メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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感想が作者のやる気を起こすのでお待ちしております


第123話

 

「タイブレークの末に勝負を制したのは迅隊員!5−7と三雲隊員のお兄さんは後一歩のところまで迅さんを追い詰めましたが惜しい!迅さんまで後一歩!その一歩が余りにも遠い!タイブレークの2本ですがどう見ますか?」

 

「そうですね……迅さんが兄さんの技を真似たりフィールドを活かしたりと印象的でしたね。特に6本目、試合開始と同時にスコーピオンを投げました。あのスコーピオンは恐らくですが意識を割くためのスコーピオンでしょう」

 

「意識を割くためですか?」

 

「兄さんならば当たるか当たらないかぐらい直ぐに見抜けます……ですのでその一瞬を利用して地面からエスクードを出して兄さんを飛ばす。そこから空中で回転している兄さんを攻撃しようとしていましたが攻撃が当たる前にタイムアウトで新たに交換して入れたグラスホッパーを自分に当てて無理矢理空中で体勢を立て直す、そして1本のスコーピオンで斬りに行きもう一本のスコーピオンで突きに行けば迅さんはそれが後ろから首を刈られるスコーピオンだと気付きシールドを首の後ろに展開して次の手を打つ前に兄さんのお腹を殴ってノックバックで意識を一瞬奪って……迅さんは分かりませんが兄さんは一手も隙を作らないように、特に迅さんを警戒していますね」

 

「7本目に関しては迅が上手くバトルフィールドを活かした感じだな。水をかけてカメレオンを封じた。スコーピオン投擲の後にグラスホッパーが迅の周りに展開されて乱反射(ピンボール)スコーピオンが起きかけたが三雲の奴はそれを捨てて迅との鍔迫り合いを取った。まだ見ていないですが迅との1本目は鍔迫り合いの末に迅が負けたらしくどうしてもそこに持っていきたかったみたいだったがそれを優先した……迅は押し切るんじゃなくて倒れないようにしたが三雲の奴はそれを読み切ってスコーピオンを交差させてくっつけてマンティスでブレードの長さを増やして迅に奇襲を仕掛けようとしたが迅がそれを読み切った。タイムアウトで新たに入れたグラスホッパーを触れさせて弾いた」

 

「一手一手が恐ろしいぐらいになっていますね……………あ、三雲隊員のお兄さんが出てきました」

 

「今から15分の休憩だ……修、すまないが駄菓子のラムネを買ってきてくれないか?私は今からトリガーの変更に行く」

 

「あ、うん、分かった」

 

「15分の休憩とのことです。観戦者の皆様、今の間に飲み物を用意したり色々と……ここで私達が居なかった1本目に関して解析しましょう」

 

 貴虎がブースから出てきたと思えば修にラムネを買ってくるように頼んだ。

 それと同時にトリガー構成を切り替える為にトリガー開発室に向かった。余っている15分間を無駄にしないようにと自分達が現れる前に行われていた1本目の解説をするのだが迅の重心移動を見抜いて倒したことが分からない。

 修が重心移動を利用して倒したことを他の隊員に伝えていたので直ぐに迅が倒れた原因が分かったが重心移動なんて普通は理解出来るのか?何百回と繰り返す地道な練習があってこそ出来る芸当では無いのかとなるのだがそれを成し遂げるのが貴虎クオリティである。

 

 ※

 

「このトリガー構成でいくのか……」

 

「なにか文句でも?」

 

「いや……迅を相手にそういう戦いをするのはあんまりオススメ出来ねえなと……あいつには予知があるからな」

 

「だからですよ」

 

 トリガーチップの交換に向かえば冬島さんがトリガー構成を見て少しだけアドバイスをくれる。

 迅の予知があるからと言ってくるが私から言わせればだからこそのこのトリガー構築だ。

 

「迅に1手1手高速で勝負を仕掛けた上で負けた……だったら次は持久戦、迅に自分が負ける無数の未来を視せて行動を制限させる」

 

「それが通じてたら今頃は……いや、とにかく勝ってこい」

 

 迅に予知の圧迫をして成功しているのならば今頃は迅は太刀川さんと1位の座を争って激闘を繰り広げていない。

 普通ならば無理かもしれないが私はなにがなんでもやってみせると再びブースに戻った。

 

『2セット目開始……1本目、試合開始』

 

「っ!?」

 

 迅との2セット目が開始された。試合開始と同時に私は回転式銃を抜いて迅に向かって撃った。

 弓場隊の弓場さんの様に射程は短く弾数を減らして威力と速度に……特に速度を重視した。1セット目で迅のシールドが割れているのを見てどれぐらいの威力があれば迅の小さなシールドを貫通させる事が出来るのかを見抜いた。

 

『タイムアウト!』

 

「……迅、分かってると思うがタイムアウトと言ってトリガーチップを交換したフリをするのは禁止だ」

 

『ちゃんとトリガーを増やすだけだから』

 

「そうか」

 

 よーいドンで迅のシールドを撃ち抜く通常弾(アステロイド)は用意している。

 エスクードがあるがエスクードは地面から生えるものでシールド以上に展開するのに時間がかかる……そうなるとグラスホッパーか。

 迅がトリガーチップを交換するタイムアウトを宣言したのでトリガーチップを交換し2本目が開始する

 

『1−0……2本目開始』

 

 試合開始の合図を告げると同時にクイックドロウを決める。

 コレは当たれば即死だと言っているが当たらないとも言っている。通常弾(アステロイド)を撃ったが迅はシールド……ではなくグラスホッパーをシールド代わりにした。グラスホッパーとトリガーの弾丸がぶつかった場合は相殺する、それを利用してきた。

 グラスホッパーを展開したがもう片方のトリガーが残っているのでなんだと思っていると背後にエスクードが出現するので退路を絶とうとしているのかと私はホルスターに拳銃を戻しながらエスクードが出ていないところに移動して逃げ去っていく。

 

「コレが効かないとなるとややこしいな」

 

 拳銃での通常弾がグラスホッパーで相殺される。

 他の人ならばグラスホッパーをシールド代わりにするのは不可能だろうが迅はサイドエフェクトでどの辺に通常弾が命中するのかが見えている。そこから逆算してグラスホッパーで相殺する……強化視覚や感情受信体質が無いのに随分と凄い芸を使う。

 だがまぁ、1本は取ることが出来ている……初見殺しや対応が出来なかったという言い訳は実戦では不可能だとトリオンキューブの炸裂弾を出現させて動かない置き弾を作りそこにスパイダーを突き刺す。色の比率を変えたスパイダーを炸裂弾に突き刺してく。

 

「今回はコレに挑まなきゃいけねえ……頼れる狙撃手はいねえぞ……」

 

 炸裂弾をセットしたワイヤー陣形を展開した後にバッグワームを起動した。

 シールドを空中で固定させたものを踏み台にして高速で移動し……再び炸裂弾のブービートラップが仕掛けられている場所を作りバッグワームを解除し……少しだけ移動しバッグワームセット。もう一度居た場所に戻ってバッグワームを解除し、更にもう一度バッグワームをセットしシールドを空中で固定させた踏み台で一番最初に作り上げたワイヤー陣の中に戻りライトニングを展開する。

 

「やっぱりな……あの野郎、バッグワームを捨てて来た」

 

 ビルの屋上に移動してこちらに向かってくる迅を見て呟く。

 迅のトリガー構成はメインとサブにスコーピオン、エスクード、シールド、メインにバッグワームだ。1セット目で迅はグラスホッパーを入れたが迅はグラスホッパー使いじゃない。急拵えのグラスホッパー……だが、弓場さんの真似をした高速の通常弾を防ぐにはグラスホッパーのシールドじゃないとダメだ。何処かの枠を潰さないといけないとバッグワームの枠を潰してメインもサブもスコーピオン、エスクード、シールド、グラスホッパーな相手に見つかるの前提……私を前に見つかる、いや、タイマンをするのだからと抜いてきたか。

 

「……………………」

 

 狙撃銃で迅を視たのだが目線があった。

 サイドエフェクトで自分が撃ち抜かれた未来から大凡の弾道を計算したので走っているルートを切り替えてこっちに向かってきている。狙撃が別の意味で効かないのは反則……と言える義理ではないのでバッグワームを解除すると同時に迅が仕掛けていたワイヤー陣形に設置したメテオラを撃ち抜いた。1個だけ塊の威力極ぶりのメテオラが置いてありそこが爆破すれば細かに置いてあるメテオラが連鎖的に爆発を巻き起こし土煙が舞う中で私は固定シールドを蹴って飛んでいき爆発があったところに向かえば固定シールドでガードをしている迅がいた。

 

「メロンくん……何処でこの技を。レイジさんの得意なブービートラップを」

 

「コレぐらいなら簡単に思い浮かぶ…………言っておくが私の銃の腕は野比のび太クラスだ」

 

 迅は固定シールドを消して地面からエスクードを生やそうとした。

 エスクードは迅の前と私の足元から出てくるが迅がシールドを消すのと同じタイミングで通常弾を撃ちエスクードが出現する前に迅を撃ち抜いた。

 

『2−0……3本目開始』

 

 3本目が開始すると同時にクイックドロウで通常弾を撃つがグラスホッパーで防がれる。

 それは読めていたのだと突撃銃の追尾弾の追尾機能をオフにしたものを出現させ……弓場さんの技術でニノさんの真似をし銃手1位を取った男と同じ技の真似をするが地面からエスクードが生えてきて妨害されたと思えば私の周りにグラスホッパーが大量に展開されるが私は気にしない。迅はグラスホッパーを使った戦闘は出来ない。出来るのならばグラスホッパーを最後の余っている枠に付けるのだから。私と違って付け焼き刃じゃない熟練の強さで迅は勝つつもりだ。ドーム状に包んでくるグラスホッパーはフェイクで何時でもグラスホッパーが消えても問題無い様にすれば迅がエスクードを足元から生やしてグラスホッパーに私をぶつけて強制的に弾ませて大きな隙を作り出し迅はスコーピオンで切り裂いた。

 

『2−1……4本目開始』

 

「オレの勝ちだメロンくん」

 

「それを言うのはまだ早いぞ」

 

 迅はこの勝負は貰ったのだと言うがまだまだ私の勝ち筋は残っている。

 一発じゃ無理ならば手数で攻めるのだと追尾機能を切った追尾弾を撃つのだがシールドで防がれる。

 こっちが近距離戦の武器を一切積んでいないのを見抜いているなと言いたいがシールドを踏み台にしてバックステップで後退していけば迅はエスクードで退路を防いで突撃してくるのだがそれを待っていたのだとスパイダーを出現させて迅に当ててくっつけた。

 

「っ!」

 

「もらいだ」

 

スパイダーのワイヤーに動きを一瞬だけ封じられた。

まずいと思ったが既にもう遅いのだと通常弾を迅に向かって撃てば迅は撃ち抜かれた。

 

 

 ※

 

「三雲隊員のお兄さん、スパイダーで相手を拘束した!」

 

「ああいう風に……」

 

「スパイダーは罠として使うものですが無理矢理当てるとは……当てて迅の動きを1手妨害した感じですね」

 

「1手を妨害すれば三雲隊員のお兄さんが勝てる、逆に1手を奪われなければ迅隊員が勝てる……この1手を如何に奪い合うか守り切るか……攻撃手なので近寄ればと思えば弓場隊の弓場隊員と同じ射程は短めだが威力が高い高速の弾丸に撃ち抜かれる……迅隊員はエスクードとグラスホッパーがありタイムアウト権をもう行使していますので変えられません」

 

「兄さんに近付く際にバッグワームを使わなかったのと大量のグラスホッパーが展開された事から迅さんはバッグワームを抜いてますね……そもそもで兄さんにバッグワームは通じないですし勝利条件が兄さんを倒すことですから……あ!」

 

「おーっと!迅さんがグラスホッパーを使って後退した!」

 

 5本目が開始されて迅がグラスホッパーを使い貴虎の通常弾を防ぐと同時にもう1つのグラスホッパーで貴虎と間合いを取った。

 近付かなければ貴虎を倒すことが出来ない状況下で間合いを開いた意味とはと実況者と解説者が色々と考察をしている間に貴虎は追尾弾の突撃銃の追尾機能をオンにして空から降り注ぐように追尾弾の雨を撃つのだが迅はスコーピオンを投擲すると同時に走り出すので貴虎はもう片方のメイントリガーに装備してあるシールドで防ぐと一瞬でスコーピオンが消え去った。第二の矢が飛んでくるのかと貴虎は通常弾の拳銃をホルスターから抜こうとするのだが迅が貴虎のホルスター付近のグラスホッパーを展開して貴虎の手を弾いて隙を作り出して迅は貴虎を斬り裂いた。

 

「妨害工作ばかりですね……」

 

「よーいドンでの勝負ならば三雲隊員の兄が勝ちます。ですので1手そこに何かを挟まないといけません。初手グラスホッパーで攻撃を封じると同時に間合いを開いて揺さぶりをかける……実に上手いですが…………何処まで見えているのか……」

 

 妨害工作を入れて1手を入れるという戦術をしてきている。

 よーいドンでの勝負で貴虎が絶対に勝つからこそこういう勝負になっている。タイマンのソロランク戦の都合上か片方が何処かの屋上に出て片方が何処かの民家の中に出るという事は無い。平等な位置に出る。

 常人どころか村上や生駒の様な10000ポイントを超えている実力者でもくらってしまう数々の攻撃を迅は予知1つでそれはもう見えてたから防いだよで潰しに来ている。だがそれでも貴虎が勝っているところを多々見るという事は迅が見逃したか処理しきれなかった感が大きい。

 

 

 

「同じことばかりで芸が無いと思われたら困るな」

 

試合開始のブザーが鳴り響くと同時にホルスターから通常弾の拳銃を取り出すと同時にシールドを踏み台にして飛んでいく。

迅のエスクードが届く範囲内から脱出してワイヤー陣形を作り出す。置いているだけの炸裂弾だから弾道処理はしなくてもいい。弾を散らす技術は今ここで学べばいいのだと弾を疎らにして炸裂弾を設置してワイヤー陣形を作り出して移動してバッグワームの妨害を入れてワイヤー陣形を作り出して移動してバッグワーム妨害を入れるを4回ほど繰り返してワイヤー陣の地雷地帯を作り出す。

今度はバッグワームを装備したままライトニングは撃たない……正確に言えばライトニングで迅は撃たない。バッグワームを解除し迅をスコープでなく肉眼で捉える。それと同時に迅は手元のレーダーとサイドエフェクトで何処に居るのかを割り当てる。

だがそれでも問題は無いのだと迅はこちらに向かうのだが地雷地帯に突撃した。

 

「これで決まりだ」

 

地雷地帯に入ったのならば私の勝ちだ。

迅が射線に入り回避されるのは分かっているが回避すればいい。ライトニングを撃てば迅は回避したが私が狙っていたのはブービートラップの糸だと糸に命中して糸が千切れて設置していた炸裂弾の罠が作動して爆発を起こして迅を飲み込み勝利した。

 

『4−2……7本目開始』

 

 最早恒例行事になっている試合開始と同時にホルスターから通常弾の弾丸を撃ち抜く動作。

 迅は完璧に見抜いてきた……かと思えば7本目は迅に通常弾が命中した。グラスホッパーは全く違うところに展開されたので読み逃したんだろう。

 

「そろそろ限界が来たんじゃないか?」

 

「太刀川さんと毎日激闘を繰り広げてたんだ……限界なんて来ないさ。それよりもメロンくんの方が限界なんじゃないの?」

 

「よく言う……頼みのサイドエフェクトでいい未来が視えないんだろう」

 

「大丈夫だ……勝ってる未来が1つでも視えたのからそこにまで持ってくだけだ」

 

『5−2……8本目開始』

 

 コレさえ極めれば私は1セットを奪うことが出来る。

 8本目が開始されればクイックドロウで引き抜いたが銃を撃ち抜くことはせずに左手から右手に投げて撃った。

 

「残念だったな迅……私は右でも左でも同じ精度を持つ」

 

 右手を使うと見せて左手を使う、左手を使うと見せて右手を使う……タイムアウトの権限を使わずにここまで隠し持っていて正解だ。

 それと迅に対して銃手での戦闘は思ったよりも効果が出なかったか……銃の当たる精度は私の腕ならば確実なんだが

 

「っ!………………キツいな……………」

 

 私にかかる負荷が予想以上に大きいな。

特別演習

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