柿崎がまずバッグワームを消した。ここに居るぞアピールをし、移動する。明らかに那須隊を避けてはいる。
純粋な撃ち合いになった場合、数の利ではどうにかなるところがあるが単騎での撃ち合いの場合は那須には勝てないと読んでいる。
まずは手堅く合流する、その考えは成功しており巴と合流を果たした……次に照屋との合流を目指して走り出す。
「見つけたわ……3人に固まられると厳しいから先に終わらせないと」
「っ……」
熊谷と合流を果たした那須と鉢合わせする。数の利では同じ、ただ……柿崎と巴は撃つことも斬ることも出来る。
『どうします?』
『那須と撃ち合いは危険だ、もうすぐ合流する事が出来る。だから間合いを詰めて那須を倒すフリをして時間を稼ぐ』
『分かりました』
この状況で危険なのは熊谷がフルガードで那須が変化弾を撃つのに集中することだ。
だから近距離戦をする揺さぶり、照屋との合流する時間を稼ぐ……柿崎は突撃銃の銃口を向けた。巴は拳銃の追尾弾を横向きに撃つ。
U字方の追尾をしており、それと同時に近付く……が、那須と熊谷は動かなかった。コレを見越したのか?ではなくメイントリガーとサブトリガーを含めたシールド、2✕2の4枚の固定シールドで身を包んだ。どういうことだ?となれば1つの狙撃が飛んでくる。そして爆発した
「っ!?」
気付けば柿崎と虎太郎は隊室に緊急脱出していた。
なにが起きたんだと直ぐに起き上がってオペレーターの宇井と自分達が居た場所に向かおうとしていた照屋に聞いた。
『
炸裂弾が爆発した……と言われてもピンと来ない。あの時に熊谷も那須もシールドを展開していて炸裂弾を出していなかった。
「いや〜デカいな」
「……三雲隊員、炸裂弾をバラまいていますね」
どういう事なのかを実況と解説が語る。
やってることは至ってシンプル、威力特化のメテオラを設置、熊谷と那須がコンビネーションをすると見せかけての日浦が貴虎が設置したメテオラを撃ち抜く、熊谷と那須は固定シールドのフルガードで爆撃から身を守る。
「メテオラを設置して日浦に撃たせる……シンプルだが強えな……」
「威力がおかしくないですか?」
「あいつ、トリオン能力二宮さん以上で威力に極振りしてるからな……コレ、意外とヤベえぞ」
「と、言いますと?」
「答えは直ぐに分かる」
柿崎と巴が倒れ、熊谷と那須は走り出す。彼女達に1番近い場所に居たのは三浦と若村の2人だ。
『那須隊の2人が来るわ。さっき爆発があったけれどポイントが2人に入ってない。置き弾の地雷があるわ』
「っ!」
爆撃音が聞こえたので何事かと思えば染井が冷静に分析をした。
置き弾の地雷がある、それを撃ち抜いて爆発させた……ただそれだけであり先ほど貴虎がフィールドを駆け抜けた。
トリオンに物を言わせて大量のメテオラを設置した。若村はどうすればいいんだと思考が止まっていると那須と熊谷に遭遇した。
那須の両手にはトリオンキューブ、既に分割されている。
「チャンスだ!」
ここまで見せてからのシールドは出来ない。那須はフルアタックに入ったと若村は判断し三浦に攻撃する様に言う。
三浦はカメレオンを使った。那須が使っているのは変化弾、追尾する機能は持っていない。視覚で捉える事が出来なければ問題は無い。若村は熊谷に向かって突撃銃の通常弾を撃つ。熊谷はシールドを展開した。若村はサブトリガーに入れているシールドを何時でも展開出来る様に意識を割いておくのだが直ぐになにかが飛んでくる!と反応しシールドを展開した。
「なっ!?」
若村が防いだのは那須が使った変化弾……ではなく、その辺に落ちている瓦礫の破片だった。
なんでそんな物を!?と困惑しているがそこで隙が生まれた。熊谷がシールドを展開しながら走ってくる。自分の通常弾ならばこのペースでいけば熊谷のシールドを破壊し熊谷を倒すことが出来る。そう思っていると熊谷がなにかを投げた。
同じ事は繰り返さない、アレはきっと自分にシールドを無理矢理使わせると思わせる攻撃だと思い受けることにすれば若村は爆発した。
「貰った!」
「それはどうかしら?」
「っ!?」
カメレオンで視界から消えていた三浦が那須の背後を取った。
弧月を振りかぶるのだが……那須の周りに弾幕が展開され、それに三浦の手が触れて弧月が落ちた。
「アレは鳥籠?」
実況席の綾辻がアレはリアルタイムで弾道処理が出来る那須の十八番、鳥籠か?と見る。
「それを応用した弾幕のシールドだな……最初に普通の瓦礫を投げて思考を奪い、2回目はもう同じ手は食わない、顔じゃないから無視しても問題無いと思わせてのその辺に落ちてる瓦礫の破片にくっつけたメテオラを投げる。即席の手榴弾だ」
米屋は弾幕のシールドだと見る。
その上で最初の行いを見る。人は顔面になにかが飛んでくるというのならば反応する。1回目でタネが割れたのならば問題は無いと慢心する。顔じゃなくてお腹に飛んでくるのならば問題は無いのだと受け入れてしまう。
「あ!熊谷隊員が三浦隊員を!」
「両手潰れた以上はそうなるわな」
両手が潰れて弧月が握れなくなった三浦を熊谷は斬った。
コレで那須隊に5ポイントが入った。弧月使いなので手が潰れたら自然と負けるので当然だとなる。
「三雲がメテオラを設置、日浦がそれを撃ち抜く。ターゲットが来るように那須と熊谷が撒き餌になる。2人と対峙させる。初手爆破で爆発を意識させる。熊谷に小さなメテオラをくっつけた石を投げさせる。その間に那須が変化弾をリアルタイムで弾道処理で確実に撃ち抜く……」
「今までも熊谷隊員が那須隊員のフォローをしていましたが……かなり変わりましたね」
那須が自由に戦えるように余計なのを排除したりとのイメージがあったが今回はベットリと那須についている。
今までも那須のフォローをしているが……今までとは違う。
「まぁ、ありかなしかで言えばありだな……上には鋼さんやイコさんが居る。熊谷も悪くねえが、2人に勝てるかって聞けば話は別だ。1日2日でパワーアップする事が出来ないなら既に強い那須を楽にすりゃいい」
「エースをより強くする、それは玉狛第二と同じ考えですね」
「いや、玉狛第二よりクソゲーだぞ?あそこは空閑さえ倒せれば終わりなんだから……熊谷も日浦もある程度の実力は持っている。那須は既に
クソゲーの質は那須隊の方が上。
伊達に兄弟じゃないのである。
「うへぇ……クソゲーだろ……メテオラの地雷原とか……」
「今回は狙撃手が日浦だけだから成立する……狙撃手が居る部隊には使えない」
ランク戦を見に来ていた出水はクソゲーだと思った。
リアルタイムで弾道処理出来る奴とそこそこ強い奴と鉢合わせしたらなんか爆発する。爆発しないと思ったら物が飛んでくる。その中に爆弾が混じっている。なんだったら近くに居るのを理由にメテオラを狙撃で爆発させて爆撃で飲み込むとか出来る。
クソゲー過ぎると見るが狙撃手が日浦しかいない。他に狙撃手が居るのならば狙撃銃で破壊すればいい。三輪はある程度の攻略法が浮かんだ。
「いや、あいつの視力からして狙撃銃向けたら逆探知出来るぞ?グラスホッパーで左右に動きながら突っ込んでくる」
……理不尽すぎね?と話を聞いてた奴等は思った。
ランク戦はまだまだ続く。諏訪と照屋が鉢合わせをする。諏訪は迷いなく散弾銃の通常弾のフルアタックをする。
『笹森くんが、後ろから近づいてくるわ!』
シールドを展開し防いでいると近くに笹森が居ると宇井から連絡が入る。
視界に入らない、確かカメレオンを搭載していた……視界に入らないのは分かっている。ただ頭にレーダーの内容が入ってきている。
幸いにも市街地なので壁はある。諏訪のフルアタックの通常弾をシールドで防ぎながら後退していき背後に壁がある所に辿り着いた。
「そう来ると思ってたぜ」
ニヤリと諏訪は笑みを浮かべた。
『っ、新しい反応!』
堤が照屋が壁にしている住居の上に立った。
諏訪がフルアタック、笹森がカメレオンで誘導、バッグワームで隠れていた堤が不意打ちをする……上を取られた!と照屋が気付いた時には遅く、照屋は撃ち抜かれた。
『……後は那須隊だけ……どうする?』
「……ま、1ポイントだけだからやるしかねえわな」
3人で上手い具合にハメてなんとか1ポイントをもぎ取った。
残りは那須隊だけ……何処に隠れているか分からない日浦は置いといて、基礎スペックが高すぎてクソな貴虎、リアルタイムで変化弾の弾道処理が出来る那須、笹森とやれる熊谷……
「っち、なにか浮かぶ前に近付いて来やがった!」
「諏訪さん、腹括りましょう」
1番相手にしたくない貴虎が近付いてきた。
このメンツで相手をしても負ける、混戦状態を生み出そうにも他はもう居ない。こうなった以上はやるしかないと堤が言う。
『新しい反応?』
「くっそ!嫌がらせしすぎだろ!!」
ここに来て日浦のトリオン反応が見つかる。
ここに居るぞと言っているのだが、ルート上で那須と熊谷と鉢合わせする。貴虎から逃げれば貴虎が仕掛けた地雷があるところに入ってしまう。狙撃手の日浦は一定の距離を保つ、那須と熊谷と貴虎は徐々に近付いてくる。
「やるか」
貴虎は突撃銃を構えた。
突撃銃は追尾弾……銃口はしっかりと諏訪に向けない。あえて外すことで何処に向けて撃とうとしているのかを見せない。諏訪と堤はシールドを展開する。笹森はカメレオンで消えた。
「日佐人!」
自分が貴虎の攻撃を受けている間に時間を稼いでいる間に貴虎の背後を取ってくれ!
諏訪はそんな思いを込めて叫び、笹森はそれを感じ取ったのか貴虎の背後を取ろうとしたが貴虎は銃口を後ろに向けた
「っ!?」
『戦闘体活動限界 緊急脱出』
どこから来るのか分かっていると言わんばかりにピンポイントで撃ち抜いた。
「堤!」
「!」
突撃銃の追尾弾を使った。銃口は自分に向いていない。諏訪は今しかチャンスがないと判断し堤と分かれた。
今しかチャンスが無いと思っていた……その時だった。諏訪と堤の体が飛んだ。
「「なっ!?グラスホッパー!?」」
急いで貴虎を十字砲火して倒さないといけない。その考えは間違いではないが足元に意識が無くなってしまった。
グラスホッパーで空中を舞う……それと同時に那須の変化炸裂弾が飛んできた。貴虎ごと巻き込み爆発を起こして諏訪と堤を倒した。
「し、試合終了!!」
| 諏訪隊 | 1 |
| 柿崎隊 | 0 |
| 香取隊 | 0 |
| 那須隊 | 8 |
「あ、圧倒的!那須隊が3つのチームを倒しました!獲得したポイントは8ポイント、生存点を含めれば10ポイントです!」
「…………」
「圧巻!まさに圧巻です!……さて、試合をおさらいしましょう……米屋くん……何処が注目かな?」
「そりゃやっぱ開幕ぶっぱだろ?」
試合が終了し那須隊の大量得点で終わった。
ここでこの試合の何処が良かった悪かったのかを確認しようとなり綾辻は米屋に意見を求める。
注目するべきポイントが何処かと聞かれればそれは勿論、試合開始早々の開幕ぶっぱである。
「アレはホントにクソ……練習を手伝って成功率を上げたけど実戦じゃ無理だろってなってたんだけどマジで当てやがったからな……アレに関しては究極の初見殺しだ……盤面の理解中に撃ち抜くとかマジで最悪だ」
「それをやりとげたのは流石と言うか……三雲隊員という最強の隊員を入れたおかげで那須隊のランクが」
「いや、それを言うのはまだ早いぜ」
貴虎が入ったことで那須隊が一瞬で理不尽な強さを手に入れたとなるが米屋はまだ早いという。
既に大分クソゲーを押し付けているように見えるのだが米屋はまだ早い、冷静に見ていた。
「あいつ、爆弾を仕掛けるだけ仕掛けておいて諏訪隊以外戦ってねえ。何処に居るのかあえて分からせて動きを封じて那須達を上手く動かす餌になった……迅さん相手に勝てるほど強え。ただ居るだけでそこを避けないといけないって……開幕ぶっぱで三雲の奴の危険のレベルを一気に上げた。三雲が危険だと感じてそもそもで戦わないっていう選択肢を無理矢理取らせた……まだ純粋に真正面から戦ってねえ。自分から点を取ろうと思えば取れるのに那須達に戦わせていたって印象がある」
貴虎は点を取りに行こうと思えば点を取りに行くことが出来たが那須達に点を取らせた。
やったことと言えば爆弾を仕掛けたことだが、那須がメテオラを仕掛けても問題は無かった。迅さんと戦った時は迅さんを倒すのが絶対の条件だからああなったのか?と考える。
見ていたC級達も確かにやっていたことと言えばレイガストのスラスターとグラスホッパーで高速移動し色々とメテオラを設置する、最後に突撃銃の追尾弾で笹森を撃ち抜いたのと開幕ぶっぱ以外は他の誰かがフォローしたおかげだ。
「では、他の部隊はどんな感じでしょうか?」
「まず、香取隊は……どんまいとしか言えねえ……開幕ぶっぱで香取が沈んで香取隊は一切活躍出来なかった」
「香取隊員が点を取りそれをサポートする部隊ですからね」
「柿崎隊は途中まではよかった……ザキさんがバッグワームで消えている虎太郎、照屋と合流してってところは良かったけど、ザキさんが途中で捕まった。三雲の奴がメテオラの爆弾を仕掛けていなかったら照屋と合流出来て戦えてた可能性がある……まぁ、カニカマの世界だ」
「たらればの世界ね……諏訪隊は?」
「相手が悪すぎた……照屋を落としたところまではよかったが、三雲の奴が圧をかけてきた。取れたのは1ポイントだけでポイント的に那須隊を全滅させなきゃ勝てねえ……いい感じの動きをしてたけど、三雲が余裕で上回った。今回は三雲がヤバいって思わせてからの那須隊を押し出した……三雲がヤバいって思えるが、三雲は今回は攻撃的じゃなかった。サポートに回った……次は攻撃を主体に来るだろうな」
なにせ本人から今回はサポートを主体にする戦闘スタイルにしていると聞いているからな。
次回は部隊をサポートするのでなく相手を倒すことを主体にしたスタイルを見ることが出来る。
※
「10ポイントか……」
「……那須隊が出来てから1番のポイントじゃないかしら?」
「2桁は初ですよ!!」
10ポイントを手に入れる事が出来た。
コレでB級上位に行くことが確定した……このまま私が抜けても問題無く上位に残留すると未来が占える。
熊谷が今までで1番のポイント、日浦が2桁ははじめてだと喜んでいる。
「冗談としか思えない作戦が成功するなんてね……」
俺の開幕ぶっぱ……練習している光景は見ているが冗談としか思えない。
成功する可能性は8割ぐらいだったが……まぁ、なんとかしたとしか言えない。
「私が玲をガードするだけに意識を割いたらこうなる…………」
「……自分でもっと点を取れればいいな、か?」
熊谷と那須を合流させて熊谷に点を取りに行かない、那須をフォローさせる事に特化した。
その結果は成功したのだが熊谷はコレは那須のフォローになっているが那須の負担が大きくなっている、どうにかしてフォローしないといけない。単独で点を取れるようになりたいと思っている。
「うん……多分、香取が倒れたからなんとかなったと思う」
「その認識は正しい、香取を倒せたのは運が良い」
今回のメンツで1番俺を倒すことが出来る可能性を秘めていたのは香取だ。三浦と若村が自爆特攻をしてきたのならば俺は負けている。最初に香取を倒すことが出来たのは非常に運が良い。転送位置に救われたと言える。
「この手は次は使えない……ただし、次は俺は前に出た戦闘をする。熊谷は那須のフォロー、那須は那須で点を取る、日浦は那須と俺のフォローだ」
「す、すすす、すみません……」
「志岐は那須達のフォロー、無理に私に返事はしなくていい。怖いなら怖いで構わない」
今回のランク戦、志岐に対してサポートを求めていない。
誰は何処に居るのか云々をただただ伝えていた、それを那須達に伝えた……。
「次は作戦を考えてみてくれ……こっちには基礎的な者は揃っているからな」
特別演習
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審査する側(上層部)
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審査する側(A級と)
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試験に参加する側