メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第117話

 

「いったいなにがあったんだ?」

 

 緊急脱出機能で遠征艇に帰還したガトリンは口を開いた。

 ボーダーの遠征艇を破壊しに来たのにも関わらず気付けばトリオン体が破壊されていた。あまりの出来事にオペレートしていたヨミに聞くのだがヨミは首を横に振った。

 

「分かりません」

 

 ガトリンとラタリコフは確かにあの時、遠征艇の前にまで辿り着いていた。

 だが、そこから先は分からない。なにがあったのかと言われても分からなかった。時間を止めてその間に攻撃をしているのだと誰が予測できる。時間が止まった世界で誰が戦う事が出来る。時の概念に干渉する事が出来ない限りクロノスを倒す方法はこの世界には無いに等しい。

 

「任務失敗か……」

 

 色付きで尚且つリモコン操作が可能なラービットが送られている。しかしそれを貴虎はカブトアームズのクロックアップで瞬殺した。

 ガトリンは自分達がなんとかして遠征艇にまで向かい遠征艇を破壊するという作戦を企てていたが、真っ先に自分が落ちるのだとは思いもしなかった。

 

「くそ……聞いてねえぞ!」

 

 一方、ボーダー基地付近でトリオン兵を送り込んで戦っているレギンデッツは焦っていた。

 要注意人物だと釘を刺されたメロン対策にとアフトクラトル側が色付きのリモコン操作が可能なラービットを数体渡してきた。仮に撃退は無理でも足止めぐらいは出来るのだろうと思っていたのだが結果は惨敗、リモコン操作でトリオン兵を動かし銃撃戦を妨害しようとしたが貴虎の前に阻まれてしまう。別にそれ自体は問題無い……1番の目的である遠征艇に辿り着きはしたが破壊する事が出来なかった。要注意人物が前線に出ているのに更に危険な奴が居るだなんて一言も聞いていない。

 

「…………そうだ…………アフトクラトルから果実男用に1体使えって言われてたのあっただろう!そいつを使え!」

 

『もう隊長達がやられたし遠征艇狙いが完全に割れてるよ?撤退したほうが』

 

「なんの成果も上げることが出来ねえ方が問題だろう!」

 

 ここでレギンデッツは思い出す。今回の遠征の際に本当にどうしようもないと思った時に使えと言われている。

 足止めをするために使えと言われておりプログラミング等もアフトクラトル側が調整を施していており上から果実男の足止めの際に使えと言われている。

 

「もうここまでやられてんだ!出すしかねえだろ!」

 

『……分かった』

 

 ヨミはガトリンに確認を取った後、そのトリオン兵を送り込んだ。

 

「ちょ……なんだよアレ!!」

 

 専用のトリオン兵が送り込まれてきたのだが……諏訪が叫んだ。

 他の皆も叫びたいがそんな中で叫んだのは諏訪だったが叫ぶのにも納得するぐらいの大きさのトリオン兵が出現した。具体的に言えばボーダーの基地と同じぐらいの高さのトリオン兵だ。

 

「コレか!!」

 

 貴虎はそれを見て気付く。

 予想外の出来事が起きるという自分のサイドエフェクトがなにを示していたのかを。このボーダーの基地と同じぐらいの高さを持つバカでかいトリオン兵が今回の予想外の出来事だと。

 

『兄殿、落ち着くのだ。アレほどまでに巨漢なトリオン兵は早々に見ない。動かすだけでもかなりのトリオンを使うただの見てくれだけのハリボテだ』

 

 慌てている貴虎にレプリカが心配は無いのだと言う。

 アレだけバカでかいのならばそれ相応のコストが掛かる。見てくれだけのハリボテの可能性が高いとレプリカは認識するが貴虎の目には別のものが映っていた。

 

「いや……違う……あのトリオン兵、アフトクラトルが送り込んできたんだ!」

 

「三雲、どういうことだ?」

 

「俺の占いでは今回の一件は不本意な命令に従っていると出ている、だからアフトクラトルが望んで尚且つ自国に睨まれない様にする。その結果が遠征艇の破壊だ……だが、だがあのトリオン兵は南に向かって真っ直ぐに歩くだけのトリオン兵だ!アフトクラトル側が騒動を大きくする為に純粋にデカくて頑丈以外はなんの機能も搭載していない南に向かうだけのトリオン兵を用意していた!」

 

 原作知識からしてあの様なトリオン兵は一切出てこない。

 南に向かってゆっくりとだが歩いており、貴虎のサイドエフェクトで装甲だけは頑丈、ラービット以上と防御に能力値を割り振っている。そんなトリオン兵を見てアフトクラトル側が読んでいた。ガロプラは自国が狙われないように穏便に事を済ませるように企んでいるがそれが失敗する可能性が大きい。勿論0とは言わないがかなりの確率で負ける。主な原因としてメロンが驚異的な強さを宿しているのと何故か動きを先読みされているという事だ。動きが先読みされているのは迅のサイドエフェクトのおかげであり今回も活躍したのだが……アフトクラトルはさらなる1手、ガロプラに恨みを買うように仕向けるように市街地に向かってただただ真っ直ぐと歩くだけのトリオン兵を用意した。

 

「アステロイド+アステロイド………ギムレット」

 

 そんなバカでかいトリオン兵の元に向かったのは二宮だった。

 最も威力が高いギムレットを用いて巨大なトリオン兵を撃つのだが……装甲は崩れなかった。

 

「アレだけデカい的だ!数撃ちゃ落ちる……いや、それよりも玉狛の大砲は!」

 

「撃ってもいいですけどそれやれば最後、この騒動がバレますよ!」

 

 相手は頑丈だが遅い。そしてデカい。

 核となる部分は奥に潜んでいるがアレだけデカい的ならばかえって当てやすいのだと諏訪はショットガンを向けるが直ぐに千佳の存在を思い出す。玉狛の大砲ならば二宮のギムレット以上の威力を持っており撃ち抜く事が出来るのだと名案を浮かべたように言うが今回の一件は秘匿にしておかなければならない。千佳の大砲はあまりにも目立ちすぎる。ボーダーの基地と同じぐらいの高さを持っているトリオン兵の時点で騒ぎは大きくなっているのでそこで千佳のアイビスとくれば今回の一件を極秘裏に処理する事は出来ない。

 

『メロンくん、諏訪さんを使って鬼を出すことが出来る?』

 

 八方塞がりの中、迅から連絡が来た。

 

「この状況を打破する方法があるのか?」

 

『メロンくんが諏訪さんを赤い鬼に変える。そしたら列車が現れてあの巨大なトリオン兵を撃墜してくれる……時間が無い、急いでくれ!』

 

「諏訪さんを赤い鬼って……コレか?」

 

 諏訪を赤色の鬼に変えれば列車がやってくる。

 それがなにを意味するのかよく分からないのだが貴虎はディケイドの持つライダーカードの中の電王のファイナルフォームライドのカードを手にしてカッティングブレードを切り落とせばファイナルフォームライドのカードが消えた。

 

「諏訪さん、ちょっとくすぐったいぞ」

 

「え、おい……ぬぃああああああ!?」

 

「諏訪さん!?」

 

「大丈夫だ、緊急脱出しただけだ」

 

 諏訪の背中に手を突っ込んで開けばグルングルンと諏訪のトリオン体が変化して諏訪が星になって飛んでいった。

 緊急脱出機能を用いてボーダーの基地に帰ってきたのだが今はそこじゃないと笹森に言い……諏訪をファイナルフォームライドで変化させたモモタロスを見つめる。

 

「オレ、参上!」

 

「呼び出しておいてなんだがアレをぶっ倒す方法は無いか?」

 

「あぁん?なんだあんなのに苦戦してんのか…………ちょっと体借りるぞ」

 

 モモタロスがそう言うと赤色の球になり貴虎の中に入った。

 

「オレ、さんじょ…………なんじゃこりゃあああ!!」

 

「どうやら俺の場合、こうなるみたいだ」

 

 もう一度決め台詞を言おうとする貴虎に憑依したモモタロス。

 しかし決め台詞を言う前に貴虎の手元にモモタロスを模した剣、モモタケンになった。

 

「お前とこの状況から大体わかった……いけるか?」

 

「おいおい、誰にものを言ってんだ……オレは最初から最後までクライマックスなんだよ!!」

 

 モモタケンになっているモモタロスに行けるかどうかの確認を取ればモモタロスは笑う。

 するとボーダーの基地の上空に黒い門が開き、時の列車、デンライナーが走ってきた……いや、デンライナーだけではない。

 レッドレッシャー、ブルーレッシャー、イエローレッシャー、ピンクレッシャー、グリーンレッシャー、キョウリュウジャーレッシャーが走ってきた。

 

「行くぞ、小僧!」

 

「小僧じゃない、貴虎だ!」

 

 貴虎はサクラハリケーンを出現させた。

 電王のライダークレストが出現したかと思えばサクラハリケーンはマシンデンバードに変形し貴虎は近付いてくるデンライナーにマシンデンバードごと搭乗、それと同時に全ての列車が動き出し……巨大なトリオン兵と共に姿を消した。

 

「姿が消えた……いや、地鳴りは響いている」

 

「二宮さん、三雲さんが戦ってるんで……あんなの隠し持ってたのか!スゲえ!」

 

「二宮さん、あのトリオン兵の相手は列車に任せましょう!」

 

「…………お前等、なにを言っているんだ?」

 

「「え?」」

 

 急に姿を晦ました巨大なトリオン兵と列車達。

 佐鳥と笹森があのトリオン兵の相手は列車達に任せろと言っているのだが…………二宮はなにを言っているのか分からなかった。

 

「おい、あのトリオン兵が見えなくなったぞ!レーダーはどうなっておる!」

 

「鬼怒田さん、なにを言ってるのですか?列車が合体してロボットになって戦っているじゃないですか」

 

「お前こそなにを言っとるんだ!?なにも見えんぞ!!」

 

 一方の管制室では巨大なトリオン兵が見えなくなった事を騒ぐ……のだが、鬼怒田が見えないと言っているのだが忍田本部長は見えていた。7つの列車が合体してトッキュウオーキョウリュウジンフューチャリングデンライナーになっているのを。

 

「二宮くん、もしかして見えてないの?あそこにデカい列車が合体したロボットとトリオン兵が戦ってるじゃない」

 

「加古さん……私も見えないんですけど」

 

「木虎ちゃん、見えないの!?あんなにデカいのが戦ってるじゃん!!」

 

 デカいロボットが戦っていると言われているのだが……一部のボーダー隊員は見えていなかった。

 三輪、二宮、木虎、奈良坂は見えていない。管制室にいる城戸、鬼怒田、根付も見えていない。逆に加古や緑川、玉狛第一や茜は見えている。管制室にいる忍田本部長も見えている。

 

「あそこで兄さんが戦ってるんだけど……見えないのか?」

 

「……………見えないわ。どういう迷彩をしたの!?」

 

『全く、大人になる内に純粋さを失っちゃってますね!!』

 

「誰だ!?」

 

『おい、前が見えないだろう!』

 

『このレインボーラインの列車はイマジネーションが強い人間にしか見えないのですよ!』

 

 ちびレプリカを経由して突如として聞こえた山口勝平ボイス。

 何者だと修は聞けば答えは返ってこなかったが代わりに返ってきたのは列車が見えない原因だった。

 

「イマジネーション……どういうこと?」

 

『要するに見えない奴等は心が純粋じゃなくて穢れてるってことですよ!』

 

「っぷ……………確かにそれじゃあ二宮くんは見れないわね」

 

 イマジネーションが足りない人間は見れない。そういう意味かと言えば心が純粋じゃなくて穢れているという証拠だ。

 ちびレプリカから聞こえる声の主が心が純粋じゃなくて穢れていると言えば加古は少しだけ吹いた後に納得した。二宮にはイマジネーションが足りないのだと。

 

「全く、私はそっちを貰った住人じゃないんだぞ……終わらせる!」

 

 装甲が硬くて大きい以外は鈍足であり極々普通のトリオン兵だ。

 スーパー戦隊の力は貰ってないとぼやきながらもマシンデンバードを操作すれば線路がトッキュウオーキョウリュウジンフューチャリングデンライナーの足元に出現しデンライナーゴウカ以外のデンライナーとゼロライナーが出現した。

 

「フミキリケンブレイブ参上スラッシュ!!」

 

 4両のデンライナーとゼロライナーとトッキュウオーキョウリュウジンフューチャリングデンライナーが突撃した。

 頑丈なトリオン兵の装甲もコレで貫くことが出来た。イマジネーションが強い人間以外は見えないのでパパラッチに捕まる事は無い。

 

「なんだよ…………ふざけんなよ!!」

 

 アフトクラトルの命令を上手い具合に処理しようとした結果、とてつもない惨敗が待ち構えていた。

 もうすぐ終わりだと烏丸はガイストをレイジはフルアームズを起動しトリオン兵を一気に削っていく。頼みのアフトクラトル側が今回の為に用意したトリオン兵も蓋を開ければ自分達が被害を被る迷惑なトリオン兵だった。レギンデッツは走り出す。複数のトリオン兵を引き連れてだが誰も追いかけて来ない。

 

「クソっ……クソっ……」

 

 そこからは概ね原作通りだった。

 玉狛支部を脱走したヒュースが現れてアフトクラトルに連れて行けと言うのだがアフトクラトルから置いてかれた身だと伝えられる。

 陽太郎がヒュースにトリガーを返してもらい、レギンデッツはそれに敗れてしまい緊急脱出し……この防衛戦はボーダーの完封で終わった。

 

「全く……こんな隠し機能までついてるとは……流石はディケイドと言うべきか」

 

 諏訪をモモタロスに変化させデンライナーを呼び出した。

 ディケイドロックシードがトッキュウオーキョウリュウジンフューチャリングデンライナーを呼び出す機能を持っている事を初めて知ったのだとマシンデンバードに乗ってデンライナーを飛び出すと、デンライナーやレッドレッシャー等は門の中に消えていった。

 

「修、大丈夫か?」

 

「うん……」

 

「今回はオサムのお兄さんが全部持ってったな」

 

「馬鹿野郎、オレが持ってったんだよ」

 

「……喋る剣?」

 

 トリオン兵等を蹴散らし終えたので貴虎は修の元に向かった。

 修が無事かどうかの確認をするのだが今回の美味しいところは全て持っていかれたのだと遊真が三3三な顔をするのだがモモタケンのモモタロスが持っていたのは貴虎でなく自分だと言えば遊真は首を傾げるとモモタケンが勝手に動き出してモモタロスに変身した。

 

「ったく……意外と肩が凝るな。あの姿……オレ、再び参上!」

 

「……………兄さん、誰なの?」

 

「あ〜……………なんだろうな…………」

 

 モモタケンの姿が思ったよりも窮屈だったとパキパキと体を鳴らすモモタロス。

 モモタロスがなんなのかを修は貴虎に聞いたのだが貴虎はモモタロスがなんなのかと返事に悩む。

 トリオン兵と言うわけでもないしかといってロボットでもなんでもない。モモタロスがなんなのか分からない。

 

『兄殿のトリガーの隠し機能か……ならば研究室に連れて行くか?』

 

「あぁ!?誰が解剖されなきゃいけねえんだよ!オレぁ、注射なんて受けたくねえよ!!」

 

「つってもお前がなんなのか分からねえよ……」

 

「おい、小僧……お前の中に入らせてもらうぞ」

 

「え?」

 

 モモタロスは赤色の球になり修の中に入った。

 いきなり入ったので追い出すべきかと考えているのだがモモタロスは特に何かをしてくるわけではない。

 

「まぁ……修なら大丈夫か……疲れた……」

 

 修ならばモモタロスを制御することが出来る。

 貴虎はそう確信しておりなんとか無事に防衛する事が出来たのだと一息ついた




次回、とびっきりの最強vs最強、迅vs貴虎……に繋げれればいいなとは思ってる

ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)

  • てれびくん、ハイパーバトルDVD
  • 予算振り分け大運動会
  • 切り抜けろ、学期末テストと特別課題
  • 劇団ボーダー
  • 特に意味のなかった性転換
  • 黄金の果実争奪杯
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