蒼髪少女(中身青年)のプレイ記録(旧題:ワタシはワタシたりえるか?)   作:鋼色の銅鐘

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二話目。
お気に入りや評価ありがとうございます!励みになります。

色々適当にばら撒いた上に捏造を重ねるスタイル……


八月一日〜八月三十一日

 

八月六日

 

やはり急激な<マスター>増加のせいかアムニール全体の治安があまり良くはない。

ここ数日はウォギム殿ら<アムニール警邏隊>の手伝いをクエストとして受領して、混乱に乗じて悪事を働こうとするティアンやバカをやる<マスター>の対処に追われてばかりだった。

 

実力行使に及ぶことがほとんど無かったのが幸いではあるだろうが、それでもアムニール在住ティアンからの<マスター>への印象は芳しくないらしい。

 

それでもワタシのように友好的な<マスター>が一定数存在するという事実は、ギリギリのところでティアン達の不満を爆発させずにいるとのこと。

 

これ以上騒ぎや混乱が大きくなればレジェンダリアを実質統治している宰相殿……の、部下が出張って来るそうな。

具体的にはレベルカンストがフルパーティ(六人)分。

 

その他強硬意見としては『<マスター>追放もやむなし』という意見もあるようで、こちらは友好派も非友好派も纏めて国外追放……ということで一応少しずつ計画が水面下で進行しているらしい。

 

そんなことになれば一大事、ということは宰相殿も【妖精女王】様も理解しているらしく、特に末端の現場で動いている面々もその気持ちが強いとはウォギム殿、及び同じく<警邏隊>所属のデ・バオム氏の言。

 

それは外部協力者の自分に聞かせていいのだろうかと聞けば、むしろそれを宰相殿から推進しているとのこと。

 

どういう意図があってのことかは自分には分からないが、少なくともワタシ個人としては<マスター>追放という事態だけは避けたい。

かといって一個人にはどうしようもない。

 

どうしたものか……。

 

ともかく続きは明日以降にしよう。

 

 

八月十四日

 

いよいよ騒ぎの収拾がつかなくなってしまいそうなタイミングで、【妖精女王】様が『ライブやろうぜっっ』と突如として<アムニール警邏隊>本部に殴り込みを掛けて来た。

 

宰相殿の部下の方々は織り込み済みだったようで、現場で行動するメンバーだけがワチャワチャと混乱する最中でも指示を的確に飛ばしていたのは流石というか。

 

このファンタジー溢れる国柄に対してステージライブという関連性が良くわからなかったものの、国家元首の片割れが象徴(アイドル)という時点で今更のようだ。

 

……それは置いておいて、いざライブという情報が広まった時点で既にステージの観覧席が埋まるレベルでティアンがかなりの数詰め掛けていた。

 

<マスター>も結構な数が来ており、探してみれば知人の姿も見つけられたのだろうが、準備の手伝いに追われてそれどころではなかったのが悔やまれる。

 

突発ライブ、ということだった為抽選が狭き門と化していたものの抽選段階で暴動が起きたりすることもなく、無事にライブが始まって――熱狂のうちに終わった。

 

事細かく記すと思い出すだけで一苦労な為、あまり詳しくは記さないが『歌に引力というものは存在する』ということが感想としては適切だろう。

 

彼女にこちらの歌唱技術を教えたらどうなるのか……は気になるが、身分差だとかもあるしチャンスはないか。

まあ頭の片隅にでも留めておこう。

 

今週はライブのインパクトこそ強かったものの、明日以降がどうなることか。

そろそろレベリングもしたいし色々考えなければ。

 

 

八月十五日

 

一夜明けてもまだライブの熱狂が消えていないのは、異常とも言える影響力というかなんというか。

 

馬鹿な<マスター>もある程度は沈静化して(極一部は【妖精女王】様の熱狂的なファンと化して)来たし、匿名掲示板では有能な面々が色々と必須事項やらを纏めてwiki作成に励んでいる。

 

しばらくは安泰かもしれないが、<マスター>は総じて特殊能力を持つ者ばかり。

時間が経てば成長もするし、より強大な力を持つことになる。

 

なにか国家規模でトラブルをやらかさないとも限らないし、それでまた今回のようになってしまってはいけないと思う……が、ワタシ個人ではどうしようもないので結局<マスター>全体の治安が良くならないといけないか。

 

“ワタシ”(アバターを演じる自分)にはやりたいことが少しずつ増えているから尽力出来るのはほんの僅かだけれど、本当のところは全力を尽くすくらいで力を貸していい気はする。

 

そのあたりは難しい話だが、今後のスタンスにも関わって来るししっかりと考えなければむこうでやっていけないだろう。

 

……ここ一ヶ月くらいは色々難しいことを考えたので、そろそろなにも考えずに過ごしたいな。

 

良し、また明日からレベリングに励むとしよう!

 

 

八月二十七日

 

かなり時間が経って、下級職も【槌士】を取得して三職目に入りそろそろ生活が安定して来た。

 

サンダー(略)は範囲が広い為ソロ狩りの効率が良く、《静電知覚》も少しずつ扱えるようになっている。

デンドロにおいては僅かな進歩は大きな一歩、だろう。

 

<マスター>同士のパーティを組むことも増えてきており、野良だったり半固定だったりと色々なパーティ構成を行き来している。

 

ただ、パーティを組むと毎回範囲攻撃の使い所に悩まされるのが問題か。

前衛がワタシひとりなら特に気兼ねなく使えるが、【剣士】や【騎兵】が混ざると上手く扱えない。

 

メインの役割(ロール)としては回避型タンクを担うべきなのか魔法剣士型アタッカーを担うべきなのか、も重要になる。

 

それにエンブリオ進化の方向性もジョブ選択に関わってくるし、そのジョブ選択も役割担当に関わってくる。

 

……この沼、奥が深いッ!

 

ちなみに最近は<警邏隊>絡みのティアンとの交流も盛んで、【剣聖】メ・フォナス氏や【大狩人】ラオ・シノ嬢などなど……多数の実力派ティアンと知り合えた。

 

そういえば「弓の上手い人とか居たら教えて」とか言われていたな、と思い出したので少し連絡に手間取りながらもこちらで知り合った<マスター>三名を<警邏隊>の面々に紹介した。

そうしてフィオネとアリメラ、あまねを紹介してみたところ、フィオネがラオに、アリメラがウォギム殿に、あまねがフォナスに色々と教えを請うことになったらしい。

 

対価は要らんぞー、とライオン系亜人種特有の笑い方で豪快に笑うフォナスの笑顔が特に三人の印象に残ったらしく、苦手ではないもののなかなか愉快なおじさんとして記憶に刻まれたようだ。

 

そういえばシルバは故郷の村に帰ると言っていたか。

大まかな位置は聞いているから、今度訪ねに行ってもいいかもしれない。

 

……そろそろ眠くなって来た。

今日は疲れたし、この辺りにしておこう。

また明日。

 

 

八月三十一日

 

昨日、いやもう今日か。ようやく<アクシデントサークル>とやらに初遭遇した。

 

……だがまあ、これが厄介すぎた。

噂にしか聞いていなかった転移魔法が発動して、ワタシが来たことのない別の場所に飛ばされたのである。

 

周りを見渡してみれば鬱蒼と茂る木々ばかり……で尚且つぼんやりと銀色に光る植物が生えていたり、生き物の姿形すら無く、木々に鎖が巻き付けられていたりと調べ物のクエストで確認していた“危険地帯”の特徴と一致していた為、すぐ分かった。

その場所の名前は『レジェンダリア南西部、<ハルリオーラ森林>深層……通称<銀鎖獣の呼び声>』。

 

推定伝説級UBM(ユニークボスモンスター)【銀鎖縛虎 カトゥシエノス】の住処であり……現状、討伐に赴けるフリーの単体戦力が【妖精女王】や一部超級職に就いたティアンを除いて存在しないために未討伐のままである。

 

とまで事前に知っていたはいいが、当のUBMの縄張りに脚を踏み入れた……ということで周囲の状況を認識してから数十秒であえなくデスペナルティとなったわけで。

 

ううむ、今のままではリベンジはし難いだろうな。

なにをして来たのかすら分からなかったし……遠くで静電気が発生した瞬間には首が飛んでいたようだし。

 

まあ今は手の届かない領域の相手の話は置いておこう。

問題はセーブポイントである。

 

……アムニールを最終セーブポイントとしていたはずだから多分問題無い、とは思うのだが最悪の予想も立っている。やめろ。

 

リスキルはいやだ……。

 

と、まあまさしくアクシデントを起こされた訳だが……こういうものもまた一興。

 

色々と不安を抱えこそすれ、それを上回る楽しさと世界の深みにずぶずぶ嵌って行っているのは間違いない。

 

さて、明日……違うか、デスペナルティ開けだから明後日か。

明後日以降には果たしてどうなっているのか、楽しみだ。




今回もここまで読んで頂きありがとうございます。

今後もしかしたら捏造設定の諸々を纏めるかもしれません。
結果作者のやる気次第になってしまいますが……。

ではでは次回もまたよろしくお願いします!
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