「おいしい〜!!」
スフレはオムライスを笑顔で頬張っている。イルはスフレの隣に座って、同じくオムライスを食べている。
2人が何故一緒に食事しているのかというと、数十分程前に遡る。
ぐうぅ〜
イルとスフレが自己紹介をした瞬間、スフレのお腹から大きな音が鳴った。
「あはは。そういえば、お腹すいたからご飯食べに行こうしてたんだった」とスフレが照れながら言った。
「もうお昼だもんね」イルがクスクスと笑いながら答えた。
「そうだ。ねぇイル、どこかおいしい食べ物屋知らない? よかったら教えてよ。そして一緒にご飯食べよう」スフレはイルを食事に誘う。
「ご飯を食べるのいいんだけど、私の家ほとんど外食しないからあまりお店知らないの。お母さんがお店してるからそこでもいい?」
「えっ、イルのお母さん料理屋なの?別に美味しければどこでもいいから、早速行こう。いくよ、ピカ」スフレが歩き始める。
「そっちじゃないよ」とイルが言うと、スフレは立ち止まり頰を掻き、ピカはやれやれというように肩をすくめた。
ということがあり、今イルの母親が経営しているカフェのカウンター席で昼食を食べている。ちなみにブイとピカも2人の横で、カウンターの上に座りポケモンフードを食べている。
店の中はテーブル席がいくつか埋まっており、いろんな人が話をしながら食事を楽しんでいた。
イルとスフレが食事していると、カウンターの向こうにいるイルと同じ金髪の女性、イルの母親が2人に話しかける。
「まさかイルが知らないお友達を店に連れてくるなんて、お母さんびっくりしちゃった。いつ仲良くなったの?」と、イルの母親が質問すると、
「ついさっき知り合いました」スフレは元気よく答えた。
「まあ! さっき知り合ったお友達と食事するなんて、イルが成長していてお母さん嬉しいわ」
イルの母親は、頬の横で手を合わせて笑顔でイルに笑いかける。イルは少しムッとした顔をしてた。
「別にいいでしょ。ほら話してないで接客しなくていいの。」
イルがそう言うと、イルの母親は「はいはい」と言いながら接客に戻っていく。
その様子を見ながらスフレは、イルは間違いなく母親似だと思った。髪はイルはツインテールで、母親は腰ぐらいまであるロングヘアーという違いがあるが、2人の金髪は色が全く同じで、イルが大きくなるとあんな風に成長するんだと思えるぐらい似ていた。ちなみにスフレはピンクの髪をポニーテイルにしている。
スフレがイルの母親立ち去るのを見ているとイルが話しかけてきた。
「そういえば、スフレちゃんはどこの地方からきたの」
「カントー地方からだけど、別の地方から来たってあたし言ってたっけ?」イルは首を振って、
「言ってないけど、この町にいるポケモントレーナーは、だいたいの人がこの町の出身の人か、別の地方から来た人だから」と答える。
「他の町出身のトレーナーは、アルヒタウンに来ないの?」
「この町ジムがあるわけでもないし、近くに珍しいポケモンがいるわけじゃないから、他の町出身のポケモントレーナーはあまりアルヒタウンまでこないんだ。でも他の地方のポケモントレーナーはこの町から出発するから、トレーナーの人はこの時期多いんだけどね」
「そういえばフラウ地方に行くには船で行くしかないって言われたっけ」
「フラウ地方には飛行場を作れる場所があまりないらしくて飛行機じゃ来れないの」
スフレは「ふーん」と言いながらオムライスを一口食べると、思い出したようにイルに話しかけた。
「そういえば、フラウ地方の東の方ってすごい広い高原があるって聞いたけど、そこに飛行場作ればよくない」
「スウェール高原のことだね。スウェール高原にはあまり建造物を建てないようにしてるみたいだよ」
「へぇ〜、なんで何だろう」スフレが疑問に思っていると、
「そういうのは、実際に行ってみればわかるんじゃない? せっかく旅に出るんだから、いろんなことを自分の目で見て感じてきた方が楽しいわよ。」
いつの間にか戻って来ていたイルの母親が言った。
「それもそうだね。」スフレが納得すると、
「次の町が近くにあるからといって、のんびりしてると日が暮れちゃうわよ。」そう言われたイルとスフレは残りのオムライスを食べ始めた。
「ごちそうさま。とても美味しかったです。」
スフレがイルの母親にお礼を言うと、イルの母親は笑顔で「満足してもらってよかったわ」と返事をした。イルの母親はイルに、
「イル、あなたもそろそろ出発した方がいいんじゃない」と言うとスフレは、
「イルも今日旅に出るの? なら一緒に行かない?」
「えっ!」
「1人で旅するよりも2人でしたほうが楽しいしね。イルが嫌なら別にいいんだけど」
「嫌じゃないよ、私もスフレちゃんが一緒なら楽しいと思う」
「じゃあ、決まりだね」
「うん。すぐに準備してくるから、少し待っててね」と言うと、イルは店の奥に入っていった。どうやらこの店はイルの家でもあるらしい。
スフレがブイとピカを撫でながらイルを待っていると、イルの母親が話しかけてきた。
「ありがとう、スフレちゃん。イルを誘ってくれて」
「あたしがイルと一緒に旅をしたいと思っただけだから、お礼を言われることでもないですよ」
「イルは人見知りなところがあるから、あまり旅に出るのも乗り気じゃなかったみたいなのよ。でもスフレちゃんが誘ってくれたおかげでイルも元気がでたみたいね。」
「そうだったんだ。」
スフレは初めて会った時、イルが緊張していたことを思い出した。
「だからスフレちゃん、イルのことお願いね。」
「はい!」
スフレが元気に返事をすると、イルがリュックを背負って戻ってきた。
「スフレちゃんどうかしたの?」
イルが聞くとスフレはリュックを背負いながら答えた。
「何でもないよ。さあピカ、ブイも出発するよ。」
『ピカ!』
『ブイ!』
2匹は返事をすると、カウンターから床に降りて、スフレと一緒に入り口に向かった。
「みんな待ってよ。お母さん行ってきます」
イルは母親に挨拶して、スフレと2匹を追って入り口に向かう。
「イル、スフレちゃん、ブイちゃんとピカちゃんも旅を楽しんでくるのよ」
「「はい!」」『ピカ!』『ブイ!』
イルの母親の言葉に2人と2匹は返事をして店から出て行った。
イル達が旅立ったの見届けて、客の主婦達とイルの母親は話をしていた。
「イルちゃんが旅に出るなんて、月日の流れは早いわねぇ」
「そうね、イルちゃんのお兄ちゃんが旅に出たのもつい最近の出来事に感じるわね」
「そういえばお兄ちゃんの方は今どうしているの?」
そう質問されると、イルの母親は笑顔を浮かべた。
「実は、イルが初めての旅に出る記念に渡したいものがあるからって、今日の午後に帰ってくるのよ。妹の為に 帰ってくるなんて、お兄ちゃんらしく成長していてお母さん嬉しいわ。」
上機嫌のイルの母親に対して主婦達は固まった。
「上機嫌のところ悪いんだけど、イルちゃんそのこと知ってるの?」
「いいえ。びっくりさせようと思ってイルには内緒にしてるの!」
イルの母親の答えを聞いてみんなが呆れている。
「そうよね。イルちゃんがそんな大事なことを忘れるわけないもんね。」
みんなが呆れているのを見てイルの母親は不思議そうな顔をする。
「どうしたの?みんな呆れた顔をして。」
「あのさぁ、それだったらイルちゃんに待っててもらわなくてよかったの?」
主婦のひとりが言うと、イルの母親は「あっ」と言って固まり、汗をかき始めた。
「だ、大丈夫よ。あの子ならすぐに追いつくわよ」
イルの母親の必死の言い訳にみんなが溜め息をつくのだった。
ポケモンが全然登場してない。(-.-;)
次からはいろんなポケモンを登場させるように頑張ります。