蒼髪少女(中身青年)のプレイ記録(旧題:ワタシはワタシたりえるか?)   作:鋼色の銅鐘

11 / 18
十一話目です。

時系列的にもちろんバレンタインの話を含みます。

それと、5000UA及びお気に入り140件超えありがとうございます!作者の励みになっております!

それではどうぞ。



二月一日〜二月二十九日

二月一日

 

自分達に近しい人物が超級職を入手した、ということで<編纂部>のメンバー、およびアリアさん……とその部下であるあのデバガメ探偵に少しばかり情報提供をせがまれる。

 

超級職についての基本的な情報自体は<DIN>で調べればわかるのだが、彼らとしては「【槌姫】という超級職」についての情報が欲しかったようだ。

 

理由としては前代(師匠)が五十年以上ずっと就いたままかつ、見た目だけではスペックの測りようがなかったから、とのこと。

 

……そして色々考えたのだが、ジョブそのもののデータについて外部非公開にしてくれるならという条件で受けた。

 

<DIN>組の方ではアリアさんは受け入れようとしたものの、探偵が「<DIN>の主義がある」として条件を飲もうとせずアリアさん(上司)に鉄拳を食らっていた。

 

一応両方の陣営とも情報は非公開にするということで話が通ったものの、探偵に不審な動きがありそうなのが困りものだ。

頭が回るタイプだからタチが悪い。

 

それはともかく、情報を提供する為に改めて【槌姫】というジョブについて確認・検証した訳だが……これがまた、戦闘系超級職のサンプルとしてはあまり参考にならないものだった。

 

ステータスはSTR重視型、かつスキルは奥義含めて二つのみ。

ここまでは良い。

問題はその二つのスキルである。

 

まず一つ目、《エクステンドブレイク》。

ハンマーを扱う攻撃をした場合、攻撃の範囲を任意で最大百メテルまで広げるという広域殲滅型寄りのアクティブスキル。

 

二つ目、《フルパワー・スレッジ》。

こちらは二つの効果を持ったパッシブ奥義だ。

まず、装備するのに両手の武器スロットを必要とする両手槌を片手スロットのみで扱えるようにするという効果を持っている。

 

次に、両手スロットが一つの両手槌で埋まっている際にSTRを+一万するという効果を持つ。

 

……文面にしてみてよく分かるのだが、《フルパワー・スレッジ》は相反する二つのパッシブ効果がある。

 

STRを重視するなら両手持ち、小回りやサブウェポンを重視するなら片手持ちが可能という……地味ながら器用なジョブでもある訳だ。

 

逆に文面だと良くわからないのが《エクステンドブレイク》だった。

まずこのスキル、仕様として「直接ハンマーで叩ける範囲」と「延長された範囲」がある。

 

試験的に使ってみると、延長された範囲の部分にいた敵は側から見ると何かしらの重圧に押し潰されたようになっていた。

 

ワタシにはどうやって押し潰しているのかトンと見当もつかないが、そういうもの(ファンタジー的謎パワー)だと考えればいいのだろうか。

 

……このゲーム、こういうところ(物理法則とか)はファンタジーかつファジーな癖にやたらとリアリティが高すぎて時折反応に困るんだよな。

 

ともかく、今日あったことはこのくらいだ。

また後日、何かあったら書くだろう。

 

 

二月十日

 

ストーキングしてくる方のバカことアルヴィオンが久々に襲来して来た。

 

それとイコールで変装を見破られたということでもあるが、そろそろ変装のレパートリーも増やすべきか……。

 

今は清楚風ファッションなので、何かしら良い案が浮かぶといいんだが。

 

話がズレた。

ともかくアルヴィオンである。

 

久々の邂逅ということもあってか、この前よりウザったらしさが二倍くらいにグレードアップしていた。ウザい。

 

「傷心だろうキミに贈り物をしに来たんだ!」と言うまではいいが下心は隠せ阿呆め。

そもそも下心は口に出すな。キモがられるぞ。

 

とはいえ贈り物自体のセンスは良いので、多分良いトコの育ちなんだろう。

ワタシは香水なんぞ貰っても結局使わないので意味はないのだけれども。

 

……それにしても、励ましの口上が無駄に熱血していたのは素だったのだろうか。

素がアレであの絶妙に気持ち悪いイケメンRPなら絶賛して然るべき演技力だが。

 

まあ、それは置いておいて今日はここまでにしよう。

明日は何があるのやら……。

 

 

二月十二日

 

特典武具――正式には【銀鎖縛錠 カトゥシエノス】だが長いので鎖とする――と【トール】第Ⅳ形態のスペックがある程度掴めてきた。

 

まず鎖だが、捕縛特化特典武具であり【拘束】の状態異常でも最高位とみられるものが付与出来る為に一撃をしっかりと当てる必要がある槌と非常に噛み合う性能をしている。

 

だがしかし、相手を捕縛・拘束する為にはこちらから鎖を相手に向けて投げる必要がある。

それに単に正面に立って投げるだけでは避けられてしまうから、かなりの技術習熟が必要となりそうなのだ。

不意打ちでは扱いやすそうだが。

 

……ちょっと投げ方さえ工夫すれば複数体同時拘束だとかが出来そうなので結構応用の幅が広そうなのは非常にありがたいことだろう。

 

そして【トール】。

第Ⅳ形態となり、スキル名称が変更されたり新スキルが追加されたりしたのも確かに利点なのだがそれよりも重要なことがある。

 

形状の変化、というか材質の変化だ。

いままでは金属槌だったが、それどころじゃない変貌を遂げてしまったのだコイツは。

 

……なんでこうなったか考えるとアタマが痛くなるので端的に書いてしまうと、今の【トール】はいわばハンマーの形を成した『雷そのもの』なのである。

 

ワタシ自身が握ると自動的に【麻痺】するし、対象を殴りつけると焼け跡が残ったり凹んだりするのだ。

敵対者が触れるとやはり低確率で【麻痺】する。

また、検証によると装備防御力も一定割合(三割)のみ貫通している。

 

つまり物理衝撃及び物理攻撃の判定は残っている上に雷属性としての性質もある程度兼ね備えた非常にインチキな武器である。

 

相棒の変貌ぶりにアタマが痛い。

 

証言者によれば、遠目に見ると金色のハンマーだが近くに寄ると雷が無理矢理その形になっているようにしか見えないらしい。あと夜だとぺかぺか光るとかなんとか。

 

しかし、メリットばかりでもない。

雷属性無効の敵には物理のみでしか効かない為に第Ⅲ形態時の方が攻撃が通りやすかったり、中途半端に実体がある上武器判定も残るせいで武器破壊が通用したりもする。

あとは先述のように無効化不可の【麻痺】が常に自分に掛かるといったくらいか。くらいで済まされない程度には痛い(常時AGI30%低下)が。

 

……自分で書いていても思うが、非常におかしな武器になったものだ。

なぜこの性質がスキル化しないのか。

 

これが上級エンブリオか、と思うより先にこれが脳筋(ワタシ)か、という感想が湧くくらいにはおかしい。

 

それでも案外気に入っているから、脳筋性能だろうが扱えるのだけれど。

 

さて、今日はここまで。

 

そろそろバレンタインが近い。

クリスマスのようにならなければいいのだが……。

 

 

二月十四日

 

バレンタイン。

 

案の定日本人とみられるメンツが発狂していた。

海外ではジャパニーズバレンタインは浸透していないから、結構戸惑っている面々も多かったけれど。

 

それとちょっとしたイベントがあったりしたが、詳しい内容は割愛する。

……というか参加しなかった。

誰がカップルなんぞ組むかという話だ。

 

が、しかし。

イベント最終日にとある<マスター>が『カップル死ね!!!』と叫び声を上げながら乱入してきたのである。

 

巨大な二脚型エンブリオで次々と被害を広げ、最後には某都市で暴れ回る……というタイミングでこれはまずいとワタシ含んだ一部ランカー(実は最近討伐ランキングに名前が入った)や特殊超級職持ちが対処に回る羽目になったというわけだ。

 

早速鎖が役立ったのだが、これがまあ相手が悪かった。

 

足掻き始めた頃から使ってきた必殺スキルで対象の位置がズラされるので視認からの拘束が基本となる鎖では無茶だった。

逆に言えば必殺を使われる前は拘束出来ていたのだが……。

 

そしてその頃にはもうメンツが揃っていたのでワタシの出番はほぼなかった。

なんだかんだで強いメンバーが多いんだよな、レジェンダリアランカー。

 

ともかく今日は対応でクタクタになった。

もう寝たい……。

 

 

二月二十九日

 

バレンタインが終わってからの期間を修練に費やしたのでかなり時間が飛んだ。

十五日×三倍速は案外時間が経つものである。

 

……お陰で最近は髪の手入れとかがあまり出来ていない。

最低限水浴びはやっているが、最近自分のアバターを見ることに羞恥心がなくなって来たのも困りものだ。

 

いつのまにかトイレ(デンドロ内)も忌避感が消えてるのでそろそろ危機感を持たねば。

 

胸揺れも正直気にしなくなって……アレ……?

 

 

 

 

さすがにそろそろ男としてマズイのでは?????

 

いやいやそんなまさか。

だがしかし最近は…………死にたい……。

 

いろんな意味で慣れすぎたワケか。

ふふふもう知らんやるしかねえんだはっはっは。

 

〜〜〜ッ、今日はここまで。

思考入力の敗北を感じる……。

 




今回もここまで読んで頂きありがとうございました!

なんとなくわかった人もいるのではないかと思いましたが、書いているうちに思いついては色々付け足したくなってしまうのは悪い癖ですね……。
今後気をつけていきたいと思います。

それではまた次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。