「あるの?」
「ああ、あるぞ」
修は貴虎に怪我を治すトリガーがないのかを聞いた。
その結果、返ってきた答えはある……貴虎は別に隠すことではないが何故そんな事を聞いてきたのか?と考えるのだが、直ぐ隣に遊真がいる。
自身の持っているトリガーはただ戦うだけの道具ではないのだと分かり、もしかしてで聞いたのだと深く考えていない。この男、身内に対してはとことん甘いのである。
「あらゆる傷病、毒なんかも治す事が出来る……私も過去に何度か使用した事がある、効力は確かだろう」
何故に聞いてきたのか深く問い詰めるところだが、答えを知っているからと答えだけを教える。
傷を治す事が出来るトリガーを持っていた、貴虎はその事を知っていたのだと少しだけ場所を移してボーダー隊員達が飲食しているラウンジで遊真の肉体が死にかけの事を教えた。無論、他の人には聞かれないようにだ。
「空閑の傷を治したいんだ……そのトリガー、使えないかな」
「…………そうだな………話を聞いた感じと私の考え通りならば、傷は治るには治る。だが、修の認識している治ると私の認識している治るとは異なることは確かだが。私の認識している治るで治るだろう」
「……どういう意味?」
「仮に転んでしまって肘を怪我したとして、その怪我が治ると言われたらどういうイメージだ?」
「傷口が塞がるけど……もしかして……」
「ああ、そのもしかしてだ」
「2人だけで納得しないでほしいな、一応はおれの事なんだけど」
貴虎の発言から貴虎が認識している治ると自身の認識している治るは異なるのだと修は理解した。
遊真は意味が分かっていないので2人だけで理解せずに教えてくれと言ってくる。
「遊真の致命傷な傷は治せる……だが、それは傷口を塞ぐという意味合いで切断された腕や潰された目玉などをトカゲの尻尾の様に生やすという意味合いではない。修の認識している治るは遊真の肉体が五体満足になっているというイメージだが、私のイメージは傷は塞がったが損傷した部位はそのまま、そんな認識だ」
「むっ…………それは困るな……」
遊真は自分自身が受けた傷をハッキリと覚えている。
目玉やお腹が潰されたりしており、その傷を治す事が出来ても復活する事は出来ない。千佳と修の力になると決めたので邪魔になるのだけはいけない事だ。
「兄さん」
「なんだ?」
「……迅さんから聞いたんだ。空閑を治す手段があるって」
「……あのクソグラサンめ…………空閑を完全な意味で世に言う五体満足で治す方法はある」
迅から遊真を治す方法を貴虎が知っている事を教えられたことを伝えれば貴虎は軽く苛つく。
頼れるお兄ちゃんは私なんだと思いながらも答える。もっとも聞かれていなくても答えていたのだが。
「ただ、高確率で失敗する……遊真の肉体が治療の負荷に耐え切れずに死ぬ可能性が高い」
『兄殿、いったいなにをするつもりだ?』
「ガイアメモリを使う」
「それは分かってるよ。でも、なんのメモリを使うの?」
「……GとUのメモリを使う」
「ほぉほぉ……GとUってなに?」
「Gはジーン、Uはユニコーンだよ」
『何故その2つのメモリで治せるのだ?』
あまり言いたくない事だが聞かれた限りは答えるしかない。
GのガイアメモリとUのガイアメモリ、この2つのガイアメモリを同時に使うことで遊真の体を治すことが出来る。しかしその過程で掛かる遊真の肉体への負荷で遊真が死ぬ可能性が物凄く高い。だから、貴虎はそれを嫌がっている。本当ならば教えるべきことではないのだが、万が一等を想定しておいて言っていた方がいいと若干だが楽天的だった。レプリカは何故その2つのメモリで治すことが出来るのか問い質す。
「レプリカはユニコーンを知っているか?」
『む……すまないが知らない』
「修は?」
「確か……頭に角が生えた馬だったよね……ユニコーンが怪我を治すのに関係しているの?」
「ああ、関係している。ユニコーンの角にはあらゆる傷病を治したり毒を解毒する力がある。ユニコーンメモリにはその力が秘められていて、私は昔、ヘマをやらかして治療するのが難しすぎるとある病気の原因のウイルスを除去して病気を治した」
ユニコーンの角は傷病を治す逸話が沢山残っている。ユニコーンだけでなく鹿やサイの角が薬の原材料になるなどと言われている。
Uのガイアメモリであるユニコーンのガイアメモリは攻撃に使えば一角獣の角のエネルギーを纏った拳で殴るのだが、病気や怪我を治療する割と万能なガイアメモリだ。
貴虎がどんな感じなんだろうと試しに仮面ライダークロニクルを起動した際にバグスターウイルスの抗体を宿していなかったのでバグスターウイルスに感染し、ゲーム病になった。ゲーム病を治す方法は感染したバグスターウイルスを倒す……エグゼイド本編後には専用の特効薬が生まれていたが、貴虎はその特効薬の作り方など知らない。バグスターウイルスを直接物理的に生物的に倒すしか治す方法は無いのだが……倒すと言う概念が無いバグスターウイルスに感染した為に倒すことが出来ず一か八かの賭けでユニコーンメモリで治した。
「それを使えば遊真の傷は治る……五体満足ではないがな」
『ではGがユーマの損傷した部位を治せると?……ジーンとはどういう意味だ?』
「遺伝子、という意味だ……ジーンメモリは遺伝子操作をする事が出来るメモリなんだが、このメモリは色々と凶悪なメモリで正直な話、私も扱いに困っている部分もある……このガイアメモリを応用すればその辺の人間を遺伝子組み換えで千佳ちゃんレベルのトリオン器官に改造することが出来る筈だ」
「………マジ?」
「トリオン器官が目に見えないだけでちゃんと遺伝子として存在している器官だった場合だがな。言っておくがコレだけは絶対に言うな、でなければボーダー隊員全員が黒トリガー並の出力でのアステロイドの雨が降り注ぐ」
トリオン器官を自由自在に弄くる事が可能と言われれば、それは誰しもが求める悪魔の道具だろう。
ただトリオン器官が成長しているな、そう認識する事が不可能なので出来ない。トリオンを測定する装置を使ってトリオン器官が成長している等を確認させつつ遺伝子を操作するのだが物凄く難しい事だ。トリオンは指紋の様に人によって異なる物で雨取千佳並のトリオン器官だが、雨取千佳と同じトリオンではない。その人のトリオン性質のままトリオン器官のみが雨取千佳並に発達すると割と高度な事が出来る。
「修の遺伝子を弄って男から女に、更に細かな遺伝子を弄くれば小南と同じ顔、血液、指紋等に作り変える事が出来る」
『……それは、人間が持っていい力なのか?』
「コレは人間の持っている力ではない、この地球と言う
明らかに人間が持っていい力の領分を越えているのだとレプリカは認識した。
少なくともコレは人間でなく地球という星が持っている力であり人間が持っている力とは領分が異なる。神の領域……と言いたいところだが、ガイアメモリの中にはギリシャの神様であるゼウスの力が宿っているガイアメモリもあるので神の領域すらも越えている。
『凄まじいものだな……』
「話がズレたから戻すぞ……ジーンのメモリを使って遊真の遺伝子を操作して欠損した臓器を蘇生させユニコーンのメモリで傷を治す……コレは同時にやらなければならない事だ。出来なくもない事だが、遊真の生身の肉体に負荷を与えなければならない。修は実際にメモリを使ったことがあるから分かると思うが、1つのメモリの力を引き出すマキシマムドライブで結構負荷がかかる。2つのメモリを同時に使うツインマキシマムドライブは使えば確実に気絶する」
「……兄さん、全部同時に使えるんじゃなかったっけ?」
「シンプルに私が異常だから出来る芸当だ、意識を失うレベルで肉体に負荷を掛けなければならない……遊真の生身の肉体を回復させるのにガイアメモリを使う以上は肉体そのものに何らかの負荷を与えなければならない、肉体に負荷をかけないと言う道は無い」
トリガーやスカルに変身してスカルマグナムかトリガーマグナムにユニコーン、マキシマムドライブのスロットにジーンのメモリを導入して回復する回復弾を撃つことが出来るには出来る。その場合は変身者に負荷は掛かるが治療される側の遊真に掛かる負荷は圧倒的に少ないが、生身の肉体の遺伝子構造を弄っての治療なのでかなりの負荷がかかり、死にかけの生身の肉体では耐えられないと貴虎のサイドエフェクトは言っている。
「迅が遊真が治っている未来が視えているらしいが限りなく低い可能性の筈だ、少なくとも私はオススメは出来ない。私のサイドエフェクトでは死ぬ未来が殆どだ」
『なんとかしてユーマの肉体に負荷を与えずに治すことは出来ないだろうか?』
「遊真の肉体への負荷0はそもそもで遊真の肉体へと干渉しないのと同意義だから諦めてくれ」
どうにかして遊真の肉体を治したいレプリカだが、遊真の肉体への負荷0は色々と不可能である。それこそ奇跡を願わなければならない。
修も遊真が死ぬ確率が圧倒的なまでに高い、しかし遊真が元の肉体に戻っている世界線が存在しているという事は可能性が0ではないと証明しているも同然であり貴虎自身がガイアメモリ等を熟知しているわけでもない。もしかすれば当人が知らない考えていない抜け道があるんじゃないかとは考える。
「……?……」
「どうしたの?」
「いや、テーブルの下になにかがあるなと」
他に聞きたいことなどはないのかを聞こうとする貴虎だが、ふと不思議な電磁波がテーブルの下から見えた。
何事だと思えばテーブルの下に1枚の紙が落ちていた。この席に座った際にはこんな物は無かった、それなのに何故か落ちてあった。
その辺に落ちている紙とは異なる電磁波を出しているので貴虎は紙を拾えば文字が書かれている事に気付く。
「シャシャミョフェンウミョシュエシェフシュイジエブリョメジョエファンフィ。オジョボリャデェエジェショボリャカデョデュンシュイガウ。ミャジュジャミャシェメフェロエボリャフォエミャファファンバリャウ。コジョデェジョジェロシェメファデュションジョカメジジョファデェムフェンブリョガ。ゴシュダシュロロジョデュデョ………………」
「…………何処の国の言語?」
文字を読み上げる貴虎。
遊真は聞いても全くと言ってピンと来ていないのだが貴虎は差出人に心当たりがある。それは自身をワールドトリガーの世界に転生させた存在である。手紙の文字をゆっくりと頭の中で翻訳していき、貴虎はふと後ろを振り向いた。後ろには壁があり壁の上には植物が生えているのだが……その中にヘルヘイムの果実が1つだけ実っていた。貴虎は直ぐに戦極ドライバーを取り出し、ヘルヘイムの果実をもぎ取った。すると果実の部分以外の草が消滅し……手に取ったヘルヘイムの果実はドングリロックシードに成り代わった。
「……なにがどうあってドングリか……まぁ、いい…………」
貴虎はドングリロックシードをポケットに入れた。戦極ドライバーを外した。
突如のことだったのであまり理解する事が出来なかったのだが、貴虎の事だから兄だからなにが出てもおかしくはないと聞くのを躊躇った。
「とにかくランク戦を頑張れ……因みにだが、私は千佳ちゃんを利用した
説明しよう!互乗起爆札とは雨取千佳のぶっ壊れたトリオン能力で威力に極振りしたメテオラを設置する作戦である!
威力に極振りしたメテオラの爆発範囲を事前に把握しておき、その爆発範囲のギリギリのところにまた威力極振りのメテオラを設置する、そうすることで爆発の衝撃で新たに爆発する爆発の連鎖が起きる!それを何度も何度も繰り返して自身の罠やワイヤー陣が設置されているところ以外の地形を滅ぼすと言うランク戦でしかやっちゃいけない卑劣な戦術である!!雨取千佳が人を撃たずに敵を倒す方法はないのか等を貴虎なりに考えた作戦の1つなのだが、初期段階では威力に極振りしたメテオラをそこかしこに設置して、多分反応することが出来ない千佳の最速のライトニングで撃ち抜いて爆発させる作戦だったが、修の蟻地獄を見て蟻地獄以外を全て滅ぼすと言う卑劣な発想を生み出したのである。
※
「全員揃ったな、これより作戦会議をはじめる」
ここは何処かと聞かれれば近界民と地球の間を繋ぐ次元の狭間的なところにあるガロプラの遠征艇だ。
この遠征艇の今回の船長もとい隊長であるガトリンが今回の遠征に来たメンツが全員揃ったのだと確認が取れたので会議をはじめる。
ガトリンはアフトクラトルから
「上からの情報だが……コイツを特に用心しろと言われている」
「コレは……玄界の果実?」
上からの情報を教える中で、仮面ライダー斬月 スイカアームズが映し出される。
ウェン・ソーがこの世界独特の果実なのかと気にするが違うのだと映し出されたスイカアームズは映像に切り替わり動き出す。
「
「いや……トリオン体でなくトリオンで出来た鎧を身に纏っている」
「はぁ!?トリオン体じゃないって何時の時代の戦いッスか?」
用心しろと言われているので黒トリガーだと連想するコスケロ。
ガトリンはトリオン体にすらなっていない、トリオンで出来た鎧を身に纏っている事を伝えればレギンデッツは声を上げる。トリオンで出来た肉体で戦うのが当たり前なのに、トリオンで出来た鎧を身に纏っている。ホントにトリガーが生まれて間もない時代の産物かよと呆れている。
「何処が要注意人物なんですか?」
ヨミがどの辺が要注意人物なのかをガトリンに聞いたがガトリンは数秒だけ無言になって返事をする。
「詳しい詳細は知らない……単独で角付のトリガー使いを倒す事が出来るレベルだと聞いている」
「胡散臭いですね」
「だが、アフトクラトルがなにも無いのにコイツを要注意人物だと言うわけがない……なにかはあるのだろう」
「角付の野郎、なんか隠してるんじゃねえのか?」
どの辺が要注意なのか、そのことに関して聞かされていない。
アフトクラトルからは角付のトリガー使いを単独で倒す事が出来るレベルのトリガー使いだと聞いていることを伝えればラタリコフは疑う。しかしまぁ、なにもないならばこんな事を言ってこない。なにかがあるのだけは確実だが、そのなにかが分かっていない。レギンデッツがアフトクラトル側が分かっているのに開示していない情報があるんじゃないかと考える。
「なにかがあると想定して対応策はあるのですか?」
「アフトクラトルが果実専用のトリオン兵を開発した……1体だけだが」
ヨミは対応策についてガトリンに聞けばモニターに1つの点が映る。
「1体だけ……単独でアフトクラトルの強化トリガー使いを撃墜出来るのにたった1体だけで充分なのですか?最低でもラービットクラスでなければ」
「だからこそ1体だけに注ぎ込んだ、果実男を倒すのでなく足止めする為のトリオン兵だ……あまりにも偏った性能をしているらしく、ギリギリまで追い詰められない限りは使うなと言われている」
「……果実男対策のトリオン兵なのにギリギリまで追い詰められない限りは使うなって……」
果実男を危険視している。今回の任務は撃墜でなく足止めでありアフトクラトル的にはこちらの目がガロプラに向いてくれるようにしてる。
果実男を対策しての専用のトリオン兵を作り上げたとも言っているのにそれはギリギリまで追い詰められない限りは使うな……色々と矛盾していたりおかしかったりする。
「いきなりの導入はダメなんですか?」
コスケロはそれの導入のタイミングを最初から出来ないのかを聞く。
「本当に果実男を対策して作り上げた専用の偏った性能のトリオン兵だった場合、他の玄界の兵が連携を取って撃墜される可能性がある。果実男が出てきて向こうが大胆な防衛から攻めに転じてきた時、その時に奴を足止めしておけばいい……俺達の目的は特定の敵の撃墜ではなく、玄界の足止めだ」
なにか裏があるのだと感じているが、万が一には使えと言われているアフトクラトル側から唯一渡されたトリオン兵だ。
使わずに任務を失敗したとは言えない。何処かのタイミングで使っておく。向こうは万が一事が起きたら使えと言うのだから、その時に使えばいい。
「果実男専用のトリオン兵……」
ラタリコフは与えられたトリオン兵がなんなのかを考えるが直ぐにやめる。
果実男、仮面ライダー斬月の情報があまりにも少なすぎる。アフトクラトル側が情報制限をしておりガロプラに伝えてない事はそこそこあるのだろうが、あまりにも情報が少なすぎる。戦っている映像の1つでもあれば作戦を考える事が出来るのだが戦っている映像が無い。
結論から言って……ハイレインは読んでいる。ガロプラは小国だが優秀な兵士が多い。こちらの世界を足止めしろと言われた場合、自分達に恨みや怒りを買われろと言っているのだと理解するのだと理解している。その上でガロプラの遠征部隊はアフトクラトル側が納得する事が出来る事をしてくれる……が、が、が……ハイレインという男は万が一を想定しておくタイプである。
対果実男もとい仮面ライダー斬月専用のトリオン兵と言うのは嘘である……ハイレインがこちらの世界にガロプラを憎んでもらえるように入れた内側からの刺客であった。
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