「何故に私を呼んだのですか」
サラリと会議が行われる事を忍田本部長が言っているが待ったをかける。
「君はサイドエフェクトを応用して未来を予測する事が出来ると聞いている。その力を貸してほしい」
「……」
まだ正規のボーダー隊員になっていないんだがな。
忍田本部長は私を呼び出したのは私のサイドエフェクトを使いたいからと言っているのだが、私のは外れる時は外れるんだ。
「ボーダーの捕虜の黒トリガー使いのエネドラに近い内に侵攻が予測されると言われている……レプリカ顧問」
『現在近付いている国は3つあるがその内の2つがアフトクラトルの従属国家だ』
「従属国家……手下ってわけか」
「特別迎撃体制に入りたいのだが……エネドラ曰く仕掛けてくるのは確かだが、なにをしてくるかが読めないそうだ」
「それは……迅を頼ればいいんじゃないんですか?」
この前の国の傘下の国が襲ってくる可能性がある。
可能性があるのならば迅に視てもらえばいいのだと嵐山さんは迅を見るのだが迅は困った顔をしている。
「一応は街をぶらついたり本部をぶらついたりしてますけども……何時もの防衛任務を行っている人数以上の数で戦っている、その中にはメロンくんも居る……戦うことだけは確定してる。けど、目的が見えない。街をぶらついたけども被害があるわけでもないしボーダーをぶらついたけどもボーダーに大きな被害が見えなかった」
「
「いや、主要部隊が戦っている未来が視えてるから戦うことだけは確定だけど相手の目的が分からないんです」
エネドラの偽情報かどうか考える冬島さん。迅は大勢の部隊が戦っている未来が視えているので襲撃が無いと言う事だけは無い。
相手の狙いが街か?ボーダー隊員か?ボーダーの技術なのか?それとも捕虜の口封じなのか?それが分からなければ防衛体制を取ることが出来ない。
「戦うことは確定か…………今回のこの一件、極秘裏に行う」
「世間が五月蝿くなるから最初から無かったことにする………そんなところか」
城戸司令が今回は極秘裏に行うつもりだと言う。嵐山さん達は驚くのでなにを意味しているのか教える
普段から異世界からの侵攻が起きているのに、もしかしたら自分達の身に火の粉が降りかかる可能性があれば騒ぐ……まぁ、ボーダーが街を借りているという認識があるだけマシか。ボーダーが優秀なのか街の人が馬鹿なのか、それは分からないことだ。
城戸司令は公開遠征の日程をズラされたり市民の不安を煽るような真似はしたくないのだと言い切るのだが既にこの街を危険に晒しているのだからどの口が言うんだろうか。
「貴虎……お前のサイドエフェクトでどうなるのか視てくれないか?」
「三輪、何度も何度も言っているが私は未来を視る事は出来ない。未来を占っているだけに過ぎない。例えばそう、もし仮に今からドアが開いて誰かが入ってくるのだと言うのならば迅ならば誰が入ってくるか分かるが私のサイドエフェクトだと誰かが入ってくるのだとしかわからないんだ……答えを知りたいならば迅が1番だ」
「その迅がこんな状態だから頼んでいるんだ……お前の占いを信頼している。答えを見るのは迅のサイドエフェクトで充分だが、答えを考えるのにはお前の方が最適だ」
「…………はぁ…………まぁ、あまり期待はしないでくれ」
三輪は私を信頼しているから占ってくれと言ってくる。まだ91%、トリコのココの正解率にまで至っておらず外れる時は外れる。
幸いと言うべきか原作知識があるのでそれらしい事を言えば納得はしてくれる……が、いきなり答えを言うと普通に疑われるだろう。
「まず、ボーダー隊員達から死相の様なものは見えない。誰かが死ぬとかは無い。街の人達にもそれは言える事で迅のサイドエフェクト通りならば市街地を破壊する等の作戦は無い」
私はタロットカードを取り出した。
前に太刀川さん達を占った時に使ったインチキカードでサイドエフェクト云々を頼りまくっているが、このタロットカード自体は本物の占いで使われる物だ。カードを適当にシャッフルした後に扇状に並べて選んだら良いと私のサイドエフェクトが言っているカードを2枚選んだ。
「戦車の逆位置と愚者の正位置か……………………今回の一件は極力極秘裏に処理をする、その考えを迅が無理と言わないから極秘裏に処理をする事が出来るレベルの出来事……だが、ただ単に襲撃してくると言うオチが無い。何時も以上に人を増員して戦うと言うのならば妥当なところか」
『兄殿、我々はそれらのカードの意味を知らない。思考するのならば我々にも情報を教えてほしい』
「戦車の逆位置の意味合いは計画の挫折、恋愛などの敗北、他人の権利を無視する、暴力論争訴訟敗北……コレはなんの対応もしなければ相手側の目的が達成されるのを意味している」
「ボーダーが負ける、ということなのかい?」
嵐山さんの問い掛けに首を横に振る。
「いえ、向こう側には何かしらの勝利条件がある。その勝利条件を目指して向こう側は戦う……その勝利条件は愚者の正位置と戦車の逆位置、戦車の逆位置の計画の挫折が関与している。私の知る限り今ボーダーが計画している計画は遠征計画、愚者の正位置の意味合いの中には旅を意味する部分がある。旅の計画を挫折させる、それが向こう側の狙いです」
なんの対応もしなければボーダーは負ける。ボーダー隊員が戦闘不能で負けるのでなく、相手側が勝利条件を満たして勝利をする。
戦車の逆位置の計画の挫折、なんの計画か?それは愚者の正位置の旅の計画の挫折、それが意味するのは遠征計画の挫折だろう。
『旅の計画の挫折……アフトクラトルの従属国家、ということから考えてアフトクラトルに向かわせない様にすることか』
私の言葉で旅の挫折がなにを意味するのかを考える一同。
向こうの狙いはアフトクラトルに近付けさせないようにすることだとレプリカが言えばカードを2枚抜いた。
「皇帝の正位置、権力。支配力。一家の家長や一族の長を意味している。そして節制の正位置、業務上での成功を意味する。かなり偉い上からの命令で相手の旅を挫折させて業務上での成功をする。アフトクラトルのリーダー的な存在がこっちがアフトクラトルに来て欲しくないからそうならない様にしろと上から命じる。前の大規模侵攻の様な市街地に被害を与える系の場合はその国が恨まれる可能性があるのでアフトクラトルが納得する業務上での成功をする……人を狙うのでなく技術を狙うのでもない……失敗を意味するカードは他にもあるが戦車のカードが出てきた。戦車とは乗り物と言う意味合いでもある。旅をする上で必要な戦車、つまり乗り物の破壊……敵の狙いは遠征艇ですね」
原作知識をそれとなく利用しつつも、答えを言うと空気が固まった。
おかしなところがあったか、それとも答えを言い過ぎて逆に怪しまれてしまったのか……どっちかは分からないがこの場にいる人達は決して馬鹿じゃない。自分ならばどうするのか?そもそもで今回の襲撃は迅の予知よりもエネドラの襲撃予告のおかげで分かっているところが多い。
「遠征艇か……他にはなにか分からないのか?」
「信じるんですか?」
「ありえないとは断言出来ないし、否定する事が出来るほど可能性は低くない……極端な話、間違いならば迅が補正してくれる、なにか1つの道標を持っていた方が話は纏まりやすい」
「なるほど」
東さんは私の話を信じる前提で行動を起こす。何かしらの道標無く対策をあれこれやったとしても意味は無い。
何かしらの道標を作りそこに向かう様にしておく。プランAをそれとしておき、他にプランB、プランCを作っておく……一応の中での確認か。
「他に必要な情報は?」
「敵の狙いが遠征艇だとして敵はどう攻めてくる?ボーダーの基地を堂々と表立って襲って来るわけあるまい」
タロットカードを束に戻し、遠征艇狙いを前提にして忍田本部長は話を進める。
敵の攻め方はどうか?遠征艇狙いならばボーダーの基地に突撃しなければならない。
「隠者の逆位置、隠蔽と欺き。月の正位置、隠れた敵、中傷……ただ純粋にトリガー使いを送り込んでも遠征艇にまで到達できる可能性は0、トリオン兵を送り込んでそのどさくさに紛れて基地に侵入する……月の正位置のカードは嘘や予想外の敵も意味する。迅の見えないところ視れなかった部分で予想外の出来事が起きる。恐らくコレは私にも言えること。私の予測と迅の予知から考える事が出来なかった部分が出てくる可能性が高い」
私という異分子が生まれたことによるバタフライエフェクトかなにかが生まれている。
極端な話、アフトクラトルのトリガー使いならば倒すことが可能だ。だからそれがなんなのか?どのカードを選べばいいのか……この2枚か。
「……塔の逆位置と法王の逆位置……あ〜……あ〜……あ〜…………あ〜…………あ〜………………コレは………………月の正位置はスキャンダルを意味して………………あ〜………………ヤバいな………………」
『兄殿』
「分かっている……私と迅が気付かないなにかが起きる。それを解決する事は出来るには出来る。それ自体は難しい事ではないが問題はそれを知られる。ボーダーが極秘裏に今回の一件を処理しようとしているけども、気付かれる可能性がある」
私というイレギュラーが居ることで生まれた嫌な世界線が見える。
レプリカが自分だけ分かるんじゃなくて他の人達に分かるように言えと言われたので結論だけ言う。
迅の予知と私の予測を掻い潜り、今回の一件を極秘裏に処理しようとしているボーダーだが気付かれる可能性がある。
「市街地に被害が及ぶと?」
「いえ、違います……市街地に被害が及ばない、でも大きく戦っているなと気付かれる可能性があります。考えられるのは戦闘でなく爆撃系のトリオン兵で爆撃して何時もよりも派手な戦闘になっているな……と私は想定しますが、その想定を上回るなにかが出てくる。それを倒すこと自体は可能ですけども、それを隠すことが出来るかどうかはまた別でバレる可能性がとても大きい」
事件を解決するのは簡単だが、事件の後処理が大変になっている。
城戸司令が市街地に被害が出るのか聞いてくるが、市街地には被害は出ない。市街地に被害が出ないのに、敵の狙いは原作通りの遠征艇なのに、極秘裏に処理をしようとしているのにバレる可能性がとても大きい。
「それを未然に防ぐ手立てはないのか」
「そもそもでそれがなんなのか分かっていないんですよ、なにかが起きるのは確かでもなにが起きるのか?少なくとも私の中では読めない予想外の出来事が起きる、それだけは確かです……太刀川さん、なにが起きると思います?」
「市街地に被害が及ぶことが無いのにか……爆撃型のトリオン兵だったら出てきてもおかしくないし誤魔化しは色々と効く……」
私の考えが変な方向に凝り固まっている可能性がある。
柔軟な発想が何時の間にか無くなっている可能性もあるのだと太刀川さんに意見を求めるのだが、太刀川さんも思い浮かばない。
とりあえずはと出したタロットカードを戻してシャッフルしもう一度カードを選ぶべきかと考える。私がどれだけ予測しても予想外の一手が打たれる。市街地に被害が及ぶことがない、それだけは確かで予想外の一手にはならない。
「運命の輪の逆位置と月の正位置…………運命の輪の逆位置はつかの間のチャンスや幸運の後にやってくる突然の不幸、月の正位置は未知の世界へ飛び込む、欺く、欺かれる……………その敵はもう来ていてもおかしくはないのならば、もう来ている可能性があります」
「!?」
「ああ、別にスパイ潜入しているとかじゃなくて単純に情報収集をしている。遠征艇の破壊が1番のチャンス、例えばシフトが変わった時とかどの時間帯を狙うのかとか雑魚敵を送って、こっちの戦力を確認する。トリオン兵の中にレーダーに映らないタイプの小さなトリオン兵を入れている、去年のイレギュラー門と同じ手口を使ってきて監視して情報収集をしている。こっちをどうやって襲撃するかの算段をつけている」
既にガロプラはやってきているが、まだ襲撃はしてこない。
単純にガロプラがどう動くか悩んでいるかもあるし、こちらに対して情報をあまり知らない。攫う事に成功したC級達はC級でボーダーのトリガー性能云々は解析に回せばいいが誰がどう強いのか等の情報は無いに等しい。原作知識的にも既にガロプラは来ている筈なんだ。
『トリオン兵を送り込みどさくさに紛れてボーダーの基地に侵入し、遠征艇に向かう……コレをパターンAとしよう』
「その場合は表でトリオン兵を操って誘導する近界民、中で撹乱する近界民、遠征艇を破壊する近界民の3組が生まれるとして……大勢のトリオン兵との戦闘を想定するならば近接戦よりも銃撃戦が行われるな……」
「遠征艇を破壊しに来るのはトリガー使い……1番最強のカードをぶつけていいならばぶつけますけども……その辺のシフト調整は私の管轄外です」
東さんがとりあえず予測出来る3つの行動を出して行われる戦闘内容を思い浮かべる。
トリガー使いとの戦闘を想定するのが妥当なところであり、1番最強のカードをぶつけていいならばぶつける……どれだけ頑張っても向こうのトリガーには既に緊急脱出機能が搭載されている。確実に相手を仕留めることが出来ても捕縛する事は不可能だ。
「1番最強のカード……お前じゃないのか?」
1番最強のカードをぶつけることを案の1つとして出すのだが無理な感じだ。
風間さんが1番の最強カードは私自身じゃないのかと聞いてくるのだが残念ながら最強のカードは私ではない。
「何故そうなったか不明ですが、とにかく色々と危ないのが……まぁ、ぶつける事が出来ないのならばそれはそれで構いませんよ。私も無理強いはさせたくないですし」
流石に出てくださいと言うのも気が引ける相手だ……向こうは出ろと言えば出るんだろうが、戦ってほしくない。
本音を言えば、それは本来は私の物の筈がなにかの手違いで渡ってしまっている。私自身が最強のカードになるにはもう少し待たなければならない。普通に変身するならばいいんだが、バグルドライバーツヴァイを用いての変身の場合はまだ時間が掛かる。
「パターンAを想定しての戦闘をするとして…………メロンくん」
「なんだ?」
「メロンで戦うつもりだよね?」
「ああ……ボーダーのトリガーは使うつもりは無い……迅」
「なんだ?」
「その防衛任務は修が出るか?」
「出る可能性が高いよ……」
「なら、遠慮なくガイアメモリを使わせる。ボーダーのトリガーでの戦闘は自身で戦って点を取るのでなく妨害や補助に向かっている。最後に物を言う基礎的な部分が修には欠けている。1日2日で強くなる方法がなかったからその手段を用いているから仕方ないが……遊真にもトリガーを使わせればいい。玉狛のトリガーならば問題は無いだろう?」
「戦力的な問題とするならば遊真に玉狛のトリガーを使わせるのは問題は無いとは思うけども……どうしますか?」
玉狛のトリガー、それが意味するのは遊真は黒トリガーを使っていいのかどうかだ。
黒トリガーを戦闘に参入させる事が出来るのは大きい、今回は前回と違って遊真の事をボーダー隊員として認識している。だから間違って撃たれる可能性は低く、今ならばまだボーダーに登録しているトリガーの1つだと認識させる時間がある。
「…………三雲修隊員、空閑隊員の玉狛のトリガーの使用を許可する」
「私は勝手に使わせてもらいますよ……命も賭ける事が出来ないのに戦うなんて馬鹿な真似は出来ないですから」
城戸司令が修のガイアメモリと遊真の黒トリガーの使用許可を出した。
私に関してはなにも言ってこない。まだ私が正式な隊員じゃないから、もしくは私がなにを言っても制御下に置くことが不可能だからかのどちらかだろう。
「……仮にパターンAの場合、多方面でなく1つに攻めてきて隊員達の足止めに来る可能性が高い」
「でしょうね……前回と同じ規模ならばもう詰んでますから」
「忍田本部長は直接現場に出て指揮をする事が出来ない、ボーダー基地内部で指揮を取る……その為に君に1つ頼みたい事がある」
「頼みたいこと?」
「君が現場でボーダー隊員達へ指示を出してくれ」
「………………冗談も大概にしてください。今回は有事の際の緊急対策会議、指揮能力に優れた東さんが居るじゃないですか。指揮能力や戦術に関してはボーダー隊員よりも劣っていると自覚していますよ」
忍田本部長の代理と言うか、直接的に現場に出て指揮をする現場担当の指揮官を務めてくれと城戸司令が言ってくる。
私に指揮能力や戦術は無い。大体は私が自力で解決することが出来ることなどがあるが、他人に頼ったり軍団を動かしての戦闘経験は皆無だ。
「いや、メロンくん……現場に出て指揮をした方がいいよ」
「……私は前線で戦いたいんだが」
「戦うなとは言ってないよ。メロンくんはメガネくん達が向こうに行ってる間にこっちを守ろうかなって考えてるんだろ?次の公開遠征は忍田さんが船長でこっちの世界に居なくなる。その間に忍田さんの代理をメロンくんは務める事が出来るけども、それはホントに忍田さんの代理であってメロンくんの力じゃない。メロンくんなら高度な戦術や指揮が取れる筈だ」
私ならば出来ると信頼というか断言してくる迅。
そのことに関して誰かが異論を言うのかと思ったのだが、誰も異議も異論も唱えてこない。
「東さんじゃダメなのか?」
「俺でも構わないが……指揮を出来る人間は増えてほしいとは思っている。こういう事を言うのは酷なんだが、指揮能力が高い奴は大抵は俺の弟子でな。俺の考えが染み込んでる。トリオン能力や戦闘スタイルの都合上、全員が同じ方向性の考えを持っているわけじゃないんだが、自分で考えて動ける奴は少ないんだ……お前の弟はその辺は自力でどうにかしているが」
指導能力でなく指揮能力や戦術に関して出来る人間が1人でも増えてほしいと考えている東さん。
東さんの弟子じゃない人での事ならば尚更必要な人材だろうが……普通に困るな……。
「日中は何事もない様に過ごさないといけないから場合によっては動けない可能性が高い。何処にも所属していないなら何時でも動けるだろう?」
「まぁ…………そうですけど」
「大丈夫だ。基本的には考えて動ける隊長が揃っていてお前にかける負荷は少ない」
それならば尚更、私の存在は不要じゃないのか?
断れば確実にボーダーのトリガーを使って戦えと言ってくるし、どうせ射撃戦になるのが目に見えている。
「まぁ、期待を裏切るのだけは言っておきますよ」
コレが後に主任になるきっかけとは思わなかった
ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)
-
てれびくん、ハイパーバトルDVD
-
予算振り分け大運動会
-
切り抜けろ、学期末テストと特別課題
-
劇団ボーダー
-
特に意味のなかった性転換
-
黄金の果実争奪杯