておきなさいよ。もし兆くんが帰って来たとして、あなたが過労死なんてことされたらみんな笑えなくなるんだからね? いい? そういう事だから今日一日くらい休みなさいよ。それくらいやってもバチは当たらないわ」

 

 

 その言葉を聞き、ゆっくり頷くと倒れるように眠ってしまった。佳苗は毛布を持って来て孝四郎の上にかけると、静かに研究室から出て行く。

 研究室から出た佳苗は、自分の席に戻ってパソコンを見ていると、携帯が鳴り始める。相手は巧也であり、孝四郎を起こさぬように素早くそれに対応した。

 

 

「はいはい私よ。どうしたの?」

 

『やけにボソボソした喋り方だな。そっちの方も何かあったのか?』

 

「孝四郎がやっと寝たのよ… それで要件は?」

 

『あぁ、今アジトの場所を特定した所だ。これから狩馬と共に乗り込む。永理には一般人が近づかないように手配してあるから、終わったら佳苗の方に連絡するはずだ』

 

「わかったわ。気をつけて」

 

 

 それから電話を切ると、佳苗は研究室から音が漏れていることに気づき、孝四郎が起きてまた作業に入っているのかとドアを開けた。

 しかし、孝四郎は寝たままであり、パソコンが勝手に動いているようだった。奇妙な現象に恐る恐るパソコンの画面を見てみると、佳苗にはわからないデータが流れて画面を埋め尽くしていた。

 

 

「な、なんなの… これ?」

 

 

 その時、ケーブルに繋いでいたファーストガンナイフが眩い光を放ち始めていた──。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 巧也と狩馬はウォンテッドが潜んでいるというアジトを突き止め、現在乗り込んでいる最中である。

 そこは山にある洞窟のようで人目につき難い場所であった。2人はここへ入って行った仲間であろう男を追い、奥へと進んでいくと、大きな壁の前までやってきた。

 それから2人は岩陰に身を隠しながら男の動向を伺う。他に気になるような所はなく一見ただの壁に見えないが、きっとここに何かあるに違いないと巧也は考えた。

 

 

「狩馬。あいつの動きに注意しろ。こちらに既に勘付いていて、わざとここまで誘導してきた可能性がある」

 

「そんくらいわかってるよ。もうこっちは殴る準備万端だぜ」

 

 

 すると男は壁の表面を手で触れる。微かにピッという機械音が聞こえたかと思うと、壁は真ん中から割れて奥に続く道を開いた。

 それから2人は男が中へ入る所を確認し、流れるように後ろへついて行く。

 奥へ奥へと進んで行くと、岩肌に囲まれた広い部屋に出る。その部屋に似合わない機械が部屋を覆い尽くすほど並び、例の男の仲間である研究員が白衣を着て何か作業をしているようだ。

 

 

「様子を伺うか」

 

「攻め込まないのか?」

 

「奴らがキラーズガンを量産しているのは確かだが…… この機械の数。まだ何か裏がありそうだ」

 

「キラーズガン以外にか… あ、おい巧也。あれ見てみろ」

 

 

 巧也は狩馬が指を指した方を見ると、そこにあったのはキラーズガンではなく全く別のものであった。

 1人の研究員がそれをここにある様々な機械の心臓部であろう部分に繋ぎ、モニターを見ながら何やら調整を行なっているようだ。

 

 

「キラーズガンとデリートガンナイフを組み合わせたような…… 幹部たちが使っているあの銃に似ている。見たところあれ一つだけのようだが、一体何をするつもりなんだ」

 

「どっちにしろ調べる必要があるぜ。アレが2年前の幹部が使用してたものだって言うなら嫌な予感しかしない」

 

「あぁ、出るぞ狩馬」

 

「おうよ!」

 

 

 巧也と狩馬が研究員の元へと走って近づいた途端、ただの研究員だと思っていたが、熟練の戦闘員のような身のこなしで素早く2人の周りを囲みキラーズガンを構える。

 それから2人はドライバーを装着して、それぞれ変身準備を行う。

 

 

「… なぜか懐かしく感じるな。あの頃の記憶が蘇ってくる」

《SIX》《SET》

 

「懐かしんでる場合かよ… んじゃ、行くぜ!!」

 

「「変身ッッッ!!!」」

 

《シクスガンアクション!! シェリフ!! オートアオート!!》

《壱式!! ギアチェンジ!! ゲツヨウ!!》

 

「全員、捕縛する」

 

「ハント開始だ!!」

 

 

 キラーズガンから一斉に放たれた弾丸を跳ね飛ばし、シェリフとハントに変身しする。それに続き周りの研究員たちは、キラーズガンを自分に向かって放ちウォンテッドへと姿を変えた。

 シェリフとハントは互いに駆け出し、タイムウエスタンとギアハンターで群がるウォンテッド達を一掃していく。

 

 

「たかがウォンテッドの1匹や2匹ッ… おっと! なんてことないな!!」

 

「なら、時間をかける必要もない…… 早々にケリをつけるぞ!!」

 

「任せろッ!!」

 

 

 シェリフはセイブドライバーの引き金を引き、近くにいるウォンテッドを蹴り飛ばして敵同士にぶつけ、そこへハントがギアナイフを押し込んでギアハンターにエネルギーを溜め始める。

 その動作に合わせ、シェリフは再度ドライバーの引き金を引いてタイムウエスタンを構えた。

 

 

「今だッ!!!」

 

「吹っ飛びなッ!!!」

 

《オート!! ファイア!!》

《キカンギアブレイク!!》

 

 

 そして放たれた2つのエネルギー弾はウォンテッドたちに炸裂し、キラーズガンを破壊した。キラーズガンを破壊されると、研究員たちは元の人間の姿へと戻って気を失ってしまう。

 ただそれに紛れて1人だけコソコソと逃げようとする輩をシェリフは見逃さず、腕を捻り上げて地面に倒す。

 その輩は先程まんまとここへと案内してくれた男である。

 

 

「いたたたたっ!! やめろ!! 離しやがれ!!」

 

「離してはやるが、ここについて話してはもらうぞ? もし嘘をつくようであるならば容赦はしないと思え」

 

「… そうか。あんたらが例の仮面の奴らかよ。なら、警察がそんな暴力的なことしちゃっていいのかな? 俺は確かにあんたらから見たら悪もんだけど一般市民と変わらねーんだぜ? そんな一般市民に警察が手を挙げてもいいのか〜?」

 

 

 そこへハントが近づいて来ると、躊躇なく顔面をぶん殴る。もちろんかなり手加減したのだが、それでも殴られた側はたまった者ではない。あまりの痛みに悶えている。

 そんなハントの行動に流石のシェリフもため息を吐く。

 

 

「お前は手加減というものを知らないのか…」

 

「これくらいやらないと喋らないだろからよ? それに…… こいつはどうやらもう1発喰らいたいらしいからなぁ?」

 

 

 ハントは拳を力強く握って男に見せると、男は堪らず口を開いた。

 どうやら話によれば、ここはキラーズガンを量産してる事に違いないが、それともう一つアイテムを創り出そうしているとのことだ──。

 

 

「─── デッドリーキラーズガン。2年前の幹部たちが使用していた物よりも遥かに性能がいい」

 

「… 数は?」

 

「数か? あれ1個だけだ。それにまだ完成もしてねーよ。例のラストガンナイフの力を完全に埋め込むことができッ──!!」

 

「ラストガンナイフだと…!!!? どういう事だ!!?」

 

「あ、あぁ、いやぁ…… そ、それは……」

 

「…… あそこの機械にあるのか」

 

「ま、待て!! アレに今、触れると爆発するぞ!! いいのか!!?」

 

 

 必死に止めようとする男を無視し、シェリフは心臓部の機械に近づいてみる。

 真ん中がガラスになっており中が見えており、覗いてみると確かにラストガンナイフがそこにはあった。

 

 

「これをいつ手に入れた?」

 

「………」

 

「狩馬」

 

「…ッわ、わかった!! 言うから!!…… 2年前、お前たちがファーストガンナイフを手に入れた場所あるだろ? その近くにそれが落ちてたんだよ」

 

「バカな…! あの時、総出での調査を行っても特に何もなかったはずだ! 真実を話せッ!!」

 

「いやだからホントなんだってば!! あんたらが消えた後、俺たち下っ端がその辺を探してたら見つかったんだって!! 嘘偽りない!! これはホント!! 本当に!!」

 

「その話しではまるで、俺たちの隙を見て誰かが置いたようにしか聞こえない。しかし、一体誰が…… まぁ理由はなんであろうと回収させてもらう」

 

「…ッ!!!? だ、だから取り出そうとしたら爆発するんだってば!!」

 

「その嘘は署で聞いてやる」

 

 

 それからシェリフが力づくでガラスを割り、中から取り出そうと触れた瞬間、光が溢れ出して部屋の中を照らし出す。全員、目を開けていられず手で顔を遮る。

 暫くして光が消え、再び目を開けると、特に何事もなくラストガンナイフが置かれていた。シェリフは警戒しながら取り出してみたが、やはり何もなく、爆発するどころか他に何か支障があったわけでもない。

 

 

「やはり何もなかったか… 全員、署まで連行する」

 

「…… やってしまった… こんなはずじゃなかったのに……」

 

 

 男は先ほどのような表情が消え、一気に青ざめてしまいブツブツと何かを言い始めた。シェリフとハントは特に聞くことはせず、警視庁に連絡し、全員を連行していった───。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 RIVERSへと戻った巧也、狩馬、永理の3人は男に量産されたキラーズガンについての質問を投げかけた。安心したのはキラーズガンは量産されてはいるが、仲間内だけでの話であって、世界に広まっていることはないと言う。

 ただ気がかりなのは、あのラストガンナイフについてだった。爆発こそしなかったが、男のこの怯えようから察するに何かあるに違いないと思ったのだ。

 巧也は男に問う。

 

 

「率直に聞くが、あのラストガンナイフに何があると言うんだ? お前は今、俺たちが想像している以上の何かを知っているんだろう?」

 

「…… ボスがいなくなった今だから俺たち下っ端がこの世界を思い通りにできるんじゃないかって。そう思ってキラーズガンを大量に製作していた… そんなある時、ラストガンナイフを拾ったんだよ。例の場所で──」

 

「そのラストガンナイフを使用して、お前たちはデッドリーキラーズガンを開発した。しかしその力は強大であったが為、開発はできたが完成にまでは至らなかった…… だからこそわからない。アレには何がある? 何を見たんだ?」

 

「俺たちはデッドリーキラーズガンを作る過程で気づいてしまった。見つけてしまったんだ──── ボスのデータを」

 

「なに…? それはつまりテロスという事なのか……? テロスのデータが残っていたというのか…!!?」

 

「あぁ、ボスは…… 生きていたんだ。データとなっても生きていたんだ… ボスは死んでいなかった!!!」

 

 

 RIVERSはその言葉で誰もが静まり返った。信じたくはないが、この怯えようといい先ほどの不思議な現象といい。これが事実だとするならば、一刻の猶予もないという事になる。

 

 

「何故、生きているというのに破壊しなかったんだッ!!! 」

 

「デッドリーキラーズガンに作っている最中だったんだ… まだ完全に力を取り戻していないと推測した俺たちは、完全復活する前にラストガンナイフの力を移そうとしていた。そうなればボスも何らかの作用で復活したとしても力が抑えられると思ったんだよ…… そしてその途中でお前が強制的に装置を止めたせいで装置は暴走し、ボスは解放されてしまった」

 

「…… 俺があんな事をしなければ…!! くそっ!!」

 

 

 巧也は自分の判断によりテロスが再び解き放たれた事を知り、やるせなさに壁を殴る。

 そして狩馬はある事に気付いた。テロスが復活したとなると、その本体はどこへといってしまったのかという事だ。

 

 

「おいお前!! テロスはどこへ消えた!! どこに身を潜めやがったんだ!!」

 

「わからない… だが、必ず近くにいる。あの光が放たれた時、実態を持たないボスは何かを仮の依代にしているはずなんだ… それが物だとしても」

 

「近く…? お、おい。それってまさかよ…… 例のデッドリーキラーズガンでも良かったりするのか…?」

 

「…あ、そ、そんなッ…!! まさかボスッ────プギッ…!!!」

 

 

 突然、RIVERSの研究室のドアが開かれたかと思うと、そこから弾丸が飛んできて男の脳天を貫通する。

 巧也と狩馬は永理の前に立ち、研究室から出てきた者を警戒して銃を構える。ここに1人だけいなかった。彼女だけがここに姿を表さなかった。

 

 

「佳苗…!!」

 

 

 佳苗はデッドリーキラーズガンを構え、1人1人に銃口を向けていく。

 そして不気味に笑い始めるが、その声は女性のものではなく男性の声であった。ここにいる誰しもが聞いたことがある声。2年前のあの日に聞いた。二度と聞くことはないと思っていた。

 

 

「── 久しぶりだな。巧也、狩馬、そして永理よ」

 

「テロスッ!!」

 

「クククッ…… ようやく復活を遂げることができた。部下たちには大いに感謝しなければならないな」

 

「佳苗から離れろ!!!」

 

「それは無理な相談だ…… 既に孝四郎は仕留めた。後はお前たちを消すのみ」

 

「なんだと…? 孝四郎が?……… どうやら、お前をここで潰さないといけないようだッッッ!!! テロスッッ!!!!!」

《PRISON HUNDRED》《SET ARREST》

 

「私の零の力は、今の不完全な状態では発動できない…… だが、お前にはラストデイズの力で充分であろう」

《DISASTER》

 

「変身ッッッ!!!」

《プリズンガンアクション!! ポリス・エマージェンシーコール!! ハンドレッドテンス!!》

 

「── 災身」

《シ・ザイ・キリング・ウォンテッド!! ディザスター!! ディザスター!!ディザスター!!》

 

 

 テロスはデッドリーキラーズガンの銃口部分を押し込み、それから銃口を頭に向けて放つとみるみるうちに姿が変わる。見た目はライダーの時と同様テロスなのだが、背中にはマントのようなものがなく、所々のパーツが欠けている。しかしその禍々しさは流石はテロスというべきか。見た目は違えど、圧倒的な力が感じ取れる。

 

 

「さぁ、かかってくるといい」

 

「許さんぞテロスッ!!! よくも孝四郎をォォォォッ!!!」

 

 

 シェリフはテロスに飛びかかり、その顔面に怒りの拳をぶつけた──。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 警視庁の外に出たシェリフとテロスは、互いに一歩も譲らぬ攻防戦を繰り広げていた。ラストデイズの力を取り込んでいる事もあり、プリズンの力で停止させたとしても力づくでそれを破ってしまう。

 

 

「どうした巧也? 全てのフィガンナイフの力は使えないが、この圧倒的な力の前ではプリズンハンドレッドと言えど厳しいか?…… やはりその程度の人間が作った物など所詮はこの様という訳か」

 

「貴様ッ…!!!」

 

 

 孝四郎の手により作られたプリズンハンドレッドを罵られたシェリフは、更に怒りが込み上げ、ジャッジメントエンターンでテロスの頭を撃ち抜こうとした。

 だが、中身が佳苗であるという事を思い出し、引き金にかけた指を緩めてしまう。その隙を見抜かれて、シェリフは剣で斬り付けられた。

 

 

「ぐはっ…!! な、なんだと…!!? それはシモツキのッ!!」

 

 

 テロスの両腕から伸びている物は鋭い剣。それはまさにシモツキが使用していた武器であった。いや、能力である。

 まさかと思い、シェリフは銃を構えて弾丸を放つと、テロスはそれに合わせてエネルギーの矢を飛ばして相殺させて見せた。

 

 

「お前、その能力はッ!!!」

 

「クククッ…… ふんっ!!」

 

 

 そしてテロスが手を翳すと、シェリフの身体は身動きひとつ取れなくなってしまった。そのままテロスはデッドリーキラーズガンから弾丸を放ち確実にシェリフに命中させる。

 当たった瞬間に凄まじい爆発を引き起こし、巧也は変身が解けて地面に転がる。

 

 

「どうやら勝負はついたようだな」

 

「これは…フミヅキとミナツキのかッ…!!!」

 

「全てのフィガンナイフは使えないとは言ったが、幹部のものは使えないとは言っていない」

 

「何故だ… 一体どうして幹部たちの能力が使える!!」

 

「ラストデイズの能力は記憶を糧にする事。糧にすると言ってもモノにした記憶の特殊能力は使用できない… しかしこのデッドリーキラーズガンを併用する事により、どうやら過去に戦った者の奥底にある記憶… 能力が使えるようになったようだ」

 

「そんな事ができるはずない……」

 

「この2年という時間の中で部下たちはデッドリーキラーズガンを完成させることはできなかった… それもそのはずだ。ラストデイズの力はセイブドライバーであるからこそ扱える。つまり本来の姿は幹部たち全ての能力を扱える事。それこそが完成形だったのだ」

 

 

 それからテロスはデッドリーキラーズガンの銃口を、巧也の頭に当て、引き金に指を掛ける。抵抗したとしてもこの力の前では手も足も出ない。

 しかし巧也はここが最後だとは思わなかった。何故なら自分だけがここにいるわけではないのだから。

 

 

「テロス… 俺を殺す事はまだ叶わないようだ」

 

「どういう意味だ── っ…!!」

 

 

 すると突然、テロスの身体に草が巻きつき、コンクリートの地面が脚を包む込んだ。巧也はこの隙をつき、この発生源である所へと向かう。

 そこにはハントがおり、彼がテロスの動きを止めてくれていた。が、それも束の間であり、やはりラストデイズのスペックを受け継いでいる為直ぐに破られてしまう。

 

 

「おいおい、漆曜式と俺が涙目になるぜ… ったくよ…」

 

「気を付けろ狩馬。奴は全ての幹部の力を使える」

 

「あぁ、見てたぜ。あの化け物スペックと幹部どもの能力持ちとか流石にふざけんなって話だ…… こんな時に兆がいてくれたらどれだけいいことか」

 

 

 完全に分が悪い。このままでは簡単に全滅させられてしまうだろう。

 テロスが動き出すと2人は身構えたが、こちらを振り向かずに明後日の方向へ歩き出した。

 

 

「どこへ行く!!」

 

「さすがにこれ以上は器が持たない… 日を改めよう。当日までには完全に我がものとするつもりだ」

 

「テロスッ!!! 待てっ!!!」

 

 

 そのままテロスは何処かへと消え去ってしまい、佳苗も連れ去られてしまった。巧也は何も言わず、RIVERSへと戻っていく。テロスによって殺されてしまった孝四郎を運ぶ為に──。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「何故だ…… 一体どうして…!!!?」

 

「す、すみません課長。心配をおかけしました」

 

 

 孝四郎は息を吹き返していた。正確には元々殺されてはいなかったのだ。殺し損ねていた。

 彼が生きていることを知った巧也は、一気に肩の力が抜けて研究室にある椅子に座って胸を撫で下ろす。

 

 

「… しかし孝四郎。お前はテロスによって殺されたはずじゃ…」

 

「それがあの時──」

 

 

※※※※※

 

 佳苗は孝四郎の頭にデッドリーキラーズガンの銃口を向けた。突然の事に孝四郎は驚いて、反射的に両手を挙げた。この異常事態に佳苗が本人ではないという事が直ぐに察しがついた。

 

 

「お前は誰だ…」

 

「少しばかり弱々しいが… 順応してしまえば関係ない」

 

「その声… ま、まさかテロスッ!!?」

 

「よくわかったな。褒めてやろう… だが、お前はここで始末させてもらう。フィガンナイフを製作できるものは面倒になるからな」

 

「お前は兆くんによって倒されたはずじゃないのか…!!」

 

「あぁ… だが、私はこの身体が朽ちようとした瞬間、兆の細胞からラストガンナイフと繋ぎ合わせて侵入した… ただ困った事にその状態では次元の扉内で兆と共に消滅してしまう。だからこそ手を打った。ほんの一瞬だけだが、兆の身体を操り、フィガンナイフが入るほどの扉を開けて、ファーストガンナイフの中へと兆の消えゆくその身を繋いだのだ。それを囮に私はラストガンナイフと共に日を跨いだ。そしてついにその日が来た…… 一歩間違えれば消えていたが、さすが私のクローン。最後まで役に立ってくれた」

 

「お前ッ… うっ…!!?」

 

 

 咄嗟に孝四郎は近くにあったファーストガンナイフを掴み、急いで椅子から飛び上がる。ただその行為をしたとしてもこの距離では逃れる術ない。

 テロスは正確に孝四郎の心臓に標準を定め、逃げようとする彼の胸を撃ち抜いた。邪魔をするものはいない。弾丸は真っ直ぐに彼の胸を捉えた… かの様に思われたが、その瞬間に持っていたファーストガンナイフを弾丸に当てて弾いたのだ。

 それは自分の意思ではない。そんな暇はない。

 

 

「うぐぅ…!!」

 

 

 しかし撃ち抜かれたと思った孝四郎はそのまま気を失ってしまい、床にバタリと倒れてしまった。

 部屋が暗がりという事もあり、テロスは彼を仕留めたと思い、研究室から出て行ったのだった───。

 

※※※※※

 

 

「── とまぁこんな感じでして…」

 

「兆… お前が守ってくれたのか…… 何はともあれ生きてて良かった」

 

「課長。テロスですが…」

 

「全ての幹部の力が使える様だ。それにあのスペックはラストデイズそのもの。今の俺たちでは太刀打ちできない」

 

「…… 大丈夫です。僕がなんとかして見せます」

 

「なに? どうするつもりだ?」

 

「実はラストガンナイフなんですけどテロスが持っていってしまったんですが…… そのデータをファーストガンナイフに移したんです」

 

「なんだって!!?」

 

「何故かはわからないんですけど、やってみたらできてしまったんですよ… そこにいなくても彼は僕たちのために戦ってくれているんです。この小さなナイフの中できっと…… このデータを使って新たなフィガンナイフを作ります。そうすれば今のテロスにも勝てるはずです!!」

 

「わかった。頼んだぞ… 俺たちは明日まで休むとしよう」

 

「あ、そうだ課長。プリズンハンドレッドを貸していただけませんか?」

 

「勿論いいが… まさかこれを?」

 

「なんでもやってみます。佳苗さんを助けるためにも!」

 

「あぁ、任せた──」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 次の日、巧也と狩馬の元に永理から緊急連絡が入り、すぐさま現場へと向かった。

 佳苗が不在の為、情報が全く回って来なくなってしまうので代わりとして永理に任せたのだ。彼女はその感じから忘れがちだが天才であり、佳苗の様には行かずともそれ相応の事はして見せた。

 そして2人は現場へ着くと、そこでは災身したテロスが既に周辺を更地へと変えており、まるで円形のリングの様に作り上げていた。

 

 

「随分と派手にやってくれた様だな… テロス」

 

「ほう… たった2人で来たか。これで戦力になるのか?」

 

「安心しろ。今日こそお前の最後の日だ」

 

「いいだろう。ただしこちらも数を用意させてもらおう」

 

 

 するとテロスが両手を広げると、そこら中から溢れんばかりにウォンテッドが這い出てきた。厄介であったヤヨイの力である。

 巧也と狩馬はセイブドライバーを装着して変身する。2人のフォームはそれぞれアフターネクストと漆曜式であるが、この2つの力でどれほど持つか定かではない。

 

 

「…… プリズンハンドレッドはどうした?」

 

「昨日の戦いで壊れたらしい。だが、お前にはアフターネクストで充分だ」

 

「なるほど。よくわかった。そういう事か… 否、私との差は大きく開いているのは事実。ここで始末してくれよう」

 

 

 テロスはハントに向けて手を翳すと、そこへ大量のウォンテッドの群れが彼を飲み込んだ。そのままハントは抵抗もできず見えなくなるほどに遠ざかって行ってしまった。

 どうやら戦力を把握して弱い方から確実に仕留めていくつもりらしい。

 

 

「狩馬ッ!!!」

 

「これでゆっくり掃除ができる」

 

 

 それからシェリフはネクストの力で瞬間的に近づき、アフターで渾身の一撃をテロスに叩き込んだ。が、金属を叩く様な音がなった。殴った拳はヒビが入り、その隙間から血が流れ出ている。

 これはサツキの硬化能力であり、まんまと防がれてしまったシェリフに追い討ちでウヅキの倍加能力で、逆に渾身の一撃をまともに受けてしまった。

 

 

「ガハァッ…!!!」

 

「脆いな」

 

「幹部の力が使えるだけじゃない…… その能力も完全にオリジナルより上回っているというのか…!! 」

 

「フハハハハハハハハハッ!!全てを零にしてやろう… 私に2度の敗北はないッ!!」

 

 

 シェリフに地獄と言っていいほどの打撃の嵐が襲い掛かる──。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「永理さん。それ取ってもらえますか?」

 

「はい! わかりました!」

 

「…… ありがとうございます… 課長、佳苗さんの為にも早く仕上げないと…」

 

「完成しそうですか…?」

 

「あ、はい… ただ時間が足りない……!!」

 

 

 RIVERSの研究室では、新たなフィガンナイフが開発された。孝四郎の手伝いで残った永理はテキパキと働き、もう完成だというところまではいったのだが、そこで最後の問題が発生していた。

 それはラストデイズのデータを、新たに作り出したフィガンナイフが受け止め切れないという事だ。プリズンガンナイフを2個と併用する事で使用可能となる程のデータ量とエネルギー。それを例え最短で作りデータを取り込ませたとしてもセイブドライバーにセットできるのはそのうちの一つである。

 

 

「プリズンガンナイフとテンスを合わせた時よりも性能を大幅に上げたこのフィガンナイフでさえ、ラストデイズを受け止められない…… マスターさんはそれを制御するあの装置を作り出した。だけどそれは長い時間をかけて作り出した物。だから僕がどれだけ頑張っても結局間に合わない…!!」

 

「そんな… このファーストガンナイフは使えないんですか?」

 

「無理ですよ永理さん。これは兆くんのデータの塊。謂わば彼自身なんです。だからこの状態のままでは巧也さんには扱えないんです…」

 

「兆さん自身……… 孝四郎さん。もう一度ファーストガンナイフとこのフィガンナイフを繋いでください」

 

「え? 一体どうするつもりなんだい?」

 

 

 先の見えない孝四郎は言われるがままに、2つのガンナイフを繋ぎ合わせると、永理はファーストガンナイフを手に取り優しく包み込む。

 そして彼女は喋り始める。

 

 

「兆さん。あなたと当初出会ったときは、『なんだこの変質者!!?』と正直思ってしまいましたが… 今では私に取って唯一無二の大切な人です。まぁあなたみたいな人は世界中どこを探しても1人だけでしょうけど…… 私の声が届いているのなら聞いてほしい事があります。この世にテロスが復活して、現在課長と戦闘中です。ですが、戦況は最悪で勝つ見込みがありません。ただこのラストデイズのデータをこのフィガンナイフに送ることさえできれば変わるかもしれない。でもできないんです…… 兆さん。あなたならどうしますか?」

 

 

 返事はない。永理の想いを綴った所で、彼女は既に鍵としての力を失ってしまった。この行為は悪く言えば無駄な行為だ。

 しかし、その無駄かと思われた行為はどうやら彼に届いている様だった。

 

 

「こ、これは…!」

 

 

 ファーストガンナイフをが光を放ち始め、繋いだコードを通って新作のフィガンナイフにエネルギーが送られていく。

 孝四郎は焦り、急いで引き抜こうとしたが、永理はそれを静止して真剣な顔で頷いた。彼女の真っ直ぐな瞳を信じ、孝四郎も再びその様子を伺う事にする。

 

 

「孝四郎さん… これって……」

 

「信じられない。こんな膨大なデータとエネルギーがフィガンナイフの中に入っている…… いや、そうじゃなかったかもしれない」

 

「え?」

 

「僕はまた彼に助けられました。そうですよね…… 僕が作り出したフィガンナイフは完成していたんです。けれどその膨大な量に限界を超えて破裂してしまうんじゃないかと危惧していた…… しかし結果はこの通りでした。やって見なければわからないと口に出していったものの振り切れてなかったようです」

 

「つまりこのフィガンナイフは…!!」

 

「完成です… プリズンガンナイフ… いや、ジェネラルXガンナイフが!!」

 

「やりましたね孝四郎さん!!」

 

「ではこのジェネラルXガンナイフを課長に届けてもらってもいいですか?… 危険なことは承知の上ですが、僕よりも永理さんなら確実だと思います」

 

「任せてください!! では行って来まっ───」

 

「─── おいおい孝四郎さん。女1人を戦地に向かわせるとは見過ごせないぜ? 永理もそう思うよな?」

 

「「え…?」」

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「うわぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

 

 幻を見せられ攻撃ができず、例え攻撃を当てたとしても身体がスライムのようになり通らない。逆に相手の攻撃は当たる度に力が無くなり、筋力を強化された腕でその身を殴られる。

 シェリフはテロスの絶え間ない攻撃にまともに触れることすらできなくなっていた。このままでは装甲の耐久値も時間の問題だろう。

 

 

「ハァ… ハァ…」

 

「2年前と変わらず、お前のその覚悟は目を見張るものがある。しかし覚悟を決めただけでは何も変わらない… そして今、この女は完全に私の身体の一部となった。もう救い出すことはできない。最もお前はここで死ぬ事になるのだから関係はないか」

 

「…… 佳苗は返してもらう。この世界も救う。あいつが成し遂げた事を今度は俺がして見せる。お前を再びこの世から消し去るッ!!」

 

「言葉だけでは何も変わらない。ならばやってみせろ」

 

「そのつもりだッ!!!」

 

 

 それからシェリフはテロスに向かって走り出す。テロスは両腕を形状変化させ、銃の形へと変えて機関銃のように連続して撃ち出した。

 それをシェリフは紙一重で躱していき、至近距離まで近づくと、殴られる瞬間に時を飛ばしてセイブドライバーの引き金を引く。

 

 

《アフターネクスト!! オーバーファイア!!》

「ハァァァァッッ!!!」

 

 

 アフターネクストの強烈なキックがテロスの腹部に炸裂する。凄まじい衝撃波が発生するが、テロス自身には全くと言っていいほど響いてはいない。

 そしてテロスはシェリフにデッドリーキラーズガンを構えて放つと、その威力に変身が解けてしまう。

 

 

「最後はお前の父、ミナツキの能力により殺してやろう。ここまで耐えた褒美としては素晴らしい事だと思わないか? 私ではなく自らの親に始末されるのだからな」

 

「テロスッ…!!!」

 

 

 流石に二度も助けはない。ここで全てが終わるのかと思われた。

 再び構えたデッドリーキラーズガンの引き金が引かれようとしたその時、テロスの銃に1発の銃弾が放たれ思わず手を離してしまった。

 

 

「くっ… 何者だ!!」

 

「何者だと? お前が1番よくわかってるイケメンだぜ!!」

 

「まさか… あり得ない…!! 何故お前がここにいる!! 兆ッ!!」

 

 

 永理と共に愛馬のバオに跨り銃を構えそこへ現れたのは、消えたはずの兆であった。

 テロスは目の前の光景を信じられなかった。兆には何かを依代とする力はない。だからこの場に現れているのはありえない事だったのだ。

 その隙に巧也は後退すると、兆は後ろに乗る永理からジェネラルXガンナイフを受け取ると、それを巧也に投げる。

 

 

「兆… お前どうして!!?」

 

「その話は後にしようぜ。それより巧也さん! それ使ってやってくれよ! 孝四郎さんが必死になって創り出したジェネラルXガンナイフだ! そいつなら今のテロスを簡単にぶっ飛ばせる!! 佳苗さんも救える!!」

 

「…… ありがとう。兆、永理… 孝四郎!」

 

 

 巧也はジェネラルXガンナイフを構え、テロスに向き直る。

 その目は今までの元とは違った。更に鋭く、それでいて真っ直ぐに彼を見つめる。全てを守る為に今一度、真の覚悟を決めた。

 

 

「お前の言う通り言葉でなく実際にやって見せよう。俺の覚悟がどれ程のモノなのか。テロス、お前のその身にわからせてやる」

 

「そのフィガンナイフは…」

 

「人々の平和は俺たちが守る。それが警察だッ!!!」

《GENERAL HUNDRED》《SET ARREST》

 

 

 セイブドライバーにジェネラルXガンナイフを差し込み右手をドライバーの引き金に指をかけ、左手を胸の前でグッと握って拳を作る。

 

 

「変身ッッッ!!!!!」

 

 

 そして巧也はセイブドライバーの引き金を引くと、巨大な銃が出現し、アーマーが舞い上がる。ラストデイズと同様に全身に装甲を身に纏い、そこへ更に被さるようにアーマーが装着される。

 そして胸に大きなXの字が浮き上がり変身が完了する。

 

 

《ジェネラルガンアクション!! シェリフ!! エマージェンシーコール!! ハンドレッドX!! バースデイ!!》

「── テロス。お前を捕縛する」

 

「プリズンハンドレッドと少し違うがそれだけだろう… 終わる事に変わりはない!!」

 

 

 テロスはエネルギーの矢を飛ばし、シェリフをダイレクトに捉える。それから続け様に何十本もの矢を放ち、辺りは砂埃が立ち込めて彼の姿は見えなくなる。

 所詮はこの程度の力だと思ったテロスは標準を兆たちに向けようとするが、身体が何故か動かせなくなっていた。

 

 

「な、なんだ…!! 身体が動かせない…!!」

 

「この程度で良かったと思うんだな」

 

「貴様ッ…ぐはっ!!?」

 

 

 ジェネラルはラストデイズのスペックを全て受け継いだわけではない。だが、能力だけは全て受け継いでいた。本来使うことができないはずのプリズンでさえも扱うことができる。

 時を飛ばして一瞬で近づき、テロスの動きを停止させ、倍化させた力で思いっきり殴り飛ばした。

 するとその瞬間テロスから佳苗だけが飛ばして地面に倒れそうになった所を受け止める。シェリフは彼女を兆たちの元へ運ぶ。

 

 

「バカな…!!!?」

 

 

 デッドリーキラーズガンを拾い上げ、銃口部分を押し込んむと、先端にエネルギーの塊が作られ始める。それをシェリフに向けて放つと、エネルギーの弾丸は地面を抉りながら真っ直ぐに飛んでいく。

 あの弾丸をまともに喰らえばひとたまりも無い。だが、シェリフはそこから微動だにしなかった。

 

 

「…ッ!!?」

 

 

 次の瞬間。テロスの放った弾丸はシェリフの手前で固定され、その位置で浮かび続けていた。

 シェリフはそれを背中を優しく押すように軽く押すと、 テロスが放ってきた弾速と同様のスピードで本人の元へと帰って行く。

 それに直撃したテロスは吹き飛ばされ、地面を無様に転がる。

 

 

「ぬぐぅ……ッ!!! 私が2度敗北するなど有り得ないッ!!!」

 

「今度はお前が零になる番だ。この世界からなッ!!!」

 

「貴様ァッッッ!!!!!」

 

 

 それからシェリフはセイブドライバーの引き金を引いて天高く飛び上がる。1〜12の数字がテロスに向けて一直線に並び、それら全てを蹴り抜けて行く。

 

 

《ジェネラル!! エックスファイア!!》

 

「全てを喰らう!! 喰らうのだッ!!!」

 

「うおぉおぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!」

 

 

 そしてシェリフの一撃でテロスの身体を突き抜けると、彼の胸に大きなXの字が浮かび上がり、全身にバチバチと火花が散る。

 

 

「私は… 消えるのか……!!! ぐぅぅ……ッ!!! 巧也ッ!!!」

 

「これで終わりだテロス。次は平和のトリガーとして生まれてくる事だな」

 

「ガッ!!! ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

「─── 任務完了だ」

 

 

 テロスはチリ一つ残さず、この世から跡形もなく消え去った──。

 

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 あれから1か月。

 全てが終わったこの国はウォンテッドの脅威がなくなり、いつぶりかの日常を取り戻した。これによりRIVERSは解散をせざるを得ない… と、思われたのだが、いつ再び脅威が訪れてもいいように引き続きRIVERSは警視庁に残るらしい。メンバーはその時までしばしの別れ。

 それから日を改めて、時間が合ったメンバー達は、BAR TRIGGERに集まって打ち上げをしている所である。

 

 

「── 兆は生き返ってわけではないということか?」

 

「実態はあるけどない。生きているようで死んでいるって感じ。触れるホログラムみたいな? まぁいずれは自分の身体を取り戻せるようにするけどさ」

 

「理由はなんであれまた再び集まれたんだ。よしとしよう」

 

「良くないッ!!! あのトリガーさんが薄々のハムみたいな状態とか絶対無理ッ!!! 孝四郎さん手伝ってくれるよな!!? この身体を元に戻すのをよぉ!!?」

 

「… ふっ、相変わらずだな」

 

 

 現在のバーはイッシュウが経営している。巧也がなんとか手を回してくれたおかげもあり、このバーだけは引き続き使用できていた。いつか兆が帰ってくるのを信じていたのもあるが、永理の必死の願いを受け止めたというのもある。

 すると兆が永理に近づこうとした瞬間、狩馬が永理を抱き寄せ、兆から遠ざける。

 

 

「おい兆ッ!!! 俺は認めてないからな!!! 否、認めたくない!!!」

 

「なんでだよ… 俺たちはもうこれがこうなってるんだからさぁ… ね? お兄さん?」

 

「お兄さんって言うなァァァァァッ!!!!!」

 

 

 また言い合いをし始めた兆と狩馬を永理がアタフタとしながら止めようとしている。

 そんな光景を見ながら、巧也は酒を飲み干すと、佳苗が空いたグラスに酒を注ぐ。テロスに取り込まれた彼女であったが、特にそれ以降は何事もなく生活できている。巧也は本当に良かったと心底思った。

 

 

「ねぇ巧也?」

 

「なんだ?」

 

「ありがとう」

 

「…… やめろ。小っ恥ずかしい。あれから何回言ったんだ」

 

「いいじゃないの〜。本当に感謝してるんだから… まぁえっと… これからもよろしくって言いたいのよ」

 

「そうだな。俺もよろしく頼む。これからも期待してるぞ」

 

「任せなさいよ。部長さん」

 

 

 世界は再び平和が戻った。

 しかし全ての脅威が無くなったわけではない。バラバラなってしまった彼らは… RIVERSは再び同じ場所へと集まるだろう。何故なら──。

 

 

 

── 次元の扉から這い出てこようとする。この世界を喰らう怪物が現れようとしていたのだから…

 

 

 

仮面ライダーシェリフ The end




以上です!!

次回、本当の最終回!!
「仮面ライダートリガー OneDay」

次回もよろしくお願いします!!

※必殺音追加しました
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