仮面ライダートリガー   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。第2話でございます。

トリガーを逃した罪は重いゾ

すっごい今更なんですけど、行の最初に1マス空けた方が見やすい…? 見にくい…? これもうわかんねーな……(ぶっちゃけ面倒だったのでやって)ないです。
読者兄貴達はどう思います?

とりあえず本編、それではどうぞご覧ください。


第2劇「二丁拳銃」

「永理」

 

「… はい」

 

「自分がやった事、わかってるな?」

 

「… はい、トリガーを逃がしました…」

 

「なぜ、逃がした」

 

「あ、あの人は子供を助けてくれましたし… それに今回のウォンテッドの件はトリガーがいなければ…」

 

「あいつはそれすら計算のうちだッ!! いいか!? あいつはウォンテッドと繋がりがある筈だ!!! それからお前も俺の元を離れて、危ないところだったんだぞ!!? あのトリガーと接触した時点でお前は…!!」

「落ち着いてください課長!! 永理さんの言う通り、トリガーがいなければ、今回2人はどうなっていたかわからないですし!!」

 

「…… そうだな。すまん永理」

 

「いえ… 申し訳ございません」

 

「…あぁ」

 

 

 険悪なムードが漂うRIVERSの室内。巧也は腕を組み、椅子に深く座る。眉を下げ、悲しげな表情をしながら、永理は椅子に座る。落ち着かせる為に割って入った孝四郎は永理の元へ近づき、耳元で囁く。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「すみません。ご迷惑を…」

 

「いいですよ。課長はトリガーの事になると、いつもああなんです」

 

「… 課長はトリガーと何かあったんですか?」

 

「そうですね… 課長の両親について知ってますよね?」

 

「はい、存じてます… 父は警視総監。母は外科医でしたよね。でも2人は…」

 

「トリガーによって… 射殺されたそうです」

 

「えっ…!!?」

 

 

 永理は思わず声を上げてしまった。全員その場で驚き、彼女に視線が行く。

 

 

「… 孝四郎。お前…」

 

「彼女もRIVERSの仲間です。いずれ知らなければならないかと… それに事情を説明しておいた方が、永理さんも考えを改めるのではないかと思いまして、すみません」

 

「… そうか… そうだな、ありがとう。という事だ永理。親を殺されたからっていうのもあるが、それより奴の考えが分からない以上、下手なことはしたくないんだ。分からないっていうのが何よりも怖い。市民を危険に晒す真似は… 警察として絶対させたくない」

 

 

 巧也がここまでトリガーに対して感情を抱いていたなんて知りもしなかった。しかし、彼の過去を知った上でも、トリガーを悪だと、どうしても永理は思えなかった。昨日の出来事の中で、人間性は決してウォンテッドのそれとは違うと思う。確信してはいない。だから捜査する。

 そして、ふとあの人物を思い出す。昨日の例の男である。見たこともない銃を持ち、戦っていたあの男なら、トリガーについて少しくらい情報を得られるかもしれないとそう思った。

 

 

「課長… わかりました。次はこのような失態がないよう気をつけます… 少し風に当たってきます」

 

「あぁ、行ってこい」

 

 

 永理は部屋を出ると、すぐさま自分の足で調査に向かう。

 しばらく静まり返っていた部屋だったが、佳苗が口を開く。

 

 

「課長。ちょっと言い過ぎたんじゃない?」

 

「… わ、悪かったと思ってる」

 

「ジョーダンよ。それより… エリアAで… まぁここで、トリガーの目撃情報が出てきたわ」

 

「なにッ!?… どこだ」

 

「場所は───」

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

 BAR TRIGGER。兆が住み込む場所である。そんな中で、今日も何やら騒がしい様子。

 

 

「ガンホーレさん。そろそろミルクネタやめません?」

 

「ネタでやってるわけじゃねーんだよ!! そろそろ気づきやがれ!!」

 

「……はっ!! まさか金がない俺のために…!!? うぅ… な、なんて優しい人なんだ…」

 

「違うッ!! お前を馬鹿にする為にやってるんだよッ!!」

「え、それ言ってもいいんですか団長」

 

「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!???」

 

「はははっ!!今更気づいたか!! そうだ、俺はお前を馬鹿にしていた!!」

「なんで団長嬉しそうなんですかね」

 

「ウオォォォォォッッ!!!」

 

「ハハハハハハハハハッッッ!!!」

「何この状況」

 

 

 マスターはそれを薄く微笑みながらグラスを拭いている。これが日常になっているなんて側から見たらヤベーイ奴らの集まりである。現にさっき来た客も引いて帰った。完全に営業妨害だ。

 

 

「あ、そうだマスター」

 

「なんだ?」

 

「ほら、俺って記憶ないじゃん? マスターの所へ来たのだって、あの例の男がここ紹介したからだったし…」

 

「そうだな」

 

「今まで聞かなかったけど、あの人と知り合い?」

 

「… まぁ、多少はな。昔はよく店に来ていたよ」

 

「ホントに俺ってどっから来たんだろうなぁ… マミーとパピーは元気かな…覚えてないけど」

 

「いずれわかるさ。お前は今出来ることを精一杯やれ」

 

「わかってるよ。トリガーの仕事だろ」

 

「違う、家賃だ。冗談はそれを払ってからにしろよ」

 

「… はい」

 

 

 そうし兆はマスターに金を渡し、ガンホーレとイッシュウの2人に酒を1杯ずつ出すように言って、外へと出て行く。

 今日も晴天なり。この太陽は俺にとっちゃスポットライトさ。俺を輝きで包み込み、目立たせてくれている。こんないい天気に変な奴に会いたくないもんだぜ。

 

 

「えっと、ナントカさん」

 

「ん?」

 

「私です」

 

「あー… 永理さんでしたっけ?」

 

「…! 名前を知っていると言うことは、やはりトリガーと繋がりがあるようですね」

 

「いや本人でございます」

 

「ちょっと来てください。拒否権はありません!」

 

「… うわぁもう。変なのに会っちゃったよ……」

 

「何か言いましたか?」

 

「なんでもないでございます」

 

 

 永理に連れられ、ここらでは有名なカフェに入店した。

 昼前にも関わらず、客の人数が多い。一応、座れる場所があり2人はそこの席へ着く。

 

 

「で、なんでございましょうか」

 

「まず名前は?」

 

「前にも言いましたけど、射手園 兆。年齢は21。身長と体重は秘密。職業はトリガーやってます」

 

「名前と職業ふざけてませんか? 年齢は同年代だとは思わなかったです」

 

「え? 永理さん21なの?」

 

「はい。そうですけど…」

 

「…(たった21でRIVERSに配属されるとはな… 流石に驚いた)」

 

「???… さて気を取り直して、本名は言いたくないと?」

 

「いやだから、これが本名なんですって。何度も言ってますけど、俺はトリガーです」

 

「……」

 

「せめて名前だけは信じてよ… その痛い子を見るような目はやめてほしいかな…!!」

 

「… わかりました、信じます」

 

「はい、どうも」

 

「さて、そろそろお腹も空いてきましたし、食事にでもしますか」

 

「は…?」

 

 

 え? 擬似的だけど俺取り調べ最中じゃないの? この人すっごい注文してるんだけど。めちゃくちゃ頼んでるよ!? え、大丈夫なのこれ!?

 

 

「兆さんは何か食べます?」

 

「あ、じゃあコーヒーで」

 

「あと、コーヒー1杯とそれから……」

 

 

 しばらくして注文した品がズラリとテーブルに並ぶ。ちなみにテーブルを埋め尽くす品の中で、コーヒーが1杯ポツンと置かれているが、他全て彼女のものである。

 

 

「い、いただきます」

 

「いただきまーす!!」

 

 

 この人さ。体の中に絶対サイクロンクリーナー搭載してるよ。いや、おかしいって、パスタってあんなに一瞬で消えるものなの? カレーは飲み物って平気な顔していいそうだよ。

 

 

「カレーは飲み物って言いますけど、全くその通りですね。スルスルいけます」

 

 

 言ったよ。ヤバイよ。こんな人と一緒に居ていいの? 俺、食われないよね? まだこんな所で死にたくないんですけど!?

 

 

「ごちそうさまです」

 

「えぇ…」

 

 

 あのテーブルいっぱいにあった食べ物が、綺麗さっぱり無くなっている。

 俺の思考回路を綺麗さっぱり諦めている。

 

 

「さぁて、そろそろ行きましょうかねぇ…」

 

「ん? 何か声聞こえません?」

 

「外からだな」

 

 

 会計を済ませ(奢ってもらった)、外へ飛び出ると、人々が逃げ惑っている。逃げている逆の方向を見ると、胸にマークがあるウォンテッドが暴れており、人の頭を鷲掴みにし、記憶を奪っている。

 

 

「また派手に暴れてるな、おい」

 

「行きましょう!!」

 

「ちょい待て。どないする気じゃ」

 

「とりあえず銃で撃って怯ませて、私に注意を引きます」

 

「危ないからやめときな… 代わりに俺が行く」

 

「危険です! 私に任せてください!」

 

「あんたの方が危険だから、色んな意味で。じゃあ、市民の避難頼むよ」

 

「あ、ちょっと!!」

 

 

 兆は歩きながら、ドライバーを巻き、ファーストガンナイフをドライバーに差し込み。ハンマーを起こす。それから引き金に右人差し指をかけると、左手を銃のような形にして相手を指す。

 

 

「変身ッ!!」

 

《 ファーストガンアクション!! トリガー!! リボルヴリボルバー!! 》

 

 

 変身後、ウォンテッドに向かって走って行き、勢いそのままに顔面に飛び蹴りをかます。吹き飛んだウォンテッドを見ながら着地して、手を銃の形にして指をさす。

 

 

「さっさと逃げろ一般人!! それからウォンテッド。もう少し大人しくできないのか? 大人しくしたら飴玉かミルクをくれてやるぜ! 今日はお前の健康記念日だ!!」

 

「くそっ、トリガーか…… 今なんて言った?」

 

「そうだみんなのヒーロー、トリガーさんだぞ。それ以上暴れてもらうと、みんなが怪我しちまうんでね。早々に終わらせてもらうからな」

 

「やってみろ!!」

 

 

 銃を撃ちながら、ウォンテッドはトリガーに走りながら近づいてくる。また彼も銃を放ち、向かってくる敵と真正面で交戦する。

 至近距離となってからは格闘戦へ持ち込むと、トリガーは放たれる拳をヒラリとかわし、馬跳びをして飛び越え、それと同時に蹴りを入れる。

 

 

「そんなパンチじゃ、俺は倒せんよ」

 

「トリガー!!」

 

「おらよッ!!」

 

 

 それから腰に差していたガーツウエスタンを放ってから回し蹴りを行い、ドライバーのハンマーを起こしからトリガーを引く。

 そしてウォンテッドに背を向けて、数字を言いながら歩く。

 

 

「3」

 

「あ…?」

 

「2」

 

「おい」

 

「いっ…… てぇぇぇぇぇっっっ!!!!?」

 

 

 最後に1と言おうとしたが、それと同時に背中を撃たれる。

 これに対してトリガーは激怒した。

 

 

「おまっ、お前ェェェッ!!!! ここで普通さ、必殺技をかましてグワァァァッッのドカーン…じゃん!? なのに、てめぇ背中撃つなんて卑怯だぞッ!!」

 

「お前が急に背中向けて、数を数えながら歩いてるからよ」

 

「変身最中は攻撃しないんなら、必殺技中もなんかするんじゃないよ!!」

 

「うるせぇ!! こっちは身の危険が迫ってるんだぞ!? バカか!!」

 

 

 すると、キラーズガンを横に振るいながら撃ち、砂埃を立てて、それが消えるとウォンテッドの姿は見えなくなっていた。

 変身を解いた兆は、逃げられたことに腹が立ったのか、背中を撃たれたから腹が立ったのか、定かではないが言葉にならない怒りを地面を蹴って静めている。

 しばらくして、手を振って永理が近づいて来ている。

 

 

「おーい… って、怒ってどうしたんです?」

 

「あの卑怯者が俺の背中を撃ってきたの!! すっごい痛いの!!」

 

「はえぇ〜、まぁこれでも食べて元気出してください」

 

「なんだこれ… ミルク味の飴玉か…… とりあえずあの野郎見つけ出してボッコボコにしてやらねーと気が済まんもごもご」

 

「… そういえば兆さんが何かをした後、トリガーがすり替わるように現れましたね……」

 

「ん?」

 

「つまり兆さんはトリガーと… っ!! まさかっ…!!?」

 

「やっとわかったか。そう俺がァ──」

 

「なんらかの方法でトリガーとすり替わることが可能で、そしてあなたはトリガーの協力者ということですね!!!」

 

「うん。すごく惜しい。いや、やっぱり惜しくはない俺はトリガーだ」

 

「あなたを身代わりに置くとは… なるほどなるほど」

 

「あの〜1人で納得しないでもらえます…?」

 

「全ての謎はわかりましたッ!! これをもし上長に伝えたらあなたは終わりです!!!」

 

「あーーーー…… 多分、信じてくれないと思うな」

 

「知らされたくはないでしょう… ここで私をお口チャックさせる為の条件を出してあげます」

 

「勝手に話進むのね、これ… なんだ? 美味い店おごれか? 警察さんも怖いなぁ〜」

 

「違います… トリガーの居場所を吐いてもらいますよ。それからウォンテッドの捜索も手伝ってもらいます」

 

「目の前です。あなたの瞳の中に映ってるイケメンこそトリガーさんです」

 

「それで、どうなんですか?」

 

「…… あぁ、いいよ。やってやるよもう。ウォンテッドに関しちゃ俺も見過ごす訳にはいかないからな」

 

「決まりですね!! 早速ですけど、あのウォンテッドの元へ向かいましょう」

 

「は? あんた場所知ってるの?」

 

「あのウォンテッドの胸にマークがあったと思いますが、あれはここからすぐ近くの洋服屋のマークなんです。しかも各地に数店舗しかありませんし、このエリアAなら1つのみで、その店の近くに人気の少ない場所があります。怪人の姿であってもそのマークが刻まられるということは、そこにかなりの思い入れがあるか、はたまたそこに関係があることを示しているんじゃないかと思います。少なくとも───」

 

「あーッ!!! わかったわかった!!! 行くよ行くからッ!!!」

 

「なら、行きましょう!」

 

「おっと、その前にちょっと取り行くから待っといて」

 

「何を取り行くんです?」

 

「結構、前に作ったけどそろそろ使ってあげてもいいでしょ」

 

「え、どこ行くんですか!? 待ってくださいよぉ〜!!」

 

 

 

 >>>>>>>>>>>>>>

 

 それから兆と永理は目的地である洋服屋まで足を運ぶ。

 ここに来る前にこの警察さんを連れてバーへ行った。住処がバレちまったけど、別に問題はない。ようやくこれで俺がトリガーだとわかる筈だきっと。うん。信じたい。

 

 

「今更なんですが、兆さんはバーに住んでるんですね」

 

「ん? あぁ、俺実は記憶ないんだよ。行く当てもなかった所をなんか男があそこを紹介してくれて…」

 

「… えっ!? ちょっと待ってください。記憶がないんですか!?」

 

「覚えてるのは名前と年齢くらいで、それ以外、全く覚えてない… ウォンテッドから人を守る為でもあるけど、もう1つは俺の記憶を取り戻す為なんだよ」

 

「そうだったんですか… すみません」

 

「なんで謝るの」

 

「だって兆さんはその為にトリガーと協力し合ってるんですよねっ!?」

 

「違いますね… おっ」

 

 

 そんな話をしているうちに、例の洋服屋の前までたどり着いた。見た目はお世辞でも綺麗とは言えないほどボロボロになっており、今にも崩れそうである。人の気配は全くなく、服も適当に積み重ねられているだけだ。

 

 

「こりゃあ… 酷い」

 

「課長には連絡してありますから、あと数分でここへ来ま… あれっ!? 兆さん!?」

 

 

 兆はそのまま店の奥へと入って行く。あたふたしていた永理であったが、洋服屋の前に飴を置いて兆を追いかける。

 中へ入るとこれといって特に何もない。彼は服を適当に掴んでは投げ捨てている。何かを探しているようだが…

 

 

「何を探してるんですか…?」

 

「今、踏んだところの床が柔らかかった」

 

「……?? あっ!」

 

「ビンゴ」

 

 

 服を退けて行くと、人が1人入れる程度の穴があり、その奥には僅かに光が見える。

 

 

「ここからは任せろ。永理は外に居てくれ」

 

「大丈夫なんですか?」

 

「いいから。俺がトリガーだと思うんなら、尚更だぞ」

 

「…… わかりました」

 

「やけに素直だな」

 

「その代わり逃げないでくださいよ」

 

「わかってるよ。じゃ、バイバーイ」

 

 

 永理は彼を見送ったあと、外へ出ると飴玉が消えている。誰かに食べられたと思ったが、その考えはすぐに変わった。近くに巧也が腕を組んで1人で立っていた。まるで永理を待っていたかのように。

 

 

「か、課長」

 

「RIVERSのメンバーはいない。俺だけだ」

 

「なぜですか?」

 

「本来なら来る予定だったんだが、どうやらエリアBで問題が発生した。全部隊はそっちに回している」

 

「それで、課長だけと」

 

「安心しろ。一応、ウォンテッドの動きを一時的に止めておける銃弾がある… まだ試作品段階だがな」

 

「そ、それで大丈夫何ですか…?」

 

「俺の予想なら既にいる筈だ… トリガーがな」

 

「トリガー…」

 

「お前が店の中に入ったのもトリガーらしき人物を目撃したからだろ? なら、話は早い。同時に逮捕するまでだ。ここで待つぞ───」

 

 

 

>>>>>>>>>>>>>>

 

「─── さて、と」

 

「来たか…… いやお前誰だ」

 

「トリガーですけど」

 

「ここに早々人は入ってこないはずだ。捜査員か?」

 

「いや、トリガーですけど」

 

「… 調子に乗るなよガキが」

 

 

 兆の入った穴にはやはり男がいた。広い空間が設けられているが、特に物も置いてない。ほぼ洞窟のようなものである。

 そして男は頭にキラーズガンを向ける。その指は震えて、目が血走っている。

 

 

「完全に中毒症状が出てるな。やめとけ。それ以上使えばお前は我が身を保てなくなるぞ」

 

「知ったことかよ… 俺には何もない。この服屋も借金まみれで潰れて、何もかも無くなった。あるとするなら、ほんの少しの金とカビたパン…… そんなクソみたいな生活をしている時、こいつをもらったんだ。これがあれば欲しいものも欲しい時に手に入れることができる。こいつがあれば…!!」

 

「確かにあんたは落ちるとこまで落ちた。だけどあんたは底より更に深く潜っちまった… 後戻りできない所まで」

 

「いいんだよ!! こんな店捨てて、俺は新しいものを手に入れるんだ!!!俺は…!!!」

 

「… の割には、胸のマークはくっきり映るんだな」

 

「なに…!?」

 

「あんたはただ逃げてるだけだ。自分の本当に欲しかった物を自分で手放してる。キラーズガンを捨てろ。またあんたの欲しい物に手が届かないだけだぞ」

 

「ごちゃごちゃごちゃごちゃうるさいんだよ!!! もういい、全員、殺してやるゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!

 

「よせっ!!」

 

 

 すかさずガーツウエスタンを放つが遅かった。自分の頭にキラーズガンを撃ち込むと、怪人態になるが体の周りに電気が走る。

 

 

「な、何だこれ…!!」

 

 

 そのまま骨格が変わって行き、みるみる膨れ上がって行く。それからしばらく変体を繰り返すと、巨大な化け物と化してしまった。

 既にこの状態は自我はなく、ただ本能のままに暴れる獣同然である。

 

 

「… なんて事してんだよ…!! 変身ッ!!!」

 

 

 ドライバーの引き金を引いて、トリガーへと姿を変える。ガーツウエスタンを抜いて、急所を狙って行くが、まるでビクともしない。

 

 

「かたっ!?」

 

「ヴオォォォォォォッッッ!!!!!」

 

「うわっ…!!」

 

 

 巨大な尾が脇腹を捉え、凄まじい威力でトリガーを壁に打ち付ける。

 畜生このやろう… キラーズガンは確かに人間を越える力を与える。だけど、そんな力が簡単に手に入るわけがない。それ相応の代償が付いてくる。あの銃は使い続けるほど中毒になり、やがて投与されるエネルギーについていけず暴走しちまう。こうなるともう、助けることができなくなる……。

 

 

「…… 本当にこの仕事やってると、手を汚す時が必ず来るんだよな… 」

 

 

 そしてトリガーは地面に着地した後、胸に手を置き、今からするべき行為に対して心の底で何度も謝り、悔やむ。それから深呼吸を行い、足首に巻いていた "ガンナイフホルダー" から、1本フィガンナイフを取り出すと、スイッチを押す。

 

 

《 TWO 》

 

 ドライバーからファーストガンナイフを外し、先程取り出したナイフ、"セカンドガンナイフ "を差し込む。

 

《 SET 》

 

「数撃ちゃ当たると言うけど、数多けりゃその分当たるだろ?」

 

 ハンマーを起こし、引き金を引く。

 すると、砂嵐が起こり新たなアーマーが舞う。バラバラに散らばったそれらを、巨大な銃が2つ出現し、マーキングして撃ち抜いて行く。

 

《 セカンドガンアクション!! トリガー!! ツインライトニング!! 》

 

 

 嵐が止み、トリガーが現れると顔の側面の1という数字が2に変わった。

 

 

「ヴゥ……?」

 

「なんだよ」

 

 

 巨大化したウォンテッドは眉間にシワを寄せ、動きを止めた。トリガー本人は分かっていないが、横の数字が変わった以外他は何も変わっていないのだ。

 

 

「悪いが、速攻で終わらせてもらうぜ」

 

「…… ガァァァァァァッ!!!」

 

 

 腰のガーツウエスタンを抜くと、もう一方に実は取り付けられていたセカンドの専用武器 "ライトニングウエスタン" を抜き、二つの銃で脚を何度も撃ち続ける。

 ウォンテッドは爪を立て、トリガーに襲いかかるが、先程とは違いヒラリとかわしながら撃ち込む。

 

 

「グゥゥゥ…… ガッ… !!?」

 

 

 暫く撃ち続けていると、ついにはバランスを崩し、巨大な体がズドンと音を立てて倒れてしまう。

 トリガーはすかさず壁を蹴り、ウォンテッドの頭上よりも高く跳ぶ。それからガーツの方にファーストを、ライトニングの方にセカンドを差し込み、ハンマーを起こす。両銃を凄まじいエネルギーが包み込み、先端をウォンテッドへと向ける。

 

 

「… 今日の俺は勝利というより、敗北の日だな」

 

《 ワンガーツ!! ジャニュアリーシューティング!! 》

《 ライトニング!! セカンドシューティング!! 》

 

「ガアァァァァァァァアッッッ!!!!!」

 

 

 ウォンテッドは口から火の玉を出して攻撃してくるが、両銃から放たれたエネルギー弾は、火をかき消してそのまま怪物を捉える。力に耐え切れず、ウォンテッドは大爆発を起こし、跡形もなく消えてしまう。煙の中から人々の記憶が一斉に飛び出し、持ち主の場所へと帰って行く。

 

 

「はぁ… なんか喜べないな。さて、どーせ外にあの女と数人警察がいるからどうすっかなぁ〜…… よしっ! 正面切って行こう─── 」

 

 

 

─── 巧也達は店の前で、ウォンテッドも出てくる危険性も考えながら、銃を握り店の両端で待ち構える。

 すると男が1人店の中から出てきた。その瞬間に巧也は、相手が抵抗できないよう地面に倒し、素早く頭に銃を向ける。

 

 

「あいでででででででっ!?… 痛い? やっぱりいだいっ!!!」

 

「か、課長!! その人違います!!! ウォンテッドじゃないです!!!」 「な、なんだと…?」

 

「イエス!! 私ウォンテッドじゃないヨ!! ただのトリガーネ!!」

 

「訳わからないこと言ってますけど一般の方です!!」 「え…? あ、あぁ、これは失礼な事を… 大丈夫かい?」

 

「大丈夫じゃないっすよもう… よっこいしょ」

 

 

 巧也は戸惑いながらも、長年の勘なのかこの男を怪しいと感じた。視線を永理に向け、手招きをする。それから近づいてきた永理の耳元で囁く。

 

 

「彼はなんだ? お前知ってるのか? 知っているなら何故ここにいる」

 

「はい。彼は射手園 兆さん。今、捜査のために協力してもらっています」

 

「どういうことだ?」

 

「以前、他の警官の方に職務質問されているところを見かけ、私独断で彼と接触した所、詳しい事は分かりませんがウォンテッドに記憶を奪われているそうで、この場所を見つけたのも彼のおかげです」

 

「記憶を… んー…… なるほど」

 

「課長?」

 

「兆くん… で、いいのかな?」

 

 

 それから巧也は兆に声を掛ける。こちらに向かう彼を兆はきょとんとした顔で見ながら服についた汚れを払う。

 

 

「なんでしょ」

 

「君はウォンテッドに記憶を奪われているらしいね」

 

「まぁ、一応そうだと思いますよ」

 

「思う?… あぁ、そうか。盗られているなら記憶もないか…」

 

「そうですね。ウォンテッドが出たら片っ端から潰してますね」

 

「そうか… さて、君はここにウォンテッドがいることを予め知っていたのかな? 中のウォンテッドと接触はしたかい?」

 

「いや、彼女が教えてくれたっす。それとウォンテッドの方はキラーズガンによって暴走した状態だったので倒しました」

 

「え…?」

 

「あぁなると助けることは不可能ですし、この場合は二次被害も想定した妥当な判断だと思いますよ」

 

「………… 君は一体」

 

「俺はトリガーですから」

 

 

 その言葉を聞いた巧也は顔を険しくし、少々睨むような目つきになる。兆の肩を掴むと、先ほどの優しい話し方から、圧をかけているように話し始めた。

 

 

「奴のような犯罪者を自分だと、ふざけたことを言うのはやめてもらおうか。君はウォンテッドについて何か知っているな?」

 

「そりゃもう、前から」

 

「どこで知った?」

 

「俺がトリガーとして戦っている時からっ──」

 

「── いい加減にしろ!!!」

 

 

 巧也の怒号は辺り一面に響き渡った。永理はあたふたしながら2人の様子を見続ける。しばしの静寂の中、先に口を開いたのは兆だった。

 

 

「それでどうしますか? 俺をこのまま逮捕します?」

 

「…………いや、逮捕はしない」

 

「ほう」

 

「だが……」

 

「ん?」

 

「署まで同行してもらう」

 

「え?」

 

「永理、連れて行くぞ」 「は、はい!!」

 

「え、いや、え?」

 

「詳しい話は署でじっくり聞かせてもらう」

 

「ま、待ってくださいよ〜。お、おい!! 永理!! 話が違うじゃねーか!!」

 

 

 兆が永理の名を呼び、意味深なことを言うと、巧也は何か違和感を覚え彼女に向き直る。

 

 

「ん? 永理?」

 

「はいぃ…」

 

「お前も一緒に話を聞かせてもらおうか???」

 

「うぅ… はい」

 

 

 そうして3人はパトカーに乗り込み、RIVERSへと車を走らせる。

 だが、この時3人は知らなかった。エリアBに向かったRIVERSのメンバーが全員やられてしまっていたことを……

 

 

「さぁてと、向かうとするか… エリアAに──」




次回よりやっと出てきます(何がとは言わない)
そしてトリガーの正体が暴かれる…!?

皆さんにご覧になる度に作者が立ちます(意味深)

それでは皆さん次の話でお会いしましょう。さよなら〜。

次回、第3撃「エリアBより」
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