魔法少女リリカルなのは~竜の国の社会勉強録~   作:ショウマ

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 長めの会話と若干のシリアス、止められなかったおかしなネタを混入した幕間のお話です。


 この話をもって、原作からはさらに剥離した展開となっていきます。





その44 腹黒い者達のお茶会

 時空管理局所属の次元空間航行艦船アースラは、先の事件解決後もなのは達に説明した通り、ジュエルシードが管理外社会に悪影響を与えていないかの調査を行っていた。

 

 

「リンディ艦長。情報に有った場所の調査が終わりました」

 

 

 オペレーター席に座る男性の一人、紫色の髪をしたランディが艦長席の方に座席を回しながら報告を始めた。

 

 

「該当エリアに、魔力の残留影響はありません」

 

 

「そう。人的影響の方は何か分かったかしら?」

 

「確認出来た範囲では無いようです」

 

 

 リンディの問いに、もう一人の男性オペレーターの茶髪に眼鏡のアレックスが答えた。

 

 

「まぁ、そちらには中破状態のサーチャーを使っているから、魔力反応の計測ミスもあるかもしれないけど……」

 

 

「なのはちゃん達の反応もありませんし、本格的に修理か新しい物を用意した方が良さそうですね、これは」

 

 

「技術部の方は、例の空間攻撃の時に防御システムが一部いかれたとかで、そちらにかかりきりですしね。修理するなら時間がかかるかと」

 

 

 三人が頭を悩ませていると、リンディの席の背後の扉が開く。入ってきたのは黒髪に黒衣のバリアジャケットを常に纏う少年――管理局執務官のクロノと、茶色短髪に管理局の制服を着た少女――アースラ通信主任兼執務官補佐のエイミィ。

 

 

「クロノ、エイミィ、四人の様子はどうだった?」

 

 

「リンディ艦長、先程プレシアさんとアリシアちゃんが目覚めました~」

 

 

「アリシアの方はまだ意識がはっきりしていませんが、プレシアの方は意識もはっきりしており、会話も可能でした」

 

 

「フェイトさんとアルフさんは?」

 

 

「プレシア達の様子を見に行ったエイミィから念話が届くまでは、僕と訓練室にいました。今は部屋で待機しています」

 

 

 2人からの話を聞いたリンディは、頷くと同時に艦長席から立ち上がる。

 

 

「それじゃ、私はプレシアさんとお話する事があるから、彼女の部屋に行ってくるわ」

 

 

「お供します、艦長」

 

 

 リンディの後にクロノがつき、ブリッジを出ようとしたが不意にエイミィの前で足を止める。

 

 

「エイミィ、ちょっといいかしら?」

 

 

「リンディ艦長、何でしょうか?」

 

 

「ちょっと用意して欲しいものがあるのよ」

 

 

 アースラ内のプレシアに用意された部屋にリンディとクロノが訪れた時、室内では涙を流して抱き合う親子の姿があった。

 

 

「ごめんなさい、ちょっとタイミングが悪かったみたいで……」

 

 

 クロノを部屋の外に残してきたリンディが、申し訳なさそうに頭を下げた。

 

 

「気にすることないわ。むしろ、こちらがあなた達に迷惑をかけてしまったのだから」

 

 

 頭に山猫を乗せたアリシアの頬を撫でながら立ち上がったプレシアだが、まだ本調子ではないのか少しよろめいてベッドの上に腰かけた。

 

 

「失礼だけど、このままでもいいかしら?」

 

 

「はい、こちらも椅子に座らせていただきますから。長いお話になりますし」

 

 

「アリシアに聞かせても平気かしら?」

 

 

「それでしたら、フェイトさん達と一緒に待っていただくというのは?」

 

 

「そうね。起きなさいリニス」

 

 

 アリシアの頭の上にいた山猫が光に包まれ、床に下りると同時に人の姿に変わる。

 

 

「プレシア……」

 

 

 現れた女性――リニスはプレシアに感極まった表情を浮かべていた。

 

 

「リニス? あなた、もしかして……今までの事を」

 

 

 訝しげな表情のプレシアに、リニスは溢れる涙を拭いながら頷いた。

 

 

「何故か、の説明は出来ませんが。あの日消滅してから、今までの事は知っています。この子がアリシアという事も、フェイトとアルフが頑張った事も……」

 

 

「ふふ、やはりあなたは優秀な使い魔ね。維持するのは楽じゃないけど、また力になってもらうわよ」

 

 

「もちろんです、プレシア」

 

 

 2人の話が終わるのを見計らったかの様に扉がノックされ、あれこれ載せたカートを押してエイミィが入ってきた。

 

 

「お待たせしました~、リンディ艦長」

 

 

「ありがとうエイミィ。それで、悪いけどアリシアさんとこちらのリニスさんを、フェイトさん達の所に連れていってあげてほしいの」

 

 

「は~い、ではこちらに」

 

 

 エイミィと、アリシアを抱き上げたリニスが部屋の外へ。

 

 

 ベッドに腰かけたプレシアの前に机を置き、その上にカートの上に有った物をセッティングしていくリンディ。

 

 

 最後に机の周りに椅子を二つ置いて、その内の一つに座る。

 

 

 机の上に置かれた物は急須と、ティーセット。

 

 

「さて、そろそろ良い蒸らし時間かしら? 手順も合っている筈ね」

 

 

 リンディが見つめたのは、そこに置かれたティーポット。

 

 

 まずは、ポットに沸騰したお湯を入れ温める。お湯を棄てた後に茶葉を入れ、そこに熱湯(95℃ほど)を高い位置から勢いよく注ぎじっくりと蒸らしたもの。

 

 

 それを、空いている席に置かれたティーカップに注ぎ、プレシアの前のティーカップにも淹れる。

 

 

「これは?」

 

 

「プレシアさんの事や、アリシアさんリニスさん、それに他にも色々な事を知っていそうな心当たりが一人だけありまして」

 

 

 誰も居ない席に置かれたティーカップを不思議そうに見つめるプレシアに、自身には急須から緑茶を淹れながらリンディが答える。

 

 

「心当たり?」

 

 

 緑茶に角砂糖を入れるリンディに唖然とした表情を浮かべて、プレシアはそれとなく自分のティーカップを引き寄せる。

 

 

「これは私への召喚陣か何かですか?」

 

 

 静かな落ち着いた声と共に空間が揺らぎ、空いた席に腰かける少女の姿があった。

 

 

 赤い刺繍の入った赤紫色のローブを纏い、腰までの長さのプラチナブロンドの髪はそのままに、紫の瞳の目は閉じられている。

 

 

 冥魔王が一人、“冥智王”アシェラと名乗った少女。

 

 

「あら、お茶仲間をご招待しただけよ?」

 

 

 しれっと返すリンディに、なるほどとプレシアは口の中で小さく呟いた。

 

 

 少女――アシェラは虚空から取り出したクッキーの小皿を机に置くと、用意されたカップを優雅な仕草で持ち上げて、口元まで運ぶ。

 

 

 香りを楽しむかの様なその姿に、リンディは少女の様子を窺う。

 

 

 やがて、紅茶を一口飲むと軽く頷いた。

 

 

「香り、味。急いで用意された割には、良いものですね」

 

 

「ティータイムにお付き合いいただけるかしら?」

 

 

「私も忙しい身ですが、しばらくの間だけお付き合いいたしましょう」

 

 

 少女の答えに、リンディはホッと一息をついて自分もお茶を口にする。

 

 

 そして、気持ちを引き締めて口を開いた。

 

 

「まず、この間の魔族達は倒せたで良いのかしら?」

 

 

「一時的に、だけですね。魔族は、それぞれに定められた『真の死』を与える方法を用いない限り、何度でも現れます。特にあの二体は再生が早く、その内また現れてくるでしょう」

 

 

「それはあなた達でも分からないのかしら?」

 

 

「知っていればメルが協定前に滅ぼしています。遥かな昔から戦っているのですから」

 

 

「……本当に迷惑ね」

 

 

 そう嘆息したリンディに代わってプレシアが口を開く。

 

 

「リニスが事情を理解していたり、アリシアが涙は流したけど喋らないのは、あなたが関係しているのかしら?」

 

 

「リニスというのはあの時生き返った山猫ですか? 私が用意した蘇生法は、魂を肉体に戻すだけ。他に効果が出ているとするならば、効果を確実にするために混入したものの関係ですね」

 

 

「混入したもの?」

 

 

「クロノから聞いたわ。でも、三人共効果が違うみたいだけど、これについては? プレシアさんが若返った理由は特に聞きたいけれど」

 

 

「私が用意した破壊と再生の不死鳥、フェニックス。更に生命力を高めたそれは、病巣を焼き尽くし、まだ命を保っていた身体に生命力を注ぎ込んだ結果、若返ったのではありませんか? その場合は逆作用して、老化の可能性もありますが」

 

 

「それは危険ね」

 

 

「普通に歳をとるならともかく、何かの作用でなら遠慮したいところだわ。命を救われて言うものではないけどね」

 

 

 小皿からクッキーを摘まむリンディとプレシア。二人の口の中に甘い味が広がる。

 

 

「まぁ、計算に入れて配合はしてありましたが、あの時言ったようにイレギュラーがあればまた変わっていたでしょうね」

 

 

「ちなみに、あの時使われたものはまだあるのかしら?」

 

 

「いえ、あれ一つだけです。生命に関する事は、私達にとってもたやすいことではありません。……話を戻しましょう。残りの二人。年若い少女には、死の記憶は辛すぎる」

 

 

 ティーカップを机の上に戻し、静かにアシェラは語り始める。

 

 

「彼女の中では今、偽りの歴史が流れています」

 

 

「偽り?」

 

 

「人の姿の山猫を、自分に妹が居ると言うことを、彼女にも理解出来る様に。幸い、事故当時の時間概念も、彼女を認識する友人もいませんから、問題なく偽りの記憶を受け入れる事でしょう。いわば、今はまだ夢を見ているようなもの」

 

 

 そこまで話すと、真っ直ぐアシェラはプレシアの方に顔を向ける。瞳は閉じられたままだが、暖かな何かをプレシアは感じていた。

 

 

「余程貴女に会いたかったのでしょうね、夢見の術の効果が切れていないのに起き上がるとは。……それとも、夢見の必要も無かったのかもしれませんね。魂の状態でずっと貴女の近くにいたのですから。山猫の魂と共に」

 

 

「アリシア……、リニス……」

 

 

 ずっと寄り添っていたのですから、とその言葉を聞いたプレシアの目からは涙が溢れる。

 

 

 

「魂と呼ばれるものがどう在ってどう思うか、これは私にも分かりません。私には魂と呼ばれる何かを感じることは出来ても、対話は出来ませんから。……私はただ、それに力を差し伸べただけ」

 

 

「そのお話の通りなら、アリシアさんと違ってリニスさんは、夢見の術と呼ばれたそれをすぐに理解した事になるわね」

 

 

 ティーカップに視線を戻し、虚空からティーポットを取り出すと熱いそれを注ぎ入れる。

 

 

「そうなりますね。夢見か、在り続けて見たものか、どちらであろうと最早私には関係ありませんが」

 

 

「ルティシアさんがあなた達の事を“破壊する存在”と言っていたけど、とてもそうは思えないわね。どちらかと言えば、優しすぎる」

 

 

 プレシアの方に一瞬視線を向けてから、リンディはアシェラを見る。

 

 

 そのアシェラは視線を気にせず、クッキーを手に取って口に運んでいた。

 

 

「間違っていませんよ。私達は冥魔、破壊する存在です。狙いが今は魔族というだけです。魔族の力の残滓を与えた魔法具を発掘者に見つかる様にしたり、あちらが手を出すように仕向けたり」

 

 

「それって、まさかジュエルシード?」

 

 

 お茶を取ろうとした手を止めて、途中を遮りリンディが声を上げた。

 

 

「そうです。ザハク達を先に狙ったのは私の個人的なものでしたが。……魔族達を排除するための仕掛けとして、ジュエルシードを利用しました。私達が魔族を直接狙えないなら、代わりに戦うものを鍛えれば良いですしね。……幸い事故で弱体していても、守護者も居ましたから。誘導すれば多少は削ってくれるでしょうし」

 

 

「この地に、ミッドチルダにどれだけの魔族がいるかは分からないけど、一人の力で出来ることなん……まさか」

 

 

 何かに思い至ったリンディに、アシェラは微笑を浮かべる。

 

 

「そう。魔族を危険な存在と知る者を増やすだけ。守護者は魔族と戦う道を選ぶでしょうし、あの少女達も戦いの道に進むでしょう」

 

 

「あなた……」

 

 

「私としても、フェイトをこれ以上危険な目に合わせたくはないわね」

 

 

 気持ちを落ち着かせたプレシアも、アシェラに視線を向けた。

 

 

「組織に対抗するためには、個々の力では無意味です。大木の腐った部分を破壊するには、相応の力が必要です」

 

 

 二人の視線をまるで気にせず、アシェラは話し続けた。

 

 

「私達にも、それを……管理局を裏切れ、と?」

 

 

「違いますよ」

 

 

 リンディの目に剣呑な光が宿りかけたが、アシェラは首を横に振る。

 

 

「組織全てを敵にする必要はありません。魔族が複数侵入しているといっても一部、しかしそこはとても強固な場所。故に、内部からも手を回す必要があります。貴女方にはそちらに手を貸してもらいたいのです。……悪い話では無いと思いますが? 腐った部分を切り落とすだけですし、そもそも貴女方も魔族とは関わりがあるのです。プレシアさんだけではなく、リンディさん? 貴女も」

 

 

「……それはどういう意味かしら?」

 

 

 警戒しながら問いかけたリンディに答えぬまま、アシェラは机の中央に持っていたティーカップを置く。

 

 

 置かれたティーカップから光が放たれ、三人の頭上にスクリーンの様なものが現れる。

 

 

 映し出されたのは、かなり乱れた映像ではあるが、どこかの室内。

 

 

 ただ、全面ひびが入り、何か根の様なものが侵食するかの様に徐々に伸びていく。

 

 

「これは……この映像は」

 

 

『急いで下さい、クライド提督! もう保ちません!』

 

 

『分かっている、ラフェリー執務官! こちら二番艦エスティア……』

 

 

「ラフェリー……!?」

 

 

 リンディも、プレシアも映し出された映像の二人の人物を見て驚きの声を上げた。

 

 

 クロノを成長させたかの様な黒髪に黒服のクライドと呼ばれた男性と、金髪に眼鏡をかけ白いロングコートを纏ったラフェリーと呼ばれた男性。

 

 

 通信を行うクライドを庇う様に、銀色の銃型デバイスを構えたラフェリーが立つ。

 

 

「あのデバイスは間違いない……。ベレッタロウズ」

 

 

 プレシアの呟きを打ち消す様に派手な音が響いて、剣と盾を持ち背に翼を生やした白い人型のものがラフェリーの足下に転がる。

 

 

 やがて、火花と共にスパークが走り、消え去ってしまう

 

 

『あれしきで我を封じたつもりか?』

 

 

『クスクス。素直に逃げれば君達は生き残れたかもしれないよ?』

 

 

 次に映し出されたのは、宙に浮かび額に三つの目を持った青い肌をした男と、一見普通の少年。

 

 

『ふ。絶・対・正・義の前に、引くわけにはいかん』

 

 

 ラフェリーが眼鏡に手をやりながら答える。

 

 

『我の目的は、闇の書とやらの力を用い闇の門を開くこと。そして我が神においで願う。たかが人が、邪魔をするな』

 

 

『この書には色々な願いがあるからね。僕はそれを叶えないといけない』

 

 

『それをさせるわけにはいかない』

 

 

 ラフェリーの横にクライドが並び立ち、デバイスを構える。

 

 

『終わったのか?』

 

 

『はい、間もなくこの舟に向けてアルカンシエルが撃ち込まれるかと』

 

 

 二人の口調が先程までと変わる。立場が逆に、しかし親しさは増している。

 

 

 管理局所属艦船の武装の一つであるアルカンシエル。放たれたそれは、空間湾曲と共に反応消滅で対象を殲滅する切り札。

 

 

『では、僅かな時間に残り全ての魔力をこの銃弾に込めるだけだ』

 

 

 確実な死を前にも慌てる事無く、ラフェリーが眼鏡に手をやって光を反射させつつ、纏っていた白いロングコートを脱ぎ捨てる。

 

 

 はだけられたYシャツに、短パン。胸にはホルスター。

 

 

『先輩。何度でも言いますが、その本気服はどうかと思います』

 

 

『これの良さを、最期まで理解しないとは』

 

 

「むしろ、私は正気を疑ってたわ」

 

 

 ポツリとプレシアが呟き、画面の中の少年は肩をすくめた。

 

 

『やれやれ、今回は無理そうかな』

 

 

『やむを得ん。次を待つか』

 

 

『そうはいかん。逝くか、クライド・ハラオウン提督』

 

 

『魔力全て持っていってください、ラフェリー先輩』

 

 

 二人の足下に巨大な魔法陣が現れ、クライドから吹き上がる魔力光はラフェリーに、その手の銃へと伝わっていく。

 

 

 正面に現れる白い魔法陣。

 

 

『お前達を逃がすわけにはいかない!』

 

 

 クライドから放たれたチェーンが男と子供を縛り上げる。

 

 

『悪に裁きを! ミカエル、デスペナルティ!』

 

 

 銃から放たれた魔力弾が魔法陣を通過すると同時に、先程よりも神々しさを増した白く光輝く天使の姿に。

 

 

『うおぉぉぉ……!!』

 

 

 二人の雄叫びと共に、画面が徐々にホワイトアウトしていく。

 

 

 記録では、エスティアはとあるロストロギアを輸送中に、突如暴走したそれに制御を乗っ取られ搭載していたアルカンシエルのチャージを開始。

 

 

 仲間の船にそれを伝えたクライド・ハラオウン提督の願いで、発射されるより先に仲間の艦船のアルカンシエルがエスティアを沈めた。

 

 

 エスティアの乗務員はほぼ全員が脱出し、艦長のクライド・ハラオウン提督とラフェリー執務官は、エスティアと運命を共にしたとあった。

 

 

 それ以外のものについては、データは残っていない。

 

 

 歴史の陰で行われていた身近な人物達の戦い。

 

 

 それを見ていた二人は言葉を発する事無く、放心状態に陥っていた。

 

 

 アシェラも静かに、二人が覚醒するまでジッと待っていた。時々ローブを引っ張る手にクッキーを乗せながら。

 

 

「私が寝ている時に言っていた、良いお話というのも含めて聞かせてもらいましょうか?」

 

 

 プレシアが意識を取り戻し、リンディも少し遅れて意識をはっきりさせる。

 

 

「時空管理局の提督として、魔族を管理局から無くす話をしましょうか」

 

 

 二人の話を聞いて、アシェラは紫の瞳の目を開きながら微笑んだ。

 

 

「では、それぞれに旨味がある話を詰めていきましょうか」

 

 

 その部屋の外で、壁にもたれて片手で胃の辺りを押さえたクロノに、急に喋り始めたアリシアをフェイト達に任せたエイミィが話しかけていた。

 

「どうしたの、クロノ君?」

 

 

 ・・・

「静かな部屋の中で、どんなお茶会が行われているかを考えていたら、胃が……」

 

 

     ※ ※ ※

 

 

「メイオルティス殿、良いか?」

 

 

「うん? どうかしたの、ビューネイ? ヒミコの方かな?」

 

 どことも知れぬ不思議な空間。

 

 クッキーを食べている黒いシルエットに包まれた少女の近くに、長身の女性(の影)がやってくる。

 

「私だ。アシェラ殿が何かしているが、人間達を利用と言っても鍛える事には違いない。私達の邪魔をするのではないか?」

 

 

「あは。大丈夫、それで良いんだよ」

 

 

「何? どういう事だ?」

 

「あれ、言ってなかったかな? あの駒達を使って魔族達を排除したら」

 

 少女は食べ終わり、手を払いながら……

 

 

「その後に、ちょっとやってもらいたいことがあるんだ。それも終わったら、あたし達で今度はあの世界を壊すんだよ。あたし達が遊べる様に鍛えた駒を壊す瞬間って、面白そうと思わない?」

 

 

 楽しそうに声を弾ませた。

 

 

 




next


新たな友人を祝う準備


それを数日前に控えた


ある「こんなはずではなかった日」の出来事
 
 
 
 
 
以前に少しだけ書いたラフェリーさんのオリジナル、閲覧者の方からはすぐにメッセージで当てられ。


片寄った趣味全開の内容が多くて申し訳ありません。しかし、今後もちょこちょこと変なネタは入ります。


(出典)
 ミカエル:シャーマンキングより。本作ではミッド式魔術の召喚魔法。

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