ルティシアの混乱思考のピーク回となります。
徐々に陰り、夕暮れ時と言われる時刻。
高台の上にある神社へと続く、長い石造りの階段。
その石段の最上部に、ユーノを肩に乗せたなのはと、ルティシアは並んで座っていた。
どちらも不安そうな顔をしており、ここに座ってから、二人は一言も言葉を発していない。
一人は相手の顔を見つめて、もう一人は視線を階段下へと向けていた。
風がそよぎ、二人の髪を揺らす。
「…………私は、ユーノとは別の異世界から、ここに来ました」
やがてルティシアは、なのはと視線を合わせぬままに、ポツリポツリと語り始めた。
セイティーグの事に始まり、自分や、この世界を訪れた目的を。
「竜の国から、人間の世界に社会勉強……」
「数多の世界で、最も多く文明や文化を築いているのは人間ですから。それと合わせて、感情も豊かですしね」
「竜造竜人……ボク達の世界で言う、人造人間みたいなものなのかな? ボクが居る世界では違法になっていますが」
「そうですね。それに、こちらでも本来は研究だけだったそうです。違法というわけではありませんが……竜族に何らかの異変があり、子供が生まれなくなった時に備えてと聞きました」
セイティーグを取り巻く状況の変化により、悩みに悩んだ末の苦渋の決断。
創世の時代から生きている残り僅かな神の一柱にして、セイティーグに住む者達の王セフィルスの力の衰え。
三人の王女達では、まだその加護を維持することは出来ない。
そこを、邪竜族や魔族を始めとする敵に狙われる事となる。
聖竜族達が近隣の次元世界の守護をしていた事を逆手に取り、その外部の世界を徹底的に攻撃し始めたのだ。
人数は決して多くない聖竜族の、さらに少ない守護する戦士達を国から引き離すために。
やむにやまれぬ事情のために、聖竜族は踏み切ったのだから。
そしてルティシアの次のグループで、[セイティーグの娘]は目標の人数に達した。
それ以降、本来の目的以外での使用は禁止されている。
しかし、教える過程でどうしても、戦いの方に意識が向いてしまっていた。
緊急出動のため、指導役が離れることも頻発する状況の中、これではいけないと対応策が求められる。
そうして試験的に始められたのが、他世界への“社会勉強”だった。
色々な事を知り、数多の次元で生きる人間達の力にもなって欲しいと、そんな願いを込めて。
学校を社会勉強先にした一部の姉の中には、そこで変な趣味に染まった者もいるようだが……健やかに育っていった。
いつもと変わらぬ、淡々としたルティシアの説明。
話を聞きながら、しかしいつしかなのはの胸には、一つの感情が宿っていた。
燃え盛る炎のような、怒りという激情が。
話し方は確かに同じ。
しかし、そこになのはは違和感を覚えていた。
ん? という、最初に感じた小さなトゲみたいな僅かな疑問は、いつしか確信へと変わる。
言動や振る舞いは普段と同じではあるが、今の彼女からは、普段は見せない感情が感じられた。
怯えに戸惑い、不安、そして……諦念と
どこか他人事のように話し、それはより顕著になって表れてくる。
しかし、なのはは勘違いだと思っていた。
フツフツと湧き上がるこの想いは、きっと怒りとは別の……言葉に出来ないけど他の何かなのだと、思っていたかった。
全身の毛を逆立てたユーノが肩から離れた事にも気付かぬ程に、強く、強くその手は握りしめられている。
「説明は苦手なもので、大雑把になってしまってごめんなさい。分かり難いことばかりだと思いますが、いつか改めて説明します。もっとも、近くに私が居れば、ですが」
「……近くに居ればってどういう意味?」
途中からは、静かに話を聞いていたなのは。
うつむいている彼女の言葉を伝えた声は、驚くほどに静かであった。
そんな彼女の状態に、“今”を諦め自らの殻にこもろうとするルティシアは、全く気が付かない。
だから、“いつも通り”を装って言う。
(この世界に来た時に、少女の心を傷付けないようにと思いましたが、結局はこうなるのですね)
以前大事な友人に言った言葉を、自分自身に対しては、他の者達も否定する形で……。
「私は、普通の人間ではありません。この世界の言葉を借りるならば、怪物です。怖いと思われるなら離れた方が良いでしょうし、必要なら全員から私に関する記憶を消し――」
「――――ッ!」
人気の無い神社に大きく響き渡る、鋭く乾いた音。
石段から離れて境内にいたユーノは、木霊のように聞こえてきたその音に思わず身をすくめた。
ルティシアの正面に立っているなのは。
彼女の青い瞳は、底冷えする程の怒りの光を放っていた。
「心を学びに来たんだよね? 私が怒ってる理由は分かる?」
指と指の間を僅かに開いた左手を真横に振り抜いた姿勢のまま、なのはは静かに問いかける。
張られたルティシアの頬の色は変わらず、逆になのはの手が赤く染まっていたが、“痛み”を感じているのは果たしてどちらだろうか?
「……少なくとも、怒りでしょうか」
「その理由は?」
「姉さんが動いたタイミング的に、離れることと思います」
「理解じゃなくて予測だよね。それとも、分かってないふりなのかな?」
いつもルティシアがしているように溜息を吐いたなのはは、ルティシアの視線と自身のそれを合わせる。
頂点に達して爆発した怒りは一瞬、既にゆっくりと鎮火し始めていた。
夕陽に照らされているルティシアの顔には怯えの色が浮かんでおり、濃紺の瞳も揺れ動いている。
「今のルティちゃんは、みんなの想いを裏切って逃げてるんだよ?」
「みんな……ですか?」
その声はか細く、震えており、普段の姿とはまるで別人だった。
それは、怖い話を聞かされて夜に怯える、小さな子供にも見える。
「うん、みんな。ルティちゃんを送り出した、竜の人達。お姉さんや妹さん。ルティちゃんを受け入れた、わたしのお父さんやお母さん。お兄ちゃんとお姉ちゃん、アリサちゃんやすずかちゃん。そして、わたしの気持ちから」
それを聞いたルティシアは沈痛な面持ちで、伏し目がちに口を開いた。
「しかし私は、ずっとこちらの皆さんを騙しています。セイティーグの家族以外は必要ないと思っていましたし、戦いに感情も必要ないと思っていました。ただ、目の前に立つ敵を倒せば良いだけだと」
「じゃあ、今でもそう思ってる? はっきりと口に出して言える?」
その答えは、彼女の変化した表情を見れば分かる。
しかし、あえてなのはは口にして、そこに踏み込んだ。
ルティシアの表情は、怯えから恐怖へと変わっていた。
顔色は蒼白だが、はっきりと首を横に振る。
「……ずっと、言えると思っていました。でも、今ではもう無理です」
揺れる瞳で、彼女は心情を吐露した。
「確かに、今でもまだそういう考えがあることは事実です。しかしあの時……この地で拾われた時から、“今”を壊したくないと考え、ここから離れ難く思う身勝手な自分もいるのです」
右手を横に伸ばすと、亜空庫から鞘に納められた氷雨を取り出す。
「先程の戦闘でも、今までなら途中で手を止めることなど無かったでしょう。そもそも、鞘から抜き放っていたはずです。それなのに、飼い主と共にいたあの子を思い出すと、出来ませんでした。頭の中の消えない雑音といい、私はおかしくなっているのでしょうか?」
「ううん、おかしくなんか無い。成長している途中なんだよ、ルティちゃんは。わたしと一緒で」
刀を両手で強く抱きしめると、そこに顔を埋めるルティシア。
その頭を撫でながら話すなのはの姿は、間違えてしまった子供にそれを伝え、過ちを諭す母親のそれだった。
「一人は寂しくて怖い。力を振り過ぎるのは悪い事。それを、お勉強してるの」
だからね、となのはは続ける。
「一緒に頑張ろう? わたしも、ルティちゃんの力になりたい」
「私で、良いのですか? 近くに……居ても」
それは消え入りそうなほどに、不安を抱えたか細い声。
「ルティちゃんはルティちゃんだよ。わたしの大事な妹のルティシア。ずっと、近くに居たら良いの。竜のルティシアの中にいる、“ルティちゃん”を見てくれている、みんなの所に」
だから、と続ける。
「一緒に頑張ろう? わたしも、ルティちゃんの力になりたい」
「私で……よけれ……」
小さな声は、最後は言葉にならずに別の何かへと変わった。
氷雨を伝って、透明な滴が石段を濡らす。
妹の震える肩と頭をそっと抱きしめたなのはの双桙からも、温かな何かが絶えず溢れ出ている。
本殿の境内では、そんな姉妹に背を向けたユーノが両耳を塞いでいた。
その本殿の裏側。
壁に背中を預けていた人物の、その姿が揺らいで、音もなくその場から消え去った。
※ ※ ※
姉妹の語らいから数日。
夕暮れ時の小学校。
運動系の部活動をしている生徒がまだ残っている校庭に、白い制服姿の姉妹の姿があった。
二人は、校庭の隅に設けられた花壇の方へと駆け足で向かう。
樹木にプランター、植木鉢。
色とりどりの花が咲き乱れる中、青系統の花も多く、ジュエルシードを探すのは難しく思えた。
「こっち?」
「はい。その真ん中辺りの鉢の影です」
その花壇の一画に固まって置かれている、植木鉢の方にルティシアはなのはを誘導する。
「なのは、ほらそこ。黄色い小さな花の」
なのはの肩にいるユーノがそう言って、前足で足下付近を指し示す。
……下校途中、ユーノと合流した二人はジュエルシードを探していた。
そろそろ帰ろうか? という時刻になった頃、街中の偵察に放っていたガンビットが、ジュエルシードを校庭で見つけた。
夕食と家までの移動を考えると余り時間は無いが、善は急げとばかりに学校へ戻ったのだった。
「あ、あったよ!」
見付けるまでは手間取ったが、後は封印作業のみ。
制服の胸元から赤い宝石――レイジングハートを取り出し始めたなのは。
その肩からルティシアの肩へと移動したユーノは、ホッと胸を撫で下ろした。
「発動もしていないし、今回はすぐ終わりそうだね」
ルティシアはそれに頷きながらも、この時間にも誰かが来るかもしれないと、周囲への警戒を怠らない。
「そうですね。ユーノが先に封印していたモノを含めて、四個目ですか」
「うん、後十七個だね」
ユーノの話によれば、ジュエルシードは全部で二十一個。
その内の一個は、姉妹と出会う前のユーノが既に封印を終えていた。
「広い街中を探すことを考えれば、充分早いペースだと思います」
「キミ達が手伝ってくれているから。ボク一人だったら、こう上手くはいっていなかったよ」
「二個目の封印作業には失敗しちゃったからね」と、今も姉妹を巻き込んだことを気にするユーノの内心は複雑だった。
「私よりは、姉さんの力と思いますが。私では、レイジングハートは扱えませんしね」
二人が話している間に準備を終えたなのは。
青い瞳にも見えてくる菱形の宝石――ジュエルシードに杖を向けて……
「げこ」
「「「げこ?」」」
聞こえてきたその声(?)に、ルティシア達も思わず振り返る。
そちらを確認すると、ジュエルシードの上に蛙が一匹。
二人と二匹の視線が、しばし無言で交差する。
ジュエルシードが輝きを放ち、蛙が青い光に包まれていく。
「まずい!」
咄嗟に、ユーノが結界――条件を満たす者以外は中に入ることも、認識することすら出来ない封時結界――を張り巡らせた。
そのおかげで、一瞬の輝きに反応した生徒こそいたものの、すぐに気のせいかと練習に戻っていく。
「ふぇー!」
慌てて、ルティシアの後ろに隠れるなのは。
「グ……ググ…」
青い光の中で、蛙の体がグングンと巨大化。
「ゲ……ゲコゲコ」
それは着物の様な服を着て、校庭の隅に置かれた大きな用具入れ程の大きさにまでなった、醜悪なトノサマガエルへと。
「ゲコォ……!!」
舌から紫色の液体を垂らしながら、蛙は高く跳躍すると姉妹へと襲いかかってきた。
ルティシアはなのはの腰に手を回すと、低く速く跳び、着地点から十メートルほど距離をとる。
二人が居た場所に着地した蛙。
その舌から液体が滴り落ちて、その先の地面が異臭と共に泡立ち、紫色へと染まっていく。
放っておけば、毒の池が出来上がるだろう。
「う、あれ嫌かも……」
よだれを垂らし続ける蛙を見るなのはの顔は、見るのも嫌そうだった。
「毒……かな?」
「かなり強力な毒みたいですね。ユーノ、レイジングハート。姉さんをお願いします」
なのはを下ろしたルティシアは、左手で亜空庫から納刀された氷雨を取り出すと、右手で引き抜く。
制服の下に着ていた黒のアンダーウェアを一度リストバンドに戻し、制服の上から着直す。
着ている服から瞬時に切り替わるなのはのバリアジャケットは、この点便利で良いと思うルティシアだった。
《all light》
「うん、任せて」
鞘も時に武器として扱うため、左手に持ったまま、刀を右下段に構えた彼女は一気に駆け寄っていく。
間の距離を一瞬で詰めたルティシアの鋭い右薙ぎの斬撃を、蛙はその体で機敏にも跳ぶことで避ける。
「ゲッコォ……!!」
ルティシアの数メートル横に着地した蛙は、その場で高速回転し、そのまま向かってくる。
その跡には、紫に染まって泡立つ地面。
「ルティシア! 説明した通り、手加減しなくて良いから! シードから解放されれば、また元に戻る!」
「分かりました」
答えたルティシアは、回転しながら迫る蛙を見据え……刀を地面に突き刺すと、力を解き放つ。
「
指導役だった姉から授かったこの刀は、それ自体が強力な魔力を持った武器であった。
彼女の苦手とする分野をサポート出来るようにと。
その刀身が、蒼く輝く。
刀を刺した場所から、蛙に向かって地面が小さく隆起する。
彼女の足下から、刃のように鋭い無数の氷の柱が現れ、地の道を通って突き進んでいく。
幾つもの氷の刃をその身で受け、貫かれた箇所から紫色の血と思われる液体を噴き出しながら、蛙が動きを止めた。
氷の刃が消えると、支えを失って、凍った毒の池へ前のめりに倒れる。
「やった!!」
「本当? 見えないよ、ユーノ君」
刺さる前に、なのははユーノに目隠しされていた。
蛙が倒れたのを見て、ルティシアは氷雨を地面から引き抜く。
その右足に、赤く長い舌が巻き付いた。
セイティーグの技術で作られたそれは、この蛙の毒でもビクともしない……が。
「不快な感触はしますね」
と、実際不快そうに言った彼女は、刀を一閃!
舌を切り裂いた。
刃先を相手に向け、右手を後ろに引き、左手をやや前に。
紅い闘気が、その身を包む。
「守力至宝……。神竜剣 火竜爪牙、≪裂爪≫」
音も無く起き上がろうとしていた蛙の懐に飛び込むと、袈裟斬りの様に左の肩口からそのまま切り裂く。
その反動を使って、流れるように一回転。
間を置かず、刹那の内に二撃目、逆袈裟……右下から斜め上へと斬り上げる。
Χ字の剣閃が蛙に描かれ――。
ルティシアが蛙に背を向けると、なのは達の所に歩いて向かい始める。
刀を一回転させ、刃先が上になるように後ろ手に持つ。
Χ字の真ん中に┃を描いて……蛙はその動きを完全に止めた。
途中で回避行動を挟むことも可能な、高速の三連撃の技。
「なのは!」
「うん! レイジングハートお願いね」
《all light》
ユーノが目隠しをしていた手を外し、なのはがレイジングハートを蛙に向ける。
「リリカルマジカル。ジュエルシード、封印!」
《sealing mode.set up.stand by ready》
レイジングハートを介したなのはの桜色に輝く魔力が翼となって吹き出し、それは帯となって蛙を包み込む。
「ゲ……ゲコ」
額に浮かぶ【 XX 】の文字。
「リリカルマジカル。シリアル20、封印!」
《sealing》
帯の中で、蛙の体は徐々に細かい無数の欠片へと分解されていく。
蛙から分離した青い宝石を、なのははレイジングハートの中に収納する。
「ふわぁー……」
「二人共、お疲れ様」
魔力を消耗したなのはが大きく息を吐き出した。
「結界を維持していたユーノもですよ」
ルティシアは大きく刀を払うと、鞘に――
「ルティちゃん、蛙を斬ったのを戻すの?」
納めようとした手が止まった。
鞘を先に亜空庫に戻す。
「後、ルティシア。右足の方、蛙の舌に触れられていたよね?」
左手のリストバンドに戻すと、そのまま足下に落とす。
刃先を使ってそれを拾い上げると、亜空庫に片付けた。
リストバンドは消耗品ではあるが、無限にあるわけでも無い。
しかし、今回のこれは洗うか捨てるかを考えると、捨てるに考えが傾きかけている。
それとは逆に、強力な魔法の品である氷雨は腐蝕といったものにも強いが、こちらは後できちんと処置をしようと決めていた。
「あ、時間が!? 急いで帰らないと、ご飯に遅れちゃう!」
「ご飯もですが、遅くなると兄様からお説教が」
「ま、まだそんな時間じゃないから!」
結界を解除し、蛙を花壇の近くの水辺に放す。
そして二人は、夕闇に染まる家路を急ぎ始めた。
※ ※ ※
「お腹空いたね。今日のご飯は何だろう?」
自分の横を行くなのはを見ながら、ルティシアは一つの事を思っていた。
「(心ある力を目指せと言われた意味が、少しだけ分かったかもしれません。今の私でははるかに遠いと思いますが、必ず掴んでみせます)」
この数日の想いを決意に変えて。
「あ、ルティちゃん?」
「どうかしましたか? 姉さん」
妹を見つめるなのはの顔には、柔らかな笑みが浮かんでいた。
そして、不思議そうな顔をしているルティシアの左手をしっかりと抱き込む。
「そういえば、まだ何か隠してるよね?」
「え?」
「ユーノ君が、この間ルティちゃんのネックレスに黄金の牛の飾りがあったって言ってたんだ。ちょっと気になるから、ご飯が終わった後で、教えてくれないかな?」
※ ※ ※
「ねぇ、ユーノ君」
「うん? どうかした、なのは?」
夕食を終えた後、なのはは一人先に、部屋に戻ってきていた。
美由希に捕まって浴室に連れていかれたルティシアは、まだ戻ってこない。
ベッドに寝転んだなのはに呼ばれ、寝床であるバスケットの中からユーノが顔を出した。
「わたしは、ルティちゃんの力になれるのかな? わたしも一緒に戦えたら、ルティちゃんも楽になると思うんだけど」
竜で戦いが専門と言われても、妹のルティシア一人に戦わせるのは、どこか心苦しかった。
これが恭也なら素直に見ていられるのだが……。
「う~ん、多分後少しだと思うんだ。朝の様子だと、今練習してる魔法はもうすぐ完成する」
なのはは最近、今までよりも早く起きるようにしていた。
その時間を使って、魔法の練習をするために。
学校が終わった後も、塾やジュエルシード探索の時間とは別に、練習の時間を取っていた。
家族の血なのか、練習や努力をすることに抵抗は無い。
「後少し……うん、頑張ろう!」
右手にレイジングハートを持って、自らを鼓舞するように高く掲げる。
そんな主を応援するかのように、レイジングハートは淡く輝いていた。
next
日頃の行いは、時に思わぬ形で返ってくる。
それから逃れる術を持たぬモノは、ただ捕獲されるのみ。
ルティシア「ごめんなさい、そこだけは……」
(出典)
蛙:ライブアライブより、尾出院王ガマ蛇変化