那須と太刀川さんと日浦と国近先輩とのエンカウントを除けば、特になにかしたというわけでもない夏休み。
修と千佳に縁日で遊んでらっしゃいついでにたこ焼きと焼きとうもろこし買ってきておつりをお小遣いにしていいと一万円を投資したり、父さんが働いているドイツに行ったり、泣きついてきた米屋を見捨てたりと色々とあったがあの日よりも刺激的な事は特になかった。
「あ~もうやだ……なんで今日から学校なんだ」
「8月が終わったからだよ、兄さん」
大きなあくびをしながら、自室のドアを開き洗面台に向かうと修が歯磨きをしていた。
修も夏休みボケなのか何時も以上に眠そうな顔をしており、非情な一言を私に叩きつける。
「1ヶ月半じゃなくて、一週間をチビチビと……いや、仮に野球部とかが甲子園に出たら学校の生徒は行けとか言う謎のあれがあるな」
「兄さんの行っているとこって、スポーツ強かったっけ?」
「そういうのは特に無い。
運動だけは無駄に出来る奴は多いが、そういうのはボーダー隊員で近界民と戦うのに体の動かし方を覚えてるとか、戦ってたら動きを覚えることが出来たとかそういう感じのやつが多い……恐らく、今日運動は出来るけど勉強が残念な奴が土下座してくる。もうなんかそんな未来が待ち受けてる感じがする。私の占いがそう言っている。というか、昨日一昨日と泣きつかれた。流石にもう高校生なんだからと見捨てたが、二日で……無理だな」
米屋が全く宿題を手につけていなかったと三輪が電話してきた。
宿題を丸写しすれば筆跡や文章系の問題の回答で丸写ししたとバレてしまい程よい人数で時折問題を間違わなければバレるとSOSを求めてきたが、見捨てた。米屋以外は勉強できる奴しかいない三輪隊ならばなんとかな……らない可能性が高いな、うん。
「修、間違っても宿題を写させてと泣きついてくる同級生に手を貸すな。
百歩譲っても、夏休みの日記の天気とか美術館に行った際のレポートしか写させるなよ」
「流石にそんな事はしないって!」
「だが、何だかんだで宿題が終わるまでは付き合うだろう?」
「……」
「目線を合わせ……なくても、いいか。そういうところが修の良いところだからな」
今日は私も修も始業式を終えて、家に帰って昼を食べたら夏休みの宿題処理だな。
昨年まで私はそういうのは無かったのだが今年からはそういう未来がやってくる。100%で回避できない未来だ。
口を濯ぎ、顔を洗って意識を無理矢理叩き起こして朝食を頂き原付で学校へと向かうと、原付を止める場所に三輪がスタンバってた。
「……すまない。色々と頑張ったが、間に合わなかった」
「そうか……具体的には?」
夏休みの宿題、やっぱり無理だったか。
「数学はオレが終わらせた。
日記や副教科なんかは終わっている。残りは世界史と英語と国語と化学で、国語だけは全て陽介に終わらせた。
英語は進学校に通っているうちの隊の奈良坂がやってくれたんだが、途中から英語を筆記体で書いてしまったせいでやり直さなければならない。筆記体とはいえ答えを最後まで書いているから、そこは全て陽介にやらせる」
「……読書感想文はどうやった?」
読書感想文は学校側が指定した本を読めというもの。
指定さえされなければハリポタの映画を見るだけでそれっぽく偽装できるが、指定された本にはハリポタが入っていない。芥川賞を受賞したかなんかは知らんが見たいとは思えない小説しか無かったぞ。ぶっちゃけ、漫画で読書感想文を書いた方が長文書ける自信がある。
「何処で悪知恵をつけたかは知らないが、オークションで買った」
「通販サイトのレビューと本の巻末の後書きだけで、8割は完成すると教えたのに!?」
「夏休みの宿題が思ったよりも売れていた……暇人にはちょっとした小遣い稼ぎになるみたいだ」
「小学校の読書感想文を賢者の石~謎のプリンスで六年間乗り切った私が言える義理じゃないがこういう感じの宿題はもうやりたくない。中学の頃、指定された本を読んだがなにが面白いのか分からないからクソレビュー並にボロクソに書いたときがあった」
「お前、そんな事をしてたのか……」
漫画のなにを好もうが、私の自由じゃないか。
カイジの金は命よりも重い!は深みがあるのに、有害指定扱いしたのは今でも恨んでいる。諦めなければという希望よりも、堂々とした現実を叩きつけて絶望に叩き落とすのもありだと思う。
「まぁ、来年はこうならないように頑張る……カブトボーグの様なことにならない為にも」
「カブトボーグ?」
「気にするな。と言うよりは見るな。あれはもう製作陣営が狂気を放っているし、真似をしたらいけない」
夏休みが終わるという時の謎のテンションでカブトボーグの様なことをしようとするボーダー隊員、何時か現れそうだ。
「う~っす」
「出水、おはよ」
原付を止め、下駄箱に行くと出水が挨拶するので返す。
すると出水は私の首をガシッと腕でホールドする。
「お前、夏休みなにしてた」
「家とジムの往復をし、単身赴任の父親の所に家族で行ったり、中学の友人と遊んでた」
「やっぱりか……」
「なにがやっぱりなんだ?」
「こいつ、おれ達とまともに遊んでねえんだよ。
9日、お前達が防衛任務してる時にショッピングモールで会っただけでそれ以外会ってない」
「そういえば、俺も何度か電話したり連絡取ったりしたけど、会うのは久々だな」
「基本的に引きこもっていたからな」
お陰でゲームが捗ったぞ。
龍が如くのサブイベント全て消化できたし、色違いのヒトカゲのXY両方の理想個体を作れた。
しかしサイドエフェクトを使っても、スパロボでの攻撃を当てることは出来なかった。
「引きこもらずに遊べ!」
「熱中症でぶっ倒れるわけにはいかない!!」
「じゃあ、海とかプールとかだ!四塚マリンワールドとかあるだろ!!」
「プールとかでメガネを外すとそこそこ疲れる!
と言うよりは野郎だけで行って良いのか?中学生ならまだしももう高校生で浮いた話……まさか、ナンパか?ナンパなのか!?悪いこととは言わんが、私はそういうのはノーセンキューだ!巻き込むな!」
「わかった。熊谷とか光とか小佐野とか国近先輩とかお前が知ってる人を誘う!
一回、ボーダーのプールで見たけどスゴかったぞ、熊谷は。競泳水着なのが中々で」
「なんの話をしてるのよ!!」
「ごぅ!?」
出水と色々と言い争っていると、熊谷が乱入してきて出水のお尻に蹴りを入れた。
蹴り飛ばされた出水は倒れるように下駄箱に額をぶつけて少し涙目になる。
「じ、迅さんは何時もこれを受けてんのか」
「迅さんには今度からグーでいく予定よ。それよりも、なんて話をしてるの」
「こいつと夏休み全然遊んでないってなったんだ。
現に夏祭りの時、こいつ誘っても普通に来なかっただろ?少しは遊べってなってたんだよ」
「そういえば、あたし達も9日にショッピングモールでしか会わなかったわね」
全く知らないところで実力派エリートの首が絞まっているが気にしない三人。
夏休みの出来事を思い出してみるが、9日以外はこれといって私との絡みはなかった。
「三門市はそれなりの大きさとはいえ三雲、お前どれだけ遭遇率が低いんだ?
俺も任務以外では余り外に出なかったが、用事で出掛けたら誰かに会ったりしたぞ」
「私の主な行動範囲は蓮乃辺市側だ……三門市で遊んだり買い物したりする、していた場所は警戒区域内やボーダーの本部が建っているところだった」
ボーダーが現れて、この街で活動することが決まり一部の地区が閉鎖された。
弓手とかの警戒区域や今のボーダーの本部が建っている場所に住んでいた蓮乃辺市の結構お高目な偏差値の中学に通う友人と遊んでいたが、ボーダーがそこを近界民撃退や本部に使うからと立ち入り禁止区域になった。
そのせいか稀にボーダーの本部を見ると苛立つ。その友人達はボーダーがいるとはいえ危険という考えを持っていて、警戒区域にして申し訳ないや土地を使わせてもらっているの意味合いを込めたお金をボーダーから貰い、別の地方に行ったので関係がリセットされた。割と仲の良い友人だったので結構辛かった。
「っ……近界民」
「いや、近界民と言うよりはボーダーだ。
一部地区を近界民を誘導し撃退する場所にするため立ち入り禁止の閉鎖区域にして、色々とやっている癖に……って、話がズレたな。プールはメガネを外さないといけないから嫌だ」
重たい会話になると怒りを露にする三輪。
その友人達は生きているし、新天地でなんやかんや頑張っているっぽいから問題はそこじゃない。
本題からそれてしまったので、とりあえずは断る。
「お前、どんだけメガネを外したくねえんだよ」
「というか、もう時期過ぎてるだろ。
国近先輩誘うとか言っているが、来週修学旅行で沖縄に行くから不在じゃないのか?」
なんかジェットスキーでボート引っ張ってくれるやつとか遊ぶのメインの修学旅行だと言ってたぞ、担任が。
「そうだった!!」
「2年にはオペレーターも隊長をしている人も多くいる。
3年は進学・就職なんかもあるから修学旅行中は俺達1年や大学生組がメインで防衛任務に入らされるから、そう易々と遊べない」
「あ~忘れてた……」
色々と遊んでやろうかと考えていた出水。
三輪から今月は特に忙しいので無理だと教えられるとスゴく落ち込んでいる。
「出水、一緒に遊んだり色々と体験したりするのだけが夏休みの醍醐味じゃない」
2学期は学生にとってなにかと大事な時期。
就職組・進学組、修学旅行に学園祭と言った行事予定ととにかく多くて、その皺寄せの防衛任務と色々とあると分かれば残念そうな顔をする。夏は終わってしまったが、夏が終わったから出来る醍醐味もある。
「夏休みが終わった後、余り遊べなかった友達と思い出話を語ったりするのも楽しいだろう」
「三雲……そうだな!」
互いに会うことが出来ないからこそ、積もる話が出来上がる。
それを語る楽しさがあったことを出水は思い出してくれたのか携帯を取り出して、夏祭りの思い出なのか白と黒と灰色の極細縦縞浴衣を来た脛毛が見える太刀川さんがグデーと椅子に座っている写真を見せる。
「もうこれ、三十路過ぎのそこそこのおっさんだな」
「まだ二十歳にすらなってねえんだけどな……で、問題はこの後よ」
「?」
動画じゃないのに写真でこの後?
どういうことなのかと見ていると出水は写真をスライドさせ、如何にも清楚系な浴衣を着た美女と歩いている太刀川さんの写真が出てきた。
「この人は月見蓮さん。
三輪のところのオペレーターで、太刀川さんの幼馴染みらしいんだけどよ……どう見える?」
「秘密のケンミンショーで見る関西地方に多い美女と野獣カップル。
顔は割と普通だったりするけど、この人面白いところがあるからそこが好きなのと付き合ってるあれだな」
「ップ、い、生駒さんと同じ事を言いやがった……」
おかしいな、戦闘に置いては絶対の信頼はあるものの普段はダメな人と出水がはっきりと言い切る人だ。
隊長の報告書とか書き忘れてたとか成績悪くて補習で防衛任務出られなくなったとかやらかしたエピソードを色々と聞いているのに、なんかそういう感じの関係に見える。いや、そんな感じだからこそ真面目な人がしっかりしなさいよと来るパターンか?
「佐鳥の射的ツインスナイプとか影浦先輩がお好み焼き屋で営業スマイルしてたとか色々と面白かったぞ」
「その日、玲の体調もよかったから、チーム全員で浴衣を着て花火を見に行ったわ」
行かなかった、ではなく行けなかった事を少しだけ悔やみながらも出水と熊谷から話を聞く。
転生特典がボッスン並の手先の器用さのせいか祭りで滅茶苦茶景品集めるし、サイドエフェクトでくじに当たりが一つも入ってないの見抜けるせいか一部出禁くらったりするんだよな。
「因みにそれがこの時の那須隊の写真だ」
「なんで持ってるの!?」
「槍バカ→奈良坂→那須経由で手に入れた、どうだ三雲?」
「あー……うん、似合ってるぞ」
写真を撮っているのは、奈良坂(会ったことない)だと思う。
これが夏休みのお宝だと言わんばかりに那須隊の4人(オペレーターとは顔を合わせたことない)が手を繋いで、これでもかというぐらいに笑っていた。どう言葉にすれば良いのかと考えても浮かばず、とりあえず、似合っていると言うと出水は写真をスライドし、那須隊の個人写真を見せてくる。
「どれが一番だ?言ってみろ」
「選ぶに選べないな。
全員元が良すぎるから似合いまくっていて違和感を感じない。浴衣的な意味でも、浴衣を着ている人的な意味でもな」
「!?」
「お前、熊谷が隣にいるんだぞ?」
素直な感想を述べると顔を一瞬で真っ赤にする熊谷。
御本人が真横にいる+恥ずかしげもなく普通に言ったのを出水は驚くが、恥ずかしい要素なんて特に無いだろう。
「今更、本人を前にしてそういうの言っても特に問題ないだろ?
この四人、全員顔面偏差値高いし、それぞれ方向性が違う女性らしさがあるし、熊谷に至っては自慢できるぐらいにスタイルに恵まれているんだ。悪評でもなんでもない好評の事実を述べてなにが悪い?」
「……な、なにを言ってるのよ……っ!」
熊谷は恥ずかしくなったのか、急いで階段をかけ上がった。
だが、上履きに履き替え忘れていたのか直ぐにUターンし、下駄箱で履き替えてからもう一度階段をかけ上がった。
「そう言うこと、よく素で言えるな」
「熊谷を人として好きという感情を持ち、異性として好きとは見ない。
女性としてとかの感情を0にしていることにより発揮できる。因みに私の弟も似た感じのが出来るぞ」
「お前とお前の弟、どうなってんだ!?」
素で女性を褒めたりするぞ。
好きな人だからとかそういう感じのもないし、変な距離感なんかも無い。悪意がなく、善意の塊だが個人的な意思が詰まっている。怒るべきところで怒れるから、本当に立派で……未だに兄として自分は不出来じゃないかと思う節がある。
「うーすって、お前等もか!出水はまだしも、秀次と三雲は珍しいな!」
熊谷が去っていき、修についてチラッと語ると汗だくの米屋がやって来た。
「陽介、三雲と話をつけておいた。昼飯を食い終わったら図書館に来い!」
気軽に挨拶する米屋に若干キレ気味に午後の事を言う三輪。
なんか言葉に愛があると感じてしまうのは私だけじゃない気がする。
「いや、その前に教室に行かねえと!!後、一分でチャイム鳴るぞ!」
何時も通り三輪をサラッと受け流すのかと思っていると、何時も以上に慌てる米屋。
急いで下駄箱から上履きを出して履き替えて走り出していき、それを見た出水の視界に時計がうつる。
「げ!?何時の間にかこんな時間に!?
やっべーよ、新学期早々で普通に登校したのに遅刻とか笑い話になんねえ!」
下駄箱前でやっていたぐだぐだな時間は思ったよりも長かったようで、時計の針がチャイム2分前を指していた。
何時も通りに登校したのに、もうこんな時間になっている事に驚きつつも靴を履き替えていた出水は走り出した。
「……新学期早々に遅刻か」
「三雲、諦めるな」
「私達の教室は一番端で1、2分じゃ……あ、言っている間に鳴った」
あの時計、若干ずれていたのか。
高校一年の2学期初日は、ちゃんと登校したのにも関わらず教室に行くのを遅れてしまい、まさかの遅刻で私と三輪は新学期を迎える。因みに出水もアウトで米屋はスライディングで駆け込み、ギリセーフだったが、夏休みの宿題が出来ていなかったので普通に怒られた。
実力派エリート「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!久々の登場で、今話で熊谷のお尻を触ればグーパンされる事が決まった尻派の迅と」
メガネ(兄)「那須の鳥籠で蜂の巣にされれば良いんじゃないかと思う乳派の三雲がお送りいたします……なんだこれ?」
実力派エリート「細かいことは気にするな。
今回はトリガーについての説明を、と言ってもまだやっていない狙撃手、スナイパーについての説明じゃないからな」
メガネ(兄)「じゃあ、トラッパー?」
実力派エリート「その辺は原作でもあんま語られてない未知数だから無しの方向で。スポッターについてもな。
今回説明をするのは、ボーダーが開発したトリガーの基本的な機能についてた。お前等、枠を一つ消費とかどうとか解説してるけど、先にトリガーの基本的な機能とか説明してないだろ?」
メガネ(兄)「最初は三輪がその辺の担当だった……というよりは米屋のいとこの宇佐美が担当じゃなかったっけ?」
実力派エリート「シフトを変わって貰ったんだ。じゃあ、改めてボーダーが開発したトリガーについての説明だ!」
メガネ(兄)「ボーダーが開発したトリガーは所謂、東映お馴染みの変身アイテムだな。
折り畳み式のナイフの手で持つ部分ぐらいの大きさと見た目でトリガーを使用する意思を現す事によって起動し、トリオンで出来た肉体、トリオン体に変身する」
実力派エリート「ボーダー隊員がトリガーオンって叫ぶのは大体その為だ。まぁ、変身とかでも起動するっちゃ起動するな。ただまぁ、変身するって言うのは少し違う。トリオンで出来た肉体と自分の肉体を入れ換えるってのが正しいな」
メガネ(兄)「要するに、トリオンで出来た肉体をロボットの様に遠隔操作しているということか」
実力派エリート「その考えで大体あってるな。
トリガーを起動すると同時に、トリガーの中に入れているトリオン体と自分の体を入れ換えるからな。
トリオン体は通常の肉体よりも何倍もの身体能力を持ち、拳銃や手榴弾と言った近代兵器は全くといって効かない。トリオン体にダメージを与えれるのは、トリオンで出来たものだと考えれば良いぞ」
メガネ(兄)「だが、某白い悪魔は車に跳ねられて怪我したぞ?」
実力派エリート「あいつのあのトリオン体は少し特殊だ。それに跳ねられても全くダメージが無かっただろう」
メガネ(兄)「弟の方は転校初日の近界民を名乗る怪しい人物が車に跳ねられたと精神的ダメージがあったがな」
実力派エリート「それは大丈夫だ……メガネくんはもう気にしていない。オレのサイドエフェクトがそういっている。
このトリオン体は体格を弄くる事が出来る。髪の長さとか胸の大きさとか、やろうと思えば身長も変えることは出来るけど、自分の体とトリオンの体が異なると動かしづらいから身長を変える人は……あ~目の前にいたな」
メガネ(兄)「ボーダーのトリガーを使うことになった際に謎の深夜テンションでトリオン体を弄くりまくった男です」
実力派エリート「普通は、使いこなせないんだけどな。
トリオン体は身体中にトリオンを巡らせており、切断面は一切グロくない。
トリオン体にはトリオンを供給するトリオン供給器官と体を動かす命令をするトリオン伝達脳が存在していて、その二つのどちらかが破壊されるとトリオン体は強制的に解除する……ってのが、トリガーの基本性能だ」
メガネ(兄)「トリガーの基本性能、か……」
実力派エリート「そう、これは近界民が使うトリガーでも当てはまる機能だ。
ボーダーのトリガーはそれ以外に色々な機能を宿している。通信やレーダー、まぁ、この辺も近界民のトリガーでもある機能で、他にはない一番目立った機能がある。緊急脱出機能、ベイルアウトだ」
メガネ(兄)「自爆機能じゃないのか」
実力派エリート「そんなの取り付けたら怒られるって。
緊急脱出機能はその名の通り緊急時に脱出する機能で、ボーダーの本部、もしくは自分が所属している支部にトリオン体を飛ばして帰る事ができる」
メガネ(兄)「その緊急時とは?」
実力派エリート「まぁ、さっき言ったトリオン供給器官の破壊とかだな。
普通ならトリガーを強制解除ってなって普通の肉体に戻るけど、基地に強制送還されてからトリガーを強制解除される戦場で死ななくてすむ凄い便利な機能。任意で発動することも出来る、ある意味ボーダー史上一番の発明だな。この機能が無ければ、今頃沢山のボーダー隊員達は死亡している。この機能があるからボーダー隊員達も安心して戦えるんだ」
メガネ(兄)「だが、最近難しくなってきたのだろう?」
実力派エリート「そう、襲撃してくる近界民達は緊急脱出させない手を取ってきた。
ボーダーが作ったトリガーの標準装備で、トリオンを使う機能だからトリガー技術が発展しまくりな近界民が封じる事が出来るといえばおかしくないっちゃ、おかしくない。緊急脱出封じを今後どうするかは開発室室長、鬼怒田さんの腕の見せ所だ」
メガネ(兄)「上層部、性格悪いの多いけど腕は本物だな」
実力派エリート「はっはっは……本人に言うなよ。
今説明しているのはボーダーのトリガーの標準機能、誰が使っても使える機能だ。弧月とかアステロイドはまた違う」
メガネ(兄)「弧月とかアステロイドは所謂装備アイテムだな。
今いった標準機能とは別に右手に4つ、左手に4つの合計8つの装備枠があり、ボーダー隊員達はそれぞれにあった装備をする……で、良いのか?」
実力派エリート「大体それであってるぞ。
捕捉するなら右手の装備枠に入れた弧月で戦闘している際に、同じく右手の装備枠に入れているスコーピオンを使うことはできない。一度、弧月を鞘に戻したりしてオフにしてからじゃないと出せない。けど、左手の装備枠にスコーピオンを入れているスコーピオンだったら出せる。右手の装備、左手の装備は別々に取り出せるが右手の装備を二つ同時に取り出すことは出来ない……まぁ、全部の装備を出すことが出来る機能を作ったりして、その機能を装備枠に入れれば話は別だけど」
メガネ(兄)「それは長期戦でなく、短期決戦を目的とした物でしょう……あ、次回は玉狛のトリガーについての説明になるそうです」
実力派エリート「おっと、もうそんな時間か。玉狛のトリガーは大量生産じゃない一品物のトリガーで、どれもこれも凄いぞ!」
メガネ(兄)「と、自慢している実力派エリートは一品物のトリガーは使っていません!」
実力派エリート「お、オレにはスコーピオンがあるから、エンジニアの人達と一緒に開発したスコーピオンがあるから!!……次回もお楽しみに!」
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