あらすじ
世界からウォンテッドがいなくなって平和を取り戻した現在。RIVERSは次なる脅威の時まで暫しの解散となっていた。そんなある時、崩壊したはずの次元の扉が再び開き、そこから謎の怪人が出現する。圧倒的なその力で世界を滅ぼそうとする敵に兆たちは……
それでは後編であり、本当に最後のトリガーどうぞご覧ください。
ここはBAR TRIGGER。
裏路地にひっそりと経営し、そこを知っている客は僅かであり、その殆ども常連ばかりである。現在いるのは、このバーのマスター… 二代目のな。カウンターにガタイのいい男… もいない。それとは対照的にモヤシのような男がここの二代目ってわけだ。
そんなバーに帽子を被ったイケメンと胃がブラックホール女が扉を開け、カラカラと音を鳴らし入っていくと同時にイケメンの方が叩かれる。
「いってぇ!! 何するんだよ永理!!」
「兆さん。何故かはわからないんですけどバカにされたような気がして」
「きっと気のせいだ」
「へぇ〜」
あれから更に3ヶ月の時が経った。今の兆は永理のバディとして日々悪党共と戦っている。もちろんその悪党というのはウォンテッドのような怪人ではなく、日常に潜む悪。窃盗や暴力、非人道的な行為をする輩を捕まえる。元々指名手配犯だった兆が、今では警察の仲間である… と言っても、警察になったわけではない。自由にやりたい彼から断っている。
そんな感じで今日は休暇であり、永理と共にバーへとやって来たわけだ。
2人は並んでカウンターに座ると、奥からイッシュウが出てきた。
「いつもの頼むぜ」
「お前も暇人だな。最近来たばかりだろ?」
「あれは休憩がてらに来たんだよ… べ、別にサボってたわけじゃないからね? ホントだからね?」
永理はそういう兆にこれでもかとジト目で見てきた。兆もそちらを見ないよう、そっぽを向いて目線を合わせない。
それから兆たちの前にグラスが2つ並べられる。2つとも中身はミルクである。
「…… それで兆。お前の身体はどうなったんだ?」
「ん?… あぁ、まだデータの身体さ。今は孝四郎さんと話し合いながら元に戻そうとはしてるが… まぁそう上手く事が進まないよな。それと皮肉な事にこの世に居られるのは、テロスが俺をフィガンナイフに閉じ込めたおかげだ。全く複雑な気持ちだぜ」
「いつか治るだろうよ。お前には幸運の女神が付いてるんだからな」
「幸運の女神…? あー……」
イッシュウにそう言われ、兆は永理の方を見ると既にグラスのミルクは無くなっていた。そして色々な感情が彼の全身を駆け巡り、出した答えはこれである。
「やっぱり歩くブラックホール搭載掃除機だな」
「せいっ」
その瞬間、永理による綺麗な正拳突きが横っ腹に突き刺さり、兆は床を転がって悶えている。イッシュウもそれを見るなり自業自得だと、首を横に振り永理のグラスにミルクを注ぐ。
「お前も苦労してるな」
「いつも通りですよ… まぁそこが兆さんのいい所というか…」
「ホント変なコンビだなぁお前ら」
「私は変じゃありませんよ兆さんが変なんで── あ、すみません電話が… はい内嶋です…… わかりました。兆さん!」
床で転がっていた兆てあったが、永理のその表情を見るなり事態を把握した。どうやら事件のようだ。ここはトリガーさんの出番だと早速行こうとする兆であるが、永理はそれを引き止める。
「ちょっと待ってください兆さん!」
「な、なんだよ。どーせあれだろ? 窃盗とかチンケな感じのやつじゃないのか?」
「兆さん。今セイブドライバーは持ってますか?」
「セイブドライバー? 持ってるわけないだろ。孝四郎さんところに置いて来てるし…」
「なら、急いだ取りに戻りましょう!」
「だから一体何だって言うんだ? まさかウォンテッドでも出たのか?」
「…… はい」
「… おいおいジョーダンならその胃袋だけに… わかったよ。すぐに戻ろう。RIVERSメンバー再集結だぜ!!───」
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兆と永理はRIVERSに急いで行くと、既にいつものメンバーたちが揃っていた。全然会ってない訳でもなかったが、何故かとても懐かしく自然と嬉しさが込み上げてくる。
しかし、そうは言ってられない。ウォンテッドが現れたという予想外の事態。全員席に着くなり巧也が話し始める。
「皆、まずは久しぶりだな。ここに集まるのももう数ヶ月前となるが… ただ、今は昔話をしている場合じゃなくなった。予想外の事態が起きた。街にウォンテッドが出現したという情報を佳苗からもらった」
「えぇ、この反応は信じたくはないけど確実にウォンテッドよ。それも一体だけじゃないの。複数体確認されているわ」
「…… どうやら危惧していた脅威というのが来てしまったという訳だ。まずはウォンテッドの殲滅から入る。兆、狩馬はわかっているな? 永理は避難誘導。佳苗は情報が入り次第また連絡をしてくれ。孝四郎は…」
「準備できてますよ課長… じゃなかった部長。セイブドライバーとキカンドライバーの調整はバッチリですよ」
「よし… RIVERS出動だッ!!!」
「「「「了解ッ!!!」」」」「あい」
兆たちが出て行った後、残った佳苗と孝四郎はこの異様な事態について少し話しをした。
ウォンテッドはキラーズガンという道具を用いて強力な力を手に入れる事ができる。例外もあるが、基本的にはキラーズガンを使わなければそうはならない。今回の件で可能性として考えられるのは、あの銃が再び作り出されたという事になる。
「だけどこんな短期間でキラーズガンを大量生産できると思う? あり得ないわよね?」
「仮に技術者がいたとしても、既にこちら側の戦力は把握しているはずです。勝てる確率が低いのに攻めてくる事なんてまずやらない…… デッドリーキラーズガンでさえ2年かけて作り出して破壊されたのに、こんな短期間でそれ以上の物を作り出したというのも考えにくいです」
「そうよね。キラーズガンだけで攻めてくる訳ないわよね…… 今回の件、嫌な予感がするわ。何か今まで異常に危険な感じがするの」
「僕もです。この地球に何か恐ろしいモノが再び迫っているんじゃないかって…」
「…… ん? 何かの反応───ッッッ!!? これってまさか…!!」
「ど、どうしたんですか!?」
「この位置と出現場所… 間違いないわ。2年前と同じ!!」
「一体何があったんですか…?」
「─── 次元の扉が現れたのよ」
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「お、おい…… 何だよこれ… ウォンテッドだけじゃねーのかよ!!?」
「…… 兆。アレは完全に崩壊したはずだろう? 何故、再び開いているんだッ!!!」
「おうよ巧也さん。あの時、確かにぶっ壊れたはずだぜ… だけどこれを見る限りだとそうも言ってられないよな」
既に3人は視認していた。佳苗から巧也宛てに連絡が来ているのだが、最早それに対応するどころではない。
2年前と同様の場所。空は裂けて、周りに禍々しい雲が裂けた中心を囲うように並んでいる。まさにあの時と同じ状況なのである。次元の扉が再び開き始めたのだ。
「巧也さん。疑うようで悪いんだけどさ。テロスは完全に消えたんだよな? この世のどこにも存在してないんだよね?」
「絶対的な自信を持てるくらい確実にあいつを仕留めたと言える。だが、一体なぜ次元の扉が開いた……」
「… どうやらその答えはあいつが知ってそうだぜ」
兆が次元の扉に指を差し、2人は揃ってそちらを向く。
扉から街を1つ掴み上げてしまうほどの巨大な手が出現する。手は扉を…基、空の裂け目を更に広げていく。そして広がった中心部から姿を現したのは、巨大な手とは対照的に大人の男性と変わらない大きさの怪人がゆっくりと地上へ降りてきた。巨大な手は怪人が降り立っても尚、裂け目を広げ続けている。
それから兆たちは、それぞれセイブドライバーとキカンドライバーを装着し、いつでも変身できるよう構える。
「テロスとは全く違う。あれが同じ生物? でいいのかわからないけど、なんなんだろうこの胸騒ぎ…… すっっっっごいまずい気がするんだけど」
「とにかく話し合いで済みそうにない! 行くぞッ!!」
《ONE》《SIX》
《SET》
「「「変身ッッッ!!!!!」」」
《ファーストガンアクション!! トリガー!! リボルヴリボルバー!!》
《シクスガンアクション!! シェリフ!! オートアアート!!》
《壱式!! ギアチェンジ!! ゲツヨウ!!》
それぞれ変身終えると、明らかにこちらに近づいて来ている怪人の元へと駆け出す。近づけば近づくほど、近寄られれば寄られるほど、その圧はトリガー達の身体にヒシヒシと伝わってくる。
怪人まで近づくと、トリガーゆっくり前へと出てコンタクトを取ろうとする。
「はーい。地球のエリアA内にようこそ〜!…… あ、なに? 冗談通じない人? そう… で、あんたは何しにここへ来たんだ? 観光ってわけでもないだろ」
「………」
「黙りは女の子に嫌われるぜ。モテる男の秘訣を教えてやろうか? 大丈夫だ。聞かれずとも教えてやろう」
いつもの軽い感じのトリガーにシェリフは手が出そうになるが、狩馬が止めに入り後ろへ下がる。
明らかにふざけている態度ではあるのだが、怪人はまるで虫のように表情がわからない。その容姿は何処かトリガーに似ていなくもない。ただ見た目が悍しく、関節から何までが生物っぽさが出ている。
「もしもーし、とりあえず何をしに来たのかだけでも教えてくれよ──」
「我ハ『ファースト』。コノ世ヲ食ウ」
「え? なんて? 今、とんでもないことが聞こえた気がするんだけど…」
「全テヲ喰ラウ…!!」
次の瞬間、ファーストと名乗った怪人が両手をバッと広げると、凄まじい衝撃波により全員が壁に吹き飛ばされた。
トリガーたちはすぐに体制を立て直し、銃を構えて一斉に射撃する。
「… ちぃっ!! 冗談じゃねーぞ!!」
「あーもう絶対強いと思ったよ!!」
トリガーたちが放った銃弾はファーストの半径1m以内でその場に止まっている。ファーストは人差し指を振るうと、銃弾は全て逆の方向を向き、弾くような仕草をした瞬間、弾は一斉にトリガーたちへと帰ってきた。
「ぐわぁぁぁっっ…!!!?」
「… やっぱり本気でやるしかないっぽいぜこれ!!」
やはり只者ではないと悟り、体制を再び立て直すと、それぞれ今ある最強のアイテム。フロンティア、ジェネラル、漆曜式をセットして変身する。
《フロンティアガンアクション!! ピーストリガー!! エブリバディフォーエバー!!》
《ジェネラルガンアクション!! シェリフ!! エマージェンシーコール!! ハンドレッドX!! バースデイ!!》
《漆曜式!! ギアチェンジ!! スタート!! ニチ・ゲツ・カ・スイ・モク・キン・ドッ!! オールウィーク!!》
それから変身を終えた3人はファーストを囲み、シェリフの合図と共に一斉に飛びかかる。圧倒的力を見せるファーストであるが、3人の現最強のフォームでなら手も足も出ないだろう、と誰もがそう思っていた。
しかし3人の同時攻撃を避けながら、逆に自らの攻撃を確実に当てていく。
「どうなってるんだこいつ…!!」
「俺たちの能力が効いていない… いや、打ち消しているのか?」
そしてファーストは手を何かを握るような形に変える。あの形をここにいる3人はすぐに気づく。何故なら銃を握っている仕草なのだから。
仕草だけであるならばよかったが、そこへ何処からともなく銃が出現する。どう見てもフォーエバーピースメーカー… トリガーの銃である。
「お、俺のはここにある…… ッ!!? こいつコピーできるのか!!? さっきから動きがおかしいのもそのせいだ… 俺のフロンティアの無限回転エネルギーはどんなものでも突き破るはずなのにさぁ」
フロンティアでの攻撃をファーストに行った時、全てを受け流すはずであるのにも関わらず、ファーストからの攻撃を喰らってしまった。フロンティアの力を止めるにはテロスのように零にするか。又は無限回転とは逆の回転をぶつければ良い。この2択だけ。
その2択の後者を仕掛けてきたのはファーストである。他の2人も同様にコピーされ、簡単に返されてしまったのだ。
そんな事を考えていると、無限回転が乗った銃弾がファーストより放たれた。当たれば装甲を貫いて最悪の場合即死である。
「巧也さん!! 狩馬さん!!… くっ!! うおぉぉぉらぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
シェリフとハントが喰らったらの話しだ。トリガー自身が食らえば相殺できる。
しかし相殺できるからと言って、そのダメージが半減したりするわけではなく、フロンティアの威力が直撃でその身にダメージが入るという事。
兆は変身が解け、力なく地面に倒れ込む。
「ガハッ──」
「き、兆ィィィィィッッッ!!!!!」
「おい巧也ッ!!! ここは一旦引くぞ!!!」
「… わかった…… ハッ!!」
シェリフは兆を抱え込むと、ジェネラルの能力… ラストデイズの力を使い、一瞬にしてその場から消え去った。ファーストは消えた3人を追う事はせず、また空へと帰って行くと、バリバリと巨大な手で空の裂け目を大きくして行く。
「全テヲ喰ラウ… 飲ミ込ム────」
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「佳苗。次元の扉の様子はどうだ?」
「テロスの時は0という数字が出てきただけでしょ? 本来ならあのまま全ての記憶を吸い込むつもりだったんだろうけど… 今回のこの敵。ファーストは次元の扉を徐々に広げているのよ」
「次元の扉を広げている? テロスの場合は記憶を一斉に奪うために…… 待てよ。まさかだとは思うが、こいつは記憶だけでなく、世界そのものを喰らおうとしているのか?」
「… 巧也の言う通り、次元の扉から発せられるエネルギーは更に強くなってきているの。もし何も対策しなければ世界は……」
「ただファーストに対抗できる手段がない。相手の能力を真似るとなると… 一体どうすれば良いんだ…」
一向はRIVERSに一旦戻り、対策を練ろうにも今は何も思いつかない。巧也と佳苗が頭を抱えている最中、研究室でも兆と孝四郎も同じく頭を抱えていた。ファーストに対抗できる新たなフィガンナイフを製作するつもりであったものの、全てコピーされているとなると、全く新しいものでありそれでいてコピーされないような機能をつけなければならない。
「いや無理だろ!!!?… いたたっ…」
「皆のフィガンナイフの力は奴に一瞬でコピーされてしまう… でも、今あるフィガンナイフを超えるアイテムを作るなんて一体いつまでかかるんだ? そんな時間はない。時間をかけたとしてもできるかどうか…」
「今回ばかりは励ましの言葉を添えたとしても無理だな。マスターが残してくれた無限回転の装置と永理の奇跡が創り上げたフロンティアフォーエバー。孝四郎さんには悪いがジェネラルハンドレッドXよりは強いと思っている。だからこそなんだ。奇跡とかが起こらなければ、今の俺たちに勝てる道はないと言う事」
「全くその通りだよ。その通り過ぎて… 奇跡か。もう神様に縋るしか方法はないのかな…」
「いや待てよぉ…… もしかしたらこれなら──」
するとRIVERSの扉が突然開き、狩馬と永理が帰って来た。2人は住民への避難や報告を行っており、それが終わって戻ってきたのだが、血相を変えておりただ事ではない様子。
それと同時にRIVERS内に警報が鳴り始める。
「何事だッ!!?」
「ちょっと待って…… こ、これは…!! 次元の扉が更に開いてる!! 空を覆い尽くすほどの!!」
「どうやら一刻の猶予もないようだな… 兆!! 狩馬!!」
「あぁ、行くぜ!!… おい兆!! 急げ!!」
巧也と狩馬に呼ばれた兆は研究室から出ると、何かを思いついたのか笑顔を見せる。2人もその顔を見ると自然に笑顔が溢れる。何故かはわからないが、勝てそうな気がしてきたのだ。こんな状況でなんの根拠もない。ただやれる気がする。
3人は外へ出ようとすると、永理が近づいてきて火打ち石のように見える石を持っている。
「部長!! 兄さん!! 兆さん!!… 頑張ってください!! 今日の皆さんも──!!」
「勝利の日ッ!!!… だろ? 行ってくるぜ永理!!!」
永理はカンカンと石を叩くと、3人は次元の扉へと向かう──。
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そして兆たちは再び次元の扉へと向かっていた。まだ向かう途中であるが、扉の真下の建物は崩壊し、空の裂け目は街の1つや2つの問題ではないほど大きく広がっていた。全てを飲み込むという言葉通り、真下の街は既に扉の中へと飲み込まれているようだ。
「… 巧也さん。狩馬さん。敵さんも準備できているようだぜ」
すると何処からともなく周りからウォンテッドが溢れ、一瞬にして兆たちを囲む。兆たちもそれに合わせてドライバーにそれぞれフィガンナイフとギアナイフをセットして変身する。
フロンティア、ジェネラル、漆曜式になった3人は雑魚を倒しながら扉へと急ぐ。
「そんなんで俺たちを止められると思ったら大間違いだ!!」
そしてハントは横から迫る敵をコンクリートを操って叩き潰し、真正面にいる敵をトリガーとシェリフの同時射撃で一掃する。最早この3人の敵ではなく、順調に目的の場所まで向かっていく。
「おぉっと!!?」
「次元の扉へ近づくにつれてウォンテッドの数が増えてきている…!!」
先ほどとは比較にならないほどのウォンテッドの群れ。3人は呼び出しているのはファーストであると確信はしているが、もう一つ確信することができたのだ。それはこのウォンテッド達が能力がヤヨイのものであるという事。ヤヨイの能力は見た目の通り雑魚を呼び、強化していくのだ。その特徴によく似ている。
「巧也さん。狩馬さん。どうやらファーストの能力はコピーじゃない。記憶を再現できるんだ。この光景は俺の記憶の中で見覚えがあるし、やられたこともある」
「次元の扉は他の次元へと移動する架け橋であり、世界の記憶を奪うほどのエネルギーを持っている。あの怪物はきっと俺たちの記憶から作られたものだ。根本的な原因のテロスの執念という記憶を元として他の記憶で肉付けしていった。だから奴のやるべき事はただ一つ。世界を喰らうという事のみ」
「…… 記憶を再現する力か。全く訳わからない化け物を生み出して散りやがってあの野郎…!!」
更に増え続けるウォンテッドたちにシェリフとハントは立ちはだかる。
そしてトリガーの背中を押して、次元の扉まで行くように告げる。2人はここで残り雑魚を相手するらしい。
「2人とも…」
「ここは俺たちに任せろ。兆、お前は次元の扉へ行け。ここで食い止めなければ、街も吸われる前にこのウォンテッド達によって崩壊させられる」
「後は任せたぞ。つーか俺が行ったところで勝てないのわかってるからな。俺は勝つ確率が高い方を選ぶぜ…… 妹が選んだ男だ。きっと上手く行くだろうよ」
「帰って来たら妹さんはもらいますので、ではお願いしまーす!!!」
「あ、てめぇ!!!…… けっ、負けるなよ」
2人はその場に残り2年前と同じように、いやそれ以上のウォンテッドと対峙するのであった───。
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「どけどけっ!! 本当にどけぇ!!!」
近づく雑魚たちを掻い潜り次元の扉を目指しているトリガーであったが、何故か周りの敵が気付かないうちに別の者に変わっている事に気づいた。
ウォンテッドかと思われたそれは全くの別物であり、今までに類を見ない怪人である。
「な、なんだ? こいつら? ウォンテッドじゃない……?」
そして謎の怪人が襲いかかって来たが、フロンティアの力で近づく敵を一掃するがすぐにまた新しく増えていく。
いつまでもループしていたら先へは進めない。
「あーもう畜生ッ!!! なんなんだお前ら!!?」
それからまた謎の敵が飛びかかってくるので、再び構えて受けようとした次の瞬間である。
何処からともなく謎の音声が聞こえ、目の前にいた敵を全て蹴り抜いていく。トリガーは何が起こったのか分からず、辺りを見回すと目の前に自分とよく似ているようで違う。そんな仮面の戦士がそこにはいた。
「あんたは一体……」
全て倒したはずだったが、やはりまた周りからワラワラと現れ始める。トリガーは謎の敵に対応しようとするが、仮面の戦士は手の平をこちらに向け静止させる。
そして仮面の戦士は口を開く。
「えっと… あなたはここの世界の人ってことでいいですか?」
「あ? まぁうん。ていうか、あんた誰よ」
「僕は仮面ライダーアベンジと言います。ここにいるジェスターは僕に任せて。あなたはやるべきことがあるんでしょう?」
「お、おう!! なんだか分からないけど…… 仮面ライダーアベンジか…」
「ん? どうしました?」
「なら、俺は仮面ライダートリガーだ。あんたとはまた会える気がするぜ」
「…… 僕もです。不思議ですね… さ、行ってください!!」
「ありがとよ!! 任せたぜアベンジ!!」
トリガーが去った後、アベンジと名乗った仮面の戦士はジェスターと呼ばれる怪人たちの方へと向き直る。
そしてジェスターに人差し指を向けて言い放つ。
「よしっ!! トリガーさんに変わって── 逆襲だッ!!!」
アベンジは走り出し、ジェスターを殴って吹き飛ばすと、迫ってくる他の敵にもパンチやキックで対応する。その間、一切武器を使用しない。いやまず持ってない。
「なんで僕は武器ないんだろ…… まぁいいや。そろそろお終いにしよう。お互い怪人同士なんだから争うこともないよ」
それからアベンジは怪物の口のようなドライバーの上部を叩き、凄まじい脚力で天高く跳び上がる。遥か上空からジェスターの群れに向けて飛び蹴りを放つ。
《GOODBYE!! アベンジタイム!!》
「ハアァァァ…… ハァァァァァッッッ!!!!!」
そのエネルギーは纏った蹴りは全ての怪人を倒すと、アベンジの表情は仮面で見えないが、下を向いて肩を落とす。
「怪人も人間も関係ない。そんな世界ができたらいいのにな──」
そしてアベンジの身体は消え始め、トリガーの向かった方向を見ながら何処かへと消えていった───。
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トリガーは何とか敵の群れを潜り、次元の扉の真下までやってきた。
それを待っていたかのように、ファーストが扉から出てきてトリガーの前まで降り立った。先程はフロンティアが手も足も出なかったからか、トリガー自身にとてつもない不安が押し寄せる。
「ただ今回は策があるぜ。お前をぶっ倒すとびきりの策が!!」
「全テヲ…… 喰ラウ…!!」
「やってみろよ!!!」
不安をかき消すような大声を上げるトリガー。そのままファーストへと走り出し、顔面に1発、渾身の力で殴り抜ける。何度も殴り続けるトリガーに対し、ファーストは涼しげな顔でそれを受ける。打ち消しているだけならダメージは負うはずだ。
「… ぐっ!!」
記憶を再現するというファーストの能力は、硬化をさせる事によってそれを無効化しているのだ。
トリガーはただ殴っているだけ。生身で硬い岩を殴り続けていただけ。だからファーストには全く持って無意味な行為。
それからトリガーは拳を受け止められ、あらゆる能力を付与したファーストの拳を1発喰らって吹き飛ぶ。たった1発のパンチが重く、鋭く、いとも簡単に装甲に大きなヒビが入った。
「こんなもんで… 倒れると思うなよッ!!!」
そしてトリガーはフォーエバーピースメーカーを取り出し、ファーストの全身に弾丸を撃ち込んだ… ように見えただけであり、やはり途中で止められており全てそれがトリガーへと帰ってきた。
更に追い討ちでファーストも同様の武器を取り出し、トリガーが立ち上がることができないまでに、まるでマシンガンのように絶え間ない射撃が彼を襲った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!??─── アッ…ガッ……」
全身を余すことなく撃たれた兆は変身が解ける。無様に転がる彼に再び照準を定める。今度は確実に仕留める為に心臓部に銃口を向けた。
「…… まぁだよな。殺すつもりだよな…… 最初はこれでいい。確かめたかったんだよ。フロンティアが通じないか否かを」
兆は今にも倒れそうなくらいフラフラとしながら立ち上がり、それからフロンティアガンナイフとファーストガンナイフを取り出し、その2つを思いっきり打ちつけ合うと、不思議な事に光を放って1つのフィガンナイフへと姿を変えたのだ。
「フロンティアとファーストはテロスと戦っていた時、奇跡が起きて1つになった。俺はその力で奴を倒す事ができたんだ。だけどこれはただの奇跡じゃない… みんなの想いが重なってできたフィガンナイフ」
そのフィガンナイフ… ファーストレイトガンナイフを構え起動させると《BEST ONE》という起動音が流れ、それをセイブドライバーへ《SET》する。
兆は手を銃の形にし、天に掲げてからゆっくりと下ろしファーストに向ける。
「俺の名は仮面ライダートリガー。この世界の!! 未来の!! 人々の!! 平和の引き金だッッ!!!── 変身ッッッ!!!!!」
そしてセイブドライバーの引き金を引くと、砂嵐と共にファーストの装甲を身に纏い、その後にフロンティアの装飾品が付けられる。この2つと異なるのは煌びやかな銀色になっているという事。
《ファーストレイトガンアクション!! トリガー!! ザ・ベスト・オブ・トリガー!! イーハー!!》
「── 今日がお前の誕生日だ」
「喰ラウッッッ!!!」
ファーストが放った弾丸を避けると、トリガーは一瞬にして目の前まで現れ、拳をグッと握り腹部に一撃をかました。だが、ファーストの硬化によりトリガーの拳はやはり通らない。
「俺は止まらない… お前が俺の前に居続ける限りな!!!」
もう1発トリガーの殴打が迫るが、まるで避けようとせずにファーストはそのまま食らった。しかし避けずに受けたファーストは後悔することになる。
何故ならトリガーの拳は硬化をモノともせずに突き抜け、ファーストの腹部の装甲を粉々にして吹き飛ばしたのだ。
「まだまだこんなもんじゃ終わらないぜッ!!!」
何が起こったのかファーストにもわからない状況であった。思考が追いつかないまま、今度は顔面に回し蹴りを喰らい、そのまま地面に叩きつけられる。
「記憶って言うのはなんでも詰め込める。なんでもだ。お前と同じだぜ…… お前が記憶を再現するなら、俺は今ある記憶より更に上を行くッ!!!」
「喰ラウ… 喰ラウゥゥゥガァァアァァァッッッ!!!!!」
ファーストは記憶を再現する。そしてこのファーストレイトは記憶したものが自分よりも上であるなら、その記憶よりも更に上回るようになる。
ファーストレイト。一流のガンマン。最上には常に1人。彼を追い越すものがあるならば、彼は更にそれを超える。
そして咆哮を上げながら近づくファーストを次元の扉に目掛けて蹴り飛ばし、セイブドライバーの引き金を引く。
「これで最後だッ!!! ファーストォォォッッ!!!!」
トリガーは飛ばされたファーストに跳び蹴りをし、そのまま次元の扉へとぶつける。巨大な手がトリガーを捕まえようとしてくるが、それさえも突き抜けると、次元の扉に大きなヒビが入っていく。
《ファーストレイト!! ファイア!!》
「今日の俺もォォォォォォ──── 勝利の日ィィィィィィッッッ!!!!!」
空の裂け目はガラスのように割れると、それと同時にあちこちガラスのように割れていく。そして破裂したエネルギーはファーストの元へと瞬間的に集まると、パッと光り、ファーストと共に大爆発を引き起こした。
「ぬぅッ… ぐぅぅぅ……ッッッ!!!!」
凄まじい爆発が終わると、空はいつも通りの青さを取り戻し、全てが何事もなかったかのように消えてしまった。そしてトリガーも何処かへと消えてしまっていた──。
─── 全てが終わった後、RIVERSメンバーは次元の扉の方まで急いで駆けつける。兆の名を叫ぶが彼の声は聞こえてこない。
巧也と狩馬はそこら中の瓦礫をどかして呼び続けている。
「兆ィィィッ!!! 妹を貰うとかバカなこと言っといて消えてんじゃねーぞこらぁ!!!」
「何処かだ… 頼む出てきてくれッ… !!!」
力仕事が苦手な佳苗と孝四郎だが、この時ばかりはボロボロになりながらも捜索を続けていた。何度叫ぼうと返っては来ない兆の声。
永理は涙が出そうになりながらも必死に彼を探した。何度も名前を叫び続けた。
「兆さぁぁぁあん!!! 返事してくださぁぁぁぁい!!!!!」
しかし彼女の叫び声は虚しく辺りに響くのみ。狩馬はそんな彼女の元へ近づこうとしたが出来なかった。
皆が諦めかけ、巧也は警視庁に電話し応援を頼もうとした時、永理は空に大声で彼の名前を呼んだ。
「兆さぁぁぁあぁぁぁぁぁぁんッッッ!!!!!」
「── いってぇ!!!」
「え…?」
足元の瓦礫から声が聞こえた。永理は巧也たちを呼ぶと、協力して瓦礫をどかしていく。
するとそこにいたのは紛れもない兆本人が埋まっていた。一同が安心した瞬間、蛇口を思いっきり捻ったかのような涙を出しながら、永理は兆に抱きついた。
「よがっだぁ!!! よがだでずぅぅぅぅぅぅ!!!!! 死んだのがと思っだァァァァァァ!!!!!」
「勝手に殺すんじゃねぇッ!!!… ってかお前鼻水付けんな!!! 後、ついでに鼻もかむなぁっ!!!」
「うえぇぇぇぇぇぇん!!!」
「俺のお気に入りの服がァァァァァァァ!!!!!」
全員、不思議と笑いが込み上げてきた。涙は出ているはずなのに笑顔になった。無事が確認できると、巧也と狩馬は兆に肩を貸し、RIVERSへと戻っていくのであった───。
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── あれからまたいつもの日常が戻った。
やはりRIVERSは必要と判断した巧也は上へ申し出て、部長から再び課長へと戻り、またここの司令塔として働いている。部署が変わりそうになった佳苗も孝四郎も引き続きRIVERSに残った。狩馬の方もちょうど配属先が決まっていなかったので、RIVERSの一員として配属された。
… とまぁ、こんな感じでこれからも俺たちはRIVERSとして戦っていくということで。あ? あぁ、そうだった。俺と永理がどうなったかって話だろ? それはもちろん──。
「── 兆さん。生涯永理さんを守り続け、笑顔を絶やすことなく、幸せにすることを誓いますか?」
「佳苗さんそれは当然の事よ。誓うぜ」
「永理さん。どのような時も兆さんの支えとなり、生涯愛し続けることを誓いますか?」
「はい。誓います」
「兆さん。永理さん。お互いの家族を大切にして、幸せを分かち合い、温かい家庭を築くこと… きづ…… うぅ… ごめんなさい。涙が出てきちゃって…」
「佳苗さんファイトです!!」
「えぇ、ありがとう… お互いの家族を大切にして、幸せを分かち合い、温かい家庭を築くことを誓いますか?」
「「はい、誓います」」
周りから口笛や拍手の音が聞こえる。兆と永理はあの後、暫くして式を挙げたのだ。RIVERSのメンバーだけではなく、ここ最近で知り合った大勢の人たちに、仲間に見届けられながら2人は唇を合わせる。
その瞬間、更なる拍手と声が響き渡る。
「これからも末長くよろしくお願いしますね。兆さん」
「任せろ。幸せ過ぎても文句言うなよ永理」
「大好きです」
「あぁ、俺も好きだぜ」
仮面ライダートリガー OneDay The end
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「あ、はいもしもし…?」
「………ッ」(手を銃の形にしている)
「はい…?」
「………ッッッ」(手を銃の形にしている)
「あの〜そちらで何かポーズ取られても困るんですけど…」
「── 言っただろ?」
「え?…… あぁ…… えぇ、まぁ確かにそうでしたね」
「いつかまた会える… ってな?」
仮面ライダートリガー To be continued…
はい!これで本当に「仮面ライダートリガー」は終了です!!
皆さん長い間、本当にありがとうございました!!!
話数に誤りがあったなんて事もありましたがなんとか無事に終わらせられました…
ここまでのご愛読本当にありがとうございました。皆様に圧倒的感謝を!!!
それではまたどこかでお会いしましょう!!さよなら〜〜!!!!!
ん?また流れが変わったなぁ……
この世に蔓延る怪人であり悪の組織「ジェスター」
世界にその名を轟かせたジェスターは徐々にその勢力を拡大していった…
しかしそんな彼らに立ち向かった者がいた。
その名は仮面ライダー。
彼との死闘の末に敗北し、組織は壊滅。世界には平和が訪れた………
その数十年後、怪人と人間は友好条約を結ぶことになったが、その内容は怪人には人権がない理不尽な内容だった。もちろんそれを良しと思わぬ過激派は人間に反旗を翻しす。
この物語の主人公「イナゴ / 稲森」は平和な怪人であり争いを好まないが、ひょんな事からアベンジドライバーを手に入れ、「仮面ライダーアベンジ」へと変身してしまう。
今は亡き仮面ライダーの父を持つ現在の「仮面ライダーエース」の「羽畑 陽奈」は反逆する怪人から人々を守る為に戦う。
ある出来事を境に始まったイナゴと陽奈の戦い!! それは同時に怪人と人間の争いの始まりでもあった!!
勝つのは果たして怪人か!! 人間か!!
新連載!!!【 仮面ライダーアベンジ 】!!!
「僕が戦うの…? 嘘でしょ!!?」
来週土曜よりスタート!!! 今後ともよろしくお願いします!!!