これからも元気にやってくゾ〜
それではどうぞご覧ください
ここはエリアAの街の、どこにでもありそうなビルの地下室。しかしこの地下室は、普段使っているエレベーターでは行けず、階段を使用してもそこに通じる道はない。それ以前にここに地下がある事や行けそうな道すら誰も知らない。
ただウォンテッドの幹部たちを除いては……。
「RIVERSの連中は、まぁ眼中にないとして… トリガーのお陰様でウォンテッドの数は減るばかり」
「…… 記憶を収集する効率も悪くなる一方だ」
「わ、私はみんなが嫌な事忘れられればそれで…」
「まだそんな甘い事言ってんのかッ!? それでも幹部の1人かッ!?」
幹部たちの会議は全員参加ではなく、参加については各々の自由である為、4人しかこの場にいない。
それともう1人、本来滅多に姿を表すことのないウォンテッドの頭が、縦長の机の真正面に座っている。目立つ位置に座っているはずなのだが、暗いせいなのかその姿をはっきり見ることができない。
「ボスも来てるってのに… 他は何やってるんだか。それで、ボス。俺たちに何の用?」
それからボスは机に手をかざすと、机の上にこの街の地形が立体的に映し出される。そしてエリア毎に色分けされている所の1つに指を差す。そこはエリアBであり、何かの白い点がゆっくりエリアAに向かっている。
「これってまさか……」
この点は幹部を表している。他エリアへの侵入は1度ボスに掛け合う必要があるのだが……。
「こいつ、まーた許可もなくエリア移動かよ」
「…… 何をする気だ?」
「もしかして… トリガーですかね?」
全員、敬語の気が弱そうな女の方へと視線が移る。女は涙目になり、助けを求めようとボスを見る。
「… ボス、どうするの? このまま放っておいてもいいわけ?」
すると、暫く黙っていたボスがようやく口を開いた。
「全員始まりに備えろ」
「始まり…?」
「いずれ来る、終焉に───」
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「だから何度も言ってるでしょ。俺はトリガーで、あいつらと戦ってる街のヒーローなんだって」
「いい加減にしろ!! トリガーは人々から信頼を得て隠しているだけで、ウォンテッドと裏で繋がりがある!! 奴がヒーローなんて事はない。奴は犯罪者だ!!」
「その証拠がどこにあるっていうんですか!? トリガーはこの街に蔓延る悪を倒す超ウルトラスーパーヒーローですぅぅぅぅっ!!!」
「何故わからない!! 君はウォンテッドの脅威を知らな過ぎる!! 奴もその1人だ!!」
「いーや、違いますぅぅぅ!! 私はあなた方警察よりも詳しいですからぁぁぁ!! ほら見てこれ、これセイブドライバー!! トリガーが着けてるやつ!! もう俺がトリガーで、あいつらに詳しいからこれにて閉廷!! 俺の勝ち!!」
「そんなおもちゃを取り出して、俺をからかうのもいい加減にしろ!!」
「おもちゃじゃないです!! 本物でございまーす!!!」
兆と巧也の怒鳴り声は、RIVERSの室内に響き渡る。現在、その怪しさから兆は、重要参考人としてここに連れてこられた。永理は説教ついでに、今迄の事を全て話し、彼の事を粗方説明はしたのだが、この言動と素ぶりもあり、怪しいのだけれど今ひとつ信用し難いものがある。
まぁ、当然と言えば当然だ。しかし、今まで一度も捕まったことがないトリガーが目の前にいるなんて誰が信用するのだろうか。それに永理な説明からだと、兆とトリガーは関係はしているが、別の誰かということになっている。
「ふふっ、賑やかになったわね。さっきまですごく暗かったのに」
「そうですね。まぁまぁ課長もその辺で」
佳苗と孝四郎はいつもの光景とは違う事を面白く感じていると、巧也は息を荒くしながら椅子に腰掛け、兆も同時にそっぽ向きながらドスッと音を立てて座る。
「ハァ… ハァ…… さて、そろそろ冗談は抜きで話をしようか」
「冗談じゃないっす」
「ぐっ… んんっ!! 兆くん。君は記憶を奪われていて、その記憶を奪ったと思われるウォンテッドを探している。それから君は話によれば、トリガーと関係を持ち、何らかの方法で奴と代わり戦っている… で、いいんだね?」
「… 一応それでいいです」
「この部分どうも信じ難い話だけど、単刀直入に聞こう。君はトリガーとはどういう関係なんだい?」
「本人と言ってるんですがね。まぁとりあえず俺はウォンテッドには詳しいですよ。そこの所は信じてもいいと思いますよ」
「君はウォンテッドと戦う時、トリガーを呼んでいるのかい?」
「いやだから… 仕方ない。斯くなる上は目の前で変身を披露するといたしましょう。スチャっとな」
椅子から立ち上がり、ベルトを腰に巻こうとした時、佳苗が突然焦りながら巧也を呼び始めた。どうやら緊急事態のようだ。
「な、なにっ…!? 全員無事なのか!?」
「分からないわ… とにかく連絡が遅れたのも訳がありそうね」
「どこの病院だ?」
「ここからすぐ近くの… この病院よ」
ノートパソコンから場所を特定し、その地図と病院への複数のルートが表示されたものを巧也に見せる。
「よし、話は後だ。行くぞ永理、と兆も着いてこい」
兆はくん付けからいきなり呼び捨てで言われ、少々悲しく思ったが、それと同時にこの緊急事態に嫌な予感がしていた。全員と言っていたのでまずRIVERSの部隊ということは予想できる。それが全滅したとなると、相手はウォンテッドということになるが…
「なぜ別エリアの幹部がここに───」
─── 病院に着いたはいいものの、見るも無残な姿になったRIVERSのメンバー達がベッドに寝かされている。病室には苦しみ悶える声と心電図モニターからピッピッと音が聞こえるだけで慌ただしくはない。
すると、巧也はメンバーの1人に話しかけ、何があったのかを問い始めた。
「大丈夫か? 何があった?」
「…… わ、分からない。あんたは?」
「ん? 何を言ってるんだ?」
「何をって… あんたは一体誰だ? それにここはどこだ?」
「ッ…… そうか… ここは病院だ。今はゆっくり休め…」
自分の上司の顔も思い出せない状況だったのかと、誰もが思うだろう。いや、違う。そうではない。これが1人だけとは限らない。その他に何人も記憶を失ったもの達が多数を占めるはずだ。
先程、巧也がぽろっと吐いていたが、相手が幹部となると通常のウォンテッドとは比べ物にならないほどの記憶を奪うことを可能とする。
「課長。皆さんはすでに…」
「わかってる… それにしても別エリアの幹部がどうして……」
巧也達は休憩スペースに向かいながら歩いて話していると、着いた途端に今迄黙っていた兆が口を開く。
「ちょっといいですかい?」
「どうした兆?」
「もしかしたらエリアBから来たかもしれないっすね」
「… それは幹部が、ってことだよな?」
「えぇ、はい。もちろん。あそこは… そう "ウヅキ" だ。あいつなら来てもおかしくないと思う」
「ウヅキだと?」
トリガーとして活動し始め、幹部を12人倒した兆ではあるが、残りの12人はこの幹部達に比べると圧倒的力量差が存在していた。かつて一度戦ったことがあり、戦闘において初の敗北を味わされた事もある。
「まぁ一度戦ったことありますし…(負けたけど)。どうにか逃げたけど、あいつ強いんだよもぉ…」
「またデタラメか…」
「信じるか信じないかはもう任せますけど、あいつならエリアBからこのエリアに移動してくるのは、きっとある存在に焚きつけられているからだと」
「ある存在…?」
「トリガー」
「…ッ!」
「このドライバーがなければ、幹部クラスの前に立っただけで、漏らした同時に記憶も奪われるんだよ? やっぱり最低だなウォンテッド」
セイブドライバーは使用者が記憶を奪われるのを防ぐことができるのだ。これがあるからこそ今迄戦って来れたし、記憶を奪われず済んだ。
「… お前は本当に… トリガーなの──」
「はい」
「即答で結構。よし、ならまず相手は何であれ幹部だ。何が起こるかはわからない。場所を突き止めて確保する」
「俺も着いてく。もう二度は負けるか」
「兆、危険だ。お前はここで待ってろ」
「俺が着いてった方が、永理ちゃんの証言が本当かどうか、その目で確かめることができる」
「…………」
「悪くはないと思うけど? もし、俺がトリガーじゃなかったらそれはそれで悲しいしもう泣くしかないけど、トリガーだった時… あんたは俺を好きなだけ殴れるしあんなことやこんなことまでできる、どう?」
「…… はぁ、いいだろう。ただし勝手な行動はよせ」
「もちろんっすよ… 巧也さん」
「よし、なら出撃だ」
3人はウヅキと呼ばれる幹部の1人を追う為、その場を後した。
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佳苗の情報から場所を割り出し、着いたはいいものそこは廃墟でも荒地でもなく、なんの変哲も無い子供達がきゃっきゃっと遊んでいる真っ最中の公園である。
そこに1人の男がベンチに座って何かを見つめていた。
「… 佳苗って人。場所、間違えたんじゃないの?」
「あいつに限ってそんなことはない。情報によれば、ここのベンチに座っている人物が母娘を凝視していて、その母から通報があったらしい。明らかに不審ではあるが、幹部と呼ばれる男がする行為に見えないだろう。ただ… 見ろ。あそこだ。俺たちに気づいて体勢を変えただろ? いつでも逃げるためか、それとも俺たちと戦うかだな」
「えーっとまぁ、とりあえず三方向から詰め寄って行けば逃げられんでしょ。さてさて、この前はやられたけど今回の俺は一味も二味もまるで角煮を24時間365日煮まくりにした感じのそういう感じだぜぇ……」
「… では、永理、お前はあっちだ。兆、お前は向こうだ。俺はこちらから詰め寄る。それから永理。なぜヨダレを垂らしているかは知らないが、さっさと拭け」
「角煮ぃ……」
それぞれが持ち場に着き、ターゲットとの距離を徐々に縮める。近づくたびに犯人が僅かに動いているのがわかる。しかし、結局は何も逃げることはせず、3人が来るのをじっと待ち続けているように見えた。
「── RIVERS課長の上砂 巧也です。ちょっとお話を伺いたいのですが…」
その男は巧也を見ると、何かを見透かしたかのように鼻で笑う。それから首を回して、周りを確認する素振りを見せる。ある程度今の状況を把握したようだ。
「ほう。あのRIVERSの、しかも課長さんがこれはどうしたもんか」
「この公園から通報がありまして、お手数ですが、荷物の方を確認してもよろしいでしょうか?」
「…… 断ったら?」
「断れませんよ」
「そうかい」
男は立ち上がり身体検査を行っていると、ポケットに物が入っている。携帯などの必需品ではない。形が明らかに違う。取り出すように指示すると、それはナイフであった。
「これは…」
「ただのおもちゃだよ。おもちゃ」
「そう言われると… 確かにそう見えますね」
本来のナイフとは明らかに見た目が違い、持ち手の部分が銃口のような形をしている。それを見た永理はトリガーの所持していたナイフを思い出す。見た感じは彼のナイフと似ているような気がした。
「このナイフ… もしかして──」
「おっと…!!」
何かを察した男は巧也の手を蹴り上げると、ナイフを取り返して数歩後ろは下がる。
その時、兆は確信した。
「久しぶりだな。ウヅキ」
「…ったく、まさか通報されてるとは思わなかったぜってお前誰だよ」
「あ、そっかぁ…」
巧也と永理は銃を構え、兆の前へと立ち塞がる。割って入ろうとするが、すんごい目つきで見られた為、大人しく下がる。
銃を見た市民たちは、皆一斉に悲鳴を上げて逃げて行く。
「やはりウォンテッドの幹部か… エリアBの幹部が何故ここにいる!!」
「そりゃ… トリガーに用があるからだよ」
「トリガーはお前らの仲間だとでも?」
「いや、むしろ敵だ。誰のせいでこっちの戦力減らされたと思ってんだ?」
それからウヅキは指を鳴らすと、何処からともなくウォンテッド達がワラワラと集まってきた。こんなに大勢の犠牲者が出ているのかと、巧也は思っていたが何やら様子がおかしい。まるで生気を感じられない。ただ操られるだけの人形、感情のないアンドロイドのように見える。
「幹部レベルにもなると、そこら辺の奴の記憶奪ってこんなこと出来るの。ただ俺の命令だけに従う人型ロボット。いいだろ?」
「つまり… 無実の人々を貴様ッ…!!!」
「おいおい数じゃこっちの方が勝ってるぜ?RIVERSの面々よ」
「くっ…」
「… 兆さんお願いします!!」
名前を呼ばれた兆は嬉しそうにドライバーを腰に装着し、ファーストガンナイフを起動しドライバーに差し込む。
《 ONE 》 《 SET 》
「変身!!!」
ハンマーを起こして、引き金を引くとアーマーが装着され変身完了となる。
巧也は目を疑った。自分の目の前に突然トリガーが出現した。しかし残念な事に兆が変身していたシーンは見逃してしまった。
「やっちゃってください!! トリガーのえっとその、兆もどきさん!!!」
「任せてとけ」(決めポーズ)
ガーツウエスタンを取り出し、周りのウォンテッドの頭を的確に撃ち抜き。一応殺さないように気をつけながら落として行く。
数が多いし、相手は人だし、今回はかなり骨が折れそうだな。
「今日はお前たちの体育の日だ!!」
トリガーはウォンテッドの肩に体重を乗せ、ジャンプして撃ちながら、近い敵には蹴りをかまして行く。取りこぼしたウォンテッドを巧也と永理の2人で援護する。巧也としてはかなり屈辱的に感じていたが、この場を凌ぐ為、止むを得ず憎き相手と共に戦う。
「どうしたウヅキ。せっかくのお前の仲間じゃ俺を止められないぞ?」
「くくっ。一度敗北しておいてよく言えたな」
「なんだとコラァァァ!!!」
「幹部の力。もう一度、味わないとわからないようだな」
するとウヅキは先ほどのナイフを人差し指と親指で持って、空中に投げてから手元に戻って来ると、持ち手を握りしめる。
「" デリートガンナイフ "。幹部にのみ使用できるガンナイフだったか」
「よく覚えていたな」
「あぁ、さっき見て思い出した」
「なら、これが最後になるだろうな」
キラーズガンを取り出して、その先端部分にデリートガンナイフを差し込むと、差し込んだと同時に音声が流れ、暗い雰囲気の待機音も流れ始める。
《 ワン・キル 》《 シガツ 》
「転進」
ハンマーを起こしてから、合体したキラーズガンをトリガーに向けて撃ち放つと、銃弾がトリガーを捉え、多方向から攻撃を行う。それから帰ってきた弾がウヅキの心臓を貫き、みるみるうちに異形の姿へと変わって行く。
《 シ・ザイ・キリング・ウォンテッド!! イーディアー!! 》
「ウォンテッド幹部ウヅキ。さて、仕事するか」
「あ〜… いつ見てもやりたくなくなる」
「ふんっ!!」
ただのパンチが飛んでくるがこれがまた重い。トリガーは手をクロスさせて防御するも大きく吹き飛ばされてしまう。
だから幹部の奴らと戦うの嫌なんだよ。本当に一発一発おかしいんだから。まぁ、負けるつもりはないけどね。
「でも痛いッ!!!」
「痛がってる余裕はない!!」
キラーズガンより放たれる弾を避けながら、ガーツウエスタンで応戦する。近づいて来るウヅキの銃を持っている手を足で蹴り払い、顔めがけて放とうとするが、それを読んでいたのか手を掴んで捻って蹴り飛ばす。
すると永理はトリガーの隙をなくす為、銃でウヅキを撃つ。しかしこの攻撃は全く意味がない。攻撃に意味はないが、やっているその行為には意味があった。何故ならこちらに注意が向いたからだ。
「永理、無茶は承知の上だな」
「もちろんです。このまま棒立ちで終われませんよ課長」
「… いいだろう。外すなよ」
「了解!!」
2人は正確に撃って入るものの怯む素振りを全く見せない。そしてこちらに銃を向けると2人めがけて発砲する。
とっさに避けたが、巧也は肩を銃弾によって傷を負ってしまう。一歩遅れていれば、肩を失っていたかもしれない。たった一発でこれほどの威力があるのだ。物陰に隠れて一度その様子を伺う。
「よく避けたな。だが、次はないぞ」
再び銃を構えるが、勢いよく飛んできたトリガーのドロップキックにより体勢を崩してしまった。その隙にドライバーの引き金を引き、また下がって助走をつけ、早口で「1、2、3ッッ!!!」と、叫んで飛び上がって蹴りを放つ。すぐさま防御態勢に入るものの、少し出遅れてしまい攻撃を受けてしまった。
「ハァ… ハァ… ど、どうだこのやろう。涙が出るだろう強すぎて」
「…… たかが一発当てたくらいでいい気になるな」
「あ、あれ…?」
首をコキコキと鳴らし、何事もなかったかのようにトリガーの前にやって来る。
必殺の蹴りを喰らって平然としている。やっぱりファーストとセカンドじゃ火力不足かもしれない。このウヅキって野郎は意外にも堅いというか、我慢強いというか、このままでは攻撃がまともに通るはずない。
「これで最後だトリガー!!!」
「あぁそうだな!! だが、今回も逃がしてくれ!!」
「な、なにっ!?」
いつの間にかガーツウエスタンにファーストガンナイフを差し込んでおり、ウヅキの足元に向けて、巨大なエネルギー弾を放つと、辺りは砂埃が立ち全く見えなくなる。砂を払うと、そこにはすでに誰も居なくなっていた。
デリートガンナイフを引き抜いて、人間態へ戻る。
「ちっ… 逃げたか。まぁ、このまま好きにさせてもらう。土産なしにエリアBに帰るのも酷だからな──」
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「肩。大丈夫なの? 課長さん」
「これくらいなんてことはない… 俺よりもウヅキを早く止めなければ、あの人たちは…」
現在RIVERSへと戻り、巧也は治療を受けていた。幸いにも軽傷で済んでいる為、心配することはなさそうである。
「前より強くなったから行けると思ったけど、とりあえずは奴に対抗できるガンナイフの製作に移らないとなぁ──」
「…そうだ。兆」
「あ、はい?」
「あれがどういうことか説明してもらおうか?」
「あれ? あぁ、幹部の力は今までのウォンテッドとは比べ物にならなくて、いや、まさか俺の必殺技まで受け止められるとは…」
「違う。お前は本当に何者だ?」
「トリガーです」
「…………」
一部始終を見てはいなかったが、目の前に突然トリガーが姿を現した。兆は隠れていたのか、それとも本当にすり替わったのか。しかし兆の発言で確信を持てた。
「兆。お前の正体は……」
「トリガーでございます」
「トリガー───」
「トリガーにござる」
「── の武器の製作を行っている研究員といったところだな」
「……………え?」
「通りで色々詳しいと思った。やっと謎が解けたぞ」
「解けた所か、全く違うんですが」
「本来なら逮捕する所だが… お前は何かと役に立ってくれそうだからな」
「ちょっと待って。ちょっと待って」
「RIVERSに入れ。その代わりお前を逮捕もしないし、罰することもしない。ここだけでお前の事は穏便に済ます」
「え、えぇ…えぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!????」
何言ってんのこの人!? 的外れてるのに勝手に話進んじゃってるけどいいなこれ!? とにかく、今はこれで了承しておかないと俺も自由に動けそうにないし、それに俺にも利点がないわけじゃない。
「わ、わかりましたよ。わかったよ。わかったんよ。RIVERSに配属されました射手園 兆です。よろしくお願いしまーーす」
「おぉ!! まさかの兆さんの正体判明の仲間入りとは!! 熱い展開ですね!!」
「僕は熱い涙が出てきそうだよ」
「感動ですか?」
「違います。悲しくて」
佳苗と孝四郎も何故か嬉しそうに笑い、兆を迎え入れた。
そして巧也はガンナイフの製作という言葉に眉間にしわを寄せる。当然のことながら先程から何の話かよくわからないのだ。
「兆」
「あい」
「ガンナイフとは何だ? ウヅキのやつも使っているように言っていたが…」
「あぁ、正式にはフィガンナイフって言って、俺が持ってるのはまだ二本しかないけど、それぞれのフィガンナイフに色々能力つけてるの。変身後の姿見たでしょ? あれになるけど、このもう一方もあれと変わらない強さだから、使っても勝てなかったと思う。ウヅキの使ってたのはデリートガンナイフ。幹部だけに託された特別なアイテムって所」
「なるほど。つまり奴も奴で能力があると」
「まぁそうっすね。だから今からあいつに対抗するために作るの」
「… いつまでかかる?」
「1日ぶっ通しでやれば終わる。ただその間はウヅキが何するかわからない」
「安心しろ。RIVERSがいる。俺たちはウォンテッドを倒す為に作られた組織だ。何かあっても市民は俺たちが守る」
「… りょーかい。じゃあ俺は機材取り行くから一旦帰るよ。ここにもあるっぽいけど自分のやつの方がしっくり来そう」
帰ろうとする兆を巧也は慌てて止める。このまま放置しておけば逃げる可能性も出てくる。
「まだお前に自由行動を許可した覚えはない。永理」
「はい?」
「着いていけ」
「わかりました。よろしくお願いしますね兆さん」
「やだよ……」
巧也はRIVERS内から出て行く2人を見送ると、深いため息をついて腰を深くして椅子に座る。
「変な子を入らせたわね」
「……かもな」
「でも何か見えたんでしょ? 課長が選ぶって事は」
「別に選んじゃ─── そうかもしれないな」
「ふふふっ。じゃあ私はウヅキの後つけてみるから」
「あぁ、頼んだ」
辺りはすっかり暗くなっている。巧也は暫く目を瞑っていたが、やがて意識が飛んだかのように眠ってしまった。孝四郎はそっとタオルをかけると、自分も武器の製作に移行する。
ウォンテッドの幹部ウヅキを倒す為、各々が今、動き出す。
何度も言います。本当に遅れて申し訳ないです!!
復活です!!!
今日からまた楽しく執筆開始しますので、よろしくお願いします!!
さて、次回第4撃「散弾活用」
感想・ご質問等も是非お願いします!!ではまた次回!!